正邪【これをお前に渡そう。好きなように使え】
クラウンピース「ん?なんだこれ」
【好きな願いを叶えてくれる・・・お前がやりたいことを助けてくれる・・・】
「ホントか!?あたいスゴいの貰った!ありがとう!」
【ひゃっひゃっひゃっ・・・迷いの竹林辺りの兎と、遊んでみればいい・・・】
~
てゐ「なんでも願いが叶う!?」
「試してみろ、幸運兎!本物かな?」
「じゃあ・・・誰も逃がさない、スーパートラップゾーンが作りたい!」
クラウンピース「・・・わ!?光りだした!?なんだこれ!?」
ブルトン【プルプルプルプル】
クラウンピース「・・・石?」
てゐ「これが、トラップゾーン?」
~
てゐ「スゴいな!配置も空間もいじり放題!私のやりたかったこと、なんでも叶えてくれるんだ!」
ブルトン【プルプルプルプル】
クラウンピース「よくそんなキモいの可愛がるなぁ~、あたいは無理、パス!」
てゐ「キモくない!ぶるりんは私のパートナー!」
クラウンピース「ぶるりん?」
「この子の名前。・・・私が諦めてたアイディアを形にしてくれて、助けてくれた相棒なんだ」
【プルプルプルプル】
「御神体として大切にするから、ぶるりん!よろしくね!」
~
「ゆくゆくは、幻想郷全体をトラップダンジョンにしたいなぁ~。もちろん、お前と一緒に!」
【プルプル】
「お前のお陰で、すっごいすっごい竹林に出来た!私に力を貸してくれてありがとう、長年のアイディアを形にしてくれてありがとう!」
【プルプル】
「これからも一緒にいようね。そしていつか・・・楽しんでもらえるダンジョンも作ってみよう!」
【プルプルプルプル】
「よーし!やってやるぞーっ!」
~
てゐ「おのれレイセン、私に黙って三日有給だとぅ!ゆるせん、断じて!」
【・・・!】
てゐ「私は残ってないのに!どうしてくれようか・・・!」
【プルプルプルプル】
「え、・・・力、貸してくれるの?」
【プルプルプルプル】
「・・・よし!じゃあウンピも呼んで!レイセン帰らせないダンジョン!結成だ~!」
【プルプルプルプル】
『改めて見ると、この怪しげな竹林に敷き詰められたトラップ・・・遊びの範疇を越えたアウトよりのアウトみを感じます。被害を拡大させない為に、サクッと攻略してやったりましょう』
新たな姿と力を手にし、再び迷いの竹林へとやって来たリッカ。ルナダイアリティ・サーヴァントとしての姿のデメリット、珍妙な日本語を話し立ち上がる。他のメンバーには、辺りの通行止めと万が一の避難誘導をお願いした。いるのは四名、先のメンバーである。
『早速始めてしまっちゃいます。まずは、徹底的な解析と把握をするんでござりましょう。己と相手を知るのが、奉仕の鉄則なんであります。──明鏡止水・エコーアキュート360』
童子切を引き抜き、刀身をそっと指で撫でる。するとその輝きが強まり目映いモノと化し、迷いの竹林全体を照らし覆い尽くす。
「まぶしっ!これはもしや、明るい星!?私の力だったりします!?」
「そんなわけないでしょう。これは・・・あっ、見てください!リッカさんの刀身に・・・!」
「びっしりと文字が・・・」
リッカが見つめる刀身に、指摘された通り光景と文字がずらりと並んでいる。紅く浮かび上がったそれは、まさに迷いの竹林の全貌・・・『光が照らした範囲の全情報』であった。今の一瞬で、どんな罠があるか、何処が危険かを瞬時に把握したのである。
『大体解っちゃいました。これで心置きなく攻略してやったりしちゃう事ができまする。みなさん、準備はおっけーねな感じですか?』
「こ、攻略って・・・どうやるんですか?」
『この様に。カップ麺でも作って待つがラッキー的な感じなんであります。──『ルナティック・クリミネイト』』
リッカが刀を抱え、高らかにフィンガースナップを打ち鳴らす。静寂を切り裂く指の快音が響き渡った瞬間、驚愕の光景と事態が巻き起こる。
「え、え・・・えぇえ!?」
「さ、咲夜さんに妖夢さんに・・・私・・・!?」
そう、リッカが召喚したものは光輝く三人、咲夜、妖夢、そしてレイセンの幻惑であった。光輝く従者達に加え、更に要員は増えていく。メイド妖精、魂の様な霊魂達、ウサギ達、ちびノブ、ホムンクルス隊・・・それらを一息に、召喚して見せたのである。そのメイド部隊とも言える者達に対し、リッカは静かに指示を送る。
『咲夜さんチームはトラップの除去、妖夢さんチームは物理的障害の排除。どんちゃんは認識阻害の相殺。徹底的にやりやがり、安全を確保しちゃいなさい。速やかに力を貸してくおくれやす』
『『『『『『了解!』』』』』』
『では、解散どうぞ!レッツラゴー!』
リッカの呼び出した部隊達が、一斉に竹林に突撃していく。それらを見届け、仲間達の前にティータイム用具一式を幻惑召喚してみせる。
『後は待ってるだけでモーマンタイでございまするよ。さ、一息入れてリフレッシュしてもろてくださいまし』
「え、え、いいんですか!?」
「わぁい、いただきます!」
突如ティータイムの準備を始めたリッカに対応し、暢気にお茶会に預かる早苗に困惑のうどんげ。文はすかさず飛び上がり、カメラを構える。
(竹林、どうなっているか確かめなくてはなりません!お手並み拝見ですよ、リッカさ・・・)
