〜
リッカ「ごくり…っ。楽園の伝説にして幻のメンバーに出会う日がくるなんて…っ」
(今の私の実力でどこまであのプレシャスに、対抗できるのか…全く解らない…!でも、一つ解っている事は!)
「粗相をしたら…死ぬ!!」
アジーカ『コテッ』
「このように!!」
アンリマユ【ちょっと部屋の様子見てくる──(じゅわっ)】
「このように!!私の事などスマイル一撃で倒せる方々…!気合を、気合を入れて…!」
カタカタカタカタカタカタ
フォウ(マナーモードリッカちゃんになってる…)
「大丈夫…大丈夫…冷静に…クールになれ藤丸リッカ…!行くよ、行くよ行くよ…!」
(行けーぃ!)
「ふぁー!!?」
フォウ(ふぅ…一皮剥けて行くんだよ、リッカ…)
アジーカ『コテッ』
アンリマユ【しかばね】
(この様に君の力は全く通用しない…!君の本当の人格と精神の在り方が試されるよ…!)
〜
カーマ「…どうやら、私が本気になる時が来たようですね…!」
「はーい!ヴィヴ・ラ・フランス!ようこそいらっしゃいました、マスター!せーの!」
「ようこそ、素敵なあなた」
[わざわざ御足労、ご苦労な事だ]
『お久しぶり。明けの境界…以来かしら』
──ようこそ!ワタシたちのお茶会へ!
扉を開け、リッカを迎え入れたもの。それは万雷の喝采と、圧倒的支持プレシャスパワーによるロイヤルズ達の大歓迎。立っているだけで身体中が爆発四散するような尊きプレシャスの小宇宙に、彼女は根幹から揺るがされ、吹き飛ばされるような感覚に陥る。そして掛け声は全く合っていないのが自由奔放の証である。
「もう!合わせようと言ったのに〜!」
[初耳だぞ。アドリブとはいえ打ち合わせとリハーサルはやっておくものだ]
『まぁまぁ、世の中には個性の殴り合いだなんて言葉もあるし、これが私達らしいのではないかしら。…実際に殴り合いしましょうって意味ではないはず、よね?』
──絶対違うと思う!リアルファイトしたらワタシとネフェルは大変な事になっちゃうから無し!無しの方向でお願い!
「ごめんなさい、ラーメスのマスターたるあなた。こうして顔を合わせる機会に私も皆も舞い上がってしまっていて…大目に見てくださるかしら?」
一つ一つの言霊の高貴さと気高さがまさに別格。今までテレビで見てきたどんなセレブや芸能人も及びもつかないプレシャスにしてロイヤルな言霊は、人類悪の経験があった自身にはあまりにも眩しく尊い。そして、彼女には今、彼女自身に喜ばしい変化が起きている事に気付く。
(見える…!式さんも、エア姫様も、アルクも…あれ!?アルクって寝てなかったっけ!?)
そう、彼女には見えるのだ。清らかな心、高潔な精神を持たねば見えぬエアが、狭間の境界にいる式が。それはまさに旅路にて自身が磨かれた証。その事実は、自身がたくさんの愛に支えられ昇華された事の証に他ならない。
「ふふっ、でもこういう賑やかな方がお祝いには相応しいものよね!リッカ!私達の頑張り屋さんなマスター!本当に本当に、おめでとう!この長い旅路、一緒に歩めてきた事実に、心からの祝福を送らせてね!」
マリーがヴェーゼとハグをリッカに、祝福と共に行う。彼女達は招待状を贈りリッカを招いた。その理由は勿論、この場にて彼女をお祝いするために。
「ま、まま、マリー王妃!?おたわ、お戯れが過ぎますでございます!?」
[たわわが過ぎる?黒き王妃ならともかくこちらはそう大した事はあるまい。まだ無垢に王妃であった為に女では無かったのだから]
「す、スタイルの話では私は太刀打ちできないからお手柔らかにね…?」
──ネフェルはその花みたいな在り方と貞淑と清楚さが一番なんだから!自信を持って!
