人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
は、はい。実はセファール・・・白き尖兵は[やっぱり問題ない]とのお達しが来たのです。なんでも[安心しろ、セファールは(聖剣が)倒した]と輪っかさんが・・・
ゼロ『適当だな・・・』
はくのん「うん。大丈夫だった。そして、セファールの頭脳体が人間に保護されて英雄アルテラとして人間に受け入れられた」
え・・・?
はくのん「今、月でアルテラは少女になって保護されてます。フィリアさん、安心して」
ぇ・・・えぇえぇええぇえ!?と、というかあなたは・・・!?
「月の聖杯、ムーンセルの・・・王様(ドヤ)。ちなみにヴェルバーは私にとっても、敵。だからあなたとは仲間」
お、王様だったんですかー!?すみませんザビエルさん!無礼ですみません!?
かぐや「私はお姫様よ♪」
へぇえ!?ゼロくん!?あなたもまさか・・・噂に聞くウルトラ兄弟とかですか!?!
『違ぇ!近寄りがたい地位とかはねぇから安心して・・・あ、ちょっと言って腹立った。ゼットのやつ次会ったらシメるか』
ゼット?
『俺の・・・ストーカーだ。まぁそんなことより、説明の続きを頼むぜ。一万二千年前に来た君は、何を為したんだ?』
は、はい!・・・一万二千年前。それはセファール襲来から二千年後・・・まだ地球が人類種絶滅のサインを贈っていない為、アルテミット・ワンも飛来していない時代。ですが私は、到着した瞬間に感じ取ったのです。
はくのん「感じ取った・・・」
はい。虚無の気配──グリーザの気配を。私は即座に、月へと急行しました。そこで見たものは──
『これは・・・!』
本来受けたミッションに匹敵する程の緊急事態。月に宇宙の孔が空いた事を知らされた私は現場へと急行し、駆け付けました。──其処に拡がっていたのは、一つの文明が、虚無へと消え去らんとしている終末の光景でした。
【ヒャヒャヒャッ。ヒーッヒヒヒヒ、ヒィッヒャハハハハハ。アーッハハハハハ】
月にて発展していた文明・・・栄華を極めた都市の全て。大きなビルがありました。天文台がありました。道路、天空鉄道、空港、宇宙ターミナル。それらの発展の全てを、虚無の空洞へと呑み込む宇宙に存在してはならない・・・宇宙の孔。
『虚空怪獣、グリーザ・・・!』
それは曰く、宇宙のバランスが崩れた際に現れるもの。虚無。零。生命を求めて無へと導くことを行動原理とした恐ろしい怪獣。それが今、宇宙に誕生してしまった。今より一万二千年の、月に。月に発展していた文明の行き着く・・・終焉として。
『光の戦士として・・・!愛と希望を懐く人々を護る!例え相手が虚無であろうとも!』
私に恐れはありませんでした。本当に恐ろしいのは、愛と希望を産み出す全てが呑み込まれ、消えてしまうこと。グリーザは既に月の半分を飲み込んでしまって、一刻の猶予も無くて、私は──
『そこまでです!あなたを止める!ウルトラウーマンとして!!』
【ヒィッヒャハハハハハ。アッハハハハ】
私は、戦いを挑みました。虚無そのものであるグリーザに。私に宿るおじいさま、ノアさん、レジェンドさんの力は、虚無という理屈を越えグリーザと互角に私を戦わせてくれていました。
『フィリアリューム・・・レイ!!』
【アッハハハハ───】
私の渾身の光線は、一度はグリーザに届き、爆発させ粉砕しました──しかし。
【アッハハハハ。アハハハ。ヒョホホホ、イーヒヒヒヒ】
『ッ──』
グリーザは虚無、無である以上倒すことは叶わない。三人の力は確かにグリーザに届きました。しかし、虚無ある限りグリーザは何度でも現れる。根本的に、孔を塞がなければならないのです。形ある虚無というものは、それほどに理不尽なものでした。
『私にも残された時間は少ない・・・ならば、この命を賭して!』
エネルギーも僅かになった私は、おじいさまより授かった最後の奥義を使用する事に決めました。ウルトラマンとは、生命体と一体化する事によりその生命体の傷を癒すことが出来ます。キングのおじいさまはその技術の極み・・・自らを『宇宙と一体化』する事が可能でした。それを行えば、宇宙の滅びすらも回避する事が出来る。つまり──
『私の全てを【虚無】と一体化させ、宇宙の孔が開かない為の楔とする・・・!グリーザを塞ぐ手段はこれしかない・・・!』
還ってはこられないだろうし、ミッションをこなすことも出来ないし、二度と実体を持つ事は出来ないかもしれない。
『おじいさま、ノア様、レジェンド様、輪っかさん。皆・・・ありがとうございました!』
それでも、目の前の命を見捨てるよりはずっといい。覚悟を決め、突撃を行おうとした瞬間──
[待て、光の巨人!こちらは月の民、文明開拓責任者の一人だ!早まるな、その行為を『次』へと繋ぐんだ!]
