にとり「うむむむ・・・霊力を受け止めるスペルカード、力を借りる際の力となる物質、それらを全て備えた機械デバイス・・・ネタと発想はひょいひょい浮かんでくるのだけれど再現のノウハウが・・・資金が、無い!」
(好き勝手に暴れまわる退屈と力を持て余した輩を有効活用したい!人間達に、理不尽に立ち向かう力を手にしてほしい!)
「誰か・・・誰か私に支援と資金をくれぇ!絶対期待を裏切ったりしないから!私はただ、人間の役に立ちたいんだー!!」
?「ほう?ならば役に立ってもらおう。丁度今、我等がマスターが煩悩の中にいる。力になることを許してやろうではないか。それと引き換えに──」
『金の延べ棒』『千両箱』『金塊』
「わばばばばばばば!?」
『ダークゼットライザー』
『クラスカード』
『ウルトラメダル』
「こ、これは!?そしてあなたは!?」
「通りすがりの──御機嫌王よ!我は口を出さず見ている故、見事開発を完成してみせよ!」
「こ、これは・・・!?私が思い描いていた装置!?ありがとう!早速解析だー!!」
(我等はあえて見ていてやろう。さぁ、遊びの下拵え、見事完遂してみせよ!)
「突然だけど、発明と科学に必要なものはなんだか解るかい?盟友とその他の仲間達よ」
にとりのラボに通されて邂逅一番、にとりの言葉に首を捻る一同。机に置かれていたのは・・・ニャルやエレシュキガルが利用していた形のライザーに、白紙のカードが置かれている。
「えっと・・・情熱!」
「閃きでしょうか?」
「試行錯誤と研鑽・・・かしら?」
「金です!!頭に浮かぶ発想、みなぎるインスピレーション、設計図!それらは全てお金をくれるパトロン、スポンサー、協力者がいて初めて完成する!発明者と開発者は常に現実と理想の境界を埋めるためのお金を求めているといっていても過言ではない!リッカちゃんに渡す私の発明も、パトロン王ギルさんがいて初めて完成にこぎ着けられた!更に、カードや霊力を固形化して使用する技術まで提供してもらえた!楽園は最高の同盟者だぁ!ありがとー!!」
割と夢のない事を叫びながら、にとりは霊力を固形化し、カードという媒体と使用する力を重ね合わせ、他人の弾幕を使う事のできる装置を作り出したのだ。その技術は、まさに革新的、最新、そして異世界の技術すらも編み込まれたワンオフの傑作装置である。
「まず私は弾幕、それを構築する霊力をカードとかメダルに固め、押し込めてスペルカード自体に力を持たせる発想を閃いた。理論はあったけどどうしても霊験やスピリチュアルを科学に落とし込めるのは難しかった・・・!そんな時パトロン王が資金と共に技術提供してくれた!英霊という高次存在を置換し、自身を媒体に召喚するクラスカードの理論、それを仮称ニトライザーのアクセス認証にアレンジした!」
「おぉ・・・!クラスカードを自分で再現したって事!?」
「そうなんだよ!理屈はあったんだけど、まさか先んじて形にしている方がいたとは・・・でも特許取ってないのが運の尽き!存分に参考にさせていただきました!はい、リッカちゃんの認証アクセスペルカード!これを認証に使っちゃうんだ!そうすれば、君の身体は他者の霊力を取り込み、スペルカードとして使用できる状態になる!」
スペルカード自体に力を持たせ、受け入れる受け皿とする。そこに読み込ませる為の他者の霊力を固形化した物体をニトライザーに読み込ませるのだ。
「どんな形にするのか悩んだけど、この機械の元ネタはメダルを使っていたみたいだね?ならリスペクトして同じ形にしてみた!即ち!この無色の硬貨にリッカちゃんが力を借りたい相手の霊力を込めるんだー!」
緑と蒼の、硬貨が三つ嵌め込めるニトライザーを受け取るリッカ。そして白色のカードをリッカが受け取った瞬間──
「わぁ・・・!」
決意の表情を浮かべるリッカと、龍の横顔が描かれた黒と白のカードが出来上がる。それはまさしく、技術提供された光の国の発明を日本、幻想郷風味に使用可能、改良したニトライザー(特許庁申請中)であった。楽園がスカウトした体でなくては違法コピー沙汰である。
「今手元にある三つ分の硬貨、これがリッカちゃんが力を借りれる三人分!さぁ、借りたい力の相手を選ぶんだ!それが、君と幻想郷を駆け抜けるブラザーになる!慎重に選ぶんだ!」
「三人分・・・!だったらそれは勿論!」
受け取ったリッカは、すぐさま早苗、文、そして・・・アリスへと、触媒の硬貨を託す。
「サナちゃん!やっぱりあなたがいなくちゃ始まらないよね!」
