人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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太陽の畑

──わぁ・・・!一年中向日葵が咲く場所!あるんですね、そんな場所が・・・!

フォウ(部員時空ではエアの名前を貰った誕生日だからね!でも、もっと盛大に祝っても良かったんだよ?)

──ううん。ワタシはもう、いっぱいいっぱい祝ってもらえたから!こういう、大事な人と過ごす幸せがあればいいんだよ、フォウ!

フォウ(だ、大事な人って・・・)

──もちろん、フォウの事!水くさいなぁもう!ワタシ達、親友でしょ?おいで!

フォウ(ふぁ)

──ふぁ?

(ファーーーーーーーー!!!!)

『太陽の畑にかかる虹になる』

──フォウーっ!?

緑髪の妖怪「あら、虹・・・」

ギル「風情があるではないか。悪くはないな。・・・よし、では手筈通りにするのだぞ」

「知り合い?」

ギル「よい技術者がいたのでな。スカウトしてやったわ。さて・・・我等がマスターは遊ぶようだが、我の見立てでは難儀するであろうよ。手並みを拝見と行こうではないか──」


弾幕はデストロイじゃない!

「と、とりあえずものは試しと言うものね。リッカちゃん、あなたの考える弾幕と・・・その技を試してみましょうか。そう、試しにね」

 

アリスの身の安全が切実にかかっているので、シミュレーションする流れとなったリッカの弾幕デビュー。まずは遊びの体をとれなくては土俵に立つことすら出来ない。当然の帰結にリッカは頷く。

 

「では、ジャブ代わりの通常弾幕から行ってみましょうか。・・・変な事を聞くけれど、リッカちゃんは飛べるかしら?」

 

「そこではい、なんて言うのは普通の人間とは呼ばれにくいですが、リッカさんは一味違いますよきっと!お願いします!」

 

「オッケー!最近イメチェンされた、新生バトルモードに・・・!せいっ!」

 

気合いを込め、魔力を励起し空中へ翔ぶリッカ。同時に虹と白色の龍が彼女にオーバーラップし、黒色のフルプレートアーマーであったリッカの鎧が、フェイスギアを始めとした白と虹の龍モチーフ・バトルドレスへと姿を変え装着される。

 

『やっぱり!もうこれで初見で怖がられたりしない筈!』

 

「・・・!美少女にあえて男の子が好きそうな戦闘衣装を纏わせる・・・着脱、装着変身・・・!?そう、これが新しきコンセプトの形・・・!?」

 

「アリスさん・・・?あなたも行かなくてよろしいのですか?」

 

「うわぁー!カッコいいですよリッカちゃーん!綺麗でオシャレですー!」

 

「えっ?あ、そ、そうね。今行くわ。それっ!」

 

戦闘態勢のリッカの前に立ち、人形を展開するアリス。美麗ながらも、相対するものに圧倒的な重圧をかけるリッカの気迫を肌で感じながら、声をかけ合図する。

 

「じゃあまず、あなたの考えるショットを撃ってみて。当てるつもりで、でも次へ繋がる様なイメージでね」

 

『はい!よぉぉおーし・・・!せぇ、の!!』

 

応えたリッカが魔力を込め、放つ意志を固めた瞬間、彼女の背後に三対六翼の巨大な『ドラゴン』が現れる。目を見張る程に巨大かつ、荘厳な姿に、アリスも早苗も、弾幕を数多掻い潜る記者の文すらも息を呑む。

 

「わぁ・・・!お伽噺のドラゴンです・・・!綺麗・・・!」

「これがもしや、リッカさんの初期ショット・・・いえ、なんだか増えてません!?」

 

なんとリッカの攻撃はそれだけで終わらなかった。降臨した巨大龍の周囲に、有翼の蛇竜、財を護る普遍の竜、子を成す百獣の竜、世界樹の根を囓る竜──そして四角を携えた紅眼白金の龍が、六翼の龍の周囲、リッカの背後に顕現するなり、

 

「大丈夫!?これ放たれて大丈夫なんですか!?アリスさーん!回避の自信の程はー!?」

 

「「「「「「アワワワワワワΣ(´□`;)」」」」」」

 