高揚、後に絶句。其処にはいたずら好きの兎を全力で狩らんとする軍隊の『蹂躙』とも言うべき光景が拡がっていくのだった──。
~竹林サイド
「あわわわわ、なんだあいつら!なんだあいつら!?せっかく仕掛けた罠やおかしくなる空間がぁ!?」
竹林歪曲の当事者、カラフルな下地に星が大量にあしらわれた衣装に身を包む少女が困惑に声を上げる。ある意味当然だ。尻尾を巻いて逃げ帰ったとされた人間・・・いや、人間であるか怪しい者達が戻ってきたと思えば、大量の人員を竹林に引き連れてやって来たのだから。
『こちら十六夜咲夜班。侵入阻害トラップ解除、排除確認。進行ルートの確保に向かいます』
青いメイド服のチームは、落とし穴や竹槍、ワープ装置といったトラップ全般を適切に処理、解除して回っている。物理的にダメージを受けるような仕掛けを片端から見つけ出し、排除しているのだ。頭を悩ませ作ったトラップは、今や九割が無力化されてしまった。
『こちら魂魄妖夢班!とにかく斬ります、片っ端から斬っています!』
その報告の通り、刀を構えた緑色の剣士は配置したモンスター、シャドウ・サーヴァントを手当たり次第に切り捨ててしまっている。強いも弱いも、多いも少ないも関係無い滅多斬り。配置に時間のかかった聖杯由来の獣(バイコーン、ソウルイーターなど)も切り裂かれた時点で、竹林の危機は八割ほど除去されてしまった。
『こちらレイセン班。精神干渉、汚染の相殺に注力します。あと二分で完了する予定です』
最後の、兎の知り合いによる自身の能力への相殺・・・精神に干渉し平衡感覚や五感を狂わせる汚染、狂乱効果が急激に抑えられていく。いつの間にか僅かに曲がっている、真っ直ぐのつもりが引き返しているといった人間の認識の攻撃が、迅速に無力化されているのだ。
「ど、どうなってるんだ・・・!あいつらは、あいつらは入り口にいる筈なのに・・・!?」
聖杯の欠片のマッピングによれば、先に撃退した馬鹿な人間と天狗は暢気にお茶をしばいている。やたらと美味しそうで羨ましいが今はそうではなく。『侵入された訳でもないというのに、急速に攻略されてしまっている』。まさに頭がどうにかなってしまったか、或いは狂ってしまったとしか思えない現象に、頭を抱える他ない少女。
「あたいが考えた狂乱のダンジョンが、一歩も足を踏み入れられずに攻略されるだって!?そ、そんな馬鹿な・・・!あたいが受け取った筈の力よりも凄いものがあったという事なのか・・・!?」
驚愕と動揺のまま、撤退すべきか迎撃すべきかを考え脚と思考が止まる派手な少女。聖杯の欠片にて現状把握の為に開いていたモニターには、怪しいナマモノやホムンクルスが、竹林にて闊歩しているという異常事態。そして──
『『『最終目標、発見』』』
「ひぃ!?」
リーダー格の三人が、監視の向こうから一斉に『こちら』を見据え同じように呟き、猛烈な速度で迫ってきたのだ。ナイフを、刀を、銃火器を構え突撃してくるその有り様は恐怖以外の何者でもない感情を消えないトラウマとして刻み込む。
「お、お、お、おい因幡兎!なんとかしないとまずい、まずいぞこっちに来る!来てる!?」
楽しむゲームマスター側が一転、狩られる側へと変転した少女がパニックになり相方に意見を求める、が──
「あっ!?」
「すまんな、クラウンピース!私はあんたより大事なものが出来ちゃったからね!」
少女──クラウンピースの手から聖杯を奪い取り、駆けていく兎、てゐ。旗色が悪くなった事による尻尾切り、情ではなくなんとなくつるんだが故の決裂であった。
「おーい!?そんなのありか!?おーい!?ここからどうするんだー!?」
クラウンピースと呼ばれた妖精が叫ぶのは、同盟を破棄した相手への苦情、そして──
『『『ターゲット発見』』』
「ぃい!?」
『『『速やかに無力化します』』』
「ぎ、ぎゃーーーーーー!?」
瞬時に間合いを詰められ、一直線にやってきた三人の弾幕メイド部隊による制圧にてあげられる断末魔のみであった。──先の解析、分析を防げなかった時点で、クラウンピースチームは負けていた。
ルナダイアリティ・サーヴァントの能力は奉仕フィールドと定めた場所一帯への事象干渉。解析が終わった場所にならば、いくらでも変幻自在の弾幕を放つことができる。メイド部隊は全て、彼女が放った『弾幕』である。敵が卑劣で無法であればあるほど効果を発揮する、御奉仕フォーム。
「きゅう・・・・・・」
ましてや、人をいたぶり遊ぶ輩などの虚を衝くには絶好の姿。悪戯は迅速に、規律正しい奉仕弾幕により鎮圧されてしまったのであった──。
『──三分経ちました。早速成果を確認しちゃってくださりましょう』
「変な言葉遣いはデメリットなんでしょうか・・・」
「それはそれで!良しです!」
迷い竹林
早苗「うわぁ、お茶してるだけで完全クリアできちゃいました・・・!」
うどんげ「ど、どういう原理なんです?どういう原理なんですか?」
リッカ『私に力を貸してくださった皆様方、その方々の力がマジパネェと言うことに他ならないでありんす。・・・いました、当事者の一人でありやしょう』
クラウンピース「きゅう・・・」
早苗「あーっ!地獄の妖精!?」
文「人を狂わせる地獄の妖精、クラウンピース。どうやら狂気として干渉していたのはこやつでしたか」
