人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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噂のセイレムをクリアしました

考えました。「ゴージャスを放り込んだらどうなるのか」と


一日で終わりました


まくあい 様々な平穏
KTO(改築王)ゴージャス


「――」

 

 

 

 自室。自らの寝台にて、マリー……マリアの膝を枕にし、器たるギルガメッシュは林檎を食らい、思案に耽っていた。

 

 

 

「よもや、我の召喚の儀を邪魔立てする輩が世界にいようとはな」

 

 

 言葉に含まれるは、驚嘆と興味、僅かな気落ちであった。

 

 

「それなりに意気込んではいた。それなりに確信はあった。……まぁ、結果は男の騎士王という奇想天外な落ちではあったがな」

 

 

 ――やはり、あの召喚は、何か超絶的な存在による横槍であったのか

 

 

 ……自分は『ソレ』に連なる存在を知っている。『ソレ』なるモノを知っている。

 

 

 何故なら、『ソレ』こそが。自分を此方に送った要因であるからだ。

 

 ……虚ろなる、あの声を思い出す。

 

 異世界転生などという言葉。

 

今回の狼藉も、ソレに連なるものの悪戯、なのだろうか

 

 

「――魔術師めが目指す世界の外に通じる孔『根源』と言ったか。大方、ソレに繋がった雑種めの下らぬ思惑であろうな――例えば」

 

 

 

 ――異なる時空のセイバーのマスター、■■■■。根源に繋がり、■■となった■■。揺るぎない■の持ち主で、それはいつか必ず■■■となり■■に牙を剥く。

 

 

 此度の召喚事故は、その■■■■の差し金――

 

 

肉体の千里眼が、たちどころに真相を暴き立てる。幾重に隠された真実を、一瞥で看破する

 

 

――惜しむらくは、未熟な魂には、全容を把握することは出来ないのだが。

 

随分と久し振りな感じがする。器が、未来や真実を見抜くのは――

 

 

「――フッ。全能にかまけ、我の旅路に手を出した事が運の尽きよ」

 

グシャリ、と林檎を握り潰す

 

「此度の狼藉、しかと覚えておいてやろう。――我が邂逅の儀を邪魔立てした罪、いつの日か――その身を以て贖わせてくれる・・・!!」

 

神性を顕す紅き瞳の瞳孔が開かれる。天の怒りを顕す怒気が・・・

 

 

「・・・すぅ」

 

 

――傍らにいる、王妃の寝息にて塞き止められる

 

「・・・ふん。王の夜枷を任されながら王を置いて眠りにつくとは。まこと自由な女よ」

 

毒気を抜かれ、思わず笑う器

 

「――よい。激す気力も失せた。この場に、おらぬ狼藉者、今は捨て置くとしよう」

 

コツン、と額を押し、パタリとマリーを寝そべらせ、布団をかけ直す

 

「むにゅ・・・ゴージャスさま・・・」

 

 

「毎度ながら・・・夜伽、大儀である。王の安眠を助力する貴様の働き、称賛に値するぞ、マリア」

 

ゆっくりと、部屋を後にする

 

「特例だ。王の寝台で居眠る栄を赦す。涎で枕を汚すな――いや、無粋か」

 

酷薄に、かつ愉快そうに笑う

 

 

「――さて、我が責務を果たすとするか。王の苦悩や煩悶など、民草や臣下には無縁のものであるからな!」

 

 

鎧を廃し、『改築王』と書かれたシャツを身に纏う

 

「奴等に示すは威光のみ! 早速仕事にかかるとするか! 全く、王とは遣り甲斐に溢れた責務よ!」

 

 

――内緒の所感だが、王の誰にも見せない姿を、一番近くで見られるのは・・・とても嬉しかったりする。

 

「恒例の部屋改築だ! 数が数ゆえ、やはりダイジェスト! 手抜きというな、笑って流せ! さぁ――我が責務を見るがいい!」

 

 

――そうして、定例の新入サーヴァントの改築が行われるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

アン・メアリー 酒場

 

 

「嬉しいなぁ!こんな立派な酒場をくれるのかい?」

 

「礼儀を知らぬ戦士や野蛮人どもの溜まり場にするがいい。賭博、無礼講総て許す」

 

「うふふ、英雄王も顔を出してくださいませ?」

 

