人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ギル「準備は良いな、我等がマスター!」

『ジオウ・オーマフォーム』
『キング』
『ダブルオー エルスクアンタ』

リッカ「勿論!戦いに使うなんてもっての他なこの神槍!おばあちゃん、ありがとう!」

『天沼矛』

『ギルガメッシュ アンブレイカブルヒーロー』

──アンブレイカブルヒーローは、変身者の力と素養に合わせた空間一帯を自らの支配下に置く能力を持ちます!即ちそれは擬似的な固有結界、因果律の掌握!戦いに使うにはあまりにもラージスケールですが、こうして範囲を限定して使用したならば…!

リッカ「行くよ!せーのっ!!」

ギルガメッシュ「これより!幻想郷酒池肉林大宴会を開始する!!さぁ享受せよ!!これがゴージャス流の大判振る舞いだ──!!」

二人の能力により、幻想郷全体に食料、大判小判。あらゆる富が無尽蔵に満ち溢れる──


開演!幻想郷が宴会場だ!

「おお…これ現実?現実なのよね?私は今よく見る夢の中にいたりしないわよね…?」

 

いよいよ始まった幻想郷大宴会。虚無を乗り越えた報奨として王が幻想郷にもたらしたもの。それは大判小判舞い降り、酒や食料に満ちた出前や供物が立ち並ぶ酒池肉林の様相。博麗大結界のちょっとした応用にて、数日限りの大騒ぎが展開されたのだ。和洋中、あらゆる料理や催し、出店や娯楽が満ち溢れる幻想郷は大賑わい…さらにその下で、博麗神社には百年に一度あるかないかの光景が繰り広げられていた。

 

「祭事でもないのに満員御礼、賽銭箱満タン…!博霊神社っていうか博霊天満宮よこれ…!いいの?貧乏神絶対殺す神社名乗ってもいいの!?」

 

王の計らいにより、サーヴァント、そしてカルデア職員達の宴会場に指定された博霊神社はまさに大盛況の装いを見せる。子供サーヴァントが走り回り、日本の文化に馴染みのない者達が神社を回ったり、ムニエルが叫んでいたり。サーヴァントがそれぞれの出店を展開、活気を盛り立て大喧騒の中にいる神社の様子に、一番驚愕しているのが誰あろう霊夢本人である。こんな景色を夢見て、夢であり寂しい天井が目の前に映ること幾星霜。現実に広がった理想の神社が此処にある。

 

「貴様にはレクリエーションの際に居住を借り、更に虚無への対策も尽力させた借りがある故な。ゴージャスたる者の本領を味あわせてやろうと思い至ったまで。ちなみに老朽化していた荒屋が如き神社も片手間に改装、改築してやったわ。貯蓄はよいが使うべき箇所には使うが財だぞ博麗の。案ずるな、貴様の日頃の尽力に免じ費用はロハにしてくれよう。我の気前の良さに感謝せよ!賛美せよ!ふはははは!」

 

──あなたの笑顔が、ワタシ達の愉悦。その笑顔…エルキドゥ(無上の財の意)(ドヤッ

 

(流石に腋からアバラが見えるのはちょっと心配になったんだよね…Cカップの将来有望なボディは大切にね!)

 

「…………」

 

「む?どうした、何を呆けている。あれか?我等の尽きぬ黄金律に参ったか?はははそう畏まるな。特に…」

 

いたれりつくせりどころか、いつも不憫な霊夢を幸せにし隊めいた企画を叩き付けられた霊夢。幸せで殴られ、神社を満員御礼にされ、賽銭箱を満杯にされ幸せわからせされた霊夢は──

 

「…うぁはぁあぁあぁ~…!」

 

膝から崩れ落ち泣き出した。基本世界はシビアだしねと擦れに擦れまくったリアリスト巫女を幸せデンプシーロールした結果、人格破壊レベルの幸福がキャパオーバーしてしまったのである。図らずともプレシャスに完全敗北してしまった霊夢。巫女を倒すには弾幕は不要。善意で良かったのである。

 

「ぬ!?待て、なぜ泣く!?計算が違うぞ巫女!我等はこう、これからもたくさん貢いでくださいね金蔓様的な生意気な反応を期待していたのだぞ!?」

 

「ありがとう、ありがとうございます…!こんなに優しくしてもらえて、いっぱい良くしてもらえて…私、生きていて良かったって思います…!ありがとう、ありがとう王様…ありがとう…!」

 

──あわわわわわ、えっとえっと泣いている女の子をなだめる宝具、宝具!?ありますか!?ありますか!?