「えへへ・・・!私の力、風祝の力!存分に使ってくださいね!」
奇跡と風を操る、風祝の神の力を友情で結ぶ。力の中核を任せた後、二枚目は文に
「そして文さん!弾幕を避ける、縦横無尽の速さを貸してください!」
「御目が高い!勿論いいですとも!これからも善き関係を、築いていきましょうとも!」
幻想郷最速の名を謳う天狗である文の力は、素人のリッカを必ずや護ってくれるだろう。そして最後の硬貨を、リッカは託す。
「え?・・・私?私でいいの?」
最後の一人は、アリス。弾幕勝負の手解きをしてくれた、アリス・マーガトロイドに、信頼の証としてリッカは託す。
「はい!アリスさん、力を貸してください!私に弾幕勝負を持ちかけてくれて、親身になってくれた貴女と一緒に戦いたいです!七色の魔法、人形達を操る器用さ!きっと私を助けてくれる筈だから!」
「・・・そんなに言ってもらえるだなんて、嬉しいわ。えぇ、私の力が、あなたの役に立つのなら」
頷き合い、手を重ね合った瞬間。硬貨にパートナー達の霊力が流れ込む。程度の能力、霊力を具現化、固形化したもの・・・笑みを浮かべる三人の絵柄が具象化する。これが、リッカの弾幕の力の中核を成すもの。
「うんうん、雑な数合わせじゃなくてしっかり候補を見つけていたね!じゃあこれを使って妖怪退治もよし、思いきり遊ぶもよし!好きに使っていいからね!さぁ、霊力硬貨をもっと作ったり量産配備も視野に入れなくちゃ!」
にとりは満足げにリッカにニトライザーを託し、ゴーグルを付け研究室に引っ込まんとする。その姿に、リッカは頭を下げる。そんな素晴らしいものを、なんの代償もなく託してくれた彼女に向かって。
「ありがとう、にとりちゃん!でもこんな凄いもの、もらっちゃっていいの・・・!?」
「勿論いいに決まってるよ!わざわざ遊びに来てくれた盟友、幻想郷でよいひとときを過ごしてくれたならそれでいいんだから!私の発明は人間の為に!科学は平和と安寧の為にあるべき!願うなら──この力を、誰かの為に使ってくれることを祈ってるよー!」
にとりは自身の発明が手元にある事に拘らない。それは確かに必要とされる誰かの下へと手渡り、正しく使ってもらえたならそれで良しとする。
「信じてるぞー!盟友ー!」
人間を尊敬し、愛する河童であるが故に。人間に対する性善説を信じている。それは出逢って日が浅い者でも変わらない。彼女にとって、人間は皆・・・盟友なのだ。
「・・・。約束するね。絶対に悪用せず、正しい事に使うって!」
「フッ、遊びとはいえ本気でやらねば面白くは無かろう?思うがままに振る舞うのは良いが・・・無様を晒すなよ?我等がマスターよ」
「──うんっ!!よーし!じゃあ行くよ皆!今度こそ、弾幕勝負をやってみよー!!」
「「「おーっ!」」」
慌ただしく出ていくリッカ・・・年相応の笑顔を見せ友達と騒ぐその姿を目の当たりにし、同じく笑みを溢すギル。
「フッ──投資をした甲斐があったと言うものよ」
──リッカちゃんの素敵な笑顔、百万ドル!ですねっ?
ドヤ顔で胸を張るエアに、王も同じく笑いながら彼女の額をそっと小突くのであったとさ──
リッカ「よぉおぉし!!やるぞー!!えっと!どうやるんだっけ!」
早苗「説明書があります!えっと、認証アクセスペルカードを挿しちゃいましょう!」
『リッカ!アクセス認証!!』
文「喋りました!?喋りましたよこれ!」
アリス「日本語なのね…メダル・・・硬貨?硬貨っていうのかしらこれ?三つ?順番はあるのかしら?」
リッカ「空を吹き抜け!奇跡の神風!!サナちゃん!文さん!アリス先輩!!」
『おっぱい巫女!』『マスゴミ!』『百合人形使い!』
リッカ「行くぞぉ!!えい!えい!おーーーっ!!」
「「えい!えい!おーーっっっ!!」」
「お、おーっ!」
高々と鬨を上げ、ライザーを掲げトリガーを押し込むリッカ。すると同時に──
早苗『とぁーっ!』文『あややっ!』アリス『ブレイン!』
アリス「ちょっと待って私だけ適当じゃない!?」
霊力で象られた三人のイメージが飛び立つリッカに重なり、リッカの髪色が緑髪に黒メッシュの入った長髪となり、青い目に変化し、『風』と書かれた特効服を纏う姿に変化する──!
『藤丸リッカ!ミラクルスポイラーッ!!』
リッカ「おぉおー!新しい私な予感だーっ!」
その姿は、リッカであってなくてリッカでない。幻想の少女として、新しき姿となったリッカが新生する──!
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