人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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この度個人的に依頼していた、リッカの邪龍形態…即ちアジ・ダハーカの真体のイラストをSKIMA様より、ケセルム様に依頼し描いていただきました!全長50メートルの大いなる人理の守護龍の威容、ご覧ください!こちらです!!



【挿絵表示】



アジ・ダハーカは本来は三頭の龍、その姿を三首ではなく二つのガントレット、六つの翼と角で大胆にアレンジした素晴らしいデザインであると自分は確信しております!この見た目で純度百パーセントの人類の守護龍であり、ユーキ・アオイボイスで喋るというてんこ盛り属性!楽園カルデアにのみ現れる、正真正銘の正義の邪龍でございます!

いや、この見た目で守護龍は無理でしょとなったあなたは多分間違っていません。そしてこれからウォフ・マナフ、アンリマユという進化形態を残すというチートぶり…おぞましや汎人類史!!

皆様もこのプリティドラゴンをよろしくお願い致します!SKIMA様…まさに手付かずの宝の山です!これから月一でイラスト注文する予定です!ワクワクが止まらねぇ!!

それでは本編を、どうぞ!




女王(私が楽園に行ったら、全てのバーサーカーが過去になってしまいますね…(ムフフ))

神祖「かつて淫蕩であったローマよ。其処を通りたい」

女王「!?…資格があるならば、通るがいい」

神祖「うむ、では」

女王「…ローマ?妖精郷の外に、あったような、なかったような。……」

女王(Y)


降臨!遥か届きし腕と愛〜挿絵あり、人理の守護龍ですが何か?〜

諸説ある。古今東西に在る英雄英傑の集うカルデア、其処は一体なんであるのか?日本か、ギリシャか、インドか、はたまたウルクか?

 

いや、きっと答えはあるのだろう。それぞれにきっと、各々の導いた答えがあるのだろう。日本か、ギリシャか、インドか、ウルクか。それぞれにきっと答えはある。

 

しかし、ここに一つの答えを持つものが来たる。ローマ…そう、はるかな宇宙の果てにさえも届いたローマの縁を辿り彼は来たる。それは早すぎる到達であるのやもしれぬ。それは早すぎる来訪なのやもしれぬ。しかし彼は来たのだ。人類の浪漫、即ちローマを護らんが為に。そう、即ち──

 

「私が、(ローマ)だ。ローマたる私が此処に至ったのだ」

 

ロムルス=クィリヌス。荒ぶる神の力と人の浪漫を宿せし、本来であるならば大いなるグランドランサーでありながら、縁に報いらんがために冠位すら投げ捨ててこの時空へと馳せ参じた、偉大なる神祖がここに顕現せしめたのだ。楽園はまた一つ、獣を討つ力を有したのである。

 

──し、神祖ロムルス!?建国の槍をお持ちではない、黄金の姿にて!?

 

『案ずるな、姫よ。私はかの建国の王とはまた異なる形と姿にて現れしもの。槍は持ってはおらぬが、この輝ける槍が如き腕がお前達の力となろう』

 

当然の様にエアの魂に語りかけるクィリヌス。クィリヌスとはロムルスが嵐と雷雨に迎えられ、人の世を離れた際に新しき神として彼が名乗った名前。ローマにおける最高峰の神が一柱であり、かの神話体系においてはゼウスにすら並ぶ最高神の具現である。世界を愉しみ、見守るエアもまたローマ。当然の摂理である。フォウと共に、深々と頭を下げるエア。彼、ロムルスという英雄には無銘の頃に導かれた返しきれぬ恩があり、リッカもまた地獄の塔にて助力を賜ったとされる別格の存在だ。ユニヴァースにおいても、当然の様にローマを建て、ランサーでありながら生き延びるという離れ業を披露していた程である。まさにグランドローマと呼ぶに相応しい。

 

「いつぞやのメソポタミアでは、貴様の城壁に助けられたものよ。早くも懐かしくあるが、その礼は忘れてはおらぬ。貴様の参列、歓迎してやろうではないか」

 

先のオリオンと同様、有無を言わさぬ合意を示すギルガメッシュ。無論先のオリオンは疎んでいたわけではない。ギルが懐く最高のクラスであるアーチャー、そのグランドがかの一見軽薄な輩であるという事に無情さを感じていたというだけである。これで資格だけならば、グランドセイバー、グランドアーチャー、グランドランサー、グランドアサシン、グランドキャスター、グランドバーサーカーが楽園の敷居を跨いだ事となる。存在していないのはグランドライダー資格保持者だけという驚異的な記録を叩き出しているのである。

 

「偉大なる英雄らの王、御機嫌なる王よ。お前の庭たる世界に芽吹く浪漫の数々を護らんとする戦い、私は感じ入っているぞ。その在り方は紛れもなく、ローマである」

 

「フン。むきになって否定することでもない。むしろ貴様がローマでないと否定するものがあるのかどうかが愉しみなものよ。そして──かのライダーや叛逆の化身に、その物言いを貫く事が出来るかな?」

 

ギルのいう、輝かしきローマのみではない側面。圧制、弾圧を強いた事により立ち上がった偉大なる筋肉にして大いなる弱者の味方、スパルタクス。

 

そして──ただ一方的に奪い、辱め、傷つけ、踏み躙られたローマの永遠の被害者にして復讐者、ブーディカ。楽園において、いや楽園だからこそ二人の存在は罪となってクィリヌスの在り方を問うだろう。ローマの罪、ローマの過ち、消え去ることない永遠の疵として。

 

「……………その者らの意志、その者らの怒り。それらは正しく我が罪だ」

 

──ロムルスさま…

 

