人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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リッカ「召喚祭りだって!また今度は色んな時空から色んな人が来るんだ!」

(どんな人が来るのかな!?すっごく楽しみ!)

リッカ「召喚室召喚室!最初は誰かなー!」

召喚室

リッカ「こんにち──」

生首『』

「わぁあぁあぁあぁあぁ!!?」

(スポンサー提供のティガみたいな事になってるー!?)

『──怖がってはなりません、地球人。私は生きています』

リッカ「!?」

『あなたたちの御祝いに来ました。ですが動けずウルトラショック。どうか、助けやがってくださると助かります…』

「え?え?え?」


〜光の国

ゼロ「あのバカ、御祝いに行くとか突っ走りやがって…!」

『とりあえず、ハルキにまで被害が行かないよう時間を多少戻すか…それだけじゃねぇ、何かを見つけろよ』

シャイニングウルトラマンゼロ『──えーい!!』


1500回の節目に〜大!大!大!大!大召喚!!〜
リクエスト〜ティガさんは光と闇の在り方を、ゼットは今晩のご飯の事を考えてる角度〜


『いやー、地球人のワープゲートってこんなに小さいんでありますなぁ!ゼロ師匠、ちゃんと言ってくれたら良かったのに!ウルトラ肝を冷やしたでございます!』

 

1500話を目前に控え、広げた間口にて集う祝辞召喚。その先駆けに誰が来るのかと心をときめかせてリッカが訪れてみれば…なんか召喚サークルから伸びたウルトラ生首。どうしようも無いのでフィリアを呼んで引っ張り出してもらったかの見た目は神秘的な宇宙人は、妙な言葉遣いにて流暢に語り出す。リッカは勿論、フィリアすらも見たことのない青いウルトラマン…ウルトラマン?そう、彼の名は。

 

『ゼロ師匠からかねがねお話は伺っちゃっています。オレはウルトラマンゼット!ウルトラマンゼロの弟子をやらせていただいている宇宙警備隊でございます!この度、皆様の旅路をM78星雲を代表してお祝いに来ちゃったりしちゃった次第にて!リッカちゃんさん!フィリアちゃんさん!カルデアの皆様!ウルトラめでたき事にてございますですよ!』

 

そう、ウルトラマンゼット。心技体の内体しかカバーしていないウルトラマンの半人前。即ち…

 

「あ!ゼットくんかぁ!ゼロにぃから話はたまに聞くよ!あなたなんだね!」

 

『ええっ!?ゼロ師匠が若干ウザいくらいに自慢してくる地球人の妹たるリッカちゃんさん、そしてキングのお孫さんとのフィリアさんにもわたくしの事を!?もー、俺を弟子とは認めないなんて照れちゃってー!』

 

『はい!俺にしつこくうざったく付き纏ってくるめんどくせぇ自分を俺の弟子だと思い込んでる頭のおかしめな3分の1人前と、私も聞き及んでいます!』

 

『えぇえ!?ウルトラショックゥウーー!?』

 

勿論、ゼロからの評価は散々。風評を正直に受け取ったゼットは、それはもう至極当然なショックを受けるのだった──。

 

 

『えぐぅっ!えふっ、えぅう、えぐぐぅ、うぐぅ…!』

 

「だ、大丈夫?ほら、泣かないで?ゼロにぃ素直じゃないところあるからさ、ね!?」

『そうですよゼットくん!ゼロさんはそういう、頭のおかしいところも見込んでいるんです!』

 

『うぐぅうぅうぅう〜〜…!!』

 

ゼット、男泣き。そりゃあ忌憚なき意見を聞き及べばこうもなる。自分でも聞いた事のない正直な意見にゼットの脳は破壊される。しかし彼もゼロの弟子と吹聴しまくっているので仕方のない事かもしれない。

 

『そもそもゼットくんはなぜゼロ兄さんの御弟子に?』

 

『それは…ウルトラ6兄弟の皆さんと違い、親しみやすくて近寄り難い地位もなく、割とすんなり弟子にしてもらえるかなって…』

 

(出合い頭でレオキックされなくてホント良かったね…ゼロにぃ凄く大人になったね…)

 

それでいてゼロに失礼千万な事を言いながらも、なんだかんだで気にかけられている事をリッカは感じ取る。しかし言わない。まず調子にのるだろうから。

 

『実は今回、御祝いに来たのと同時に俺の知らないゼロ師匠の姿をお二方の、妹として可愛がられている御二方から聞き及びたいと思いまして!是非是非、ゼロ師匠のここだけエピソードを聞かせていただきたいのでございます!』

