リッカ「良かった、ここは変わってない!あんまり!」
ギル「相対的にすっかり奇怪な屋敷よな。近寄る輩も少ないと見える。やや外れとはいえ、ここまで差異が出るとはな。では、明日に備えゆるりと休んでおけよ?」
リッカ「あれ?ギルはどうするの?」
ギル「我等はこれより世界を飛び回り、職員共の血縁や家族を楽園に回収して回る。些か音信不通にはなるが何かあれば令呪にて呼ぶがいい」
──冗談抜きで、地球の裏側からも駆けつけるよ!
リッカ「頼もしい!解った、じゃあまたね!気をつけてー!」
──そちらも!楽しんでねー!…ん?
『ゲーティアの指輪』
──…?
「「おぉ〜っ!!」」
夏草の外れ、都市からやや離れた森林に隠れる…ホラースポットとしてちょっぴり語り草にもなっていたリッカとグドーシの自宅に、里帰り組が来訪する。リッカの楽園での自室のモチーフともなっているインテリアの本家本元の屋敷に、早苗とマシュがテンション高めの興奮あらわに飛び跳ねる。
「白いです!物凄く白いです!とっても清潔でまさにグドーシさんとリッちゃんの愛の園ということなのですね!」
「早苗さん!早いですよ…相手を特定してしまうのは早いですよ!リッカ先輩は自分以外は全員異性に見えるという地上最強の雌…!食べ放題味わい放題の生物なのです!」
【それ異常性欲のレズってだけじゃねーの?】
『確かに…』
(アジーカ殿とアンリマユ殿、納得なされた)
「本当、真っ白なのね。ていうか電気も水も通ってるってどういう事かしら?それも魔術で賄ってたり?」
「金庫に数億円はあるからお金は問題ないけど、誰か料金払ってくれてたりしたのかな…?」
そう、彼女の自室は始まりより歩き出した日より微塵も散らかっていない。盗人や不法侵入が入った形跡すらない。グドーシの延命の為に、殺菌や除湿等は完璧ではあったが…?
「なんという…なんという事ですかこれは!どうなっているんです!?どういう事なんです!?」
グドーシ宅に備え付けられたパソコンを立ち上げ猛烈な速度で夏草市公式ホームページを立ち上げたカーマが怒りも顕に叫ぶ。そこには一年近くにて驚異的な発展を遂げた理由の一端がとても簡潔に書かれていた。とてもジョークや冗談にしか聞こえない理由と共に。
「何々?市長が徳川家康と織田信長と豊臣秀吉の埋蔵金を見つけアラブ旅行の際に油田を発見し株で大勝ちして温泉を引き当て株にFX取引にありとあらゆる賭けに勝ち、漁業や工業、新エネルギー開発などで力を伸ばし千葉県の様々な場所に吸収合併を行った土地が今の夏草…市長さんそんな事やってたの!?」
「獲得した資産は全て夏草市に投資し、今の強く健やかな夏草が生まれました。環境にも配慮し、電気自動車や風力、電力発電などエコロジーな未来都市を目指し発展を続けています。成程、そういった理由が…」
市長…
「『私は、私の理想の夏草を建ち上げるまでけして死なん!』と力強いコメントを残しています…リニアやエアポート、港にも力を入れたいのだとか!」
【あっひゃっひゃっひゃっ!どうやら人理焼却上がりにさっさと行動したみてぇじゃねぇか!千葉県丸々夏草にしちまいそうな勢いじゃねぇのかコイツは!ちっと来ねぇ間に地獄の吹き溜まりの隣がユートピアだぜ!腹イテー!】
『行動力の化身』
腹を抱えて笑うアンリマユ、頷くアジーカ。なるほど、そういうのもありなんだ…と納得する一同に、じゃんぬとカーマが声を上げる。
「いやいや、お金や開発はなんとかなってもこのビルとか新エネルギーとかはおかしいでしょう!?お金じゃなくて時間的に無理よどう考えたって!」
「そうですよ!そもそも資金の出どころとか、獲得の仕方がツッコミどころ満載です!なんですかこの豪運!?絶対に何かしらの力が働いた筈です!そうに決まってます!」
「「例えば?」」
マシュと早苗のツッコミに閉口してしまうカーマ。この二人何も考えてないくせに無駄に息ぴったりなんですねと歯噛みする愛の女神。そんな場をグドーシが取りなし、カーマを宥める。