「上海人形がとんでもなく動揺しています!ダメっぽそうですね!」

 

「い、いえまだよ。まだこれはスペルカードですらない序の口・・・これは通常ショットでしかないのよ!ここからだわ!」

 

白き龍二体と、黒き泥の竜達が一斉にアリスを、眼前の人形達を見据える。リッカの闘気の高まりを受け、一斉に翼を開き唸りを上げる。

 

『いっけーっ!!これが私の!弾幕だぁーっ!!』

 

リッカの号令に応え、龍達が動く。黒き泥の竜達は一直線に、アリス目掛け突撃を放つ。それは神話の光景もかくやの、あらゆる年代のドラゴンの共演、共闘。まさしく神話の再現であった。

 

(一直線の自機狙い・・・!回避しつつ迎撃しなくちゃ!)

 

一斉に人形を操作、武装し、向かい来る竜達に人形達を立ち向かわせる。自身も少しずつ、絶え間無く動き迎撃を行うが──アリスが見た光景は、想像を絶する世界のものだった。

 

(この視点は、まさに──神話における英雄の目線かしら・・・!)

 

自分の弾幕にて、迫り来るドラゴン達に立ち向かう。己の全てをかけて、生物の、万物の頂点達に挑む。リッカの弾幕は相手に、絶対的に立ちはだかる脅威、壁といった認識と試練、或いは畏怖を与えるものとアリスは分析した。自身の人形でドラゴンに触れた場所に、穴や傷としてダメージ描写をしてくれている事からも、スペルカードルールに則った力加減をしてくれているのは明白だった。そうでなくては、自身は一瞬で食い殺されていた確信がある。それほど、彼女の力というものは研鑽、練磨を宿していたと感じ取れるのだ。

 

「わあ!人形達がドラゴンと戦ってますよー!いけいけー!」

 

「ファンシーな神話みたいですねぇ。相手によっていい一枚絵が撮れますよこれは!」

 

(!見ている側からしてみればそう見えるのね。成る程、立派に弾幕勝負の体は取れている。だけどこちらは・・・!)

 

見ている側には、弾幕を駆使して龍に立ち向かう人形使いとして幻想的な風景として見られているのだと把握した。しかしアリスとしては一瞬の緩みも赦されない極限状態の連続である。単純な話、何体も迫ってくる大質量の弾幕竜から身を護る事に全身全霊で人形を駆使している為だ。

 

(通常弾幕からして規模も強さも段違い。ただの戯れでこの質量・・・!普通の少女をここまでにするだなんて、世界の外では何が起きていたのかしら・・・!)

 

『アリスさん!?だ、大丈夫ですか!?』

 

「問題ないわ、大丈夫!いい弾幕よ、強く雄々しい、あなたの弾幕・・・捌き甲斐があるわ・・・!」

 

心配そうなリッカに笑顔を見せ、先輩として導く姿を垣間見せるアリス。そう、まだこれは通常弾幕。この竜達も戯れているに過ぎず、リッカの背後には二体の龍が控えている。勝負どころか拳合わせが終わった程度の規模なのだ。

 

「では、スペルカード!一枚スペルカードの使用を宣言して、放ってみせて!弾幕の制御はできているわ、その調子で強い技を放つイメージを!」

 

『は、はい!よーし、だったらこれを!』

 

リッカが提示したスペルカード、それは【恐慌励起す殲滅の咆哮】。使用を宣言すると共に、竜達がリッカの背後に集結し、竜一体一体の口には漆黒の、二体の龍には七色のエネルギーが充填されていく。

 

「リッちゃんの初スペカ!文さん文さん撮ってくださいねきちんと撮ってくださいね!撃ちますよ撃ちますよ!」

 

「あややや揺らさないでください!アリスさん大丈夫ですか!?残機ありますかー!?」

 

「凄い威圧感・・・!これは──!」

 

アリスはその頭脳で、リッカのスペルカードの用意された安全地帯を見つけ出す。避けられない弾幕は御法度の通り、其処には確かに安全地帯が存在した。本来リッカも何かしら攻撃を放つ為に潰される安全地帯、そここそ。

 

(──逃げ場、安全地帯は『彼女の懐』!でもダメ、私と人形達の機動力じゃ間に合わない・・・!)

