迷いの竹林とは人里から見て妖怪の山の反対の地理に位置する広大な竹の林です。まんまですね!
この竹林はまぁ長い竹が群生しており、妖精すら迷い空を飛んでも駄目というちょっと理不尽にも程がある地形をしている危険スポットでもあるのです!
ここを根城にし持ち主を自称する、幻想郷名物見てくれだけはいい性悪の適合者が一人『因幡てゐ』が月の犯罪者の構える薬屋と契約し立ち入り禁止になった事もありますが、今は紆余曲折あり解放されています。
ただでさえ案内人がいなければ迷い果ててしまう程の危険スポットに何者かの介入!?我等が藤丸リッカさんはどう立ち向かうのでしょうか!
乞うご期待!あ、私は身も心も綺麗な射命丸ですので!新聞いかがですか!
「此処が迷いの竹林ですね!」
早苗が解りきったハウス突入めいた宣言を行った通り、四人は件の場所たる迷いの竹林へとやって来ていた。十数メートルはあらんかとされる竹の屹立が、無言で睨むかのようなプレッシャーを四人へと叩き付けてくる。異様であり、偉容である。
「うわぁ・・・富士の樹海に遊びにいった時以来のプレッシャーだよこれ・・・なんかこう、帰す気のない感じがびんびん伝わってくる・・・!」
「えっ、リッカさん樹海なんかに遊びに行った事あるんですか?一体何をしに・・・?」
「旅行先で置いてかれてちょっと人の死ってどんなのかなーって興味が湧いてね。怖かったなー・・・なんで帰ってこれたのか不思議だよね我ながら。どんちゃん、此処でオッケー?」
「は、はい!本当なら案内人の藤原妹紅という方がいらっしゃるんですが、今は別件らしくていないんです・・・!どうか皆さん、突破をよろしくお願いいたします!」
月のウサギ鍋がかかっているため、気合いを入れて取り組む一同。どのような手段を使っても、彼女を送迎するとの決意を高める。
「よーし!じゃあ皆で頑張りましょう!守矢一家!ファイトー!オー!」
「おーっ!!」
「守矢一家ってなんですか!一纏めにしないでくださいよ!?」
(元気な人達だなぁ・・・もしもの事があったら、リッカさんだけでも!)
そんな探検家めいた四人が今、未知なる秘境(見学自由)に挑む──!
~少女達探索中・・・
「まずは普通に歩いてみよっか。とりあえずアステリオスから貰った毛糸を垂らして・・・」
「おおっ!気合いや根性ではない理屈の攻略ですね!」
リッカはバレンタインのお返しで様々なグッズを持っている。今回使用したものはアリアドネの毛糸。アステリオスが巻き取っていた御守りである。
「よし、これなら入り口に戻ってこれるね!よーし行こ」
「きゃ~~~~~~~!?」
「どんちゃーん!?」
出発しようとした瞬間、うどんげが足下から消え失せる。落下音の後にどすん、とお尻が餅ついた音を響かせた為、落とし穴に間違いないだろう。だが、文は見逃さなかった。
(──うどんげ兎は動いていませんでした・・・今の落とし穴は『生成』された・・・!何もない地面に突然・・・!)
「あいたたた・・・!すみません言い忘れていました!此処にはてゐの仕掛けたトラップが満載で・・・!」
「あははははははは!!あはっ、あははははははははははは!!」
突如笑い出す早苗。彼女は突如伸びてきた枝に四肢を拘束され、ひたすらに擽られていた。脇とか首筋とかを重点的に。
「それを先に言ってほしひひひひひはははは!くすぐったあははははははは!り、リッちゃん助けてくださいぃいひひひひひひひひ!」
「おっ・・・えっち・・・じゃない!このぉ、私より早くサナちゃん堪能とか赦さないから!」
『藤丸リッカ!ミラクルスポイラー!!』
瞬間、機動力と対人戦に特化したミラクルスポイラーに変身し、素早く笹枝を斬り早苗を救出するリッカ。荒く息を吐く早苗をお姫様抱きで確保する。
「急に、急に出てきました!感知も出来ずいきなりでした!リッちゃん、気を付け──後ろ!!」
『──!!』
早苗が言葉にするのと同時に、リッカは回し蹴りにてしなり殴打せんとする竹を切り裂いた。そのまま跳躍し、四方八方から襲い来る竹を回避し、捌き、伐採していく。腕は塞がっているため足技オンリーによる曲芸、そしてユニットから放つ弾幕にてだ。
「大丈夫ですか、因幡兎さん。こうなったら最速で貴女を薬屋に送り届けるまで!」
「えっ!?な、何を──ひゃあぁあぁ!?」
うどんげを素早く落とし穴から引きずり出し、そのまま瞬時に竹林の上方へと飛翔する文。一直線に障害を飛び越える魂胆。黒き翼を開き力を溜める。
「見えました!一気に駆け抜けますからね!この最速の私を捕まえられると思わないことです!行きますよ!風神──!」
辿り着くべき道を定め、力を溜め、駆け抜ける飛翔を行った──次の瞬間。文の前に、笹のカーテンが降りる。
「わぷっ!?へ、あれ──なんですとー!!?」
文は『反転』していた。性格や人格の話ではなくただ物理的に。北に行く筈が、南に向いてしまっていたのだ。最大全速、渾身の力で準備し、解き放った文は止まれる筈がなく──真反対の妖怪の山、天辺の守矢神社へと突撃をかましてしまったのである。神社の屋根に直撃し、瓦が吹き飛ぶ光景を、空飛ぶ者はきっと見据えた筈である。
『文さん!どんちゃん!──っ!』
(踏破するとか、進むとかそんなレベルじゃない・・・!入ってきた人は皆弄ぶオモチャみたいなノリ!そもそも帰還も挑戦も許してないんだ、今の此処・・・!)
