そして今日からまとまった休みを確保するため、一日に2件打つことによりストックを作ります!感想、メッセージの返信が遅れてしまった際は何卒お待ちを!
そして今、リッカの一枚絵を依頼しています。ラフが手元にあるのですが…すごくすごいです!お見せできる日が楽しみです!
どうぞよろしくお願い致します!それでは、どうぞ!
里帰りの準備!〜あなたはまだ夏草を知らない〜
『行く為の手続き諸々、こちらでしておくわ。あなたは身の回りの物品と、あちらへの連絡を忘れないようにしておきなさいね』
「えーと、グドーシのお家には大体残ってる筈だから…っていうか空けてるの一年くらいなのにスッゴい昔に思えちゃうな…!楽園、じゃなかった頃からのカルデアの日々、濃ゆかったなぁ…」
改築も終わり、一年も半年が過ぎかかった節目の年。リッカはその時期を利用し、日本に何日か舞い戻る事を決めた。時間的に言えば、自分は高校2年生の6月目という事にもなっている様で。光陰矢の如しな時間の過ぎ去りを意識せずにはいられないものである。
「皆元気にしてるかなぁ…もう性別リッカとは言わせないぞぅ!こんなにも魅力的になったんだい!むんっ!」
鏡の前でポーズを取る、一年前とはありとあらゆる面で成長した自分を映すリッカ。彼女の肉体はありとあらゆる経験の下、色々な意味で凶器と呼ぶに相応しいものとなったのだが、リッカ自身その魅力を武器にしようとは考えつかない辺り実にリッカである。女性を武器にするならば、オルガマリーやペペロンチーノの方が間違いなく長けている。ペペロンチーノ男性だけど。
「私の事、皆覚えてくれてるかなぁ…。サナちゃんにも声かけなきゃだし、一緒に行く相手もキチンと紹介しなきゃだし…何より、久々の日本!」
この計画の主催者は我等がギルである。『来る大戦に備え、自身の護るべきものの重さの一つは心得ておけ。それが勝敗を分かつ力の在り様になろうさ』と、有給届けと共に話を付けてくれていたのである。何から何まで、お世話になりっぱなしなのは初めて出会った頃から何も変わっていない。
マシュとギルは、自身が対等に契約を結んでいるメインサーヴァントだ。じゃんぬにも持ちかけたが、「マシュとギルは特別でしょ?私達にとって、契約の形なんてどうでもいいこと。でしょ?」とサラリといってのけたため気にしないことにした。やっぱじゃんぬしか勝たん!となったのは当然である。
「久しぶりの日本かぁ…どうなってるのかなぁ…皆全員大人になってるのかなぁ…!夏草の皆、元気にしてるかなぁ…」
夏草、とはリッカの滞在していた土地、『夏草市』の名称だ。千葉県にあり、海も都会もすぐ近くにあり遊ぶ場所に困らなかった素敵な土地である。中学生の時に通っていた学校とは、グドーシの隠れ屋敷を挟んで逆方向に存在する場所。そこにある学校、町並みがどうであるかは、とても一言で言えない程に猛烈で、強烈だ。
「…あの場所の皆には、本当に良くしてもらってたなぁ…」
先生、生徒、仲間達。そのどれもが煌き輝いていた場所。高校生になってからの日々は、毎日がとても楽しかったよ。滞在していた時間は一年にも満たなかった(すぐにカルデアに来たため)が、それでもキラキラした日々であることは、覚えている。忘れるはずも無い。
「朝にはホームルーム始まるまで駄弁って、授業中なんかやらかすクラスメートの誰かに雷落とす先生。休み時間にはクラス跨いで会いに来てくれて、お昼には机を合わせてご飯だったり食堂にダッシュ。終わったら宿題やったり都会の方に電車で行ったり、夜には寝るまで電話で話したり…楽しかったなぁ…」
中学校の、ゲーティアが作り上げた蠱毒の地獄とは対象的に思い出の全てが輝いている。輝かしい日々、煌めく青春。例え羽化が仕切れなくて、皆の笑顔を真似していただけだったとしても。それが素晴らしいものだと思えたから、奪われた事、奪った相手に尽きぬ怒りと決意を懐く事ができたのだ。それは決して、変わらない事実である。本当に、良くしてもらった楽しい思い出しかない。本当に…
「あ、そうだ。連絡してみよ!榊原先生に!」