「サービスするよ~」

 

「気が向いたらな。次!」

 

 

 

 

『黄金の鹿号』船長室

 

 

「いやぁ!勝手知ったる我が船だ!変わらないねぇ!」

 

「貴様の船を改築した際、間取りは頭に叩き込んでおいた。再現は容易い」

 

「嬉しいねぇ・・・あの風呂場と酒蔵は?」

 

「サービスだ。精々働くのだな」

 

「ありがとよ総督!雇用関係、宜しく頼むよ!」

 

「言われるまでもないわ。次!」

 

 

黒ひげ オタク部屋

 

 

「雑多とした汚らわしい部屋よ・・・よもや本当にこれでよいのか?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「?――如何にした」

 

「コイツを、見てくだされ」

 

 

『スケールフィギュア・黒ひげ』

 

「ほう・・・?器用ではないが熱が篭っている。誰かから押し付けられでもしたか?」

 

「リッカたんが・・・『黒ひげは私の友達に似てるんだ。でも友達は友達、黒ひげは黒ひげ。私は黒ひげと仲良くしたいから、これはその証!あと海賊帽のお返し!これからも宜しくね!』って・・・」

 

「――ヤツもマメよな」

 

 

「尊い――あんな天使が、こんなきたねぇ世界にいていいのでござるか・・・――尊い・・・――」

 

「すぐ消えるな貴様は・・・ふむ。今度は我のフィギュアでも拵えさせてやるとするか。次!」

 

 

 

アルテミス 神殿

 

「きゃぁ――!生前そのままだよダーリン!信仰集まっちゃいそう!!」

 

「いやこれ、マイルームの範疇じゃないよねぇ!?王様働きすぎじゃない!?」

 

「次」

 

「ありがとうAUO~!あれ、疲れたの?ハグする?」

 

「吐き気に決まっていようが!!次!!」

 

 

アキレウス・ケイローン 水辺の学舎

 

 

「感謝します、英雄王。流石、ウルクを盤石なモノにしたメソポタミアの至高の王ですね」

 

「歯の浮く賛辞は控えよ。嬉しくもなんともないぞ」

 

「ホントかぁ?顔がにやけてねぇかぁ?」

 

「――」

 

「ガッ――!?」

 

「む?テティスに炙られた貴様は、不死の肉体では無かったのか?」

 

「解っててやっただろ・・・!神性持ちにはダメージ通されんだよッ・・・!」

 

「む?違ったか?川に浸され踵を忘却されたか、火で炙られたか。どちらだ?」

 

「・・・――我が母、ドジッ子だよな、その説・・・後者だよ、こ・う・しゃ」

 

 

「はい。父の嘆願により、かかとだけが残されたのです」

 

「格好がつく定説で良かったではないか。次!」

 

 

 

 

ヘラクレス 小さな一軒家

 

 

「これで良かったのか?神殿を拵えてやってもよかったのだぞ?」

 

「ヘラになどへつらう必要はもうない。・・・他愛のない穏やかさこそ、私の変わらぬ願いだ」

 

「・・・――そうか」

 

「シチューを作る。食べていけ、ギルガメッシュ」

 

「頂いてやろう。味はあまり濃くするなよ」

 

 

 

メドゥーサ・ステンノ・エウリュアレ・アステリオス 形のない島

 

 

「ここ、いい、の?」

 

「いいのよ。アナタは特別」

 

「毎度ながら・・・御体が心配になる過労っぷりですね」

 

「王の責務だ、投げ出すわけにもいくまい」

 

「ありがとう、英雄王。心よりお礼申し上げますわ」

 

「・・・上姉様に、如何なるいじめっ、教導を?」

 

「鎖で縛り上げ眼前で裸体を晒しただけだが?」 

 

「事案ッ――!?」

 

 

「ふははははは!見たければいつでも言うがいい!」

 

「おう、さま!」

 

「ん?」

 

「もう、ひとつ!おねがい!」

 

 

 

 

アステリオス 『終末(ナピシュテム)の大潮牙』

 

「おれ、ここも、まもる!みんな、まもる!」

 

「――宝具による迷宮の深淵化、か。・・・よいのか?」

 

「うん!おうさまの、らくえん。ぼくも、まもりたい!」

 