『え・・・』
その声は月の文明を先導する観測者、賢者と呼ばれる方でした。私が突撃を行う瞬間、グリーザに猛烈な勢いで『何か』を射出したのです。それは、グリーザという存在を解析した最先端の科学がもたらした、起死回生の武装。
[私はあの虚無から都を隔絶する月の結界を展開した為、全てを使い果たした・・・最早、貴女に託す事しか出来ない!いいか落ち着いて聞いて欲しい!あれは宇宙の孔だ、倒す事も殺す事も不可能だ!あれは『塞ぐ』しかない!貴女は今、それを己の身を懸けて行おうとしてくれたんだろう!?我等の過ちの為にそこまでしてくれるあなただからにこそ、私の推論を伝える!希望を託す!]
その声は様々な事を私に教えてくれました。月の都は発展を極め、やがて宇宙の理をも自らのものとせんと、因果律に干渉する実験を行った事。そしてそれが宇宙に孔を空け、あのグリーザを産み出してしまった事。もう月の表側の全ては呑み込まれてしまった事。
[あれは宇宙の孔、存在しないもの・・・!それを塞ぐには、あの虚無の中より生まれ出る『針』が必要なんだ!あの虚無の中より生まれたものしか、あの虚無を縫うことは出来ない!]
【ヒャヒャヒャッ・・・ヒ、ヒヒ・・・】
突き立てられた剣・・・いえ、針のようなものは、その賢者が作ったものだというのです。それは、グリーザに突き刺さりずぶずぶと取り込まれて行きました。彼女は、それこそが唯一の手段であると。
[今、月にあるレアメタル・・・!オリハルコン、ヒヒイロカネといった全てをつぎ込み擬似的な『依代』をヤツに突き立てた!アレが虚無へと呑まれ、虚無の属性を帯びれば必ず──!]
【ヒヒ、ヒ・・・ヒャヒャヒャッ・・・ヒャヒャヒャッ・・・】
[頼む!あの虚無に沈んだ『針』を手にしてくれ!或いは──けして消えぬ様に守り抜いてほしい!我等がダメでも、遥かな未来にてあの虚無が再び現れた際の希望として・・・!]
『あなたは・・・!?』
[──命を切り捨てていても、業はけして切り離せない。後世に、我等の過ちにて滅びを迎えさせる訳にはいかない。見ず知らずの我々を助けてくれようとした貴女に、最後の希望を託す!どうか・・・あの針を護ってくれ──!]
