人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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フランス宙域

ジークフリート「御祭り騒ぎにも関わらず、首脳会談を組むとは。我等が署長も動き回らずにはいられないようだな」

シグルド「書記として、存分に補助とサポートをしていこう。ジークフリート殿。我が愛、ワルキューレ達も尽力する」

サンソン「医療スタッフとして、私も搬入されます。皆様、どうぞよろしくお願いいたします」

デオン【不甲斐ない姿を見せてしまった。この汚名、剣で報いねば】

ジークフリート「皆、よろしく頼む」

ネロ「任せておけ!余が毎日ラジオ・パーソナリティーを勤めヤル気を補充してやろう!見所は毎日歌う!デイリーカラオケである!!」

カリギュラ『ウォオォオ!ネロォオォオォオォオ!!』

カエサル「経理は私の得意業である。口八丁にて交遊を広めていこうではないか」

ジークフリート(・・・歌が不安しかない・・・俺とスペース・イシュタル殿の良識でカバーできる個性なのだろうか・・・)


首脳御茶会会談

フランス、そしてローマ、銀河警察、ZIPANG。それぞれがグランドスターズの代表として立ち上がり宇宙の平穏を守護していく事を誓い合った者達。首脳達もまた、そうそうたる顔ぶれを見せる高貴なる者ばかりにて構成される。ZIPANGは今、異なる世界の勇者達への招待に尽力。ギリシャは万が一の粗相が無いようにと欠席。

 

まだまだ始まったばかりである宇宙の平穏を護る組織の設立。しかし志高きものたちが集まれば、御茶の一つも酌み交わすは必然であり・・・

 

~惑星フランス

 

マリー【ようこそおいでくださいましたわ、皆様。どうぞ御遠慮なくお召し上がりになって。フランス特製の、紅茶でございますのよ】

 

エレシュキガル「えぇ、慎んでいただくのだわ。あなたも正気を取り戻した様で本当に良かった、王妃」

 

ロムルス『憎しみとは愛。愛から生まれるまた真のローマ。それを歪めて発露したとて終わりが来るもまた真。我等では力になれなかったが、その激情を否定することは誰にも出来なかろう。気に病まずあるのだ』

 

マリー【優しい御言葉、ありがとうございますわ。・・・フランスの皆に見せてしまった情けない姿を挽回するためにも、心から頑張らせてもらうわね。物資が必要なら、なんでも言って?】

 

エレシュキガル「助かるわ・・・これで銀河警察名物、寿司詰め仮眠室からは脱却できそう。最低でも個室は一人一室にしたいものよね・・・まぁそういった施設のお話も込めて、有意義な時間にしましょうか」

 

ロムルス『うむ。ギルガメスの決起は宇宙に多大な混乱をもたらしたが、同時に澱みや歪みを炙り出すものとなった。真に悪ではない者であるが故に、もたらされた結果と言えよう。そしてその機に乗じた意志もまた、我等が対処を行わなければならぬ試練である』

 

マリー【ディオスクロイ、兄カストロの変質。エキドナ神の自我の獲得。そして私の変容・・・これらすべての事象は繋がっており、偶然ではない確かな意志が介入していると考えられます】

 

エレシュキガル「銀河警察のアーカイブの復旧待ちではあるけれど、ある程度の予想は付きそうよ。この蒼銀宇宙の成り立つ遥か前の宇宙、宙域にその鍵があると私は見ている。予想だから、合っているかは解らないけれど」

 

ロムルス『かつて人と神の在り方は異なっていた。神は世界そのものであり、人は神の庇護の内でのみ生きることを赦されていた。しかし人はやがて心に浪慢を秘め、大いなる一歩を踏み出すことを決めた。つまり、宇宙とは神。神とは宇宙であるのだ』

 

【それはつまり・・・遥か太古の、何らかの神がこの今の宇宙の在り方を崩そうとして、ギルガメスの争乱に便乗していたという事・・・なのかしら】

 

ローマ『確証は薄い。しかし、サーヴァントのみならず神すら、魔獣の女神にすら干渉をもたらす大いなる力の行使であるならば。それは神の御業と断定して相違あるまい』

 

エレシュキガル「・・・復讐の女神、とでも仮称しておこうかしら。とにかく次のシーズンに、私達の組織が引き継がれる事を念頭に考えましょう。一クール限りの防衛隊だなんて悲しすぎるもの。最低でも、彼等がまた来てくれる時までは存続しておきたいじゃない?」