リッカは思い至る。自分の事を気に掛けてくれた担任、榊原先生の事を。女性であり穏やか、相手の事を慮る事に長けた大人の先生で、進路相談や心の悩みを多く受け持つ先生だと記憶している。
『留学、行ってきなさい。きっと今、あなたに必要な全てを学べるだろうから。幸い、高校生で学ぶ範囲の事は全部理解してるみたいだしね』
留学、カルデアへの出発の便宜も取り計ってくれたのは彼女でもある。きっと今、あなたは行かなくちゃいけない。あなたの大切な人生に必要だからと、優しく背中を押してくれた大恩人だ。連絡先は、忘れず持っている。
「覚えててくれてるかなぁ。確か一年前に皆が電話くれた時以来かな?どれどれ…」
連絡し、呼び出しを行う。2回の呼び出し後、すぐに先生は出てくれた。物静かな、20後半の女性の声。
『リッカ?リッカだよね?もう、いきなりでびっくりするじゃない。電話するなら、連絡するならもっと早く教えてちょうだいな』
「えへへ、ごめんなさい!お久し振りです、先生!」
リッカの声を聞き、弾むような声を上げる榊原先生。その声音や態度から、自分はどうやら過去の人間にはなっていないみたいだ。その事実が、とても嬉しく思える。
「今度、ちょっとそっちに帰ろうと思ってるんです。まとまった休みが取れたんで何日か!皆にも伝えてもらえますか?」
『本当に?うん、勿論。きっと皆喜ぶよ。一日に何回かは必ず、貴女の話が出るくらいだから。勿論私も嬉しい。この一年、何があったのかを教えてちょうだいね』
そして、仲間たちも自身を忘れていない。そんな事実が…護りたい平穏がまだある事実に感動すら覚えるリッカ。楽園の皆と、あちらの仲間達。どちらもリッカにはとても大切なのだから。
『そっちでも上手くやれてる?友達やボーイフレンドくらいいるんでしょ?あなたに限ってぼっちだなんて考えられないもの。一緒に連れてきても良いのよ?』
「あはは、相変わらずなんでもお見通しだね先生は!」
『勿論。担任ですから。…うん。可愛くなったね、リッカ』
「えっ?電話越しなのに解るんですか?」
『解るよ。声で解る。今のあなたは心から笑えてるし、心から楽しいと思えてる。声の艶っていうのかな?そういうのは人生や環境で変わるものだから。あなたは変わったよ。うんと、いい方に』
榊原先生の勘、人間観察力はとびきりだ。楽園の進歩を声だけで見抜けるほどに。やはり…
「只者じゃないね、先生…!」
『伊達に歳は取ってないのよ?まぁ、ババアやおばさんなんて言う輩は修正するけれど。そこのところも、詳しく教えてちょうだいね。楽しみにしているわ』
心から頷くリッカ。やはり大人の先生は、頼もしさが違う。人生の教師と呼ぶに相応しい人は、何も変わっていないのだ。
『あぁ、それと。あなたがいない間に夏草も凄く変わったのよ。きっと、滞在の間は飽きないと思うわ』
「えっ?」
変わった?一年前は確か都会過ぎず田舎すぎず、バランスの良い都市だったような…
『それもまたお楽しみ。じゃあまたね、リッカ。会う日を楽しみにしてるから』
「はい、先生!よろしくお願いします!」
電話を切り、リッカは思う。あの先生は嘘や益体のない戯言は口にしないタイプだ。そんな人がわざわざ警告めいた言葉を告げるとなると…
「ちょっと、浦島太郎気分で行ってみた方がいいかもしれない…!」
私の故郷、どうなっているんだろう。えも言えぬ不安が、リッカを包むのであった…
グドーシ「荷造りは終わったでござるか?こちらはバッチリでござるよ」
リッカ「グドーシ!久しぶりの帰省だね!」
グドーシ「まさか再びあの家に向かうとは…解らぬものですなぁ。いやはやいやはや」
リッカ「そだねー。今生の別れだったもんねー…」
グドーシ「ではリッカ殿。新たな縁にお声をかけてみてはどうでしょう。サーヴァントをお供にすれば、大抵の事を対処できましょう」
リッカ「うん!よーし!誘ってみよー!」
リッカの里帰り、節目の一大イベントが本格的に動き出す!
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