朝イチから返信始めますので、少し御待ちください!更新と返信がワンセットですので、必ず返します!
ひとまず今日は・・・お休みなさい・・・!
地下室
フラン「はい、今日の演目おしまい!聞き惚れてくれて、ありがとー!いぇー!」
霊夢「・・・手持ちの身代わり人形全部壊してくれちゃって。でもまぁ、話は通じるのね・・・」
フラン「昨日までのキチガイフランは死にました。ビーチで死んだフランの新生で生まれたのは・・・フラン!」
霊夢「同じじゃない。しかもなにその楽器、自前?自前なの?」
フラン「あ、レーヴ・ア・ティーンの事?これね、拾った!金色のキラキラした欠片を拾って、『健全にはっちゃけたい!』って願ったらこんなのに!」
霊夢「はぁ?拾ったぁ?」
「なんか弾いてると頭冴えるし壊したくなくなるしウィナーな関係!得してるの私だけ?きゃははそーとも言う~!」
(・・・キチガイの言葉なんて聞くだけ無駄かぁ・・・)
「帰るの?バイバイ!今度は仲間も一緒にチェケラーイ!」
「・・・どっと疲れたわ・・・ちゃんとやってるかしら・・・」
「改めて、ご挨拶。私はここ大図書館の司書にして魔法使い、動かない大図書館・・・パチュリー・ノーレッジ。歓迎するわ、魔術師の皆」
喘息持ちだから声は小さいの、ごめんなさいと断りを入れる紫カラーの本を抱える少女。彼女はパチュリー、紅魔館に住む魔法使いである。この場合、キリシュタリア達の観点での魔法使い・・・再現不可能な事象を起こした者ではなく、知識の探求、真理の追及の為に人間の在り方を脱したものを言う。彼女は不老、そして食事の類いは必要でない。人間の軛より離れた者である。その実力は、確かに一同に感じ取れるものだ。
そして彼女はパチュリー。五大元素魔法を得手とする、紅魔館の重鎮だ。全く動かず、喘息持ちの人見知り。レミリアしか仲良しがいないと噂の、魔法使い。そんな彼女が、コミュニケーションを取っている事実に咲夜は感動で咽び泣いていたのは内緒だ。
「御丁寧にありがとう。私はキリシュタリア。こちらは私の最高の仲間達。・・・一人、我等の中核は別行動でね。申し訳ない」
「構わないわ。幻想郷にいるなら巡り会うでしょう。今はあなたたちに頼みを聞いてもらうから。・・・そうね、それじゃあ・・・周りの本棚を見てもらえるかしら」
拝見を促すまま辺りを見据える。其処には背丈を優に越える本棚の列、記されし書物の偉容。大図書館の名に相応しい魔道書の羅列。時計塔に貯蔵されたものに劣らない、知識の宝庫が其処にある。
「驚いた・・・!こんな巨大な図書館を、君のような麗しい少女が司っている?本気と書いてマジかな?」
「そういう事。・・・そしてこれが、あなたたちに貸し出してもいい本のリスト。参考にして」
続けてキリシュタリアに出されるリスト。其処には様々な分野の魔術、下手をすれば神代に遡るもの、失われたもの。失伝しているもの。それらが自由に貸し出しても構わない、と記されているのだ。非常に興味深い、文化的遺産の数々がだ。
「たかだか千年そこらの年季で随分大騒ぎするわよね、人間って。珍しいもの?リッカに押し付けてたツボとかのガラクタもそれくらいしてるわよ」
「リッカはきっと末代まで資金に困らないだろうな、きっと・・・ともかく凄いぞ、魔術師の端くれとしてこれは見逃せない!だろう、デイビッド、キリシュタリア、オフェリア、皆!」
「あぁ。楽園は娯楽は極まっているが、魔術の歴史というものはまだまだコレクター発展途上だからな。できれば持ち帰りたい」
「自由に持っていって構わないわ。『持ち出せるなら』ね。案内魔法、かけておいたから、持ち出してみて」
パチュリーの言葉に興奮を覚めやらずに歩み出す一同。その後ろ姿をパチュリーは不安げに見送り・・・
「・・・あなたは行かないの?」
「物言わぬ遺産より、今出会えた縁を大事にしたい。崇高なメイド長には及ばないが、自慢の紅茶でも如何かな?」
「・・・むきゅ。それだけ言う腕前・・・気になるわね・・・」
キリシュタリアは、パチュリーに紳士的に紅茶を振る舞っていた。
~図書館散策中・・・
「貸し出しコーナーはここだろうけど・・・おかしい、おかしいぞ。どうなってるんだこれ?」
一行の代弁をするのはいつだってカドックだ。これは常識人の性である。意気揚々と資料を探しに参った彼等を待ち受けていたのは、不可解な行き詰まりである。リストと本棚をにらめっこし、カドック達は顔を見合わせる。
「魔導エレメント入門は?」
「無いな、借りられている」
「カバラとタロットの起源」
「無い、わね。面白そうなのに・・・」
「あなたも作れる退魔グッズ」
「無いですね。・・・貸し出し中なのですか?」
「明日から始める不老不死作り!」
「無い。なんなんすかこれ(半ギレ)」
「風水、方角入門!」
「無いわぁ~!読みたかったぁ~!」
「何もないじゃないか!?何があるんだこれ!?」
女性陣と照らし合わせていた貸し出し本が悉く無い事実、そしてその不可解な現象にお手上げを示すカドック。彼だけではない。関わった全員がそうだ。これでは図書館の体を成していない。本がない図書館など、紫式部卒倒案件である。
