人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
「――整理券を持たぬ者にこの門は開かず。赴きたくば刻を待て」
「アキレウスゥウゥウゥウゥウゥウ!!!!」
「――是非も無し。ならばこの剣にてその妄執を絶つのみ」
「――首を出せ」
「ねーねーマシュちゃん、男女経験ある?彼氏いないの?手を繋いだことってある?」
「あ、いや・・・その」
「俺、今はこんな変な生き物だけどさ、ルックスには自信あるんだよ。だからさ、カルデアに呼ばれたらお付き合いを申し込・・・」
「こーら、オリオン」
「うぇ、リッカちゃんか!なんだよぅナンパ中だぞー!」
「アルテミスほったらかして何やってるの。ちゃんと大事にしてあげなきゃダメでしょ」
「や、それはさ。ソイツマジ重いんだよ。色々。本当に重い。このぬいぐるみには重すぎるくらい。だからね?適度な息抜きを・・・と言うわけでリッカちゃん。このあと俺とデートを」
「人のカレシに手を出すわけないじゃん。はい、アルテミス」
「ありがとリッカちゃん!優しいね、アナタ!」
「ううん――ドロドロしてない恋愛って、いいよね」
(先輩の目が遠く・・・)
「幸せにね、アルテミス。私は人間だけど、オリオンとの幸せを祈ってるから」
「――――決めた」
「?」
「リッカちゃん!私とオリオンの仲人やって!あと私を信仰して!いっぱいいっぱい祝福あげちゃう!」
「何を言い出すこのバカは!?」
「だってだってダーリン!私初めてだったんだもん!『自分の為』じゃなくて『ワタシ』の為に祈られたの!リッカちゃんにぃ・・・私のハジメテぇ・・・奪われちゃった♪テヘ!ダブルピース!」
「うん、そのままエンドマークつけて?」
「ダーリンひどーい!ともかくともかく!フジマル、リッカちゃんね?アルテミス覚えた!まだ処女みたいだし、アナタの事を祝福しちゃうからね!」
「せ、先輩が女神さまに気に入られちゃいました・・・!」
「――アナタ、もしかして怪物?」
「リッカ、あかるい。おれ、も、すき」
「やった!祝福してもらえるって!・・・ギル大丈夫かな。あと処女だってばらされちゃった」
「神様、嫌いですものね・・・」
「あーあ、男に生まれたかったなぁ・・・そしたらマシュを嫁にするのになぁ」
「はいっ、えぇっ!?」
「オルガも私の嫁になる?」
『・・・何いってるのよ、ばか』
『満更でも・・・オルガ?』
『仕事をしなさいっ!!』
「あ、この子下手すりゃ俺より見境ないな」
「祝福何がいい?世界で三番目くらいの弓の腕でいいかな?」
「出逢い!」
「オリオンはだめあげなーい!」
「いらなーい!アルテミスのでーす!」
「あはははははは!リッカちゃん大好き~!」
華やかに会話を弾ませる一方、こちらは作戦を練り上げていた
「もうすぐヴァイキングの海図も役立たない海に出る。それはロマンがあっていいが、問題は黒ひげさね」
――サーヴァントを抱え込んだ黒髭の船。まともに戦えばいくら補修したとはいえ撃沈は必至だ
「何か策はあるかい?総督」
「なんだ、我に助言を求むるか?」
「固いこといいっこ無しだよ。もう随分と派手な雇用関係になってるじゃないか、アタシたち。副官が総督に意見を仰ぐなんて、そうおかしいことじゃないだろう?」
「・・・ふむ」
――まず、海には障害物が無い。お互い遠方同士なため、必然的に撃ち合いになる。しかしそこに活路はない。宝具の船たるあちらの砲撃に晒されては撃沈必至だ
――気付かれないうちに近付くほどの混乱が起きるとすれば・・・嵐の夜、だろうか
「速度はこちらが上だ。混乱を引き起こし、後に衝角を向け、いっそ突っ込んでみるというのはどうだ?部員どもから提供された素材で、衝角は特別頑強に作られているはずだ」
――鹿と名付けるだけあり、航行速度はかなりのものだ。ならば、それを活かさない手はない
「最高に派手な作戦だねぇ!いいよいいよ!」
「海の混乱と言えば嵐であろう。ソレを引き起こす宝具も蔵にあるぞ?」
「マジでかい!?い、いやそいつはナシ!ナシで頼むよ!海を好き勝手いじったらツキに見放されちまうからねぇ!嵐の王に怒られちまうよ!」
「ふむ、海賊に縁起は重要な意味を持つ、か。ならば――」
「はいはーい!作戦なら私達女神ーずにお任せ~!」
「ぅぶっ――――!」
アルテミスとエウリュアレを認識した瞬間、凄まじい吐き気に催される
――ギリギリで間に合った・・・危うく口からエーテルを放出するところだった・・・
「だ、大丈夫かい?」
「――よい。・・・・・・我は差し入れを食らう。続けよ・・・」
「???あのねあのね、遠くにいるときはエウリュアレちゃんに撃ってもらって、同時に私が相手の船で暴れればいいの!」
――え?
