カドック「うわ、びっくりした!?ど、どうしたんだ?」
『・・・・・・・・・』
「ど、どうした?なんで、黙ってるんだ?」
『・・・・・・ぁ』
「あ?」
『あなっ、あなたっ、ごときが!私を愛し、あいしているだなどと!?そんな事を言って私を動揺させようなどと!?あ、浅はか!浅はかな事でしてよ!?』
「キャラおかしくないか君・・・?」
『と、ともかく!ともかく、私はノーダメージ、ノーダメージだから調子に乗らないように。マスターにもきっちり報告させていただきます!これからも励みなさい!よろしいかしら!』
「わ、解ったよ。君の期待に恥じないようにね」
『そ、それでいいわ・・・じゃぁ、また』
「・・・照れてたのかな」
『照れていないわ!』
「通信切ったんじゃないのか!?でも、リッカ・・・今君は何をしているのか・・・」
「ギルから連絡来たよ!カドックや皆、やってくれたって!聖杯の欠片、一つゲットだよ!」
「わぁ!良かったですねリッちゃん!それでは早速御祝いのお赤飯をいただいちゃいましょう!文さんも食べていってください!」
カドック達グランドマスターズが懸命に課題を行っている一方で、我等がメインマスター藤丸リッカは何を行っていたかというと・・・実際のところのんびりした時間を守矢神社にて送っていた。境内を掃除して回ったり、無事を祈願したり、早苗達とお土産巡りをどうするかルート考案したり。カルデアの波乱から少し離れ、旧友との暢気で穏やかに過ごしている。これはオルガマリー、ロマン等からの提案でもあった。
『楽園でも休息カリキュラムは勿論あるけれど、あなた放っておくと夢の中でも特異点に巻き込まれたりするものね。いい機会だと思って、有給を消化しちゃいなさい?』
『元Aチームの皆や、岸波君達の活躍は記録しておくから、早苗ちゃんと幻想郷巡りなんてどうかな?各地を回ってお土産探しミッション!だなんて平和な時間を過ごしてみるのもいいんじゃない?君にはそれくらいの休暇、あってもバチは当たらないさ!大丈夫、どうにもならなくなったらすぐに連絡するから!』
「皆の気遣いを無駄にしたくない!と言うわけで今私はあんまりないのんべんだらりとした日々を現地妻、サナちゃんと一緒に過ごすと決めたのです。にとりちゃんからもらった欠片反応装置を見守りつつ・・・んー!のんびり!」
起きればシミュレーション、部屋に帰れば絆を結んだサーヴァント達の朝駆け、夜這い。寝たら夢の中で特異点単身赴任、事件が起これば特異点にて暴れん坊少女。そんなリッカに対し、医療スタッフであるロマンは懸念していた。無意識のうちに蓄積される疲労、ケアしきれず溜まっているストレスといった僅かな澱みを。
「秘境の幻想郷にてのんびり休み、ついでに皆のお土産も身繕いましょう!だなんて任務を受けるくらい頑張っていたんですねぇ、リッカさんは」
「出来る範囲で出来る事をやってただけだよー。でも、休む事も大事だし、カドックや皆の頑張りを横取りしたく無いもんね。今は休むのがベストなら私は遠慮なくゴロゴロします!むにゃあ」
その解消としての暫くの休息、自由行動。並びに幻想郷の特産品集めがリッカへ与えられたミッションであった。期限は設けられていない、自由達成の方式。任務は建前で、本当にただの休暇と変わらぬ様相である。にとりに会いに行き日が暮れる中、出歩かず守矢神社で厄介になっていたのがこちらのリッカサイドの行動方針であったのだ。
「ゆっくりしていきなさい。早苗の友達を無下にする理由などないもの。知らない仲でももうないしね」
「あーう。お土産にミシャクジさま油なんてどう?怪我に効くよー」
諏訪子と神奈子もそれを了承し、リッカの精神が干渉を受けないよう防護を受け持っている。寝てる際にまた特異点反応に巻き込まれては元の木阿弥なので、彼女の拠点としての安全保護を受け持っているのだ。
「ありがとうございます!わぁ、聞くだけで解る秘薬の感じだぁ!」
「スゴいですよ~!スッと撫でるだけでケガが消えちゃうんですから!諏訪子様の加護が詰まった塗り薬、お土産に是非!」
早苗も現世における唯一無二の友との出会いに意気揚々となり、甲斐甲斐しくリッカの御世話を担当する形になっている。リッカが現地妻と冗談めかして言ったが、その献身ぶりは決して的外れではなかったりする精力的な振る舞いにてリッカの休暇をサポートする事となったのだ。
