(早く来すぎた。始まる三十分前から来てしまった)
「社会復帰にいきなり躓く私。大丈夫なのか。分からない。自分にも分からない…」
(…挫けてはいけない。あのカドックも諦めの悪さだけは一級品だった。見習う…あのガッツを見習う)
「…眠くなってきた」
(いけない。面接会場で寝るのはいけない。練習に付き合ってくれた美鈴や咲夜の為にも。ストレス解消に腹パンサンドバッグにしたお姉様のためにも、なんとしても社会復帰を…)
「…ぐぅ」
眠気には勝てないフランであった。
やぁ皆。皆には希望を、それ以外には玩弄と破滅に嘲笑を。ニャルラトホテプだよ。早速だが、幻想郷から楽園に来たいと所望する少女達の面接を始めていきたい。いきたいんだが…
「う…すやぁ…」
(めっちゃ寝てる…)
なんと私の前には、フランスのお人形みたいな可愛らしい幼女、フランドール・スカーレットがすやすやと眠っていたのさ。わー可愛らしい寝顔、食べちゃいたい♪なんて文字通り寝言をほざいている場合ではない。彼女の能力は知ってるかい?そう、あらゆるものを破壊する程度の能力さ。程度ってなんだろうね?
【オールデストラクションがデフォルトとはさぞ生きづらかろう。ヒロアカ世界に行けば一旗上げられたかも解らんね】
嘘か真か、彼女は空に浮かぶ我々の認識下の月を砕いた事もあるという。正直な話、真っ向から挑む相手でもないし好奇心旺盛な子供が持っていい能力でもない。ナイアはそんなこと無かったが、ガキは何がスイッチになって癇癪起こすのか解らないからそんな好きじゃないんだよね。何考えてるか解るなら破滅までの道筋は楽勝だけど、収まるところに収まらないヤツら本当に困ったものだ。ナイアはそんなこと無かったが
ナイアはそんなこと無かったが。
【とりあえず、コートに包んでおこう。風邪引いて責任問題は嫌だしな】
幼女にそっと、自前のコートをかけてやった瞬間──
「う。…なにやつ」
【…あ、おはようございます】
目と目が合う瞬間気付いてしまいました。はい。面接開始です──。
~フランドール・スカーレット
フラン「頭のおかしい吸血鬼、フラン。引きこもりの自分を変えたくて楽園に就職したいと思った。なんでも壊せる。邪魔者を破壊し尽くす…かんたんフラン」
【なるほど、ブロリー的メンタルな幼女とは実に素晴らしい。だが君は今のままでは楽園入りは厳しいなぁ】
「う…!?なぜゆえ」
【破壊の能力をうまくコントロール出来ていないからだね。何かの弾みで壊されていいものは楽園には無いんだ。いいかい?破壊していいのは楽園とそこに関わるすべてのもの以外だよ。きちんと護れるかな?】
「…自信ない」
【嫌だ、とは言わなかったね?よろしい。なら君が精神的な安定と成長を遂げるため、特殊な治療カリキュラムとメンタルケアカウンセリングを受けること。楽園は君の不安定さとも付き合っていく。よろしい?】
「…カドック」
【ん?】
「カドックも、養ってくれるなら…いいよ」
【…ほぉう?あの狼も中々いい趣味…わかった。君のマスターとして、話を通そう】
「やた」
【それでは。婦長ー?】
ナイチンゲール「あなたですね。精神的疾患持ちは」
フラン「( ゚д゚)ダレ」
【メディカルルームへ、いってらー】
ナイチンゲール「安心なさい。治癒です。死ななければ治らないなら、一度殺してでも。よろしいですね?」
フラン「う、う…う、うげぇ──」
ニャルラトホテプ【強く生きるんだよ、フランちゃん。御家族の方にたくましくなった君を見せてあげようね】
(…ナイアは本当、手間のかからない娘だった。気を遣ってたのかな…もうちょっと反抗期とかあっても良かったかもしれないな)
~河城にとり
にとり「我ァアァアが河童の技術開発発展応用力ははぁあぁあぁ!!日本一ィィィィィィィィ!!出来んことはないぃいぃい!!」
ニャル【うるせぇww】
にとり「でもこんな狭っ苦しい島国で一番になってもな。井の中の蛙過ぎて嬉しくもなんともないよ。知ってるかい?オーストラリア大陸にハチ3匹。宇宙と星の相対スペースはそんなんなんだって。地球なんて箱庭で背比べなんてバカバカしいよ(きゅうりムシャー)」
【へ、ヘイトスピーチ…。君…今なんて言った?私の愛する子らやリッカ君の故郷を侮辱したかい?】
にとり「憂いているんだニャルラトホテプ君!人類は地球にしがみついていてはダメだ!地球を食い荒らすのではなく母なる庇護からの自立!新天地を宇宙へと見定め宇宙に漕ぎ出す!それをして初めて人は自立したと言えるだろう!いや!母を思えばこそ成し遂げねばならないのだ!我等は自然が生んだ命!その命を地球に還すばかりではいけない!」
ティアマト『わかります…』