「まぁまぁカーマ殿、世の中に有り得ないなんて事は有り得ないと言います。ここは成り立ちよりも、この都市がどのような意図にて作られたか見極めようではありませんか」
「というと?どういう事よ、グドーシ」
「この街が真に民達を考えた故の発展であるのか、それとも何者かが介在し、恐ろしい術などの行使の魔法陣代わりであるのか。少しの間滞在し、見極めればよろしいかと。幸い、公式サイトに見所やスポット等は記載されておりますれば。そこらを皆で回りつつ…」
「あ!私達の母校が紹介されていますよ!昇陽、高校…」
早苗が指さしたページには、誰もが思い描く校舎…ではなく、広大な敷地に陽光を照らし返す白亜と蒼銀の学園が映されていた。半年前に新年改築をしたらしい。
「が、学園都市…!ハイソでオシャンティーな最先端高校…!」
「サナちゃんの情報処理能力が追いついてない!?」
「どこの上流階級よこれ…あ!リッカ!この人、貴女の担任じゃない!?ピンク髪の優しそうな人!」
じゃんぬが指差す写真には、役職に教頭と書かれている
「見てくださいリッちゃん!福山くんに黒神ちゃんが生徒会の中枢メンバーとして掲載されてますよ!」
「わ、私がいない間に夏草はグンマばりの魔境になっていたみたいだね…!一人じゃなくて良かった、浦島太郎になるところだったよ…!」
「生き延びましょうリッカ!このコンクリートジャングルを…!」
強く頷いた瞬間──リッカのスマホから、大量のライン通知音が届く。それらは、福山を始めとした仲間たちの安否通知であり、心配の声だった。
『あんたバカァ!?帰ってくるならちゃんと言いなさいよ!お祝いにも準備があんのよ!』
『腕は訛っていないか?運動部代表として、この関土門が受けて立とう』
『あなたが藤丸リッカ先輩ですね!はじめまして、高橋エルと言います!ロボットはお好きですか!?』
『怪獣、いいですよね…』
『リッカ!!この遅参野郎!!近くにガンプラ店とバトルルームが出来たから行くぞ!ジャスティスをバトルで核爆発させる!!リッカ!この気揉ませ野郎!!俺は心配していたぞ!だが錯乱はしていない!!』
『↑のはあんまり気にしないでね。鈴村と一緒に待ってるよ』
『一度に送るなと言うに!夏草駅で明日以降落ち合おう。皆、君を待っていたよ 福山』
『ピザ。オリーブ付き ゆかな』
「濃ゆっっ!!リッカの学友濃ゆっ!!」
「これはこれは…一息つく暇もなさそうですなぁ…」
「あは、あはは…とりあえずみんな!明日に備えよう!これ凄いパワー使うやつだからホントに!凄いから皆!」
「ふふふ…幻想郷代表として望むところです!ではみなさん!あそこのキングサイズベッドで皆で寝ましょう!お風呂もバスルームでしたわーい!」
「オンリーワンサーヴァントとして、遅れは取りませんよー!」
「はしゃぐなっつーの!汚すんじゃないわよリッカとグドーシの家なんだから!」
「見せてあげます、てぇてぇの愛を…!」
外も内も、大賑わいの夏草里帰り。ハチャメチャながらも、かつて二人だけの世界だった屋敷の賑わいっぷりに…
「楽しくなって参りましたな、リッカ殿」
「──うん!!」
心から、同意を示すリッカであった──。
夜 キングサイズベッドにて
じゃんぬ(寝相良し)「すぅ…」
早苗(寝相悪し)「すぴー、すこー」
マシュ(寝相ハグ魔)「しぇんぱい、しぇんぱい…」
リッカ「いだだだだだだ…、マシュ極まってる極まってる、二人共起きちゃうから…」
カーマ(見張り)「くっ、グドーシさんとの二人きり睡眠が見たかったのに…!」
グドーシ(浮遊)「涅槃」
カーマ(寝言なんですかそれ!?)
リッカ「これは明日から大変だぞぅ…ん?」
『リッカへ』
(榊原先生?)
『おかえり』
「……」
『ただいま!』
『【〜】』
波乱と困惑の一日目が、過ぎ去っていく…
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