ギル『紫からの報告だ。手酷くやられた様だがな。やはりお前や白野のようにはいかんという事だ。頼んでもおらぬ噛ませになどなりおって』
文「あやや?透けてません?」
早苗「モニタービジョンですよ、モニタービジョン!」
リッカ「フランちゃんは幻想郷によって違いが激しい子なんだよね・・・バーサーカーか気弱かオタクか引きこもりか。ごく稀に常識弁えたフランちゃんもいるにはいるけど・・・」
『力ではなく、美麗さを競うルールを持ち出せなかったのは手痛いミスであろうな。我としてはどう転ぼうが構わん。お前も高見の見物として奮闘を見てやるがいい。ではな』
リッカ「あっ、ちょ!・・・切れちゃった。・・・見てやる、か」
(時には何でもかんでもやらず、信じて待て。・・・だよね、ギル)
「・・・?連絡?・・・あれ・・・?」
~
アイリスフィール「治療待ちの方はこちらに!」
はくのん「人員点呼、みんないる?」
オフェリア「大丈夫、小悪魔?」
小悪魔「死ぬかと思いましたぁ!」
アルトリア「今のはいったい・・・」
パチュリー「フランよ。妹の吸血鬼。・・・全く、ランダムで出てくるのは悪い癖ね・・・」
オフェリア「皆・・・」
「おまえ達・・・あの吸血鬼の小娘にこっぴどくやられたそうじゃない!私が中華料理を門番と作っている間に何があったっていうのよ!?」
「随分エンジョイしてたみたいで何よりだよ・・・僕達の想像を遥かに越えていたってだけさ・・・」
救護室にて治療を受けるカドック達男性メンバーに容赦のない叱責を飛ばすぐっちゃん。え?妖怪で門番とかプライド無いの?みたいな喧嘩売ってるとしか思えないトークをまぁまぁと流す美鈴の大人な対応により、一緒に肉まん作っていたところ様子を見に来ればこの大惨事。理不尽な怒りがカドック達を糾弾する。まぁ悪気と嫌みでないのは皆知っての通りなので真に受ける人はいない。
「まさかあれほど幼女が無慈悲に強いとは思いもよらなかった・・・将来が有望すぎて人間の身としては非常に恐ろしいものだね」
「うわようじょつよい。リッカが言っていたやつだな」
「・・・恥ずかしながら、手も足も出なかったよ。クラスカードを使っておいてこのザマだ。アタランテに謝らなくちゃ・・・」
麒麟の礼装は使わなかったのではない。使えなかったのだ。かの礼装は邪悪なるものや人理の窮地を打開するために起動する至高の礼装。『遊び』という範疇で使用はしないという事が今回で把握出来た。恐らく他の四霊も同じだろう。悔しい、というより絶対的な種族の格差を突きつけられ、ぼんやりと天井を見るカドック。
「・・・まぁ、それが普通よ普通。気に病まない方がいいわよ。私やリッカの方が異常なんだから。自爆したり突っ込んだり、前線で暴れられる方がね。真似するとおまえたちは変な癖ついてすぐ死ぬわよ?」
そんな様を見ていられなくなったのか、なんとか彼女なりにフォローを重ねるぐっちゃん。いつも本を掲げすべてを拒絶していた頃とはあまりにも違う変化に、改めて笑顔をもらうカドック。
「何笑ってるのよ。あの吸血鬼にやられてどっかぶつけた?」
「もれなく全身打撲だよ。皆は・・・」
「私は問題ないよ、カドック。何せ傷ついた端からナノマシンが治してくれるからね。・・・しかし美少女吸血鬼姉妹か・・・是非ツーショットを撮りたいものだね。仲良しの笑顔を、こう・・・」
「俺も問題ない。入念にマッサージして解された。どうやら硬直を選んだようだな。断裂であったなら再起不能だった」
「・・・・・・彼女は・・・」
フランドール・スカーレット。破壊を支配する最凶の吸血鬼。グランドマスターズを、朝飯前の領域で無力化した地下に住む者。だが、その振る舞いにやや、カドックは違和感を覚える。
「・・・破壊の能力の割に、ルールを理解し、無闇に僕達を殺しはしなかったな・・・」
カドックにもとどめを刺さず、そのまま見逃した。淡白な様子ながら、その行動には情緒が見られる。・・・安定している風にすら。
「ちょっとあんたら!何よそのザマは!それでも王様の宝なわけ!?止めてくれない私の御得意様の機嫌損ねるの!?」
「しかしよくもまぁ生きてたなー!腹減ってた?そりゃあラッキーだったな!アイツ、そういう時は基本見境無いからなー。テンション低く殺しにくんの怖いのなんのって!」
霊夢、魔理沙も治療室に現れ、差し入れを手渡す。口ではこもごもだが、何だかんだで優しさはある少女達である。
「あらやだ・・・アナタ達が負けるなんてホント?アタシが図書館でパッチェにヨガ教えてる間に?大丈夫!?」
