人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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楽園カルデア・メインモニター

はやて「空間レベル、グリーザ周辺0!・・・あかん、改めてわけわからんわ!いるのかいないのかどっちなんや!?」

オルミーヌ「映像回します!尚、これは脳が無理やり虚無を視覚化したもので正確ではありません!」



グリーザ【ヒャッヒャッヒャッ・・・ヒャハハハハハ】



ゴルドルフ「な、何がおかしいのかねアレは!?玉のように見えるが・・・」

ムニエル「グリーザ!空間侵食を開始!無縁塚周囲の全てが吸収されていきます!!」

シオン「周囲の虚無化吸収・・・!博麗大結界への影響は!?」

ガストン「空間汚染、空間侵食が早すぎる!このままでは一分後に大結界に穴が空きます!」

シルヴィア「グリーザ進行!人里へと向かっています!!生命エネルギーを狙っているとウルトラマンヒカリから通信!」

オルガマリー「固有結界投射!ロマニ、結界を展開!ウルトラマンゼロ、ウルトラマンヒカリ、にとりにも打電!霊夢の張った結界に重ね合わせるわ!」

ロマン「了解!グリーザを一時的に、オルガマリーの固有結界に閉じ込めます!」

ゼロ『いつまで続くかは解らねぇ。ウルトラ気合い入れて行くぜっ!!』

にとり「スイッチ!オン!!」

~固有結界内

グリーザ【ヒャハハハハハ、イッヒヒヒハハハハハ】

正邪【無駄な・・・事を・・・理想を、平等を・・・平穏を、受け入れろ・・・】



オルガマリー「っ・・・!」

ロマン「所長!大丈夫ですか!?」

オルガマリー「心に穴が空く、ってやつかしら・・・まだ保つ、大丈夫よ。ブリーフィングを始めましょう・・・!バリア組はそのまま待機!持ちこたえるわよ!」


幻想虚空大異変

「遅れました!藤丸リッカ、ブリーフィング参戦します!」

 

「同じく東風谷早苗!しゃめーまるさん!ブリーフィングに参上です!」

 

遂に現れた、虚無の化身グリーザ。正邪の行った作戦は最終段階に入り、幻想郷に平等の世界──即ち、完全なる虚無をもたらさんと迫り来ている段階に到達した。博麗神社にて、その対処のブリーフィングが行われるが故に、一行は集結したのだ。

 

「あんたが噂の藤丸リッカね。頭のおかしい巫女に妖怪のお守り、お疲れ様。私が霊夢よ。名前くらいは知ってるわよね?」

 

「霊夢!博麗霊夢さん!異変解決の専門家にして幻想郷最強の巫女!私はリッカ!お会い出来て光栄です!」

 

「頭がおかしいとはなんですか!自由な女と言ってください!あらゆる意味で!」

 

「はいはい、自由自由。じゃあ作戦会議よ、皆待ってるわ。とりあえず来たんならしょうがないわ。あんたらも来なさい。緊急事態よ。一刻を争うわ」

 

「らしくない焦燥ですね。あなたがそんなに焦るとは?」

 

「そりゃあ焦るわよ。このままじゃ、博麗大結界・・・要するに、幻想郷の国境に穴が空くんだからね」

 

霊夢の言葉は、風雲急を告げる。それは恐ろしき宇宙の孔、そしてそれに連なる願望による楽園の侵食──

 

 

「来たか、我等がマスター。ならば役者は揃ったと断じて良かろう!楽園解析班!並びにオルガマリー!解りやすく事を説明する時だ!」

 

リッカ達が居間に招かれれば、そこには結集せしグランドマスターズ、並びに我等が御機嫌王が揃っている。これから行われる事態の把握と対策には、正しく幻想郷の運命が懸かっている。この状況を楽しめるは王以外あり得ない。みな、神妙な反応である。

 

『了解しました。──先程、聖杯の欠片を使用し虚無へと呑まれた天邪鬼・・・鬼人正邪が活動を開始。何らかの手段を使用し、グリーザを生成・・・そのまま、生命反応が大きい地、人里へと侵攻を進めているわ。どうやら、生命エネルギーを感知して襲撃を行う習性のようね。生命体であるかどうかすら解らないから、習性との形容が正しいかは謎だけれど』

 

『並びにシャドウ・サーヴァントも大量に発生し、幻想郷に拡散を始めている。正邪はグリーザの反応の傍だ。きっとグリーザをコントロールしているんだろう。今回僕たちは三面作戦を有する事となる』

 

即ち、グリーザを討ち果たす部隊。シャドウ・サーヴァントを撃破する部隊。正邪から聖杯を奪還する部隊・・・敵は恐ろしいまでの理不尽であるが、戦力の一極集中は叶わない。従来のリッカだけが強い楽園では、詰んでいる危険性すらあった状況だ。