「ほうほう、楽園カルデアなる場所でもういい!休めっ!となるくらいにリッカさんは大活躍であったと!休暇に差し障らぬ程度に、リッカさん視点からのインタビューよろしいですか?」
文もまた、リッカにくっつき専属ネタ独占を図っている。騒動であるならリッカよりグランドマスターズについていくのがクレバーな選択であるかもしれないが、リッカからは何か必ず大きな事柄に巡り会う機運を感じているのだ。付いていくなら、断然彼女であると記者の勘を信じたのである。早苗、文が現地のサーヴァントポジション・・・そういえば解りやすいだろうか。久方ぶりの、何かをしていればトラブルが向こうから運ばれてくる事のないまとまった自由時間。リッカはそれを存分に堪能していた。
「いいよいいよー。そして、じゃん!幻想郷の地図~!温羅ネキから受け取ってました!聖杯の欠片の影響がなさそうな場所に行ってお土産を買ってこれそうな場所にも目星をつけたよ!明日から早速回っていこう!」
言うなれば今回は自分がサブクエストに取り組む立場であることを理解し、カドック達の頑張りにご褒美・・・とは変な感じだが、戦うばかりではない成果や実績を用意するもの。それが今回の自身のやるべき事だと信じ行動するのだ。マスターとして、彼女だけが頑張らなくてはならないカルデアはもう昔の話。今は頼りになる仲間が、マスター達がいるのだから。そういった友へ任せる事を自分も覚えなくてはならない。それもまた、課題の一つだとリッカは定義していた。
「特異点はレイシフト、っていう肉体を霊子化して特異点に飛ばして、そこで再構成っていう技術を使うんだけど、技術上その世代のものを持ち帰るのはちょっと手間がかかるし、解決したらバタバタしちゃってるから中々戦利品っていうのは手に入り辛いんだよね。だから今回は同じ世代、同じ世界へのレイシフトだからそういうのはずっとずっと融通が効くんだって!こういったチャンスを逃さないのもマスターの素材集めの一環でもあるからね!ガンガンいくよー!」
「はい!前半の仕組みはちんぷんかんぷんでしたが、お土産や思い出を持ち帰り大サービスであることはバッチリ解りました!ならば私はそれを友達としてバッチリサポートさせていただきます!勿論!守矢神社総出で!ですよ!」
「ふふふ、お土産という事なら普段行き辛い場所にもアポなしで行けるというものですからねぇ?普段行けない場所・・・白玉楼、天界、地底、迷いの森、紅魔館・・・!どこまでもお供致しますよー!」
(皆の頑張り、今回は応援させてもらうからね!頑張れ、皆!素敵なお土産、いっぱい持っていくからさ!)
「一応、出掛ける前に私達も連絡先に約束はつけてみるけれど・・・くれぐれも出先で粗相はダメよ?」
「潰していいのは私達の商売敵だけだよー。例えば命蓮寺とかー」
「おや?博霊はほっといてよろしいので?」
「アレに信仰争いするほどまだ墜ちてないから大丈夫ー」
「諏訪子様辛辣ゥ!じゃーサナちゃん!文さん!明日から早速行こー!」
「「おーっ!!」」
(皆なら出来るって信じてるから!力を合わせてギルに見せてやろうよ!私達は皆で、グランドマスターなんだって!)
自身が最前線に立たずとも、紡がれる物語もある。そんな彼等、彼女らの武勇伝を心待ちにしながら、リッカは戦友達への贈り物を手に入れる旅に心を弾ませる──。
リッカ「さて!まずはどこから行こうか!生幻想郷にテンション爆上がりしております私!オススメある?二人とも?」
早苗「そうですねぇ~。じゃあ一番の定番!お人形なんてどうでしょう!」
リッカ「あ!つまり魔法の森の・・・!」
文「えぇ、七色の人形使いアリス・マーガトロイド!彼女の作る人形は実用性もさながら、お土産としても素晴らしい造形を誇ります!一人一人を模したお人形とか、どうです?」
リッカ「女の子っぽい・・・!凄く女の子っぽいよ人形作り・・・!よーし決まり!人形作りに!いくぞー!」
「「おーっ!!」」
リッカ(アリスといったら、幻想郷の住人の中でもすごい人気の人!楽しみだなぁ・・・!ここの幻想郷はどんな人なんだろうなぁ・・・!)
神奈子「楽しそうね、皆」
諏訪子「若さっていいよね~」
「・・・一番歳を、いたっ!?」
「それ以上いけない」
~人形の館
アリス「くしゅっ。・・・誰か噂しているのかしら・・・」
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