 

(落ち着くんだエア!博麗の巫女の嬉し泣き土下座か…永久保存しておこう)

 

「神様仏様より、目に見える形で私を救ってくれるゴージャス様!どうかこれからも博麗を、博麗をよろしくお願いします…!」

 

「えぇい!解ったから顔を上げよ!目立つであろう!鬼神巫女にまで至った貴様はどうした!おのれ八雲め、どれほどこやつを冷遇していたのだ──!」

 

この後霊夢をなだめ、出店を共に周り霊夢渾身の御守を貰うギルら一行。そこには現実と貧乏に打ちのめされた荒んだ巫女の姿はなく、年相応の紅白少女が居りましたとさ──

 

 

そして同時に、守矢神社…正確には妖怪の山も大騒ぎである。こちらもこちらで、主に妖怪への場所提供となり真っ当な賑わいをみせる。主に商魂逞しい者達のお陰で。

 

「DXニトライザー!DXニトライザーお買い得だよー!オリジナルアクセスカードで君も変身!弾幕勝負のガードスーツにもなる素敵グッズだよー!」

 

「虚空大異変のあらましを綴った特集本の限定販売!外来の組織カルデアの皆さんのインタビュー付き!さぁさぁお買い得ですよー!」

 

「女の子だってカッコよくていい、ヒーローでいい。新発売、アームド・ブレイブ・ガールズ。弾幕勝負におけるサポートサーヴァントとしても有用よ。少数限定、二次は完全受注生産でお贈りするわ」

 

長蛇の行列を作っている三者の前、そして更に更に長蛇の列を作っているのは、守矢神社の背後に巨大に聳えるウルトラマン3人。襷をかけ、手に人を乗せ記念写真を取るアトラクションと化しているゼロ、ヒカリ、フィリアである。

 

『怪獣を倒すだけがウルトラマンではない。こうして平穏の重さを噛みしめるのもまた、強さに繋がる。覚えておくんだ、ゼロ。フィリア』

 

『はい!ではでは行きますよー!ピース!』

 

『まぁ幻想郷では普通っぽいしいい、のかぁ?まぁそんなことより。フィリア、お前はこれからどうすんだ?』

 

『そうですねぇ…ザビエルさんに頼んで、この太陽系に滞在しようと思っています。アルテミット・ワンは地球が人類を滅ぼすために他星に発信したSOS…ここの地球がそうなるかどうかはまだ判りませんから。…なんか早く来すぎて寝ている子もいるみたいですけど…』

 

『それに、君の本来のミッションである遊星ヴェルバーの襲来も気がかりだ。これからの為にも、君がここにいてくれるのは非常にいい判断だと思う』

 

『そういう事なら、応援するぜ。1万2千年も頑張った大先輩の君をな、フィリア』

 

『実年齢が物凄く加算されているの気にしてるんですよ…あと8000年でゼロ君の決め台詞に追いついちゃうじゃないですかぁ…』

 

『それどころか、ウルトラ6兄弟たちとそう年齢は変わらないな。立派なベテランだ』

 

『そんなぁー!?まだまだヒヨッコでいたかったのにぃ…でも、ミッションがミッションですから泣き言も言ってられませんよね!』

 

『その意気だ。俺の妹がいるこの地球と宇宙…よろしく頼んだぜ。ウルトラウーマンフィリア』

 

『はいっ!…あれ?ゼロ君は残らないんですか?』

 

『あ、聞いちゃう?それがさぁ~。リッカに残るか聞いてみたら『ゼロにぃは皆のヒーローだから、私が独り占めしちゃダメだよ。離れてても心は一緒だから、困っているたくさんの人を助けてあげて』ってさぁー!いやー!レイトとマユに紹介しなきゃなぁ!ウルトラ可愛い俺の妹がこんなにいい娘な訳あるってなぁ!』

 