「むぅ。アルクは相変わらず意地悪ね?ふんだ、私も全盛期の時期がかわれば凄いのよ。ゴージャス様はこの姿が至高と言ってくださったもの!」
『ふふ、浴着物は小さい方が似合うと聞いていたけれど…でも、大きい方がいいのかしら?リッカちゃんは』
「ここにいる方は皆様がそれぞれ最高最善最大最強だと思います!!」
リッカの周りにて繰り広げられる、やんごとなき身分からの女子トーク。求め、憧れ、そして目指す女性の景色が、体現が、理想がここにある。
──はい!せいれーつ!お茶会の前に、一人一人言葉を贈るんだよね!しっかり伝えよう!ワタシたちのマスターに!
エアの言葉に、一同は規則正しく並ぶ。じゃんけんはきっと、順番を決めているのだろう。
「やったぁ!私が一番ね!それでは、王妃ではなく一人の隣人、マリーとしてあなたに伝えるわね?」
王妃、マリー・アントワネットが姿勢を正しリッカに告げる。それはフランスの象徴にして女神が如き麗しさの君から告げられる言葉。
「ありがとう。世界を、そして何よりフランスを救ってくれて。あなたがいたから私はゴージャス様に、エアに、皆に出会えたわ。あなたの頑張りを、ずっと前から見られたのは私の密かな自慢なのよ」
「マリー王妃…」
「本当に、強く、素敵な女の子になってくれてありがとう。あなたの事、きっと世界は大好きよ。だって…私達がこんなにも大好きなのだもの!」
祝福と共に、リッカへ抱擁を贈るマリー。それはあらん限りの祝福と信頼の籠もったものであることは語るまでもない。
「私から…いえ、ラーメスやモーセからもプレゼントを預かっているわ。言葉にはしないけれど、あなたにはとっても感謝しているのよ。だって、口を開けば勇者達と、私達の事と、あなたの話ばかりするのだもの」
そうして託されたもの、それは身体が宇宙の蒼銀にて彩られているスフィンクスの幼体。愛くるしくリッカに飛びつくそれは、スフィンクス・アウラードと呼ばれるスフィンクスの王種。無論──使い魔として比類なき素養を秘めた超抜種だ。
『ふふ、私とあなたに、今更物なんて不要よね。だって…あの時に見た景色を越えるものなんて、きっと無いもの』
両儀式が告げているもの、それは明けの境界における一夜の一幕。生みの際に関わった遺伝子提供者達との訣別の一戦。そしてその果てに垣間見た──初日の出。暖かに闇を晴らす、曙光の夜明け。
『あの景色を、心に抱く限りあなたはきっと大丈夫。どんな辛い現実も、困難も越えていける筈。…いいえ、キチンと乗り越えられたから今のあなたがここにある。忘れないで。そんなあなたが、皆大好きだということに』
「──はい。あの時は本当に、本当にありがとうございました…!」
片割れの際、そして監獄塔。彼女に、自身の決戦の際にどれほどお世話になったことか。深々と頭を下げることに、なんの躊躇いがあるものかとリッカは最敬礼を行った。その振る舞いに、たおやかな麗人は微笑んだ。
[ふむ、いつも世話になっている…というのはあちらの私の方の話か。私は戦いは愚か、まともに外にも出ないからな。だが──貴様らの行いは、我が身体たる星の簒奪者や殺戮者を追い払う役割をよく果たしてくれている]
次は、麗しき紅き月たるアルクェイド。何を言うか…と思案した後に言葉を紡ぎ、彼女をねぎらう。
[その奮闘、その健闘、その敢闘…我等に退屈させぬ刺激を寄越しているぞ。大儀と言い換えても良かろう。そのまま、揺るぎなく進め。退屈しないかぎりはお前を見ていてやる。星の覇者を気取るならば、ただの一度も敗れてはならぬ重圧を抱え進む他なし。それでも…]
「はい!それでも、私達は絶対に負けません!だって私達は、一人じゃないから!」
かけがえのない仲間は、同志は共に在る。それでこそ、進むことが出来る。愚問であったな、とアルクェイドは笑い、最後の相手にバトンタッチする。
──リッカちゃん。こうしてちゃんと御話するのは時間神殿以来かな?もう、ずっとずっと昔の事みたいだね。
「はい、姫様。本当に、本当に色んな事がありましたから」
英雄姫、エア=レメゲトン。或いはギルガシャナ・ギルガメシア。その存在を確かに見据えながら、玉音を聞きながら、共に語り合う。
──リッカちゃんは素敵な女の子だねって言った事、昨日みたいに覚えてる。あの頃の言葉は心からの言葉だったけど、今のリッカちゃんはあの時よりずっとずっと素敵に、可愛らしくなって…本当に、素晴らしいと思うんだ。
「はいっ。だって──ギルや姫様、沢山の素晴らしい人に支えられました。そして今も、支えてもらっています」
──うん。本当に、本当に頑張ったね。ワタシも、ギルも、フォウも。皆が感じているよ。あなたの頑張りを。あなたの人生の素晴らしさを。
「はい。……はいっ…」
優しく、肯定に満ちた言葉。そこでリッカは感極まり、目が潤み、声が詰まり、嗚咽が漏れる。
この人は──自分が一番欲しかった言葉を最初に伝えてくれた人だから。
「ずっと…ずっと言いたかったです。姫様…!ギルを御機嫌にしてくれてありがとうございました…!」
──えっ?
