人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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温羅「イブキのヤツ、まさかピックアップされるとはなぁ・・・大丈夫かアイツ。指先で相手を腐らせ壊し砕くアイツもいつか、楽園に来るのかねぇ・・・」

(それなら、歓迎の準備もしてやらないとな!楽園にはあいつの好きな酒がたんまりある。こっちのイブキとイブキ、ばらきーで酒飲みってのも悪くない!)

ライン♪

「お、噂をすればだ・・・ん?ライン?」

イブキ『やほやほー!現代のお姉さんな話し方ってこんな感じでオッケー?げんそーきょーのレクリエーション終わったらサー、こんなキャラで売っていきたいんだけど大丈夫?いけるぅ?ウラちゃんと色んなとこいきたーい!ねー?ウラちゃんもそうだよねー!』

温羅「だ・・・・・・誰だオマエ・・・!?」


~個人的にツボだったので~

リンボ【ただいま平安京が実にアツい御様子。拙僧渾身の仕掛け、皆様に堪能いただけて何より!恐悦至極!】

(然るならば是非、是非とも楽園の皆様方にも我が地獄界曼陀羅を堪能していただきたいと願うは性なれば!皆様の阿鼻叫喚の声を聞くその日を誠に──)

なぎこ『これ見てみそ』

「ン?」

平安京は藤丸くん案件でいいと思うの。
楽園サイドだと簡単に終わってしまう。
派遣は桃子と温羅、これだけで十分な気がする。

「ン!?」

楽園サイドだと簡単に終わってしまう。

「ンン!?」

楽園サイドだと簡単に終わってしまう。

「ンンンンンンンンンンンン!!?ば、馬鹿な!そんな筈は!我が曼陀羅、空想の根を下ろし神を招く準備は磐石!如何に如何に楽園の皆様であろうとも楽勝などとは・・・!」

あべ『あちらには伐採手段が三つはあるぞ。金棒で壊すか、輝く宝石で断ち切るか、神が砕くか。なりふり構わぬなら即座に君が切除されて終わりでは?』

「───まさに!!正論!!」

あべ『うん。首を洗って待ってるとよろしい』

なぎこ『ざまぁwwww』

「・・・・・・藤丸殿ならば愉快なる?」

『えっ』
『えっ』


総決算!龍たる貴女に無情の感謝を

「皆さん!寄せ書き、寄せ書きをお願いします!リッちゃんに想いを告げたい方!是非よろしくお願いしまーす!」

 

記念の日を、そして今までの旅路を最先端で駆け抜けた少女にありったけの想いを伝えるために、祀られし風の人間は言葉を紡ぐ。楽園の者達一人一人の願いを繋ぎ、大恩ある少女に向けた願い、想い、絆を余すことなく伝える為に。それこそが、最大の恩返しを行う為に、声をかけ続ける。

 

「伝えたいこと、想いを告げたいこと!たくさんあると思います!私が、私達が伝えますからどうか皆さん恥ずかしがらずに!皆でいっぱいの感謝を伝えましょー!リッカちゃんに、皆が大好きな頑張りやさんに是非とも、是非ともー!」

 

早苗が広く募集し、募る感謝の言葉・・・しかし、それでも尚多く数えきれぬ想いと願いを集めるは、早苗だけでは決してない。

 

「一言でもいい、口下手でもいい。だが、それでも込められた想いは必ず伝わるだろう。込められた想いを、彼女は必ず汲み取る筈だ。だからこそ、オレが保証する。伝えないというものは、あまりにも勿体が無い」

 

「はーい、インドのリアル聖人カルナさんのありがたーい御言葉ですよー。どうか皆様遠慮なさらず、思いきり想いの丈をぶちかましちゃってくださ~い。今がチャンス。今がチャンスですよー!」

 

『とうとみパワーをリッカさんに!』『一言足りないお前を補助する』といったプラカードを抱え、署名と感謝を募るインドコンビ。カーマは勿論、更に其処には我等が太陽、リッカの兄分が一人カルナ・オリジンがたすきと鉢巻(カーマ自作)を武装しカーマの助力を行う。

 

「自分で誘っといてなんなんですけど、本当にカルナさんは格とか気にしませんよね。こんな選挙補助活動みたいな真似させたら怒る方が大半なのに・・・」

 

「なに、気にすることは無い。オレは元来、人に頼られると喜びを感じる性分だ。ジナコ、リッカのお陰でコミュニケーションの素晴らしさを知った今、こうして感謝を伝える機会を重んじる愛の女神に助力できる光栄、逃す手はあり得まい。カルデアでは、数多の世話を焼いてもらっているからな」

 

カーマはカルナを非常に頼りにしているし目を離さない。カルナはどんな頼み事もよしとするのでとても接しやすく、放っておくといつもぼんやりしているカルナをほっとけないとカーマがあれこれしているうちに、グドーシの次に気にかける存在がカルナとなったのである。扱いはズバリ、大型犬の世話である。カーマ、カルナさんは好ましく思っているのだ。ズバリ言えば。

 

「行列ができたな。オレが列を捌いて来よう。カーマは対応をよろしく頼む。笑顔を忘れずにな」

 

「カルナさんに対応を任されるとか驚天動地のような、そうでもないような・・・解りました、お気をつけて!」

 

そうして、三、四時間に渡る集計、署名の結果はなんと、文の職務編纂室を埋め尽くす程の大量と化す物流となって覆い尽くす。文の記事にまとめあげるどころか書き下ろすだけでも数日かかる程の圧倒的物量である。その積み重ねられた感謝の量、正しく尋常でない。1300の想いが、文を圧倒する。

 

「ま、まとめきろうとした私の浅はかさを悔やむ程の大いなる量となっていますねこれは!些か甘く見てました、彼女の重ねた旅路を・・・!」

 