「君達エンジョイし過ぎじゃないか・・・?いや、それはともかく。博麗、霧雨。フランドールと交友はあるか?」
「交友?フランと?あるわけないでしょ。あの能力で、引きこもり。会いたいヤツなんていないでしょ普通」
「私はちょくちょく行ってたんだけど、何かしらものがブッ壊れるからいつの間にか行かなくなったなー。アイツも解ってるのか、連絡寄越してこないし。屋敷に幽閉してるって時点で御察しじゃないのか?レミリアらも困ってるんじゃね?」
「そんな事は無いのよ!」
立て続けにやってくる主。レミリア・スカーレット。フランドールへの扱いを尋ねれば、それはフランドールなりの決断であるのだと。
「フラン自身は聡明で賢く、空気の読める女の子よ。カリスマも私の次くらいにある・・・立派な妹よ・・・」
「ゼロって言わないそれ?」
「那由多よ!?無量大数の次よ!・・・でも、彼女の能力は強力過ぎたわ。何かをする度に破壊してしまう意味を、破壊してしまう罪深さを、彼女は理解していた。でも彼女自身の精神もまた、彼女自身の手にはない。だからフランは、地下へと自分を封じたの。自主的に」
~
『お姉さまは元気にのびのび、皆とわいわいやって。私はここでいい』
『フラン・・・』
『私は大丈夫。ここの地下室と・・・柔らかいベッドと三食おやつと寝起きのジュースとワインとステーキがあれば何もいらない。あとぬいぐるみ』
~
「割とガッツリ望んでるんだな妹さん・・・」
だが、そこに人の触れ合いは入っていない。彼女が何より理解しているのだろう。自分が、誰かと触れ合っていい存在ではないことを。
「フランには友達がいないわ。霊夢や魔理沙が言うように、次の瞬間には爆死するようなリスクを抱えて会うような相手はそういないもの。美鈴と咲夜が毎日世話に会いに行くくらい。うんちがめんどくさいからオムツを検討し始めたのは驚いたのよ・・・」
「下らない事で悩むのね。別にいいじゃない人間の一人や二人。何億いると思ってるのよ」
「そういう事ではないのよ・・・あなた・・・ひょっとして、お馬鹿なのよ?」
「あぁんっ!?口の利き方なってないわね500そこらのお子ちゃまがぁ!」
ファイトという名の馬乗りでレミリアをぽこすこするぐっちゃんをよそに、一同は状況をまとめる。うーうーサイレン、さくやー!というエマージェンシーはなるべくスルーしつつ。
「・・・フラン様から生き延びるという課題はクリア扱いとなっております。魔理沙の家から帰還した皆様も問題なく。ここで果たせる課題は完遂かと思われますが・・・」
「・・・だ、そうよ。どうするの?私はもうちょっとやる事があるからいるけど」
「正直さっさと帰った方がいいんじゃないか?さっきは腹減りと寝不足で全然本調子じゃなかったが、いつもだったら次の瞬間には肉の塊!・・・なーんて事になりかねないぜ?スペルカードルール、弾幕ごっこってのは、私らみたいな奴等が殺されないためにわちゃわちゃする為にあるんだからな」
「次こそは本当にどうなるか解らない。・・・で、どうするワケ?課題は大丈夫なんでしょ?」
一同が、サブリーダーたるカドックの判断に注目する。彼の事を、自分達の先頭と信じているからだ。
「・・・」
本来ならばもう、いる理由はない。やるべき事はやり抜いた。次の場所へと課題を探しに行けばいい。レクリエーションならば、命を懸ける理由はない。しかし──
「・・・また遊ぼ、か」
彼女は、きっと。その『また』を。ずっと暗い地下室で待っているような気がして。あの立ち去る際の言葉は、そんな思いがある気がして。
「・・・解った。僕達は──」
──少年は皆に、決断を告げる。
地下室
フラン「騒がしい・・・多分大体私のせい」
(こんな形でしか、私は誰かの記憶に残れない。誰かに迷惑をかける事でしか・・・)
「・・・穀潰しもよいとこ。私は・・・屑い。見てくれだけがよいニート吸血鬼・・・こうして私は朽ち果てていく・・・レーヴチューニングしよ・・・」
(人間の皆、大丈夫かな・・・)
【もっと念入りに壊したかった】
(むっ・・・)
【きっと素敵な声で泣いた】
(げ、幻聴・・・まずい・・・)
【もっと壊したい。もっと壊したい。もっと、もっと、もっと!】
(ね、寝なくては。このままでは・・・)
【壊そう!皆いなくなるまで!】
「す、睡眠薬、睡眠薬・・・」
強迫観念から逃れるため、フランはふらふらと、扉に手をかけ──
カドック「──やぁ」
一同「「「「「また遊びに来たよ!!」」」」」
フラン「う・・・!?」
人間達に、囲まれる──
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