人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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幻想郷全域

にとり音声『幻想郷に住む妖怪連中に告ぐ!なんかもやもやしたヤツに会ったら基本逃げろ!そいつらは幻想郷の住人じゃないから弾幕勝負も意味がない!最悪殺されるぞ!いいか!会ったらすぐ逃げるんだ!死んでも知らんぞ!死にたくなかったなら逃げるんだ!いいな!』



文「号外!号外です!幻想郷に蔓延る影の亡霊達!対処マニュアル付きの大サービス品ですよ!これを読んでどうするかを決めてください!号外でーす!」



早苗「守矢神社を開放して、避難の受け入れ先にするんです!弱い妖怪や妖精といった方達を!」

諏訪子「やむを得ないか・・・死んだら信仰どころじゃないもんね」

神奈子「解ったわ。その旨を伝えに行きなさい、早苗。なるべくたくさんの連中に伝わるようにね」

早苗「はいっ!」

(リッちゃん・・・皆!頑張ってください・・・!)

~にとりラボ

にとり「急げ急げ!もう一組のスペシャルメダルと、『アレ』の為のツールを作るんだぁ!」

?「──改善、改良の意志は消えずか。良かろう。ならばそのメダルと新作、我らに預けよ!」

にとり「ひゅい!?」


人里防衛弾幕戦線

「人里の人員リストは!全員揃ったな!避難は終わっているか!?」

 

「問題ない。子供は全員寺子屋で教師が護り、女は家にて待機させてある。いつでも行けるぞ、カドック」

 

始まった、対グリーザ迎撃作戦。遂に顕現したグリーザは、正邪と共に生命を狙う。それは即ち、生きとし生ける全てを狙うと言う事。人も妖怪も分け隔てなく、だ。ならば護るべきは、戦う力の無い人間とその地に生きる集落である。妖怪たちには先の放送にて呼び掛けておいた。マスター達は防衛線を展開し、人里に来たるシャドウ・サーヴァントから人間を護る役割を担う。

 

「どうでもいい人、なんて案外いないのよねぇ。死んだ相手がライフライン系列の仕事とかしてたら、それだけで普段の生活なくなっちゃう訳だし?」

 

「当たり前にいるべき人がいない・・・そんな悲しい日々、送らせたくはないものね。未来のマシュ☆コンファンをやらせる訳にはいかないわ。なんとしても」

 

「・・・・・・ねぇ」

「何も仰らずとも結構です」

「まだ何も言ってないじゃない!?」

「大抵、やる気なしか面倒くさいとかなんで私がとかの意思表明だと思われますので」

「此処に至って言わないわよそんな事!?」

 

「はっはははは。頼もしい仲間達だ。アイリスフィール氏、問題はないかい?」

 

『霊亀さんの力で、人里の霊脈は確保して活力をみんなに送っているわ。魔力切れは心配しなくて大丈夫よ』

 

「よし──では皆!始めるとしよう!」

 

キリシュタリアの言葉と同時に──地上から、空中から無数のシャドウ・サーヴァントが迫り来る。シャドウ・サーヴァントと言えど残留思念を形作っただけの形骸との判断がなされており、本来のサーヴァントとは比べるまでもない。言うなれば、虚無に墜ちた正邪の『弾幕』と言っても良いだろう。

 

「それでは先陣を。──エクス!カリバーーッ!!!」

 

鳳凰の力を借りたマストリアが、空中より飛来するシャドウ・サーヴァントを聖剣の輝きにて薙ぎ払う。空中より来る相手、死角のカバーを担当しているのだ。マスターもまた、サーヴァントと遜色無い活躍をするが故のグランドマスターズ。

 

「アタランテ、頼む!」「ゴッホ、共に行くぞ」

 

アタランテ、ゴッホに指示を出すカドック、デイビッド。デイビッドは躊躇いなく令呪を使い、カドック自身もクラスカードにて変身し、アタランテの横に駆ける。接触距離に入ったシャドウ達を強襲し、ゴッホとデイビッドが門を護るのだ。

 

