人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ナイア「本当によろしいのですか?大丈夫ですか?お一人で・・・」

エキドナ『大丈夫大丈夫、気にしないで!ママとしてやってみせるからダイジョブ!』

XX「問題は起きないと思いますが・・・何かあったら呼んでくださいねー!」

『ありがとー!』

ニャル【さて・・・楽園の真価を味わうことになるな。ウォッチングウォッチング♪】

ナイア「あ、お父さん!」

ヒロインXX「ブレない邪神ですね、本当・・・。ま、家族間なら大丈夫でしょう!ナイア、私達もお土産配りしましょうか!」

「・・・はい!両親を信じます!」


善意の螺旋

『・・・・・・・・・』

 

「む?あれは・・・」

 

エミヤ食堂にて、見慣れぬ陰を見かけるバトラーことエミヤ。食堂の食券前で硬直する陰。にらめっこ・・・いや、待ち構えているといった方がいいのだろうか。褐色の、カルデア職員服を着ている・・・

 

「・・・すまない、どうかなさったかね?何か、食券の不調かな?」

 

『あ・・・こ、こんにちは。いつもお疲れ様、です』

 

声を掛けられ慣れていないが故の、過剰な驚き。その反応に申し訳なさを感じつつも、その女性が告げる言葉にエミヤが驚く番である。

 

『これ・・・どういう機械なの?なんかこう・・・待ってればいいの?』

 

「・・・食券を、ご存じない?失礼ながら、御名前を伺っても?」

 

『あ、アタシはエキドナ。最近このカルデアにやって来たの。ニャルの妻として。これからよろしくね』

 

「あぁ成る程、かの邪神の・・・邪神の・・・妻!?」

 

正義の味方、大層な衝撃を受ける。かの全てを嘲笑い、世界を弄ぶ邪神が、娘の他にいつの間にか妻を娶っていた事実はまさに青天の霹靂。割と公表されていない事実に大驚愕である。

 

『カルデアで、人間の営みや家庭の暖かさを学びたいなーって来たわけ。だから自分なりに色々とやってみようと思ったんだけど・・・これ、どうやって動かすんだろ』

 

「邪神・・・夫からは教わらなかったのですか?」

 

『うん、色々教わろうとしたんだけどね。【未知に挑む際の試行錯誤は得難い経験だ、だから失敗を恐れずやってみなさい】って言うからそれに従ってやってみようかなって』

 

(・・・横の付き合いは元、赤の他人であるが・・・娘とそっくりの純真さだ。そういう所、心が持つ美徳こそが邪神の好みかも知れんな)

 

甘やかすでもなく、まずはやらせてみる。実体験の方が学ぶものと習得はずっと早く多い。それは隣人としての合理さと、あたふたする姿が面白いという実益なのやもしれないが・・・

 

『えっと・・・電子マネー?電子マネーっていうの?ニャルがやってくれた通りに、えーと・・・テイクアウト・・・』

 

ある意味で邪神の目論見通り、エキドナは随分と難儀しているようである。うっかり変な場所に触らない様に必要以上に操作が慎重になる所、手が震えているところなど。実に頼り無さげで心細げだ。

 

『うぅ、どこが解んないのかも解んない・・・アプリってどう開くんだっけ・・・?』

 

「・・・・・・」

 

本来なら、夫婦間のスタンスに口を出すべきではないのだろう。邪神の楽しみを邪魔すると、後の報復も恐ろしい。だが・・・

 

「・・・もしよろしければ、エミヤアプリを入れる手伝いをさせてもらうが・・・」

 

正義の味方として、困っている人間を見てみぬふりをすることはこの赤マントには出来なかった。正義とは少数の犠牲で大勢を救う・・・なんて小難しい屁理屈は関係なく、シンプルに困っている人間を救う概念なのだから。

 

『えっマジ!?ありがとうございます!良かったら教えてくれるとスッゴい助かるのでござります!』

 