「私達の旅路を、愉快で、素敵で、沢山の笑顔に満ちる姿にしてくれて…!それは、ギルの傍にあなたがいてくれたからで、私も、そんな姫様や、ギルのおかっ、お陰で…」
…エアはそっと、リッカを抱きしめた。言葉を聞き逃さないために。彼女を受け止めるために。
「あなた達の旅路に、私を選んでくれて…ありがとう、ございました…!」
──あなたじゃなきゃ、ダメだったよ。
「あんな、化け物みたいな私を、捨てないでくれて…ありがとうございました…!」
──みんな、あなたを助けたいと願っていたよ。
「うぐっぅ、うぐっ…!皆、みんな…!やさしく、やしっ、ぅ、うぐ…!やさしくして、くれて…!」
──皆、あなたの事が大好きだよ。
「これかっ、これからも…これからも…!ずっと、ずっと!い、いっしょに…いっしょに…っ!」
──ずっと、傍にいるよ。あなたと、皆一緒にいるよ。
「うっ、うぅっ…!姫様ぁあ!会いたかったよぉ〜〜っ!!」
──ワタシも、会いたかったよ。頑張ったね。本当に今まで、頑張ったね…。
エアに縋り付き、リッカは涙を流し泣き続けた。彼女の力は、彼女の権能は今、なんの意味ももたらさなかった。
そう、彼女を倒すのに武器も、魔術も、何一つ必要ない。ただ…互いを理解し、解り合う事をするだけでいい。
ただ、それだけでいいのだ。尊きものたちに見守られ、彼女は無垢に涙を流し続けた──。
アルク[そら、そろそろ泣き止め。我等の覇者が締まりが付かなかろう]
リッカ「ごめんなさい、あまりにてぇてぇの嵐が凄くて…」
──これからワタシたちと一緒に、女の子に必要なものを追い求めて行こうね?リッカちゃん!
「はいっ!よろしくお願い致します!」
マリー「うふふ、それじゃあ始めましょうか!マスターを加えた、素敵なお茶会を!」
両儀式『ふふ。登りましょうか。大人の階段を』
アルク[もう階段など見えぬのだがな…]
ネフェル「硬いことは言いっこなし!こういうのは、素敵な思い出作りなのだから、ね?」
リッカ「はい!私はいつでも準備OKです!」
──それでは!リッカちゃんの頑張りとこれからの人理の発展を心から願って!
「「[『──かんぱーい!!!』]」」
「かんぱーーい!!」
…お茶会と言うよりは、宴会、飲み会のようなテンションであれど。そこに全く嫌悪や戸惑いはなく。
マリー「コーラって美味しいのかしら?よくデオンに向けてアマデウスが振っているけれど…」
ネフェル「ラーメス、最近はお寿司にハマっているらしいわ。ふふ、日本の文化は素敵ね?」
アルク[大陸ピンボールを知っているか?]
両儀式『今度、板前料理に挑戦してみたいのだけれど…付き合ってもらえるかしら?』
──今度、一緒にツーリングしようね!
リッカ「あわわわ…!」
その自由なプレシャスお茶会に、リッカは手も足も出ずに成すがままであったとさ──。
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