人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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突然ですが、皆様はスレイヤーズという作品をご存じでしょうか?

そのスレイヤーズNEXTのオープニング、『Give a reason』という曲、リッカを好きだと言ってくださる方は是非とも聴いてみてください!歌詞が物凄く、物凄くリッカしていて初めて聴いた時衝撃を受けました!

支えてくださった皆様に是非とも聴いていただきたい神曲です!もうホント、自分の中でリッカのテーマソングになったくらいですから!



アリス「あら、お客さんだなんて珍しい・・・早苗ちゃんと、天狗と、あなたは・・・?」

リッカ「はじめまして!私は藤丸リッカ!意志があるなら、神様とだって仲良くなる!です!外の世界から、遊びにやって来ました!」

アリス「あら、御丁寧に。私はアリス・マーガトロイド。人形を作る魔女見習いよ。今日は・・・」

早苗「お土産作り!お人形作りですよアリスさん!是非是非よろしくお願いいたします!」

アリス「まぁ。素敵な理由で来てくださったのね?歓迎するわ、入って入って?」

文「あやや!では遠慮なく~!」

アリス(もしかしたら・・・新しいアイデアに繋がるかもしれないわね・・・)


七色の人形使いの工房へ

「凄い・・・本当にところ狭しと人形だらけ・・・!これが、アリス・マーガトロイドさんの魔術工房・・・!」

 

足を踏み入れ、目の当たりにしたリッカの感嘆の通り、そこは魔女と分類される存在の探求の場、館の体をとった工房であった。とにもかくにも美少女の人形が立ち並び、整然と整理され安置されており、見るものを圧倒する独特の雰囲気を醸し出している。見るものが見れば不気味であるかもしれないが、英霊集う旗本の楽園で培われた乙女の胆力、リッカにとっては繊細なモデラーのアトリエという認識にて好奇心を大いに刺激される結果となる。龍を名乗る手前、物怖じなどする様なタマではないのだ。早苗と文もまた、独特の感性側なので・・・

 

「家事、炊事、身の回りの御世話全般・・・それらをすべてこの金髪洋風人形、確か上海人形でこなしているとかなんとか。一見素晴らしく便利な様に思えますが、結局手で操っていることからそうでもないと魔理沙さんに愚痴っていたそうです。難儀ですね!」

 

「目標は確か、完全自律の人形を制作する事だとか。一度指示した人形は独りでに動くらしいのですが、定期的に命令し直さなくてはならないらしいので全自動と認識してはいないようです。交流は控えめですが人嫌いな訳ではなく、ちょくちょく人形劇などを披露してくださっているらしいですね、彼女」

 

七色の人形使い、アリス・マーガトロイド・・・人間から魔女、魔法使いと呼ばれる力を持つ強者側の人間。その力と風評に見合わず、人間的友好度はかなり高い。

 

「はい、三人分の人形作りキット。これで簡単なフェルト人形なら自作できる筈。針とか使うから、くれぐれも怪我には気を付けるように。足りない素材があったら追加するから、その都度言ってちょうだいね」

 

青のワンピースめいたノースリーブに、ロングスカート。ケープを羽織り短い金髪にヘアバンドとリボンをつけたお洒落な人形使い、アリス。いきなりやってきた客人にも、もてなしを決して忘れない気遣いを笑顔でしてくれるその様子に、魔女や魔法使いという単語が持つ意地悪さや狡猾なイメージは感じられない。辺りにふよふよ浮く上海人形達が一斉に礼をするのも、可愛らしくキュートだ。

 

(主の側をふよふよする金髪の少女・・・はっ!?お姫様は上海人形の起源だった・・・!?)

 

「あまり人が来ないから、満足なおもてなしもできなくてごめんなさいね。でも、今日は来てくれてありがとう。ゆっくりしていってね?」

 

「ずらりと並ぶ人形の不気味さが人払いになってしまっているのでは無いのでしょうか?模様替えで風水を変えるのをオススメしますよ!」

 

「あはは、善処するわね・・・えっと、リッカちゃんだったかしら。外の世界からはるばるようこそ。不気味な・・・不気味な場所だけれど、この子達共々よろしくしてもらえると嬉しいわ」

 

スカートの裾を掴み一礼すると同時に、一斉に礼をする上海人形達。操られているとは思えぬその滑らかな稼働は、それだけで一種の感嘆に似た感情を沸き起こさせる。

 

(早苗さん、根に持たれてますよ根に)

 

(すみません!本当の事を言ってしまったばっかりに・・・!)

 

「はい!よくしてもらってありがとうございます!私、沢山人形作ります!お土産として喜んでもらえるような、アリスさんが作る素晴らしい人形みたいな出来を目指して!」

 

「あら・・・嬉しい。じゃあ、完成したら見せてちょうだい?じゃ、また後でね。リッカちゃん」

 

人形を誉められ嬉しくなったのか、鼻歌混じりに退出するアリス。会話をすると必ず相手を笑顔にできるリッカコミュニケーション、まずは相手の美徳や誇りを素直に褒めるのがコツである。

 

「私とリッちゃん、思った事を伝えているのは同じだと思うんですが・・・妙に受け取られる印象が違うんです。どうしてでしょうか?」

 

「私は人を煽る立場なのでなんともですが・・・正論は時として暴論より人を怒らせる様ですからそれですかね?まぁそれはともかく、作ってみましょうか!はたしてペンしか振るわぬ私にどれだけ作れるか!」