 

「全てを一挙に解決すれば痛快であろうが、同盟者の地域故諸とも消し飛ばすのは憚れる。ならばマスターどもを分散、分割して対処に当たらせるしかあるまい。カドック!貴様はどう見る!」

 

マスター指揮者のリーダー、カドックに意見を問うギル。いかなるときでも、Aチームを王は見定めているのだ。

 

「あぁ。オルガマリーやロマンの言う通り、部隊を三つに分ける。まず、アイリスフィール、マストリア、そして僕らAチームは幻想郷各地のシャドウ・サーヴァントの撃退、防衛に回る。数がいる部隊だ。大半を割かなくちゃいけない。避難誘導もしなくちゃいけない忙しい部隊だからな」

 

各地に散らばり、幻想郷全体に散らばり遊撃を行う。質だけでなく量も求められる部隊には、グランドマスターズの大半が割り振られる。キリシュタリアらも、このくくりだ。

 

「Aチームのほとんどはこっちよ。・・・悪いわね、後輩。ちょっと加勢は遅れるわ。持ちこたえなさいよ」

 

「勿論!負けるなんて思ってないけど・・・十分気を付けてね、皆!」

 

「任せたまえ、リッカ君。グランドマスターの肩書きは伊達ではないと見せつけてやろうじゃないか!」

 

握手を交わすリッカとキリシュタリア。彼女はもう一人ではない。人理は最早、一人の肩には乗っていない。

 

【士気が高くて大変結構だ。そういう人間の爆発力は侮れない。本当に侮れないからね。だが、少ない側が楽が出来るかというとそうでもない。リッカちゃん、はくのん、霊夢の三人は本元、グリーザの対処だ。これはちょっと複雑でな。精鋭の中の精鋭にしか出来ない役目、作戦だからよく聞いておくれ】

 

説明を行うニャル。その建てられた作戦は多段階を経て行うものと説明があり、文字通り一筋縄では無いのだ。

 

【まず、博麗霊夢が結界にてグリーザと正邪を封じ、隔離する。そしてリッカちゃんが幻想郷の者達の力を借り、グリーザを食い止め足止めする。願わくば対等に戦える備えがあればいいが・・・】

 

「それは大丈夫!ギリ間に合ったから!」

 

【何よりだ。そしてリッカちゃんがグリーザと戦っている隙を衝き──グリーザの中へ、はくのんが突入し『宇宙の針』を発見する】

 

動揺が走る一同。月の惨状は共有されている。あらゆるものを吸い込み呑み込む真の虚無。そんな中に、突入するという作戦を立てたのだ。いくら必要と言えど、割り切れる者はこの場にいない。

 

【宇宙を縫う針・・・ウルトラウーマンフィリアに共鳴したのははくのんだ。彼女が貰ったロザリオは、フィリアが四散した粒子が護る宇宙の針を必ずや見つけ、導くだろう。人間大のグリーザに対する手段はこれしかない。無論、見つかるまでリッカちゃんと、霊夢には足止めと時間稼ぎを行ってもらう算段だ。そして宇宙の針を見つけたならば──】

 

「私も虚無に突っ込んで、白野と宇宙の針とか言うのを引っ張り出す。そうして引っ張り出した宇宙の針でグリーザを倒すのよ。リッカ、あんたがね」

 

リッカが食い止め、はくのんが突撃。霊夢が引っ張り出し、リッカに任せ討ち果たす。グリーザを止める力──理屈を超えた力、宇宙の針、虚無に抗う夢想。三人の真価が問われる、中核の要だ。

 

「何はともあれ、私が正邪。そしてあんたがグリーザを食い止めなきゃ始まらない。プレッシャーかけるわけじゃないけど、責任重大よ」

 

【オルガマリー所長、ロマン、ウルトラマンゼロ、ヒカリ、にとりが協力し魔術結界にグリーザ達を閉じ込めている。かなり負担がかかるが仕方あるまい。グリーザを野放しにしていては結界に孔が開き、勘のいい魔術師は気付くだろう。聖堂と魔術協会の殺到コースだ。人類が自滅で滅ぶとか、頭プレシャス的にナイナイ】

 

『私の台詞ぱくらないでください!』

 

【コホン。・・・作戦の概要はそんな所だ。リッカちゃん、何か質問はあるかい?】

 

「・・・一つだけ。はくのん、ホントのホントに大丈夫なんだよね・・・!?」

 

紛れもない敵の死地、敵の懐。しくじれば命の無い空間に行く危険度。はくのんの役割は果てしなく重く、危険である。完全無欠の結末は、誰一人欠けていては名乗れない。・・・同じ前線の仲間に

