人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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お待たせしました、二本めの投稿です




「カルデアがまだ繋がらないみたいだから、今回は僕とアンがここで喋るね」

「敵として立ち塞がることになりますが・・・アン・ボニーとメアリー・リード。覚えてくださると嬉しいですわ」

「はぁあ・・・僕らもカルデアに行きたかったなぁ・・・」

「私たちに相性のいいアサシンの面子からして、私たちは碌な死に方出来ませんわね・・・」

「もう黒髭死んだら完結でいいんじゃないかな?皆もいいよね?」

「駄目ですよ、メアリー。あんなのがラスボスだなんて私たちが願い下げですわ」

「英雄王、初手で船ごと沈めてよ~・・・ダメ?」

「ダメです。悪役は悪役らしく、胸をすくような死に様を晒しましょう」

「ちぇっ。嫌な召喚になったなぁ・・・――」


女神なんだから!

「追っ手じゃないなんて紛らわしいのよあんたたち!てっきりアイツらの手先と思ったじゃない、ばか!」

 

 

ぷりぷりと怒る、ステンノと瓜二つな、女神と名乗る小さな少女

 

 

 

「そ、それはご容赦ください。こちらも閉じ込められるとは思わなくて・・・」

 

 

「ふん!反省しなさい!」

 

 

「態度のでかいガキンチョだねぇ。自分の立場わかってるかい?」

 

 

「はぁ?成長しきった女はお呼びじゃないんですけど?」

 

「よし、リッカ。こいつ持ち帰ろう、女神像の代わりによさそうだ」

 

 

「待ってくだせぇ姉御!・・・こほん」

 

 

咳払いをし、女神・・・エウリュアレに向き直る

 

 

「女神様、あなたは誰かから逃げるためにここにいたの?」

 

「?えぇ、そうよ。アステリオスの力で迷宮を作って、外界からの追っ手を阻んでいたの」

 

 

「誰から逃げていたの?」

 

「誰から・・・ソイツと同じよ」

 

「アタシかい?」

 

 

「同じなのは、『海賊』という点だけどね」

 

「女神様、その海賊はどんなやつですか?」

 

「どんなやつ・・・うぅん・・・」

 

顎にてを当て、考え込むエウリュアレ

 

 

(先輩、会話できています!女神と!)

 

(敬意の払い方はギルでマスターしてるもんね)

 

「・・・気持ち悪いやつよ」

 

「?」

「はい?」

 

 

「とにかく気持ち悪いやつなのソイツ。ギリシャを見渡しても、あんなに気持ち悪いヤツはいないくらい。アイツの前じゃスキュラだって自分を見直すくらいは」

 

「気持ち悪い・・・?先輩、強いでも、怖くないでもない、気持ち悪いとは・・・?」

 

 

「・・・幼女、フェチズム・・・なんとなーく心当たりはあるけど、いやまさか、英雄に限ってそんな。まぁソレは後。女神様、あなたはここにいたいですか?」

 

 

「いたいか、ですって?」

 

リッカの交渉は続く

 

「ここでひっそり、閉じこもっていたいですか?」

 

「そんなの・・・」

 

「狭いところ、好きですか?」

 

「きらいよ、きらい!でも仕方ないじゃない!私は無力な女神なの!微妙に強くはなってるけど基本よわいもの!アステリオスだって一人にできないし!」

 

(成る程・・・ここにいたのは、アステリオスの為だったのですね)

 

 

「じゃあ――結界を解いて、私たちと行きませんか?」

 

 

「――え?」

 

 

「プッ、そういうことかい!」

 

吹き出すドレイク。キョトンとするエウリュアレ

 

 

「私たちは船旅をしています。きっと二人をお守りしながら航海をすることができますよ。アステリオスと一緒に、海へと出てみませんか?」

 

「・・・アステリオスも、一緒に?」

 

「はい。・・・姉御、宜しいですか?」

 

「もちろん。可愛い女神にでっかい兄ちゃん。迷宮の宝にしちゃ上出来だ!歓迎するよ?」

 

「・・・酷いことしないでしょうね?」

 

「もちろん!」

 

「アステリオスにも」

 

「当然です!」

 

「・・・・・・そうね。ここにいるよりは・・・外で何かした方がいいかもしれないわ」

 

すっと背筋を伸ばし、見上げるエウリュアレ

 

「解ったわ。このエウリュアレ、あなたたちについていってあげる。あの気持ち悪い海賊よりは、貴方たちの方が万倍ましだしね」

 

 

「御宝ゲットですぜ姉御ォ!」

 

「でかしたリッカ!船で乾杯だよ!」

 

「はい!?ちょっと、ちゃんと敬意を払いなさいよ!女神なんだからね!め、が、み!」

 

 

「は、はい。すみません。マスターはちょっと、浮かれていて・・・」

 

 

「なんなのよ、もう!アステリオス!さっきから何をしてるの!アステリオスー!」

 

 

「そういえばギルも静かだね、何を――」

 

 

「えうりゅあれ!」

 

「うひゃあぁあ!」

 

ズイッ、と身を乗り出すアステリオスに、驚きしりもちをつくエウリュアレ

 

 

「いく、いく!そと、おれ、いく!おうさま、といく!」

 

興奮した様子で腕を振り回すアステリオス

 

「ひゃあぁ!あぶないわよ!落ち着きなさい!」

 

「う、ごめん」

 

「・・・どしたのあれ?」

 

「フッ、なぁに。幼児に、外の世界の魅力を語ってやったのだ。王の言葉でな」

 

 

――そうなのだ。さっきまで、じっくりとアステリオスと対話していた

 

迷宮にこもりきりで、外をみたことがないというアステリオス

 

・・・それはあまりにも勿体ない。今まで自分が感じてきたものを、彼にも知ってほしい

 