『ハハハ。あのやんちゃなゼロが娘に妹を持つとは。時間の流れは早いものだ』

 

『いいなぁ~…!私も妹みたいな子が欲しいなぁー!』

 

『それならいるぜ?ハッピー!が口癖の同郷のウルトラウーマンでな。O-50のアイドルって呼ばれててな』

 

「撮りますよー!はい、ハッピー!」

 

『『『はい、ハッピー!!』』』

 

今回の異変は、虚無という実態のないものであり根幹は一匹の天邪鬼の厭世と誓いが、神の気紛れによって変質した事が根幹である。その変質に、楽園が巻き込まれた形であった。願いは美しくとも、それが結果的に安寧に牙を剥いた事を思えば、これもまた人類悪案件と言えるものだったのかもしれない。

 

しかし、無から有は生まれるもの。この月と光の国も巻き込んだ一大騒動は、より上質な絆や関係を築くに至った事は間違いない。少なくとも、種族の垣根を越えて確かに心が一つとなった瞬間は確かに在ったのだから。

 

「責任問題だったけれど、結果的には大団円。ほっとしたわ」

 

妖怪の賢者は、天晴扇子を開き大賑わいの下界を見下ろす。先の無い箱庭と詰られた幻想郷が、よき変化をしていると信じて。

 

「で、アタシに酌させるあたりちゃっかりしてるよなぁ…」

「あら、こんな美女の酌がご不満かしら?ねぇ、幽々子?」

「お餅美味しいわぁ~。桃源郷のお酒大好きぃ~!おかわりー!」

 

「ほら、しばらくは付き合ってもらうわよ?今回の事件の共犯者さん?うふふっ」

 

「解りました、誠心誠意仕えさせていただきますよと…」

「うらー!のむぞー!」

「お、やってるね。仲間に入れとくれよー」

 

「…こりゃ帰れねぇなぁ、しばらく…」

 

今日も幻想郷は、事も無し。また穏やかに過ぎる日々へと立ち返る──。




早苗「色んな事がありましたが、無事にこうして帰ってこれましたね、リッちゃん」

リッカ「そだね、サナちゃん。しばらく幻想郷に滞在するみたいだからお別れってわけじゃないけどねっ」

早苗「はい!色んな場所に行きましょう!えへへ、ようやく一緒の時間が作れますね!」

諏訪子「ならせっかくだし、カルデアにも遊びに行っておいでよ」

早苗「諏訪子様!」

神奈子「思えば祭事に神事ばかりで、気の休まる時間は少なかっただろう?丁度いい、楽園とやらで友達と遊ぶくらいの自由は許されるさ」

「神奈子様も…!」

リッカ「それは…つまり!!」



リッカ「御母様!御母様!サナちゃんを…私にください!!」

諏訪子「いいよー」
神奈子「どこぞの馬の骨に貰われるくらいならねぇ。守矢の宝、よろしくお願いするよ」



リッカ「という事ですか!!?」

諏訪子「(気が)はやーい」
神奈子「貰う側な辺りがストロングよね…」

早苗「私、リッちゃんと幸せになります!!」

諏訪子「やったぜ」
神奈子「まぁそれはまず親友からという事で…どうせならしばらくごゆっくりして」

イザナミ「あなやー!お邪魔します!あなたのおうちにおばあちゃん!」

諏訪子「誰」

リッカ「あ、イザナミおばあちゃん!」

可愛いパラガス「あーぅ!?」
神奈子「え、ちょ、ま、え!?は!?」

早苗「イザナミ様!?わぁ…凄い美女です!」

イザナミ「あなやっ!?も、もーお上手なんですからもー!おばあちゃんイケる?イケたも?写真集出しちゃう?」

『ライン✕800万』
『全年齢じゃないと御体に障りますよ…』

「総ツッコミ!?い、いずれな感じで!リッカちゃん、あなたに会いたい方がいらっしゃいます!」

リッカ「私に?」

そして現れたのは…

爆乳縦セタ紫肌おねえさん「ど、どうもこんにちはー!リッカちゃん、リッカちゃんはいるー?」

リッカ「おっ!!!!!!!」

おばあちゃんに連れられ、謎のお姉さんが守矢に来たる──






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