「あぁ、なんとしても未来を担う子を護るぞ!」

「エッヘヘヘ、サヴァ充ゴッホ、行きます・・・!」

 

迫り来るシャドウ達を共に切り刻んでいくカドック、アタランテ。その気迫と士気は凄まじく、瞬く間に先陣に風穴が空く形となる。

 

「アシュヴァッターマン!出番よ、戦闘準備!」

「シグルド、我が剣。どうか勝利を!」

 

そして機動力の速いランサー、或いはセイバークラスのサーヴァントが防衛ラインへと接触をおこなう。その備え、即ち門番たる存在もまた動く。

 

「戦闘だぁ?アホ抜かすな。今からやるのは──ただの掃除だ!!」

「承知した、我がマスター。速やかなる遂行、磐石たる勝利を約束する」

 

人里の正門を護りしは、アシュヴァッターマンとシグルド。ペペロンチーノ、オフェリアである。戦輪と短剣の蹂躙と飛来。トップサーヴァント二騎と世界を救うために選抜されたマスターのコンビネーションは、影に侵入を許さない。

 

「こういう時に役立つのよねぇ。殺しのテクニック!」

「クラスカード、インストール・・・!」

 

ペペロンチーノは修めた修験の技術を。オフェリアはサーヴァントの霊基を置換した簡易クラスカードをインクルードし迎撃をこなす。紛れてやってくるアサシンの対処も重要な為、感知に優れた二人が選抜されたのだ。

 

「状況開始。戦闘行動に移行する」

 

そして──ぐっちゃんの周囲には、蘭と彼しかいない。覇王、項羽。ぐっちゃん自身が、同行を拒否したのだ。そう、彼に至っては無理もない。並び立てる者こそが希少極まるからだ。単純な状況開始の宣言の下──項羽は、動いた。

 

「流石項羽様・・・!」

 

項羽は自身の気迫を波動とし、空中と地上、纏めて薙ぎ払い殲滅する戦法を取る。武力などでは

収まらない。彼が向いた方向にいる、全てが消し飛ぶ。鬼門と呼ばれる方角を単騎防衛するぐっちゃんチーム。最早、それで十分であった。

 

「流石項羽様・・・!」

 

彼の演算は、未来予測というレベルにまで昇華されている。簡単な話が物事の十手先の最適解を把握し行動する。例えば、いずれ世を治める器の人物が未完であった際、統治する世界を縮めるために民や土地を削減に移る、といった行動。それらが誰が見ても理解不能な行動と認識されたが故のバーサーカー。今回は、閉じた集落という事が吉と出た。

 

(この人数で防衛は不可能、とされたならば、『護れる人数にまで減らす』事もなさるのが項羽殿の演算。リッカ殿だけでは万が一、マスターだけでは必ず取られる手段でした・・・本当に良かった!)

 

蘭は胸を撫で下ろす。凄惨な虐殺、合理的な無慈悲は発動されていない。このメンバーなら防衛可能。項羽はそう判断したのである。

 

「何をしているの蘭!あなたも流石項羽様と叫びなさい!」

「は、はい・・・」

 

私は勿論、ぐっちゃんという『公』においても彼女は相性抜群なのだろうと蘭は推測する。項羽を細かく指示する必要など無い。意志を告げれば、全てが完遂する領域にいるのだから。

 

「「流石項羽様!流石項羽様!」」

 

蘭はその武勇に感服すると同時に、我が身はきっと彼女の私を支えるためにあるのだろうと認識し、今もこうやってぐっちゃんのテンションを高めるのだ。ぐっちゃんがテンション上がる→項羽様盤上破壊無双→テンション上がったぐっちゃんを蘭が相手する→ぐっちゃんのテンションが上がるの無限機関。正しく三位一体である。シャドウなど、正しく塵のように霧散していくのみである。

 

そして、最後のマスター。キリシュタリアは──

 

「ねぇねぇ桐さん、皆は大丈夫かなぁ?」

「皆、やっつけてくれる?」

 

「勿論だとも。君達の未来と明日は私達が護るさ。お母さんとお父さんに、また必ず会えるからね」

 