善意の提案に、褐色長髪の美女は最敬礼を行い提案を受ける。善意に素直に預かる。その光景を──

 

【──フフ・・・】

 

【(゜ロ゜)】

 

物陰で見つめているニャルを、たまたま通りかかったアジーカが目撃する──

 

 

「このエミヤアプリは私の自作で、食堂の注文やデリバリーをワンタッチで行える。簡単モードではタッチすれば自動で電話に繋がるから、それで注文してほしい」

 

『へぇ~・・・端末といい、人間って色々考えて文明作ってるのね・・・すごいわぁ・・・』

 

懇切丁寧に説明するエミヤに、文明の利器に感心しきりのエキドナ。これで、食券発行機の前で仁王立ちなんてする事は無いだろう。

 

「試しに、一家の皆分のおむすびを注文してみてはどうだろう?時間を指定してもらえれば、部屋に直接──」

 

「赤マント~。次のコラボの話なんだけど・・・あら?見慣れない顔がいるじゃない。私はスイーツ魔女、じゃんぬよ。あなたは?」

 

アプリを説明していた現場に、『龍華』と書かれたエプロンを着けた我等がじゃんぬ店長がやってきた。興味深げに、エミヤの手元を見ている。

 

『あ、アタシはエキドナ。ニャルの妻・・・です』

 

「ニャルの?アイツ結婚してたの?何よ!それ早く言ってよ!?結婚スイーツ作り損ねるわけにはいかないわ!あ、これアプリ入れてるのね!そうよね!?」

 

「お、落ち着きたまえ。彼女は初心者で・・・」

 

「私のお店のアプリも入れてあげるわ!安心なさい、新作入荷とか通知とかすっごい解りやすく教えてあげるから!オルタ!オルタ~!えっちゃーん!」

 

「どうも、サイバー・経理担当のえっちゃんです。昇天だんご大好き。アプリインストールですね、ちょっとお貸ししてもらいたいです」

 

エミヤ食堂の他に、快くスイーツじゃんぬのアプリもインストールしてくれるじゃんぬたち。エキドナの空っぽなホーム画面に、アプリが増えていく。そして──善意はまた、善意を招く。

 

「あら、新入りかしら?・・・何?お店のアプリ?なら私、カーミラのエステアプリもどーぞ。女性なら是非・・・というか義務よ、義務」

 

「アタシのネイルアートもマジオススメだし!新人なら一緒に女子力磨いちゃわなーい?アプリ登録マジよろ~!」

 

「ベディのお弁当屋さんも、是非よろしくお願いいたします。ご安心ください、あなたの為に、真心を込めて作りますからね」

 

カーミラ、スズカ、ベディが続けてアプリの登録手続きを行い──

 

「そこのお嬢さん!スマホを高性能、直流的にパワーアップさせる気はないかな!?この通りすがりのライオンヘッドが担当しよう!」

 

「そんな胡散臭い凡骨直流の戯れ言はお気になさらず。やはりここはワンオフ!カスタム品をあなたに届けよう!麗しき淑女よ!」

 

「ほざ(略)」

「やるか凡(略)」

 

『あの・・・ママの集いで・・・作ったアプリも・・・是非是非・・・』

 

「宴会の注文にて必要な場合はこの竜宮城アプリをお使いください!必ずや、あなたに相応しい場所をセッティング致しましょう!」

 

【──◼️◼️◼️◼️◼️◼️】

 

「流石ランスロット様!マッピングアプリをインストールして迷子防止!えっ!?スタンプ機能を含めて迷っても心細くない!?」

 

【◼️◼️◼️(b)】

 

「流石ランスロット様!我等が模範足る理想の騎士ー!憧れちゃうなー!」

 

「ヒッポリュテと申す。どうだ?よければ私が楽園を案内させていただくが・・・」

「アプリ・・・アマゾネスドットコム・・・なんだ、このノイズは・・・」

 

