朕「そなたさぁ、ずっとぐるぐる回ってるが三半規管は大丈夫であるか?」
「す、すまない!・・・どうせ当たらぬが、挑まずして諦めるよりは・・・しかし、しかし・・・うぅむ・・・」
「ん~。そうさな・・・そら!」
「あっ!?」
「悩む場合は行動せよ。そら、案外いい結果が得られるやもだぞ?」
「・・・!」
『○』
「・・・!!」
朕「では、胸を張って行ってまいれ!」
「あ、ありがとう!礼を言う!」
~
あなたに、この花束を届けてほしい
君の贈り物として?
いいや。・・・全能に、名乗る名前は本来無い。あなたのものとしてお願いするよ
解った。私も彼女とは話をしてみたかった
それは何よりだ。素敵な時間となるだろう。それでは、どうかよろしくお願いする
解った。──君の想いは、届く筈だ
そう、願いたいな。
不幸中の幸いと言う言葉がある。どんな状況、不幸においても転じる幸いがあるという意味だ。いつだって、先人は真理を言葉として残しているものである。そしてそれは、幸運に満ちた中でほんのちょっぴり不幸な目に逢った楽園にも大いに当てはまった。
「さて、この眠り呆けた者共を運ぶとするか。たまには休暇として安眠させてやるもよかろう。そら、我も手伝ってやる。気張れよ副所長?」
「う、うむ。じゃあ私、ムニエル君ら男性職員から担ぐとするよ。女性職員、ましてや女性サーヴァントなんて触れたら後で何を言われるか恐ろしくて仕方ないからね・・・」
リッカを背負うギル、マシュを背に乗せるフォウ。エアは既に自身の霊核の傍に安置済であるが故の処置。自身から積極的に誰かを助ける王という奇跡を見れるのも楽園ならではである。フォウはプレシャスパワーで眠気を昇華したのだ。プレシャスに限界はない。
(マシュ・・・寝ている時は清楚なんだね。いつもは天然栽培でのびのび育ったなすびなのに・・・)
《世界を救い続けた龍と言えど、近くで見れば紛れもなく少女よな。ふはは、ある意味でレアな光景、目に焼き付けねばな》
「ムニエル君重い!?重いよ君ぃ!?いやそうか、皆トレーニングとか色々頑張ってるもんね・・・所長を初め、軍隊顔負けだもんね・・・」
そりゃあそうか、皆精鋭だもん・・・そう納得し、ムニエルと言えども丁重に扱うゴルドルフに王が補足する。
「その評価には貴様も入れぬか、たわけ。貴様とて、所長の目を射止めた唯一無二の副所長であろう」
「!?そ、そうありたいとは願っているけど・・・!それ言っちゃうの!?貴方が!?」
「誉めるべきを誉めて何が悪いと言うのだ。この楽園に関わる全てにただの一人も雑種はおらぬ。貴様は過少評価の気を改めるのだな。度の過ぎた卑下は嫌味に繋がるぞ?少なくとも、ここに限ればお前の健康管理は誰よりも優秀であったな」
ゴルドルフは与えられた生活リズムを、健康管理を完璧にこなした。神にすら、これ以上の安息と休息は不要と言うほどに。だからこそ、彼は眠らなかったのだ。万全の自己管理を、彼は体現したのである。だから、皆を助けられている。
「・・・レースの鬼教官が、実は褒めて伸ばすタイプの衝撃をいつも味わっているのだよ私は・・・」
「?何か言ったか?」
「な、なんでもない!王の機嫌を損ねたりするような事思ってないからね!そうだからね!?」
妙なヤツめ。そう笑いながら王は搬送しようとする。集合をかけた為、十人を越えるスタッフ達を一人ずつ運ぶのは一苦労だ。かといって雑種が如く無下に扱うのは財を護る王道が赦さず。さてどうしたものかと悩んでいると──
「む?・・・召喚の兆しか?」
『すまぬ、私が代行しよう』
突如発生した召喚サークルの回転。それらに詫びと謝罪として羊達をコンソールに向かわせるヒュプノス。どうやら、手を借りたい今の状況に空気の読める優秀なサーヴァントが来てくれるようだ。
『この反応・・・次に来る来客は、セイバーの様だぞ』
「何・・・!?」
セイバー、その響きに否応なく声が弾むギル。セイバーカード、目当てのクラスのカードが見えた時点でガチャ勝利の門に立ったと言っていい。そこからは大勝利か、すり抜けかのどちらかに至るからだ。的外れで落胆する事が無い分、心は高鳴るというものである。
「よもや、この様な静寂にて我の悲願は果たされると言うのか・・・!?せめてエアを起こすべきか!?」
(まさかそんな!楽園時空が剪定される日が!?)