 

「よーし!目指せほにゃらららファミリー!制作開始ー!」

 

そうして作られ始める、想いを込めた人形達。アリスの屋敷の一角にて、素敵な思い出作りが行われる。

 

「外の世界からやってきた少女、か・・・。もしかしたらなってくれるかしら。私のこの人形達の相手に。そして──」

 

その様子を、こっそりと覗き見るアリスの瞳には、細やかな期待が満ちており──

 

 

少女達制作中・・・

 

「じゃーん!諏訪子様に神奈子様人形の完成です!可愛く作れているでしょっ!」

 

「随分と器用ですね、もう二つですか!速さで私が劣るとは・・・!まだ椛が終わるかどうかくらいですよ私。やはり記者の腕は応用利かないものですねぇ・・・」

 

気持ちを弾ませながら、三人集まっていそいそと作る人形制作。早苗はこういった手作業が得意な方だった様で、文に一つ分の差をつけはしゃいでいる。手乗りで運べるくらいの人形は、神奈子と諏訪子の姿を模していた。

 

「家庭科は得意科目だったのです!運動ではリッちゃんにぼろ敗けでしたが、手先では!リッちゃん、あなたはどれくらい作れま」

 

「あ、私?とりあえずこれで六個めだよー!マシュ、じゃんぬ、王様、姫様、オルガ、ロマン・・・まだまだ作らなくちゃ!」

 

リッカはなんと、高速制作もかくやの速さで人形を仕上げていた。どや顔で胸を張るマシュ、旗とスイーツを掲げるじゃんぬ、二人一緒に笑顔なギル、エア。のほほん顔のロマンにあわてふためくオルガマリー。それらを乖離剣、盾、指輪、旗、銃といった小道具付きで完全再現していたのだ。

 

「暫く会わないうちにリッちゃんの手先がとんでもない事になっていました!」

 

「え、これ手作りなんですか!?とっても手が込んでますよこれ・・・お金取れません・・・?」

 

「ふふっ、そりゃそうだよ~。だって家庭科や裁縫は、サナちゃんから教えてもらったもんね!」

 

 

「・・・!覚えていてくださいましたか!えへへ・・・」

 

そう、リッカはかつての高校生の頃、手先はそれほど器用では無かった。それが『誰かの為に作る』というものではどうしてもうまく作れなかったのである。そこを、早苗が教える形で基礎を学んだのである。それを、自身の生を自覚する段階においてようやく開花させることが出来たのだ。カルデアの女子力上昇作戦で、確かな血肉となったのである。

 

「私の分は作りましたし、私も手伝いますよリッちゃん!久しぶりに、私がリッちゃんを監督させていただきますね!文さんも良ければ、お教え致しますよ?」

 

「あやや、是非とも!そして気になるのですが、二人が通っていた学校とはどんな場所だったのですかね?」

 

「?普通の高校でしたよね?名前をバカにすると殴りかかってくる男の子とかいましたが・・・」

 

「うんうん。校長先生やたらと演説上手かったしねー。立てよ生徒!敢えて言おう!いじめはカスであると!」

 

「先生、元気かなぁ・・・リッちゃんの事、ずっと気にかけてくれた保険の先生・・・」

 

「答えよ土門!教科!!東方無敗はぁ!!」

 

「王者の風よー!暑苦しかったですねぇ、シュウジ先生も土門くんも・・・」

 

「と、とんでもなく気になるのですが・・・!後で詳しく聞かせてください!とても詳しく!」

 

(・・・私の事、見捨てないで女子力を高めてくれた皆。今の私がいるのは皆のお陰だよ。本当に、ありがとう。サナちゃんも!)

 

「えっとですねぇ、まずはボタンをですね?」

「なるほどなるほど~・・・あや?リッカさん?」

 

「あ、ごめんごめん!確か、文さんには同僚がもう一人・・・」

 

剣も、刃もなく・・・。のんびりとした人形作りにて、安らかな一時が流れていった・・・

 

 

 

 

 




「「「できたー!!」」」

文「ふふん、もみじにはたては本人より可愛くなっていますねぇ?流石私です!」

早苗「んふふ、リッちゃん!こちらを!」

リッカ「え、あれ?これ・・・私!?」

早苗「再会を祝してこっそり作っちゃいました!プレゼントとして・・・どうぞ!」

リッカ「サナちゃん・・・!ありがとーっ!本当、神奈子様と諏訪子様自慢の一人娘だねっ!」

早苗「えへへそれほどではうっ!?」

文(アメフトタックル!?)

アリス「あら・・・凄く上手ね・・・!驚いた、教える事がないくらいよ」

上海「「「「「おー」」」」」

文「外の世界の命運を救ってきた人間・・・そう聞くと凄いのですが、見た限りリッカさん、普通の女の子ですよね~・・・?」

アリス「或いは、普通に至るまでが大変だったのかもね。本当に、大変な事が、ね」

早苗「このこの~!」
リッカ「ふぁー!ぎぶぎぶー!」

アリス「・・・うん。この子なら・・・」

文「?」

アリス「リッカちゃん、だったわね?もしよかったら人形作りの他に・・・『弾幕ごっこ』もやってみない?」

リッカ「えっ!?──私が!?」

早苗「おおっ!リッカちゃんがボスデビューですか!?」

文(そこは自機じゃないんですね!)

アリス「きっと、素敵なインスピレーションが閃く筈・・・よろしくね?」

リッカ「はいっ!」

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