そんな感傷を、王の言葉を借りて話し、聞かせ、外の世界に一緒に行こうと諭していたのだ

 

王の弁舌はあまりに巧みで臨場感に溢れ、想像力をかきたてられるもので、聞いていくうちにアステリオスの目が輝いていき

 

 

「うん!おれ、いく!」

 

「フッ、決まりだな雷光よ!」

 

がっしりと握手し、意気投合を果たしたのだった

 

 

「方針は決まったようだな!では船に戻るぞ!甲板にて宴だ!」

 

「ちょっと、あんたアステリオスに何か変な事を吹き込んでないでしょうね!」

 

 

「・・・・・・アステリオス」

 

「うん!」

 

アステリオスがエウリュアレを掴み、肩にのせてあげる

 

「きゃぁあ!」

 

「いこ、う!いっ、しょに!」

 

「解った、解ったわ!もっとやさしく扱いなさい!女神なんだからー!」

 

ぽかぽかとアステリオスを叩くエウリュアレ。少しかがむアステリオス

 

 

「うぅ」

 

「早速部屋を手配しないとねぇ?総督様?」

 

 

「アステリオスはともかく。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方あるまい。自らの好き嫌いで冷遇するなど、裁定者の名折れよ」

 

――今の長い長い沈黙に、深い深い葛藤があったのは気のせいではないだろう。王とは不自由な生き物である

 

 

「当然よね。頭が高いわよ、金ぴか」

 

「わわわわわ抑えてください英雄王!」

 

「よい、アステリオスに免じて許す。・・・命拾いしたな。アステリオスに全霊で感謝しておけ」

 

「おう、さま!ありが、とう!」

 

 

「よい!雷光におぶ・・・、・・・・・・・・・・・・を手にいれた!戦果は上々だ!・・・の説得、見事であったぞマスター!」

 

「本当にねぇ!あんた外交官の才能があるんじゃないかい?デキる妹分ができて、アタシゃ嬉しいよ!」

 

「いやぁ、王様と一緒にいたら覚えられるよ?」

 

――新しい仲間が増えた。では、胸を張って凱旋しよう!

 

 

 

 

 

 

 

「でかっ!こわっ!え、連れてくんですかい!?」

 

「当たり前だろう!丁重に扱いな!用心棒だよ!」

 

 

「う・・・!よ、ろし、く!」

 

「そうだアステリオス!まずは挨拶!基本であるからな!やはり貴様は筋がいい!」

 

「うん・・・!」

 

「ちょっと!アステリオスは私のものよ!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・うむ。よし!!開拓者、帆を張れ!」

 

――最低限の相槌で流すことを落としどころににしたらしい。アステリオスの手前、罵倒を堪えているのが伝わってくる

 

「あいよ!・・・リッカ!号令かけな!」

 

「私!?」

 

「あんたが女神を手にいれたんだ、当然さね!少なくともソイツらよりは役に立ったさ!」

 

「姉御ひっでぇ!」

 

「やすめっつったじゃないですかー!」

 

「言い訳すんな!ケツを蹴っ飛ばされたくなけりゃ位置につきな!――ほら、リッカ!」

 

「先輩、お願いします!」

 

 

「よ、よぉし!―――じぇんいん!しゅっこ・・・あぁ噛んじゃった!」

 

 

「「「「「わっははははははははは!!!!」」」」」

 

 

「あんたたち、ぷふっ・・・!笑ってやるんじゃないよっ!あはははは!」

 

「姉御まで!ひどーい!」

 

 

「よーし!!じぇんいん出航だ!!また島を目指すよー!!」

 

 

「「「「アイアイマム!じぇんいん覚悟決めろよー!!」」」」

 

「やめてー!!」

 

 

騒がしくも楽しく、船は島を後にしたのであった

 

 

 

 

 

 

「聞こえるか、メドゥーサ」

 

――王が念話にて、カルデアのメドゥーサに語りかける

(・・・英雄王?)

 

「貴様に直接話している。そのまま聞け。貴様の姉を拾ったぞ」

 

(・・・――なんですって?)

 

「ヤツには伝えぬが貴様には伝えておく。・・・ヤツの傍にいつでも召喚できるよう準備しておけ」

 

(・・・何か、嫌な予感でもしましたか)

 

「本来なら神など顕れる筈もない。どれ程非力でもな。・・・――恐らく、ヤツこそが鍵だ」

 

――エウリュアレが、鍵?

 

 

「それが栄華へ続くものか、はたまた破滅に続くものかは知らぬがな。・・・我が命、理解したか?」

 

(・・・解りました。お任せを)

 

 

――また、王が遠きものを視たのだろうか

 

 

「ではな。――さて、死ぬほど気は進まぬが、アステリオスと女神めの個室を作るか・・・」

 

――では、こちらが担当するといたしましょう。王は御休みください

 

――一時間で、新たな部屋がふたつ増えましたとさ




「皆様お待たせいたしましたなwww皆大好き黒髭、聖杯捧げられたサーヴァントナンバーワンの黒髭がもうすぐ登場いたしますぞ!期待して待つでおじゃる待つでおじゃる!デュフフフwwオウフwデュフフフwww」


「・・・言動はペスト菌を抱えたドブネズミ以下ですけれど、レア度に見合わぬ力を持っているのは事実ですわ」

「皆のなかでも愛用してる物好きは一人くらいいるよね?僕らがロックを外しておくから、うっかり売り飛ばさないようにね」

「海賊繋がりとして、私たちも使っていただけると嬉しいですわ。ではではご機嫌よーう」

「え?台詞めんどくさいから出番カット?殺生ですぞ――!!それでは皆様!」

「今日は君達の夢に、遊びにいくゾ♪」

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