 

【えぇ。でも不思議なものだわ。ギルガメスが行った行動を打ち破る大いなる力になったのが、別世界のギルガメッシュ様だなんて。素敵で不思議な廻り合い、とでも言うべきかしら】

 

『世に絶対は無い。王もまた道を譲り神もまた消え行く。彼等もまた、自らの宇宙へと帰り行くのだろう。別れの時はもうすぐである。・・・郷愁は捨てれぬな、真紅の署長』

 

「えぇ。正直私達だけでは本当にどうしようも無かった。私達が一つになってギルガメスに挑むなんて、あり得ないくらいに完膚無きまで敗北したものね」

 

【・・・・・・】

 

「でも、だからこそ私達は彼等の残していくものを受け継ぎ、未来へ繋げる義務があるわ。この宇宙に打ち立てられた白金の秩序を皆で護っていく。それこそが大切な事だと私は信じます。それこそが、私達が出来る恩返しだと信じて・・・手を取り合って、よりよい未来を作りましょう。その為の努力は惜しまないし、その為の助力はどんどん乞うつもりです。改めて、よろしくお願いいたします。神祖、そして王妃」

 

『勿論である。ローマは全てに通ずる。それは勿論、憎しみに囚われた女神にさえも伸ばされる槍がごとき腕となろう』

 

【一度は憎しみに呑まれることを良しとした私を、こんな素晴らしい立場で重用してくださる寛容さと慈悲に報います。一緒に頑張って参りましょう。御茶会はいつでもどこでも、お引き受けましてよ?】

 

「ふふ、ありがとう。では早速皆様の──」

 

『待て。──真面目なローマは此処で一区切りである。此処からは、優雅なるローマの一時がよい』

 

「え?え?真面目なローマ?優雅なるローマ・・・?」

 

【要するに、真面目な会議は終わりにして会話と御茶会を楽しみましょうという事ですのよきっと。そうでございましょう?神祖ロムルス?】

 

『然り。メリハリもまたローマ。いずれ来る大繁忙の時期と機会に備え、成すべき事態に備え鋭気を養う事も大いに重要なれば。フランス、銀河警察、ローマ。此処に集う者達の主題は御茶会に相違ないのだから』

 

エレシュキガル「あー、えっと、その・・・」

 

【肩の力を抜いて頑張りましょう、という事ですわきっと。あなたはとても頑張りやさんですけれど・・・頑張りすぎは効率も落ちてしまうのよ?お休みなさって?】

 

「そ、そうね!あぁそっか、御茶会も楽しみましょうと仰られたのね。そういう事なら、午後からの予定はオフにしようかしら。此処から惑星の視察と資料作成とか組織再編とか色々あったし・・・」

 

【うん、ちょっと働き過ぎだったものね銀河警察は。今聞いても凄くそう思いますもの。ねぇ神祖様?】

 

『うむ。雑務や執務も、分担し助け合う。それもまたローマ的な効率重視の手段であり、最適解に他ならぬ』

 

【ほら、神祖様もこう仰られておりますもの。今日くらいは全部忘れて楽しみましょう?ね?】

 

「えぇ、それでは・・・よろしくお願いいたします。これからも含めて、ね」

 

頑張り続けた署長に、訪れた一時。それこそは、平穏を取り戻したが故の何よりの成果と変化──

 




エレシュキガル「・・・それにしても・・・」

ロムルス『この茶、実にローマである。茶葉をローマに分け与えてもらえはせぬか』

マリー【えぇ、喜んで。フランス自慢の紅茶、気に入っていただけて嬉しいですわ。ふふ・・・フランス万歳、ね】

『うむ。郷土の愛もまたローマに通ずる!』

エレシュキガル(・・・私も何か言った方がいいかしら・・・銀河警察万歳・・・万歳!?)

(ただの社畜なのだわ・・・!?)

ロムルス『如何にした、署長』

【何かありまして?】

「い、いえ。なんでも無いわ、なんでも・・・」

(帰ったらとりあえず、掛け声を考えなきゃ・・・)

キャラの濃い首脳陣、更に増える仲間達に埋もれてしまわないかそれはそれで心配なエレシュキガルなのであった──

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