人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
エキドナ『テュポーンのヤツもやる気だよ。・・・でも、いいのかな』
【何がだい?】
『アタシ達、魔獣じゃん。人間やサーヴァント達の戦いには場違いっていうか・・・なんか、邪魔者っぽくない・・・?』
【何を今更・・・強靭な身体に似合わぬ繊細な心だな。素敵だが】
『はぁ!?』
【今じゃ、いいや・・・怪獣だって主役になれるというのに。そんなネガティブな事を言う嫁には・・・】
ナイア(あっ、これは何かを企んでいる時の・・・)
【しっかり知ってもらわなきゃな。プレシャスに種族なんて関係無いことを。──もしもし、プロテアちゃん?ちょっと怪獣の事で聞きたい事が。トレギア電話出るかなー。ダークゼットライザー作ってもらお】
『な、なにする気・・・?』
【御唱和下さい、君の名を。ってね】
「シドゥリ、通信は繋がっているな!フランス、ローマ、銀河警察、そしてZIPANGにだ!オープンチャンネルに繋げ!これより最終局面、ギルガメス宙域攻略作戦会議を行う!心せよ、者共!」
『準備万端、既に王の玉音は響き渡っております。皆の声も同じ様に。いつでも開始なさいませ、王よ』
ゴールド宙域、ヴィマーナ玉座にて御機嫌王、ゴージャスが声を張り上げる。長きに渡ったセイバーウォーズ、その大一番がやってきた。即ち決戦、今までの冒険の総決算が執り行われるギルガメスとの決戦の時。ゴージャスの前のモニターウィンドウにはそれぞれの勢力のトップ、エレシュキガル、ロムルス、マリーオルタ、イザナミ(×マスク着用)が待機している。文字通り、全宇宙の戦力を結集して挑むのだ。宇宙大帝・・・コスモギルガメスに。世間話や間を取り持つなどはせず、王は単刀直入に議題に切り込む。
「イザナミめのイタ電、くっ、くくっ・・・聡明な嫌がらせにより位置は割り出している!観測してみた所、ヤツはコスモジグラッドと呼ばれる旗艦の中心に、艦隊戦力を全集中しているようだ。直護とでも呼ぶべき枯れ葉の賑わいだが・・・我等はともかく貴様らには厄介であろう。数は力、戦争は数とも言うからな。エレシュキガル!解っているな!」
『(イタ電!?違います違います!ご心配でしたので連絡を取っていたのですよ!?)』
抗議の意志を示すイザナミを、画面の向こうでアマテラスがなだめる。素早くエレシュキガル署長は返す。準備はできていると。
『えぇ、任せて。銀河警察の全戦力、ギリシャ、ローマ、フランスの艦隊を結集させた大銀河連合艦隊で・・・ギルガメスに艦隊戦を仕掛けます。既にハデス神、ヘスティア神、ヒュプノス神は準備が整っているわ。いつでも大丈夫』
ギルガメスの戦力は脅威的な物量だ。それこそブロンズ、シルバー、ゴールドの戦力を掛け合わせねばならない程に精強である。だが──その準備は既に整っている。エレシュキガルが艦隊戦を担当し、銀河警察の総力を注ぎ込んだ戦闘を仕掛けると言うのだ。それでも相手はギルガメス。苦戦は免れないであろうが・・・
【なら私・・・いや、私達家族は艦隊戦に参加しよう。テュポーンさん、エキドナも非常にやる気だからね。父、夫としては遣り甲斐に満ちていると言うものだ】
其処の助力に、ニャルが名乗りを上げる。そこに更に邪神、魔獣夫婦が参戦するというのならば勝率はぐっと上がるだろう。温泉に入りながらの、嬉しい提案である。
『サーヴァントや人間ってさ、アイディアや可能性がすごい代わりに弱いんでしょ?じゃ、護ってあげなきゃね。アタシらに任せときなって!ね、ナイア?』
「はい!親子の絆を結ぶためにも!私達はやります!」
【仮面ライダーの力は披露したから、次は光の戦士・・・の好敵手達の力を御借りしようかな。プロテアちゃんにオススメ怪獣聞いてメダル作ろ】
『・・・信じて大丈夫なのかしら?』
【娘に誓って、嘘は言わんよ。宇宙はそもそも、私が蠢く庭だからね】
【なら、私達フランスはゲートにて物資と艦隊をあちらに送り届けますわ。フランスの贅沢三昧の物資、全てお持ちになって?】
フランスが持つゲートは、艦隊であろうと転移を可能にする超巨大ワープ装置。ギルガメスが慢心している内に先手を打つ手筈、その戦法が取れる筈だ。地の理はこちらにある。露払いの準備は整った。
『ならば、