「アステリオス・・・。よかろう。迷宮の維持、貴様に任せる」

 

「うん!おれ、やる!」

 

 

 

 

アーサー ガーデン

 

 

「庭園だと?随分と小洒落たモノよな」

 

 

「ありがとう。ここは僕にとって、特別な意味を持つ・・・気がするんだ」

 

「気がする?・・・記憶の不備か?」

 

「いや、解らない。思い浮かばないが、口をついて出ることはある。ありがとう。なんだか君からは、無垢な輝きを感じるな」

 

「それは魂の輝きであろうよ。我が有する魂に、穢れなどあるものか」

 

――・・・王。無自覚に涙を誘うのは止めてください・・・

 

「貴様は確かにイレギュラーではあるが。貴様に我が后を重ねるつもりはない。貴様は貴様として、力の限り剣を振るうがいい」

 

「ありがとう。そのつもりだよ。――ところで」

 

「ん?」

 

「君は、『終末剣エンキ』を使う英雄王かい?」

 

 

――終末剣エンキ・・・?凄まじい名前だ。蔵の中を探してみよう!

 

「さて、どうだかな。我の至宝は剣である、と言っておこう」

 

「え?じゃあ君はセイバーなのかい?」

 

「ゴージャスだ!その様子では我と戦った事があるようだな!だが侮るなよ。このゴージャスたる我は!機嫌と気前の良さに於いてあらゆる我を上回る!!平伏せ、崇め、賛美せよ!フハハハハハハ!!」

 

「あはははっ!本当によく笑う英雄王だね!一緒に戦えること、誇りに思う!」

 

 

――同じ気持ちです。騎士王、そして、英雄王・・・――

 

 

 

 

「さて、そろそろ慣れてきたな」

 

肩をコキコキとならす器

 

「もはや神殿の一つや二つでは疲れなど感じぬ。ふはは、慣れというのは恐ろしいな」

 

 

――この時間は、英雄王が様々な英雄と語り合う時間だ。自分も、とても楽しい

 

 

 

お疲れ様でした、英雄王、ごゆるりと・・・ん?

 

 

「ギルー!」

 

パタパタと手を振るのはヒロインXだ

 

 

「征服王に酒盛りを誘われました!一緒にどうです?王様限定の酒盛り!ただ酒飲み放題ですよ!」

 

「ほう、どうせやつめは我の酒が目当てであろう」

 

「ギルは歩く酒蔵!とは征服王の弁です。全く同感あいたぁ!?」

 

「ははは、征服王めにも話をしなければな」

 

「私だけ拳骨なんてズルくないですか!?とう!」

 

「ぐぬっ――!みぞおちはやめよ、みぞおちは・・・!」

 

「ざまぁ見なさい!さぁ行きますよ!今度こそ、酔っぱらいにギャフンと言わせてやりましょう!さぁさぁ!」

 

「えぇい、手を引くでないわ!貞淑を持たぬか!だから貴様は擬きなのだ――!」

 

 

――慌ただしく、王は宴に参じていった・・・

 




「余の王道は『征服』である!」

「私の王道は『セイバーの抹殺』!」

「私・・・いや、僕の王道は『騎士の在り方』!」

「そして我の王道は『獲得』と『守護』!」


「「「「「乾杯!!!!」」」」」

「むほぉお!やはり貴様の酒は格別だのぉ!」

「フハハハハハハ!飲め!我に畏怖を抱きながら飲むがよい!擬き!注いでやろう!」

「ありがとうございます!征服王!問答の続きといきますか!?」

「よくぞ言った!少しはまともな問答を期待してもよいのだな!」

「えぇ!私のセイバー道をたっぷり聞かせてやります!あれは今から36万・・・いや1万4千年前でしたか?」

「彼女が・・・女性の僕・・・」

「笑え笑え!ヤツは円卓の不甲斐なさに頭がおかしくなったらしい!だがあれはあれで愉快な女よな!!フハハハハハハ!!」

「――うん。仲良くしたいな。彼女とも」

「王の饗宴!楽しむとしよう!飲め!歌え!フハハハハハハ!ハーッハハハハハ!!」

――終末剣、終末剣・・・どこかな・・・エアの近くかな・・・?真名が割れてるから、きっと見つかる筈・・・

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