「私は近隣の人達を確認してくる!子供達を任せたぞ、キリシュタリア!」

 

慧音と共に、子のパニックや民達の不安を和らげている。最重要防衛対象を任されたキリシュタリアは、カイニスと共に寺子屋に陣取っているのだ。

 

「カイニス、あなたはいいの・・・?」

『ガキのお守りなんざ立候補しやがって。やらねぇよ。やりたきゃテメェがやれ』

 

イニスに代わったカイニスは、ふて腐れぎみに引っ込んでしまっている。前線には頼もしい仲間がいるが故の、アサシンや強敵侵入の際の最終防衛ラインであるキリシュタリア。自身のなすべき事を懸命に為しているのである。

 

「ははは、やはりカイニスは柄じゃないと言ったね、予想はしていたよ、うん」

 

「でも・・・大事な事だと思います。子供達が、恐怖に駆られないように・・・」

 

「うん。こういう抑圧された極限状況で怖いのは、人間の動揺やパニックだ。それで内側から壊滅・・・なんてことはありがちだからね。私は、私以外の仲間達を信じている。だからこうして、皆の不安を和らげているのさ」

 

それは、面白外国人とまで言われたキリシュタリアの人徳、人柄あればこその戦いだった。武力ではない戦いをこなせる人間は、本当に選ばれた者にしかできない。

 

『チッ・・・賢明すぎてムカつくぜ。おい、イニス』

『は、はい』

『死ぬな、って伝えとけ。まだなんでオレが此処にいるか・・・なんも話してねぇんだからな』

『・・・はい!』

 

「桐之助びびってんだぜー!弱虫弱虫ー!」

「よーわむし!よーわむし!」

 

「あはははは、だからこうして皆から笑顔と勇気を貰っているんだよ。弱虫な私に、皆の力を貸してほしい!」

 

事実、この状態でも笑顔が絶える事はない。キリシュタリアの存在が、安心を与えている。

 

(君が教えてくれた戦い方だ、リッカ君。我々は出来ることをやる。君達も・・・負けてはいけないよ)

 

イニスと共に、皆の勝利を願うキリシュタリア。その在り方を教えてくれた、人の繋がりこそが至高と伝えた少女の帰る場所を護りながら──




楽園カルデア

フェイト「第一陣、撃退。防衛ライン、問題なし」

はやて「さっすがや!カルデアからの追加戦力、送るまでも無かったなぁ!」

ゴルドルフ「順調にいった時ほど警戒したまえよ!そういうの絶対ゆりもどしが来るんだからね!」

オルミーヌ「!ほ、報告シャドウ・サーヴァント・・・復活!並びにそのまま数を増しています!」

ゴルドルフ「ほら見たことかぁ!?」

ダ・ヴィンチちゃん「出所が聖杯だからねぇ。実質無限湧きってヤツさ!気合いだよ気合い!」

ロマン「マリー、大丈夫かい?意識ははっきりしているかい?」

オルガマリー「・・・・・・・・・」

ロマン「マリー?所長・・・?」

「えっ?あぁ・・・ごめんなさい、なんだったかしら・・・?」

(いけない、固有結界を通じて精神に悪影響が出始めている・・・!)

ニャル【精神鑑定が必要だな。私に任せなさい】

ロマン「一緒にやろう!必ずリッカ君達がやってくれる、僕らも堪えるんだ!」

オルガマリー「えぇと、私は何をしようとしたのかしら・・・」
ゴルドルフ「若年性痴呆とかイカンよオルガマリー君!楽園の所長は世界で君にしか勤まらんのだ、しゃんとしたまえ!ほら、珈琲とサンドイッチを食べたまえ!」

オルガマリー「珈琲・・・!・・・ヒロシ・フジオカ!」

ロマン「ジャパニーズサムライスゴいなぁ!?」

カドック『引き続き防衛に当たる!何かあったら伝えてくれ!』

オルガマリー「そうよ・・・豆にありがとうは
基本・・・!」

カドック『何があった・・・!?』

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