「ははは、これこそ感謝の満開にして豪華絢爛なる絆の集い。素晴らしく、それでいて積み重なる・・・人類の美徳にござるよね」

 

「人間って本当に積み重ねが大好きですよね!今現在その重さと凄さに潰されそうになっていますからとてもよく解りますきゃぁあぁ!?」

 

資料の雪崩に巻き込まれる文、それをそっと仏陀パワーで防ぎ救助するグドーシ。積み重ねられた想いは、妖怪の度肝を抜くほどに高まり、無数に、尊くまとめあげられしものに圧倒される。

 

「こ、これを一つ一つリッカちゃんに聴かせていくのですかね・・・!?広辞苑ばりに高まりに高まった感謝の気持ちを一字一句!?」

 

「眠れない夜になりそうですね!」

 

「不眠症で殺す気ですか彼女を!?抜き出し、短縮させる訳にもいきません!でもこの物量を如何にしたものかと!ど、どうしましょう・・・グドーシさん・・・!?」

 

早苗と文の悩みをふむ、と聞き届け、仏陀の器たるグドーシは悟りに至る瞑想を即座に終わらせ、ポンと手を叩く。

 

「そうでござるな。では此処は拙者の宝具、曼陀羅を使うと致しましょう。転輪する世界を現す曼陀羅に、リッカ殿への想いを凝縮させて視覚情報に訴えかけるのです。さすれば感謝の想い、余さず彼女に・・・リッカ殿に伝わる筈かと」

 

仏陀の力の一端、それらを躊躇いなく想い人の為にグドーシは使用する。本来なら神霊、サーヴァントの粋にすら至らぬ領域に在る仏陀、ひいてはグドーシを現世に、サーヴァントなる存在に留めているもの。それは、リッカの人生と安寧の行き着く先を案ずる祈り。全ての欲得、煩悩を捨て去りし覚者に至らぬ執着があるが故に、人理の守護者たらしめている要素。それこそが、グドーシにとっての悟り──リッカであるのだ。だからこそ、彼女の為に惜しむ力など彼には無いのだ。

 

「私もやります!リッちゃんにありったけの、ありったけの感謝を風祝の力で!」

 

「それでは、私はグドーシさんが力を振るいやすい宇宙にでもなりましょうか。・・・まさか、シヴァに焼かれておいて良かったな、なんて一瞬でも考えた自分に心から驚いています、今」

 

「カーマ殿は変わったとオレも思う。それはいい方、素晴らしい方へとだ。過去に受けた痛みや苦痛すら、他者への慈しみを胸に乗り越える。それは、あなただけの運命と答えに巡り会えたからこそだ。心から賛辞を。おめでとう、カーマ殿」

 

「・・・・・・あの、カルナさんって本当・・・一言足りたら無敵ですね・・・マスター運が良かったんですね。リッカさんと・・・えっと、ジナコ、さんでしたっけ?」

 

「あぁ。その二人はオレの星だ。リッカの趣味にオレは疎く、理解に手間をかけさせてしまっているが・・・ジナコならば即座に仲良くなれるだろう。どこかで縁が結ばれ、楽園に招かれるといいのだが」

 

それぞれの手段により、いよいよ定まったリッカへの大感謝企画。いよいよ実行の輪郭を帯び、秒読み段階へと至る。

 

「それでは私がきっかけとなる新聞を発行し、リッカちゃんに渡します。それを合図に──皆さん、いきますよ!」

 

「はいっ!リッちゃんに、足跡の分の感謝を!」

 

「想いを、意中の相手に伝える。これこそ愛の女神の真骨頂というものですからね」

 

「では、新聞の受け渡しはオレがやろう。皆はリッカが新聞に目を通した瞬間──」

 

「それぞれの最善を尽くす、ですな。よし、それでは皆さま方、やってやりましょうぞ」

 

一同は意思を同じくする。それは、この世全ての悪を背負いながらも飛翔した龍への、感謝の花束を輪廻とする為に。

 

『──その作戦、俺も参加させてもらえないか』

 

「!?あ、あなたは!?」

 

──鉄の足音を響かせ、1300記念の大詰めを飾る催しへの参加を立候補する者、それは──




カルナ「リッカ、こちらだ。問題はない、怪しくは無いぞ。本当だ」

リッカ「う、うん!カルナさんは人を騙すって言う場所から一番遠い人だから、そこは大丈夫!」

カルナ「・・・俺はそのうち、幸運ランク自己申告をEXにしようと思う」

リッカ「そんなに!?」

アジーカ【(・_・?)】

カルナ「アジーカもよく来てくれた。・・・アヤ」

「あややや!お待ちしておりました!今は何も言わず、こちらの新聞をお受け取りください!」

リッカ「し、新聞?なんだろ・・・最近の現世事情とかそんな感じ?」
アジーカ【?(・_・ドレドレ】

リッカが新聞を受け取った、その瞬間──

早苗「今です!!奇跡『グレイソーマタージ』!」

カーマ「『尊び護るもまた愛なり(ニルヴァーナ・カーマ)』」

グドーシ『転輪聖王(チャクラ・ヴァルティン)

アジーカ【(゜ロ゜)】

リッカ「ファッ!?ファッ!!?」

辺りに奇跡の風、宇宙、半径七キロもの曼陀羅が即座に展開され、そして──

ティエリア『作戦開始!刹那!』

フルメタル刹那『行くぞ──クアンタム・バースト』

リッカ「ほわぁあぁあぁあぁあぁぁあ!!?」

人の意思と意志を繋ぐ、超々高密度粒子を散布した空間が、リッカとアジーカを問答無用に包み込む──

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  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

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