 

とりあえず師匠の評価を他人に預ける失礼な事を悪気なくやらかすアホの子ゼットに苦笑するフィリアとリッカ。悪い子では間違いなくないのだろう。ただちょっと思い込みが激しいだけで。ただちょっと失礼なだけで。

 

「うーん…ホントはゼロにぃがいる場所でやる方が一番なんだけど…」

 

『リッカちゃん、私も興味があります!ゼロ兄さんはどれだけの試練を得て、あそこまで強く優しくなったのか…!気になるんです!』

 

「でも…」

 

それでも、ゼロは大切な兄。迂闊に評価に繋がる事を吹聴するのは…そう悩んでいたリッカの脳裏に、声が響く。

 

〈構わねぇ、リッカ。そこのバカはともかく、フィリアなら曲解しないで受け止めるだろ〉

 

〈ゼロにぃ!?〉

 

〈一応ゼットがやらかさねぇか、ウルトラ念力で見てたが…そいつは後でシバき倒すとして、いいぜ。俺もリッカから見た俺ってのを知っときてぇ。好きに話しな〉

 

ゼロの言い分は、もう立派な大人だ。評判や風評一つで、リッカらをどうこうすることないと念押ししてくれる。

 

〈…解った!ふふっ、やんちゃなゼロが、もうベテランだもんね!〉

 

〈おいおい、武勇伝はお手柔らかに頼むな?〉

 

強く頷き、リッカは語り出す。たった一人で、低迷していた円谷を支え続けたレジェンドヒーローの仔細を──

 

〜罪科と追放

 

『舐めるなよ、俺はこの力を使いこなしてみせる!』

 

まずゼロの始まりは、光の国の動力源…プラズマスパークの光を手にしようとした事から始まるね。力はあっても精神的に未熟なゼロは、星の動力源に手を伸ばしかけるの。セブンさんに止められるけどね

 

ゼロ〈いきなり、そこか…まぁ、そうだよな…罪を犯すってそういう事なんだよ〉

 

ゼット『ええっ!?じゃあ師匠は!前科持ちなのでありますか!?犯罪者だった過去がおありとは!くぅー!札付き伝説の不良!!ウルトラカッコいいぜぇ!』

 

フィリア『ゼロ兄さんは、環境と愛に恵まれたのですね!良かったぁ!』

 

ゼロ〈…………こいつら〉

 

良かったね、ゼロ兄!

 

〈べ、別によくねーし…〉

 

〜様々な姿

 

『ストロングコロナ!ゼロ!!』

『ルナミラクルゼロ!』

『これが!俺達の!光だ!!』

『えーい★』

 

ゼロにぃは本人だけの強さだけじゃなく、貰った力や目覚めた力も使いこなすの!彼は今も、最先端に生きるウルトラマンなんだよ!

 

ゼロ〈へへっ、まぁそれほどでもあるか?〉

 

ゼット『はい!師匠はとんでもない可能性と才能に溢れた御方!まさに、自慢の師匠であります!』

 

ゼロ〈だから別に師匠じゃねぇよ〉

 

フィリア『人は変わることができる。そしてそれは、ウルトラマンも!ゼロさんは今も愛と希望を胸に戦う、素敵なウルトラマンですね!』

 

〈へへへ〜、そうか?そうかなぁ?俺、愛と希望似合うかぁ?〉

 

ゼット『えぇ〜?師匠目つき悪いですしちょっとそれは似合うかどうかは未知数ですなぁ。目つき悪いですし』

 

ゼロ〈てめぇ…〉

 

抑えて!抑えてゼロにぃ!

 

〜人間との絆

 

ゼロビヨンド『俺に限界はねぇ!!』

 

ゼロは時には人間と一緒に戦う事もあったの。人間の生活や心を通して、人の愛や新たな力に目覚めることもあったんだ!

 

フィリア『かくいう私も、白野さんと一体化して戦った事があります。やはりウルトラマンと人間は切っても切り離せない相思相愛の種族なのですよ!』

 

ゼロ〈実は俺、娘もいるんだよな。マユっていうウルトラ可愛い娘がな!いやぁ、リッカやフィリアにも紹介してやりてぇくらいのな!〉

 

ふふっ、ゼットくんには紹介しなくていいの?それと口調、移ってるよ。

 

〈あっ…コホン。そいつにはいい。絶対めんどくせぇから。師匠の娘は俺の娘も同然でありますな!とか言うぞ絶対〉

 

ゼット『成程ぉ!ゼロ師匠の妹である二人が俺の妹分でもあるように、やっぱり人間との絆はウルトラマンにとって大事なのでありますな!ウルトラ勉強になるぜぇ!』

 

〈誰がお前の妹だ誰が!!お前ホントいい加減にしとけよ!マジでなぁ!そろそろ怒るぞホントに!〉

 

落ち着いて落ち着いて!もう怒ってるから!