芽生えた、未帰還への恐怖。

 

「もちろん。私は無敗の月の新王。これくらいの死地、プレロー片手に乗り越えてきた」

 

その事を、王たるはくのんは見切っている。だからこそいつもと変わらず、いつものように問い返す。大丈夫、心配はいらないと。

 

「宇宙の針は必ず見つける。フィリアも助ける。その後は・・・任せたよ、リッカ」

 

はくのんはリッカの手を握る。その手の暖かさと、目の光は微塵も喪われていない。かつて、最弱から最強に至ったマスターだ。

 

「正邪を一応弾幕で食い止めはするわ。でも、月すら滅ぼしかけた虚無そのものなんて相手をするには、幻想郷は平和ボケし過ぎてる。・・・最後のシメは、あんたにしか出来ないんだからね」

 

「霊夢さん・・・なんですか、そんならしくない真面目さ・・・」

 

「あんたと違って、私はシビアなのよ。・・・全力であんたにバトンを渡す。絶対に、勝ちなさい」

 

霊夢とは、重ねた時間は少ない。しかし、彼女は見つめている。この異変を解決するための──切り札を。

 

「──勿論!!皆の頑張り、絶対に無駄にはしない!!」

 

その期待と、使命の重さを跳ね返しリッカは強く頷く。全ては、幻想郷と其処に出逢えた親友の為に。

 

「アタシ達もシャドウ・サーヴァントを倒したらすぐに加勢するわ。安心なさいな♪」

「お前たちのカバーとフォローは俺達がやる。もう、一度失敗したら後が無いということはない」

「そうだとも!私が、私達が。君達を応援し、支えるのさ!」

 

「ぺぺさん・・・デイビッド、キリシュタリアさん・・・!」

 

「先輩として敬うのは私だけでいいわ。・・・あんたは私の後輩よ。無事じゃなきゃシバきまわすわよ」

「やりましょう、リッカ。私達なら絶対に出来る」

「君の背中を追いかけるライバル・・・それだけじゃない。君の隣で戦うパートナーとしても、僕達は存在してる。・・・君を信じてるよ。だって此処にいるマスターの皆は大小問わず・・・君の生きざまに憧れた奴等なんだから」

 

カドックの、皆の信頼。アイリスフィール、マストリアのピースサインに頷き、リッカは決意を固める。

 

「覚悟は決まったようだな!ならば我等の戦いはこれより幕を開ける!心せよ、相手は生きとし生ける全ての裏、深淵が形を為したモノだ!これを越えなくば、我等の文明はそれまでと思え!!」

 

──どうか御武運を。皆様の旅路は、此処が終わりではありません!

 

「これより!幻想郷におけるレクリエーション、最終試練を開始する!!全てを呑み込む無そのもの──貴様らの輝きにて消し去ってみせよ!!」

 

「「「「「───了解!!」」」」」

 

幻想郷、楽園、光の国。それら全ての技術を総結集した最大の作戦が、幕を開ける──!




早苗「リッちゃん!私達も──」

霊夢「ダメよ」

早苗「何故です!?」

「付いていきたいとか言うんでしょ?死にに行くようなものよ。リッカの足、引っ張る気?」

早苗「そんな・・・」

霊夢「王様から聞いたわ。あんたと別れてから半年かそこら・・・リッカはとんでもない死線を潜って来た。もう、平和な世界に生きた彼女はいないのよ」

早苗「・・・!」

霊夢「せめて、付いていく以外でやることを探しなさい。・・・いいわね、リッカ」

リッカ「──サナちゃん!文さん!頼みたい事があるんだけど!」

文「あやや?私達にですか?」

早苗「リッちゃん・・・」

リッカ「二人にしか頼めないこと。実はね──」



ロマン『グリーザ、活動再開!そのうち固有結界も破ってきそうだ!』

オルガマリー「させないわ・・・!なんとしても・・・!」

ギル「よい気迫だ。流石、我が楽園を束ねる長よな」

オルガマリー「・・・!!ウルトラ気合い入りました・・・!」

紫『・・・重ね重ね、大変な御迷惑をおかけしました。このお詫びは・・・』

「よい。よい余興、よい試練だ。遠征とはこうでなくてはな!ふはははははは!!」

──もしもの時は・・・大丈夫です!皆、どうか御無事で!

~にとりのアジト

紫「時間がないわ。仕上げるわよ、温羅。そして──『伊吹大明神』さま?」

イブキ「はーい!リッカちゃんに届けるために!ぴぴぴとやっちゃお!」

温羅「やらせねぇよ・・・此処は、親友が作った大事な故郷だからな!」

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