【…君の目は遠くを見ているんだな。素晴らしくもあるが、憐れみもやや感じるよ】
(その着眼と発想の持ち主では、まともな意見交換も出来なかったろうに。こうして溌剌な人格で歪まなかった事こそを奇跡と言うべきだろう)
【…いいだろう。宇宙に理解のあるスタッフは望むところだ。楽園の皆は、地球程度に収まる道を選ばない。いつの日か宇宙に辿り着くだろうからね。その時に備え、君の発明と頭脳を頼らせてもらおう】
にとり「望むところだ!カルデア技術開発部として全力を尽くしてやるから期待していてくれ!むふふ、試したかったプランが山と河のごとくあるんだ!よーし!徹夜で色々作ってやるぞーっ!」
【閉鎖された環境でウルトラマンの技術をコピーした幻想郷のオーパーツ…その手並み、存分に拝見させてもらうよ。河城にとり】
~射命丸文
文「清く正しく美しく!真実と正しさをあなたに提供する射命丸文でございます!楽園文学部門を所望します!私はペンで皆様に貢献致しますよ!」
【ほう。具体的には】
「エネミーの記録!楽園の活躍の編纂!日々の記録!記憶の整理!各自情報の整理整頓!ペンで出来ることはなんでもです!お任せください!」
【あー、確か新聞記者なんだっけ。なるほどな…それは確かに有用だ。抱えの情報戦に強い輩は多く幅広いほどいい。情報を制するものが明日と戦いを制するのだからな】
「それはもう!情報はとても大事ですよ!たとえばレイシフトした先々で信頼を得るための情報操作!相手のマテリアルのスッパ抜き!情報戦を制するものはあらゆる戦いを制します!射命丸文はそんな不可欠なモラルと理性の戦いを私なりにサポートしていきたい、そう考えているんですよ!」
【近い近い。そうだな…言われてみればその通りだ。事象の編纂、真実や虚飾。あることないこと書いたり書かなかったりする情報戦はとてもとても大事だ。それもまた、必要不可欠な戦力と言えるだろう。よし分かった。君の待遇と重要性を報告させてもらうとするさ】
「ありがとうございます!いやー、世界を救う組織にまさかこうして関われる日が来るなんて!長生きはするものです!」
【ただし】
「タダシ?」
【情報を扱うということは、楽園の内部情報を扱うということだ。君は知ることになるだろう。楽園がどの様に歩み、どの様に快進撃を続けて来たのかを。…当然情報を握る以上、君は捕縛されても、鞍替えしてもいけない立場。裏切りなど論外だ。もし、これからの未来で情報戦にて不利益を被ってしまった場合───】
「──」
【その償いは、君自身の尊厳で支払ってもらうよ。生きたまま、君の自慢の翼の羽根を感度3千倍の状態で一本一本抜き取られる事くらいは覚悟しておいた方がいいね】
「ぞぉ~…」
【無論、本当はこんなヌルい手段で終わらせるつもりなどない。考えうる限りの手段で、情報漏洩の報いは受けてもらうよ。それが嫌なら、君が先程言っていた清く正しく美しくを徹底するだけでいい。くれぐれもお願いするよ。楽園に集った同士を傷つけるような真似は、したくないからね】
「わ、解りました…」
(やる人です…やりたくないだけで絶対やる人です!ぞぉ~っ…いるんですね、こんなおっかない方…)
【それでは、よろしくお願いするよ。清く正しく美しい、射命丸文ちゃん?】
「誠心誠意頑張ります──!!」
ニャル【さて、こんなものかな。色んな娘がいたが、どれも見所溢れる素晴らしい子たちだったね】
(勿論全員合格だが、生の会話や対話というのはやはりいい。人となりがとても解りやすいからね。皆、上手く馴染めばいいんだが…)
正邪「おい!詐術を教えてくれるんじゃないのか!待ちくたびれたぞ!」
【おっと、そう言えばいたな問題児。やる気があるのは大変結構。それじゃ、人を怒らせる八百の方法を学んでいくか】
「あぁ、望むところだ!」
【見目麗しい女性達の合流。我等がリッカちゃんや男性陣の、いい刺激になるといいなぁ──】
推薦リスト
【合格】
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平将門公
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シモ・ヘイヘ
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ロジェロ
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パパポポ
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リリス(汎人類史)