「見て、カドック。よく見てみたら貸し出し禁止のラベルがついている本のシリーズの数冊、いくつか無くなってる」
「本当だ。・・・どうなってる?これじゃあまるで・・・誰かに勝手に持っていかれたみたいじゃないか・・・」
そんな馬鹿な、とカドックは首を振る。あのメイドチーフ、咲夜に門番の美鈴、そしてちょっと覇気は足りずともカリスマ吸血鬼レミリアがいるような館に、賊が入れるとは思えない。紛失、落丁か?そんな疑問を、他ならぬ主の声が否定している。
「あり得ない。そんな事こそ あり得ない。オフェリア、今の言葉キリシュタリア名言集としてアーカイブ登録してもらえるかな?」
「望み薄じゃないかしら・・・私もやらないし」
そんなー。そんなキリシュタリアに姫だっこされたパチュリーがそっと下ろされ、補足を付け加える。
「驚いたようね。面白そうな本、そうでもなさそうな本。味見みたいな食い散らかれ方をしている本棚。・・・これらは全て、人為的に引き起こされたものなの」
「何だって・・・!?賊か!?」
「賊・・・間違いなくそう言っていいでしょう。皆には、その賊が溜め込んだ本を取り戻してほしいの。抵抗するなら、かなり痛い目に合わせてもかまわないわ。そろそろ私の堪忍袋がむっきゅんぷちんなの」
「「「「「むっきゅんぷちん・・・」」」」」
「・・・・・・・・・流して・・・・・・復唱しないで・・・」
試しにジョークを飛ばし、大爆発パチュリー。真っ赤な顔を俯かせ、キリシュタリアの背後にて隠れる。時間にして三十分、キリシュタリアはオモシロ外国人枠としての不動の信頼を得た。
「パチュリー・ノーレッジさんちゃんには腐れ縁の魔法使いがいるそうなのだが、その娘が大層手癖の悪い娘なようで。『死ぬまで借りるぜ』等といって本を持ち越すのは日常茶飯事な様だ。パチュリーさんちゃんも対策を練ってはいるが、中々のスピードと火力にて手間取るらしい。そこで・・・」
「そこで、皆にはその娘の身柄を確保、連行して滞納未返却の本を回収してもらいたいの・・・いい加減、私はがばがばな司書なんて風評を晴らさなくちゃいけないわ・・・協力を御願いしたいと言うのは、そういう事・・・キリシュタリアには、地理と人物の情報を渡してあるから・・・」
「・・・リッカでもあるまいし、一瞬でどうやって友達になれたんだ?」
「友達ではないわ。紅茶が美味しくて、一挙一動が面白いから話しやすいの。それだけ・・・愉快な人ね、彼・・・」
「自分ではそのようなつもりは無いのだけどなぁ・・・?単にメイド服かつシルバーアクセで茶柱のラッキー度合いに語ったりパチュリーさんを肩車しただけだというのにね?」
(((読めなさ過ぎる・・・)))
或いは新鮮な刺激というものでは、彼女とリッカに並べるものはいないかもしれない。そうパチュリーに仕えるメイドと自分を思い込むレイヤーにしか見えない金髪がウケたのか定かではないが、キリシュタリアは真面目な顔で作戦を謳う。
「というわけで、課題にも『大図書館の悩みを解決しろ!』というものありだ。私達ならきっと出来る筈だ。パチュリーさんちゃんに本を取り返し、むっきゅん笑顔にしてあげようじゃないか!むきゅっと!」
「そうだな。むきゅっと笑顔をむきゅむきゅしてあげるべきだろう」
「・・・絶世の美男子がメイド服でむきゅむきゅ言っている状況を、なんと表すべきなんだ・・・」
「グロテスクかシュールよ絶対!ボケとボケばかりで大変ねぇカドック?大丈夫ー!?」
「問題ない、ペペ。何せ──」
『あなたのメイド姿、目付きで台無し。もっともっと奉仕の悦びに目覚めなさい』
「もう失うものなんて無いんだからな・・・」
カドックはもう何も怖くない。いつの間にか送られていた、アナスタシアへのメイド衣装。詳しく返信されてきたメイドへの探求にて、カドックは諦め空を見上げていた──
霊夢(煤け)「けっほっ。けほっ。あんの西洋かぶれ・・・いや、西洋出身なのにかぶれってよくわかんないわね。ともかく、課題クリアまで見とかなくちゃ。ただいま、状況は?」
キリシュタリア「あぁ、霊夢くん。我々は今、盗人魔法使いを成敗するつもりなんだ」
霊夢「・・・盗人魔法使い?」
「あぁ。快活そうで可愛らしいが、不徳や悪徳を見過ごすわけにはいかない。誠心誠意説得しよう。名前は──」
『霧雨魔理沙』
霊夢「あ~・・・・・・・・・」
パチュリー「止めても無駄よ。今、私の怒りが怒髪天なのだから」
「別に止めないわよ。好きなだけとっちめなさい。ただ・・・」
パチュリー「ただ?」
「リンチにならないようにしなさいね。・・・アイツも年貢の納め時かぁ・・・」
はくのん「霊夢、いままでいずこ?」
霊夢「気にしないで、はくのん。課題を終わらせたら話すわ。そう・・・かなーり面倒くさいから、こっちは。そっちも頑張って──」
カドック「手伝おうか?」
「止めときなさい。死ににいくようなものだから」
(・・・地下に、何がいるんだ・・・?)
地下
「唸れ!私のレーヴ・ア・ティーン禁忌!ちゅいーん、うぃいん。むふふ・・・私が天下取る日も近いなぁ!ふっふっふっふっふんふふふんふ~ん♪」
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