セイバーというだけで並々ならぬ期待がかかる。それは一説には楽園の常勝無敗はギルがガチャで負け続けているという確率収束論に基づく動揺も含まれている。ギルがガチャで勝利した場合、崩れたバランスが一体どうなるのか予想は難しい。それほどまでに、このガチャという行事は世界の命運を担っている。のかもしれない。
「さぁセイバーか、アルトリアか、はたまたセイバーか・・・!?」
高揚と共に迎えし召喚、現れたのは──
「ラクシュミー・バーイー。此度は女神の加護と共に現界した。理不尽な侵略に抗う為、勝利を掴むため力を・・・む、む?なんだ、この・・・安眠光景は?」
ラクシュミー・バーイー。ジャーンシーを護る為に立ち上がった気高き王妃。インドのジャンヌ。全サーヴァント中ワーストランクの幸運を持つ彼女が、この状況で一人やって来たのである。
「セイバーではあるがセイバーでは無かったか・・・!フッ、だがまぁ良い。その空気の読める召喚に免じて赦す!早速仕事をくれてやる、この寝ている者共を搬送せよ!ラクシュミー!」
「む、む?まるで状況が分からないのだが・・・もしや、危機的状況なのか?」
「皆夢の世界に旅立ってしまっているのだよ君ィ。でも突然のうたた寝くらい許してあげたいくらい頑張ってる皆だから、どうか運ぶの手伝ってもらってよろしいかね・・・?」
「わ、解った!・・・万全磐石と名高い楽園の間隙に私が来たのは、やはり不幸であるのだろうか・・・?」
素早く了承し、二人の指示に従い仮眠室、あるいは近場の部屋へと人力で搬送するラクシュミー。その姿は極めて真面目で、理性的で実直なサーヴァントであるという事を知らしめるには十分以上の働きだった。十数分の後、平穏が戻り三人と一匹は一息をつく。
「もしかして私は、珍しいタイミングに来てしまったのか・・・」
「そうだねぇ、一同みーんなオフだなんて中々無いものねぇ・・・でも、私的には大いに助かったよキミィ。ほら、大事にせずなんとかなった訳だし?君が良心的なサーヴァントだったお陰だよ、これはね」
ゴルドルフが感謝の紅茶を持ち込みながら帰ってくる。それは珈琲派の所長ですら心待ちにする程の逸品・・・非常にレアなゴッフティーである。
「そ、そうだろうか?それが本当なら、役に立てて何よりだ」
『極東の言葉は、真理を捉えていた・・・』
ヒュプノスの言葉に頷き、付け加えるギル。彼とフォウもまた、ゴッフティーを聖杯マグカップにて堪能している。
「然り。不幸の中にも幸はある。陰の中の僅かなな陽が如くにな。そう、それはな。極東では『不幸中の幸い』と呼ぶのだ。まさに貴様の召喚はそれであったぞ、ラクシュミー。女神と共に在るものよ」
「・・・お、王や皆に其処まで言ってもらえるとは、光栄やら恥ずかしいやら・・・私はまだまだであり、これからだ。これからも一層──」
誉められる事に照れながらも、毅然と前を向きより一層の進歩を誓ったラクシュミー──その瞬間。
「いっ・・・!!!!」
ヒュバゴキャ!・・・とも呼ぶべき凄まじい不協和音が響き渡り、同時にうずくまるラクシュミー。
「な、なんだね今の鳴ってはいけないような音は!?どうしたのかね!?」
「な、なんでもない・・・脚を、挫いた、だけだ・・・」
『・・・全身複雑骨折の様な音がしたが』
「・・・そうさな。貴様の場合はそうであったな・・・」
彼女の幸運は、まさかのE-。非情極まる幸運の揺り戻しが、些細な不幸により帳消しにされる。
「こ、これから・・・よろしく頼む・・・」
仲間になるラクシュミー。・・・後に、ジルにインドのジャンヌとして追いかけ回されるのはまた別のお話──
NG召喚 ウルトラマンキング(ウルトラマンシリーズ)
私の声が聴こえるかな・・・?
──はっ!ワタシは、召喚で・・・確か・・・あなたは・・・?
突然の来訪を許してほしい。私はキング。ウルトラマン、キング
──ウルトラマン・・・キング・・・
君の生誕を御祝いに来た。ありがとう、我等の第二の故郷を尊ぶ者よ。その魂に、心からのお礼を告げたい
──ありがとうございます、ウルトラマンキング。・・・ウルトラマンの皆様が、人類に・・・地球に捧げる無償の愛。本当に素晴らしく、素敵な方々だと心から尊敬しております。
あぁ。我々が人々を助けている・・・それだけでなく、我々もまた人々の声援に助けられている。人間の想いと声援は、我々の何よりの力なのだ。君なら、その意味が解る筈だ。
──はい!誰かを愛し、尊べる。それが人間の、穢れなき美徳のひとつです!
共に護ろう、歴史を織り成す人々を。どうか、私なりの贈り物を受け取ってほしい
──あっ、ウルトラマンキング!
私は、私達はいつでも君達を見ている。いつかまた逢おう。煌めく未来と、光の国で──
~王の自室
──すぅ・・・すぅ・・・ありがとう・・・ウルトラマン・・・キング・・・
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