「――――・・・」
「あっ、ダーリン!AUOがゴミを見る目で蔑んでくる!慰めて!」
「あーはいはい。今のアルテミスは、俺、オリオンの枠組みに割り込んで召喚されたんだよ。だから俺の能力が使えるのさ。・・・俺の、能力・・・」
「水の上をあるけまぁす!それだけ!」
「それだけとか言うんじゃねぇ!!俺だってさぁ!もっとカッコいい能力が欲しかったよ!なんだよ水の上を歩けるって!アメンボなの!?」
「――よもや、ギリシャの海神を父に持つ男の能力がそれか・・・」
「憐れんだ目で見ないで――!!」
――成る程。エウリュアレの矢で混乱を引き起こし、オリオンが船に侵入する隙を作るわけか
「フォウ!(ついでに、敵の火薬庫を爆発させる、なんてどうかな?)」
――フォウ・・・!
(黒髭の船に行ったとき、構造はすべて把握した。火薬庫がどこか、そこのぬいぐるみモドキを案内できると思う。導火線に火をつけてダッシュしてドカンさ)
――無茶にすぎる!君がそこまでやる必要は・・・
(なに、気にしないでくれ。部員の皆に「お前そろそろ淫獣以外のキャラ開拓すれば?」とどやされてね。イメージアップのために命を懸けるだけさ。皆酷いよね。ボクを・・・ボクをあんな、あんな薄汚いゴミと一緒にするなんて・・・キミだけはボクの味方だよね?)
――?フォウと黒髭なら、フォウの方が綺麗で可愛いと思うけど・・・
(ありがとう無銘!やっぱり君は美しい!)
「ぐぬ!じゃれつくとは何事だ珍獣!」
(あ、コイツ起きてたか)
「そうだねぇ、切れるカードも増えた。なら」
「はいはい!意見進言します!」
手を上げて立候補するマスター
「アルテミス、アナタを護りたいって!彼女が!」
「彼女?」
『・・・私です。アルテミス様』
死にかけたような声をあげるのはアタランテだ。そしてなぜか器がすかさずワインを取り出す
「え!やだ!アタランテもいるの!?はろはろ!アタランテ!元気!?」
『・・・はい・・・』
(成る程。信仰していた神の本性を知り魂を砕かれたか。ふはは、ワインが美味い)
――そう言えば部長でしたね、英雄王・・・
『船に乗り込む際のアーチャーたるアルテミス様の護衛を私が担当する。時間は稼げるはずだ。マスターとの合意も得た。赦してもらえ・・・何故ワインを飲んでいる』
「気にするな。そして許す。だが筋が通らぬな。アーチャーたる貴様がアーチャーたる・・・・・・」
――すかさず此方が言葉を紡ぐ。器よ、我慢です
「アル、テ、ミ、ス――を守護するとはどういう理屈だ?」
『・・・実は私にはもう一つ宝具がある』
「ほう?」
『それを使えば時間稼ぎは容易い。・・・令呪を一つと、アルテミス様の祝福があればだが・・・』
「もちろんいいよ~!リッカはどう?お願い!私のアタランテを助けて?」
「もちろん!派手に使いきらなきゃね!」
「いい心掛けだよリッカ!よし!作戦は纏まった!!今こそ、黒髭の野郎に復讐といこうじゃないか!」
「おー!!」
『おーい?ワイン飲んだり気持ち悪くなったり大丈夫かい?』
「・・・心配はいらぬ」
『本当に?ギル、一度カルデアに帰還したほうが・・・』
「大丈夫だ。すまぬな、ロマン、マリー」
「英雄王、頭痛薬と酔い止めです。あと・・・マシュマロを、良かったら」
「・・・礼を言うぞ」
「せな、か。さす、る?」
「よい。気を遣うな、アステリオス」
――方針は定まった
後は、進むのみだ!
「ん?ビーストSMSに着信だ。なんだろ(フォウ?)」
『危険な作戦に参加するとききました。とても心配です。お弁当と水筒、それと十一の子供たちを応援に向かわせておきます。怪我しないでねp(^^)q てぃあまと』
「いやいやいやいやまだバビロニアには早すぎるから!お弁当と水筒だけでいいから!(フォウ!?)」
『ついき 私もアルターエゴ枠に申請してみたらだめでした かなしい (/´△`\)』
「うん、それは、まぁね・・・?(キュウ)」