 

〜強さだけじゃ何かが足りない

 

『リッカ、何かあったらすぐに呼べよ。2万光年越えて、助けに来るぜ』

 

『フィリア、分からない事があったらなんでも聞けよ?何せ俺は、お前の兄貴分なんだからな!』

 

強いだけじゃなくて、ゼロにぃは心の大切さもキチンと解ってる。私達もゼロの強さと優しさに、たくさん助けてもらったからね

 

『私を助けるために尽力してくださったのも、ゼロ兄さんでした。彼はもう、返しきれない恩がございます。どうやって返していけばいいのか…』

 

〈気にすんなって。別にウルトラマンは見返りが欲しくてやった訳じゃねぇからな〉

 

そう言える事自体、ゼロにぃがとっても成長した証だよ。きっと!

 

〈へへ…ありがとな〉

 

『優しさも決して忘れない…!流石は師匠!でも…自分より遥かな歳下さんを妹呼ばわりはちょっと、ウルトラアブノーマルな臭いがしますなぁ。ちょっと師匠の嗜好が心配と言いますか…弟子として不安でございますよぉ』

 

〈よしリッカ、そろそろいいな?そいつシメていいな?〉

 

待って!?こらえて!?

 

〈コイツ未来でハルキに会えなきゃホントどうなってたか…ハルキもいると話を拗らせるから、宇宙警備隊時代のコイツを選んで正解だったぜ〉

 

…時間軸もいじれるゼロにぃが一番チートだよね、ホント…

 

 

『今日はありがとうございました!まだまだ知らなかった師匠の一面、ウルトラ堪能しちゃいましたでございます!』

 

話し込んだゼット、上機嫌。少なくとも、ゼロを慕う気持ちは紛れもなく本気なのだ。やや馬鹿なだけで。

 

『いつか俺も、リッカちゃんさんの様な人間と一つになって、フィリアちゃんさんのようなウルトラマンと共に地球を護る…そんな立派なウルトラマンになってみせます!』

 

そしてゼロの話を聞いたゼットは襟をただし気合いを入れ直す。いつか憧れた偉大な背中に、追いつく事が出来るように。

 

〈へっ。口だけは達者だな。そうだな、丁度今のお前じゃあ…〉

 

「2万年早いぜ!!…ってゼロならきっと言うよ。それなら此処で、サボってる暇はないんじゃない?」

 

『うぉおそうだった!御祝いが終わったらすぐさま鍛え直さないと!!』

 

『いつかあなたにも出会う日がくる筈です。辛いも楽しいも分け合えるそんな人間が。そんな人間と共に戦う日が。何万年も虚空にいた私が出会えたんです、間違いないですよ!』

 

『御二方…!ウルトラ嬉しいです!いつか地球を護れるようになるその日まで!ウルトラ頑張って参りますぞぉ!!』

 

そう、これはほんの狭間。彼が警備隊に入隊し、地球に向かう狭間の彼のお話。

 

『それではまた!光の国に来ることがあれば、全身全霊でご案内致しまする!その日まで!どうかお達者でー!!』

 

「『ばいばーい!!』」

 

〈ったく、世話のかかるヤツだぜ〉

 

まだまだ未熟なる弟子もどきへの、心ばかりのゼロの自身を教材とした道徳授業──

 

 




…だが、それはそれとして。

ゼット『ただいま戻りました!いやぁ、ゼロ師匠の妹さんたちはウルトラ可愛かったでありますなぁ!』

ゼロ「おう、そうか。なら訓練室行くぞ」

ゼット『はい!!…あ、あれ?なんで?』

ゼロ「目付きが悪くて悪かったな。愛と希望が似合わない顔付きでよ」

ゼット『…………………えっ。あ、あの、あの?師匠?』

ゼロ「特別に稽古をつけてやる。本気でシバいてやるから、ついてきやがれよ。アブノーマルだからな、オレはよ」

ゼット『……………(ガタガタガタガタガタガタ)』

ゼロ「じゃ、覚悟しろよ──」

…この後、ゼットはゲロを吐くまでウルトラジープに乗ったゼロに追いかけ回された。

『師匠を怒らせたらウルトラヤバイ。マジでヤバイ』

彼は瀕死になりながら、そう告げたという──

その後、正式にゼロが記念を祝った。

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