 

大技であるだけあり、確かな隙もある。或いは、数匹がタイミングをずらす事で威力を抑え隙を潰せるやもしれない。今回は一斉射撃型であるため僅かな猶予はあるが、人形使いである自分は人形の操作に手一杯な為、すぐさま行動に移れないという事実を痛感させられる。そして──

 

『スペルカード!必殺!『恐慌励起す殲滅の咆哮(アトロシアスディザスター)』ーッッ!!!』

 

放たれる、黒き極太の光線に虹色の光線の二重螺旋。リッカの思念たる『闇を懐き光とする』生きざまを現した、渾身のスペルカードアレンジ。

 

「くっ──!」

 

人形を一斉召喚し、眼前にありったけのシールドを展開し受け止める事を選び、実行したアリス。しかし──

 

「───!!」

 

受け止めていた【黒色の光線】から、『七色の光線』が分離、放射され、アリスの死角四方八方より、龍の頭となりて襲い来る──!!

 

(・・・リッカちゃん達の故郷に、虎穴なんとかという諺があったわね。それと同じで・・・)

 

彼女を『恐れず』に歩み寄り懐に潜り込む。乗り切る手段はそれのみであり、敵対するものならば無慈悲に粉砕する。

 

(まさに、ドラゴン。本当・・・凄い娘がやって来たものだわ──)

 

リッカの本質をいち早く見抜くと同時に、虹色と黒色の嵐の爆風が辺り一帯を吹き飛ばした──。




アリス「いたた、あいたたた・・・死ぬかと思ったわ・・・」

リッカ『アリスさん!大丈夫ですか!?怪我して無いですか!?』

アリス「リッカちゃん・・・ふふ、大丈夫よ。かっこよくて、雄々しく、美しい。凄い弾幕ね、あなたのドラゴン」

(遊びじゃなかった場合に受ける相手に同情するわ・・・)

「「「「「ピチューン・・・」」」」」

『上海の皆ー!?』

アリス「あなたの力だと、スペルカード一枚分でも必殺クラスか・・・これは、凄まじい後輩ができちゃったわね」

リッカ『うぅ、もっともっとアリスさんのスペルカードとかを見たかったんですが・・・限界ギリギリまで威力落として、隙を作ってもさっきくらいになっちゃって・・・遊びというかただの蹂躙になっちゃって・・・』

アリス「うふふ、手も足も出なかったわね。私」

『これじゃ楽しい決闘とは程遠いですよ!もういっそ自分の力を封印して皆の弾幕をお借りします!とかしなきゃダメかもしれません・・・!私は皆とワイワイ弾幕勝負を目指したいですから!』

早苗「おーい!二人ともー!」

文「凄かったですねー!生きてますかー!」

アリス「弾幕を御借りする・・・何時か魔理沙と話したわね。気軽に誰かの弾幕を使えたらいいのに、って。でも・・・」

早苗「次は是非是非私とやりませんか!リッカちゃんに挑みたいですー!」

文「掻い潜りがいがある弾幕!リッカさん、かなりの強キャラで見立てバッチリでした!」

『皆・・・!』

アリス「・・・早苗ちゃん、確か河童がそういった装置や発明をしていると聞いたわ」

早苗「あぁ、スペルカードに力を持たせ、いろんな人の弾幕を使う発明ですか?確かに作っていましたが作られるのは明日以降と・・・」

にとり『明日って今さ!!』

リッカ『わぁびっくりしたぁ!?』

『通信外から失礼するぞー!リッカガール!パトロンから話は聴いた!君に託したいものがあるからラボにおいで!かまん!』

リッカ『ぱ、パトロン?まさか・・・』

ギル『無論!我だ!!弾幕に励む我等がマスター、貴様に丁度よい枷を作らせた!さぁ自慢の開発を受け取りに来るがよい!』

リッカ「やっぱりギルだったー!?」

早苗「開発完了していたのですか!?はやーい!」

文「これは、スクープの予感ですねぇ・・・!」

アリス「ど、どちらさま・・・?」
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