その名前、その言葉を聞き、鎮痛に目を閉じるクィリヌス。ローマであるというならば、ローマを名乗ると言うならば、決して目を逸らしてはならぬし、忘れてはならぬもの。楽園にて在るからには見据えねばならぬ罪。

 

「ローマの罪。ローマの過ち。しかし私は立ち上がり、受け止めなくてはならぬのだ。罪とは背負い、受け止め、しかと立ち見据えねばならないものである。罪をなき事に、罪を見知らぬと告げることこそ真の咎。──ローマがローマであるが故に、断じて罪から逃れようと足掻いてはならぬのだ」

 

クィリヌスはそれを自らが受け止めるべきと定義している。悩むことなく抱くのだ、ローマがローマであることのなんたるか。強すぎる光が生んだ闇すらも、その腕にかき抱いて立つ覚悟を既に固めて神祖はここにいる。

 

『エアよ。お前も、いやあらゆる人は罪の在処に惑うもの。己の全てを正しいと断じる事ができるはそこの男のみ。お前は心に獣を飼ってはならぬ。罪は背負うものであり、自ら犯すものではないのだ』

 

クィリヌスは語る。まだ自立を始めたばかりの魂へと、浪漫あふれる世界の道を。

 

『しかし忘れてはならぬ。生きとし生けるもの全てを重んじるならば、その全てが持つ尊厳を護る為に立ち上がらなければならぬ事を。お前のこれより挑む戦いは、お前が示した全てを護るもの。お前の見出した浪漫を護るためのもの。──その行いは偉大だ。罪はなく、王と歩むに相応しい道行きだ』

 

クィリヌスの言葉は、優しく暖かい肯定に満ちていた。尊び、重んじたのならば次なる戦いはそれらを護るのみ。ユニヴァースにて賜った教えを再び教わり、エアは静かに頷く。

 

──はいっ。王とワタシが大好きなこの世界と、そして皆が生きていく世界を脅かす全てとワタシは戦います。ワタシが尊いと思い、美しいと思い、護りたいと願った全てを護るために。かけがえのない方達と一緒に!

 

もはや、右も左も解らぬ無銘の頃ではとうにない。彼女もまたこの旅路にて大いに成長した。彼女もまた、王の至宝と呼ばれるに相応しい研鑽にて冠位をかつて懐くに至った。その感覚を、その答えを伝えるになんら憂いも、躊躇いも存在していない。神祖にすらも怖気づく事なく、まっすぐ見据え応えてみせる。

 

『うむ、うむ。遥かなる高みにて世界を尊ぶ慈しき姫よ。お前と厳しき王、獣らを纏めて、ローマと呼ぶに相違はない。我が子よ、その在り方を忘れるな』

 

かつてセプテムにて問い掛けた頃より、遥かに成長した魂に満足げに頷くクィリヌス。彼女もまた、自身の魂に大いなるローマを宿していると彼は頷いたのであった。

 

「フッ、セイバーも渾身のすり抜けを果たした上、グランドクラスの縁を二つも清算した。ここらが今回の潮時であろう。変則召喚も含め、改築の用事が山と溜まっているが故な。参列、御苦労であったぞ」

 

上々の戦果よな。またオマエは負けたけどな。はははこやつめとじゃれ合う王とフォウ、困ったように笑うエアを見据え、神祖は言う。

 

「セイバーを欲するか。ならば我が手繰り寄せよう。偉大なるセイバー、そして未だ訪れぬ我が子の来訪の縁を」

 

「───いや待てクィリヌス。何もセイバーであれば良いという訳ではないぞ。セイバーと言えど種類があってだな」

 

「我が手は全てに届き、拓き、やがて大いなる宙へと。──我が愛に限りは無い。それを見せよう」

 

ギルガメッシュもまたローマ。つまり愛し子。懐の深さにおいて限界の無い神祖が、召喚サークルを回しだす──!!




クィリヌス「来たれ、来たれ。我が呼び掛けに応え来たれ。我が子よ、我が愛よ。ここに来たれ」

フォウ(ローマがローマし始めたぞ!?これは即ちローマなんじゃないか!?)

──そうだね!ローマがローマする以上、ローマであるローマは必ず来る!それこそがローマ、ローマだから!

《待て、落ち着けお前たち!神祖の汚染に惑わされるな!》

クィリヌス「我が愛に抱かれ来たれ、大いなるローマよ!!」

クィリヌスの呼び掛けに来たりしは──

カリギュラ「………おぉ……」

──カリギュラさん!?第二の特異点にて出会いしローマ!

フォウ(ローマだ!!)

クィリヌス「そして来たれ、我が子よ。華やかなるローマよ。来たれ!」

超速回転せしローマゲート。ギルにはそれが読めてしまう。ローマ+セイバー。それが何を意味するのかを。

「待て神祖!既にゆだった白いセイバーはいる!これ以上頭痛の種を増やすのは──!」

「マグヌス!!!!!!」

ギルの嘆願すらも振り切り、招き寄せたるセイバー…それは──

「ネロ・クラウディウス。神祖の招きにてやってきたぞ!青はオワコン、白は皆の嫁!ならば余は愛されし情熱の──」

──次の瞬間!

ヒロインX「息を潜めて三百ページ!!狙いを絞って死ねアルトリア顔カリバーーーーッ!!!」

ネロ「ぬわーーーーーっ!!?」

玉座の下より出てきたヒロインXが、赤セイバーに襲いかかる末世、世紀末。

ギル「図らずともセイバーコンプリートに進んでしまったか…」

──ローマがローマに!?
フォウ(まるでローマだ!!)

クィリヌス「ははははははは!」

悲喜こもごものまま、召喚は幕をおろしたのであった…。

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