リッカ『成る程。・・・自前でこんな大掛かりな事を?』
うどんげ「いえ!違いますもう一人いるはず!竹林の管理者の性悪兎が・・・!」
ウンピ「裏切られた・・・おんどぅるる・・・」
リッカ『恐らく彼処でしょう。ご案内しちゃいます』
早苗「あそこ?」
『偵察、終わってまする』
祠
てゐ「く、来るなー!」
ぶるりん【プルプルプルプル】
うどんげ「てゐ!あなたと言う人は・・・!観念なさい!」
早苗「あ!持ってるの聖杯の欠片ではないですか!?」
文「そういえばすっかり、識別機械使うの忘れてましたね・・・」
てゐ「こ、降参はする!だから、だからぶるりんだけは助けてほしい!」
うどんげ「ぶるりん・・・そのプルプルしてる石?」
リッカ『あれはブルトン。空間を操る四次元怪獣で、55年ほど前に観測された怪獣でありんす』
てゐ「この子は私がやりたかったトラップダンジョンのアイディアをたくさん叶えてくれた!この子は私を助けてくれただけなんだ!だから謝る、謝るからこの子だけは・・・!」
【プルプルプルプル・・・】
リッカ『・・・・・・』
早苗「・・・リッちゃん、どうしましょう?」
文「個人的には、信用なりませんがねぇ。喉元過ぎればなんとやらでしょ、多分」
てゐ「これは返す!だからこの子の、この子の命だけはお願い・・・!」
うどんげ「調子いいんだから、もう・・・その、リッカさん。もう竹林は安全になりました。これ以上は・・・」
リッカ『えぇ、解っています。聖杯の欠片を確保して、ブルトンの処遇は兎さんにお任せしましょう。問題を起こすなら、何度でも無力化してみせます』
てゐ「あ・・・ありがとう!その・・・ありが──」
?【いいや、脅威の放置はよろしくないだろう。迅速に始末をしなくてはね?】
リッカ『!!』
瞬間、死角より放たれる弾幕。それに一瞬早く気付いたリッカは刀にてそれを払うも──
【!!】
てゐ「ぶるりん!?」
僅かにかすめ、負傷してしまうブルトン。素早く早苗と文、うどんげが反撃に転じるが・・・
【惜しい惜しい・・・ひゃっひゃっひゃっ。まぁいい、残りの欠片を集めた時のお楽しみとしよう】
『貴女は・・・』
【表も裏もない世界・・・見るのが楽しみだ。そしてそれは、もうすぐ・・・ひゃっひゃっひゃっ──】
竹林に消えていく声。ブルトンを狙った攻撃は、紛れもない殺意の攻撃。
てゐ「大丈夫!?ぶるりん、大丈夫!?」
ブルトン【・・・~、プルプル】
うどんげ「ひとまず、お師匠様に見せましょう!」
早苗「怪獣も診れるんですか!?」
うどんげ「多分!」
文「・・・気付きましたか?躊躇いなくブルトンを殺しにきていました。もし殺されていたなら、一体何が起きていたんでしょう?」
キリシュタリア『その件について、どうやら上層部から説明があるらしい。リッカ君、薬屋で会おうじゃないか』
『キリシュタリア・・・了解でございやす』
不気味な謎の声。──それがもたらすものとは、竹林の静寂が、やけに不気味に感じるリッカであった──
どのキャラのイラストを見たい?
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コンラ
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桃太郎(髀)
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温羅(異聞帯)
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坂上田村麻呂
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オーディン
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アマノザコ
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ビリィ・ヘリント
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ルゥ・アンセス
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アイリーン・アドラー
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崇徳上皇(和御魂)
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平将門公
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シモ・ヘイヘ
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ロジェロ
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パパポポ
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リリス(汎人類史)