無数に迫る竹の追撃、至る場所に仕掛けられたトラップの歓待。鋭利な丸太や、飛んでくる手裏剣。それらが殺意を以て、侵入者であるリッカ達へと殺到してくる。
『退くよ、サナちゃん!ここ、まともに攻略させる気ないみたい!』
「は、はい!文さんとウドンゲインさん、飛んでいっちゃいましたからね!でもどうやって逃げましょうかこれ!?」
出口までは十歩程。しかしそれを許さないとばかりに竹林の全てが襲い掛かってくる。これら全ての対処をしなくては、なぶられるばかりの結末が待っているだろう。リッカは少し思案し、そして──
『怪力乱神!此処にあり!!萃香ちゃん、勇儀さん、温羅ネキ!!』
『つるぺったん!』『体操着!』『我等の鬼神!!』
『グランドレッキングゥウ!パワァアァアァアーーーッ!!!』
奇跡と機動、頭脳のミラクルスポイラーから、剛力、怪力、超力のグランドレッキングパワーへ。瞬時にチェンジしたリッカは、地面を力の限り殴り付け一帯に超強力な地震を起こす。竹林の全てがしなり、たわみ、コントロールを失ったその一瞬。
『だらっしゃあぁあぁあぁ!!』
「きゃあぁあー!?」
早苗をアメフトボールのように抱え込み、一直線に脱出。出口より向こうに、なんとか飛び出る。
『はぁ、はぁ・・・サナちゃん、大丈夫?無事?』
「は、はい!・・・リッちゃんの身体、凄く柔らかいです!上質な筋肉は凄く柔らかいって本当だったんですね!」
『鍛えてますから!・・・それにしても、迷いの竹林・・・か』
その名にはそぐわしくない。来たものを狂わせ、竹林のそのものを狂わせ、弄ぶのも辞さない程の凶悪な竹林。恐ろしき死地。
『・・・皆を無事に送り届けるのは・・・もう一捻りの工夫がいるかもしれないね、ここ・・・』
入り口に立った事による凶悪な洗礼に、力でもない、技でもない『奇術』が必要であるという事実を、リッカは痛感することとなる。
~
【】
・・・迷いの竹林にひっそりと建てられた祠。そこにこっそりと奉られている、弾力のある石のような御神体。
【──】
その御神体が輝く度に、竹林の全てが鳴動し、配置を変えていく。その物体は、不気味な輝きを放ちながら浮遊し、明滅を続けていた──。
?「せー、の!」
「「大成功!竹林トラップ計画~!」」
?「いやー!あたいが貰ったこれ、すっごく便利だね!何かが欲しい!って考えるだけで出してくれるんだ!楽チン!」
?「レイセン・・・私を差し置いて有給休暇申請するだって!?許せん・・・!薬屋にはもう金輪際入れてあげない!入れてほしかったら私にも有給寄越すんだ!」
?「あたいたちの根城にはぴったりの場所、あんたの嫌がらせにはぴったりの場所!これはもううぃんうぃんだね、うぃんうぃん!よーし!がっつりこのままやったろー!困らせたろー!」
てゐ「おー!・・・でもあの石、不思議だよね。置いとくだけで色んな場所にも行けるし、飛べるし、戻れるし」
?「こいつを持ったら出てきたんだよ。えっとなんだったかな・・・ぶる・・・ぶる・・・ぶるりん!ぶるりんだったな!」
てゐ「トラッパーとしては大歓迎だけどね!よーし!気合い入れて磨いてやるぞ~!」
ぶるりん【】
~薬屋
?「どうやら力強く・・・は選ばなかったみたい。力の責任を理解している様ね」
「そうでなくては、絆を結ぶマスターにはなれません。・・・ですが、新たな力が必要な事も事実」
「用意してあげるの?」
「ヒント、それだけを。そうでなくては、恐らく──近い未来に起こる愚行の対処は敵わない」
「イラストは私が書いてあげたわ、どう?」
『ナイフと刀』
「・・・ほぼ答えな様な気がなさいますが・・・」
「ふふ、どうかしら──」
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