ロムルスが、グランドランサーの力を以て一直線に活路を貫き拓く。それに乗り、リリィを中心とするギルガメス討伐部隊がジグラッドへと突撃を行う手筈だ。殲滅戦、電撃戦、総力戦の三面作戦である。ギルガメスは恐らく、アルトリア顔のセイバーがいなければ慢心を捨てて排除にかかるかもしれない。セイバーウォーズ発足の理由を思えば、当然の采配である。
「・・・私が、ギルガメスを・・・」
「怖いかい?アルトリア」
「・・・いいえ。散っていったマーリンの為にも、苦しむ民達を救うためにも。私達がやらなくてはならないんです。やります!私が、ギルガメスを倒します!」
散って無いんだけどなぁ・・・そんな言葉をグッと堪える。嘘をつかないでください!と言われる事請け合いだからだ。やる気ならまぁ、嘘でもいいよねと黙っているマーリン。こういう所である。
「安心して。私達もフォローするから。善の女神として、天誅食らわせなきゃ気がすまないっていうか」
「フォローは任せてくださいっす。や、エレちゃんやラクシュミーさんのお陰なのか・・・すっげぇやれる気がするんすよ。今の俺」
イシュタル、マンドリカルドがギルガメス討伐のフォローに回る。女神として、そして陰キャ代表としての頼もしい布陣にリリィは心強さと共に頷く。
「なら僕らは破壊工作と脱出ルートの確保だね。よーし、暴れるぞー」
「すみません!このグリーンモンスターと一緒は嫌なんですけど!?」
ヒロインX、エルキドゥら他のメンバーはジグラッドの無力化、脱出ルートの確保を担当する。もしもの爆発オチを警戒し、ルーンや魔術による退路の確保は必須なのである。北欧組、後方支援組の面目躍如である。
「マリーやリッカちゃんに、何よりボクのシバにこの冒険を伝えるために・・・やろうレオナルド!絶対生きて帰るんだ!」
「やる気じゃないかロマニ!いいとも、後ろの事は気にしないでどんとやってくれたまえ!ね、キャプテン!」
「もう此処まで来て吐く弱音はねぇ!ヘラクレスとリッカに、イアソン様はすげーんだぜって自慢するためにもとことんやってやらぁ!!」
『(むぐむぐ、むぐむぐ)』
何か言いたげなイザナミに、ゴージャスは頷く。ZIPANGには、やってもらわなければならない事があるのだ。何よりも大事な事が。
「ZIPANG一同!──我等の戦勝の宴会の手筈を整えておけ!一週間は続く宴だ、生半可な準備では叶わぬぞ!よいな!!」
『・・・!!(こくこくこくこく)』
戦うのはどうでしょう、役に立てるかな・・・そう考えていたイザナミ達の顔を輝かせるゴージャスの粋な采配。感極まったイザナミはアマテラスと抱き合う。ちなみに喋らないのはシリアスがイザナ味によりアナヤするためである。
「ゴージャス、お前はどうすんだ?何処に参加すんだよ」
「フッ、我等は高見の見物よ。我は誰よりも我を知っている。追い詰められたならば、慌ててエアに手を伸ばすであろうからな。万が一の相殺係、というヤツよ」
──エヌマ・エリシュを感知した際、即座にエヌマ・エリシュにて相殺致します!皆様は安心して攻略に専念なさってください!これ以上、宇宙を切り裂かせはしません!
ギルガメッシュの役割、それはギルガメスの抑止。考えてみれば妥当なポジションである。だが、その表情には勝利の確信がある。ゴージャスが唯一持つ至宝が、絶対勝利を確約していると確信している為だ。
「よし!各自作戦を頭に叩き込め!総員の準備が整い次第、最後の決戦を行う!やり残しがある者は済ませ、歓楽をしたいのならば申請せよ!全て許す!!百に到達せんとする我等が叙事詩、宇宙編もいよいよ幕だ!言うまでも無いが我等は勝利する!ただの勝利ではない、完全無欠の勝利だ!一人も欠けることは赦さん。助け合い、支え合い、総員で未来を掴め!貴様らの奮闘、健闘、勝利に煌めく笑顔を我等の愉悦に捧げよ!!──解散!!」
ギルの激励と号令に湧き立つ、全宇宙より集いし綺羅星達。宇宙の未来と次のシーズンは、すぐそこまで来ている──
マンドリカルド「・・・・・・」
『包み』
「・・・後は俺次第、か。・・・イザナミさん、聞こえますか?」
『はいはい!なんでしょうかリカルデント君!』
「マンドリカルドっす。・・・これ、くれた人・・・」
『いますよ!温泉にいます!あ、でも、霊基はもうボロッボロなんで、乱暴はダメです!ダメですからね!』
「しないから、大丈夫っす。・・・話をしたいんで、案内、お願いできますか?」
『おまかせ下さい!いいですともー!』
ラクシュミー「マンドリカルド?」
エレシュキガル「ど、どうしたのだわ?」
マンドリカルド「──ツクヨミさんに祈願と・・・ちょっと覚悟・・・決めてきます」