初めはエミヤであった気遣いが、あっという間に伝播しエキドナという新入りをサポートする集まりへと変わる。その様子を物陰から見るニャルは、一人ほくそ笑む

 

【──悪意の連鎖があるのなら、絆の結束もまたある。存分に味わってくれているようで何よりだ。これが楽園だよ、エキドナ】

 

その様子に満足する邪神。楽園なら、一人で心細げな女性を放置しておく筈がないといった、確信犯。善意の呼び水。

 

【これからうまくやっていけるようにね。さて、私も部屋で待つとするか♪】

 

【・・・(゜ロ゜)】

 

【おや、こんにちは。御菓子、食べるかい?】

 

さりげなく見ていたアジーカにお菓子を奢りつつ、新しく出来た家族を見つめニヤニヤするニャルでありましたとさ。

 

【テュポーンさんもお喜びになる筈だ。心配はないと報告しなくてはね】

 

【(⌒‐⌒)】

 

【うんうん、そうそう。いつでもニッコリさ、今の私の顔はね♪】

 

アジーカの頬をむにり遊ぶ邪神は、何よりも楽しそうであった──




NG召喚 呉島貴虎(仮面ライダー鎧武)

貴虎「私だ」

リッカ「あっ、主任!メロンの君だー!」

貴虎「お前達の働きはよく聞き及んでいる。悪意に屈すさず、よくぞ大義を成し遂げた。お前達は、紛れもなく人類を救った立役者だ。敬意と感謝を、これに詰めてきた」

マシュ「こ、これは・・・」

「メロンだ。皆で切って食べるといい。産地にもこだわった、特注品だ」

リッカ「やったーー!!主任、ありがとー!!」

マシュ「大きなメロン・・・大きなメロンですね!」

オルガマリー「?・・・呉島主任、一つお願いがあります」

貴虎「どうした?」

オルガマリー「あなたの戦闘データを、取らせてもらえませんか?人類として究極の強さの領域にいる、あなたの力を」

貴虎「・・・。いいだろう。その程度は御安い御用だ」



『カチドキ!!』

リッカ「おぉおおぉお・・・!!」

貴虎「変身」

『カチドキアームズ!いざ!出陣!!』

マシュ「えい!えい!おーっ!!」

斬月『いつでも来い』

オルガマリー「では、カルデア職員シミュレーション・・・最高レベルを」

『・・・・・・行くぞ』

~その日、彼は全職員が打ち立てたエネミー総討伐ランキングをたった一人で塗り替えた。一位から十位までの全てを。

リッカ「ふぁ──」

マシュ「せ、先輩・・・い、いえ!桃子様、頼光さん並みの武勇です・・・!」

貴虎『お前達も、強い意志を抱き精進を重ねればこれくらい容易い。励み続けろ』

「「はいっ!」」

『模擬戦のデータも取るのか?』

「・・・では、私とお願いいたします」

リッカ「マリー!?」

『解った。・・・本気で行くぞ』

「お願いします・・・!」

~オルガマリーと貴虎の戦い、貴虎は弾きと装甲にて傷一つ負わず、またオルガマリーも全ての攻撃を回避した。否、防戦一方だったのだ。

オルガマリー「はぁ、はぁ、はぁ・・・お見事・・・です・・・」

貴虎「ライダーシステムにあそこまで生身で食い下がるとは。君のような強者なら、組織は安泰だな」

リッカ(息一つ切らしてない・・・!)

マシュ(筆舌に尽くしがたい強さです!所長が、間合いに入れませんでした・・・!)

貴虎「君には私に無いものがある。それを、伸ばしていってくれ」

オルガマリー「そ、それは・・・?」

「人を見る目だ」

((重い!!))

「何かあったら連絡を。私はいつでも駆けつけよう。──君たちを護る、仮面ライダーとして」

「「「ありがとうございます!貴虎さん!」」」

貴虎「フッ・・・また会おう」

貴虎、世界を護る戦いの為に退去。メロンは絶品だった。

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