その言葉を最後に、その声は途絶えてしまいました。──私に最早、迷いも躊躇いもありませんでした。
『愛と希望は絶やさせない!遥か未来の全てに、未来を託せるなら本望です!』
私は自身の全てを突き刺さった『針』に一体化させ、虚無の中で消え去らないように生命の全てを使って・・・共に、虚無へと飛び込んだのです。
『未曾有の危機の際・・・どうかこれが、遥か未来の希望となりて・・・愛を生み出す世界を守護する力となりますように──!』
その願いと共に、私は自身の全てを宇宙・・・いえ、【虚無】と一体化させました。そうすることで、宇宙に孔は二度と空かずに平和を保つ事が出来る。無と有の狭間で、グリーザは出現することなく封じられる。
【ヒャヒャヒャッ・・・──】
『やぁあぁあぁあぁ──!!!!』
そして、もし・・・。もし、グリーザが再び現れる様な兆候が現れたなら。虚無にすらも挑まんとする、希望の戦士達の力となる事を信じて。
『──煌めく未来を、どうかよろしくお願いいたします!』
私の肉体は粒子状に四散し虚無と一体化し、一万年前から今に至るまで虚無の中へと存在しています。グリーザはこの宇宙にて出現は確認されていません。その為の、特攻と叡知でしたから。
『輪っかさん、皆・・・ミッション達成、大分延びてしまいます!ごめんなさい──!』
・・・そして今、虚無に魅入られた者が再びグリーザを目覚めさせようとしています。それは、虐げられる弱者も、踏みにじる強者もいない夢のような世界を、どうせ叶う筈がないと伝えた娘の願い。
虚無はその願いに反応してしまった。全てを無くし、無とすることで願いを叶えようとしてしまった。今こそ、虚無を・・・グリーザを乗り越える時なのです。
待っています。虚無の中で。私と、月の賢者さんが遺した希望を手にし、宇宙の孔すらもあなた達が乗り越える事を祈りながら待っています。
どうか、皆で助け合い掴んでください。愛と希望に満ちた、煌めく未来を。その未来を諦めない為に。未来の人々の力になると信じて。
私は待っています。いつか愛と希望が、この虚無すらも乗り越える事が叶う事を──。
・・・長い長い説明になってしまいました!大丈夫ですか?ご清聴、ありがとうございました!
ゼロ『・・・キングのじいさんが手塩にかけただけの事はある。とんでもねぇウルトラウーマンだぜ。フィリア』
為すべき事を為しただけですよ~!そんなに言われちゃうと照れちゃいます!えへへ。
「となると、あなた一万年も虚無の中にいるの?よく発狂しなかったわね・・・」
はくのん「エクストリーム引きこもり・・・ジナコもできるかどうか怪しいウルトラメンタル・・・」
平気ですよ~。だって、未来には必ず素敵な愛と希望があって、私はそれを護る使命を果たせている。こんな誇らしい事、他にないです!
ゼロ『つくづく、とんでもねぇヤツだぜ。だが、もう辛気くせぇ引きこもりは終わりだぜ』
えっ?
『何故なら俺が、俺達が!その虚無をぶっ潰して、グリーザをぶっ飛ばして君を助けるからだ!』
えっ!?助けてもらえるんですか!?
ゼロ『いやそりゃ助けるだろ!驚くとこおかしいだろ!?』
きょ、恐縮です!針を託せた後の事を考えてなくて・・・
はくのん「ヴェルバーの脅威は私も考えてる。だから、あなたには月に力を貸してほしい。私達に力を貸してほしい」
かぐや「大変お世話になってしまったわね。そのお詫びとして・・・私のお付きに、あなたの生存を保証させましょう」
あ・・・ありがとうございます!ではその・・・御手数ですが・・・!
正邪【──いいや。お前達はここから逃がさない。ウルトラマンゼロ。岸波白野】
ゼロ『何っ!?』
【ひゃっひゃっひゃっ。わざわざ単独行動とは馬鹿なやつらめ。鬱陶しい残留思念もろとも、呑み込んでやる】
かぐや「・・・ひっくり返す能力。それを使って、生存できない宇宙にすら適応したのね」
はくのん「ジョジョ三部ばりのガバガバ能力解釈」
あ、あの子です!虚無に触れてしまった女の子・・・!
ゼロ『あぁ・・・!だが、生身で俺に挑むつもりかよ!』
【ひゃっひゃっひゃ。そんなわけないだろ。そのシャイニングなんとか・・・消耗が激しいんだったな】
【トライキング】【タイラント】
はくのん「!」
トライキング【ガァアァアァアァ!!!】
タイラント【ギュキィイ!!ギュキィイ!!】
ゼロ『何っ・・・!怪獣を召喚しただと!?』
はくのん「聖杯の力・・・」
正邪【足手まといを抱え、消耗したお前がどこまでやれるかな?楽しませろ。ひゃっひゃっひゃ・・・】
あわわわ・・・!ぴ、ピンチではないですか!?
かぐや「えぇ。ヤバげの、ね」
ゼロ『心配ねぇよ。お前らには指一本触れさせねぇ!絶対リッカのところに帰す!!』
【グガァアァアァ!!】
【ギュキィイ!!】
『ブラックホールが──吹き荒れるぜ!!ゼェエアァアァッ!!』
うぅ・・・!私も力になれたら・・・どうしよう・・・!