ケルヌンノス君!巫女ちゃん!バーゲスト!
滅亡(おわ)ったよ…
ニャル【(もう始まりから妖精共に救い様が無さすぎて頭を抱えるニャルの図)ハッピーエンドルートはどこなんだ…】
感想返信は今から明日にかけてやっていきます。メッセージの返信はしばしお待ちを!
〜
アスカ『久しぶりに、プラモバトルやらないか?』
リッカ「!やるやる!」
ヤマト『じゃあプラモ屋でね。あ、伊藤さんに色々今の夏草を聞いてご覧』
ザラ『榊原先生のヴァルキュリアガンダムに挑戦する!!』
リッカ「む、無謀…!でも伊藤さんかぁ…!みんなー!ちょっといいー!?」
「伊藤さーん!いるー!?リッカだよー!帰ってきたよー!伊藤さーん!」
一旦学園を飛び出し、街中に向かう脇に存在するポツンと存在する交番に顔を出すリッカ。普通の、或いは知らぬ人からしてみれば裏さびれた小さき交番にしか見えない、人気のない僻地にある交番だ。
「ここなの?あなたが言う『夏草絶対護るマン』っていう人がいるのは」
じゃんぬの言葉に親指を立てるリッカ。そう、ここには夏草の民達が何よりも頼りにする法の番人が常駐している。案内役を買ったルルにゆかなが一言も発さずに頷いていることから、此処にいるとされる人物の評は間違っていないことを裏付ける。
「伊藤…伊藤無慙。とにかく苛烈な正義を執行し、悪を何よりも憎む夏草に配備されている警官だよ。本人は善と正義を貫く為に警官になったと豪語している。実際頼めば猫探しだろうと個別の警護だろうと、送迎だろうと財布探しだろうと二つ返事でやってくれる素晴らしい人だ。彼がいる事で、夏草の不審者やひったくり、迷惑行為は九割消失したとすら言われる」
「九割!?すごっ、もう核兵器ばりの抑止力じゃない!夏草未来に生きてるわね!」
「そんな凄い方がリッカ先輩の故郷に!濃いキャラクターばかりで胸焼けしそうです!」
じゃんぬとマシュが思い描いたのは、正しく平和の象徴。いるだけで人が理性と知性を思い出す、騎士道が如き清廉な理念を懐いた好人物。しかし──
「マシュさん、じゃんぬさん。無慙さんは…無慙さんはそんな生温い方ではありませんよ…!」
早苗、そして伝聞として伝え聞いていたグドーシの表情は正義の英雄を語るにはあまりにも重く、沈んでいる。何事か、と促すと衝撃的な言葉を発する。
「えぇ、カーマ殿から話は聞いていますが…その在り方は、まさに悔いない恥じない、自身の全てがそれこそ信念の具現とも伝わる、おぞましいまでの正義への拘りを持っているとされる…『血染めの番犬』と畏れられる方の様なので」
「「血染めの番犬…!?」」
ただならぬ風評、そして恐ろしげな響きに抱き合って震え上がるじゃんぬとマシュ。リッカすらもまた、その伝聞は否定できないと首を振る。
「真っ当に、真っ直ぐ生きているなら頼もしい人なんだよ?でもその…本人が言ってたんだけど、『ちゃんと生きている人達を護る事を、邪魔してくるヤツが多すぎる』って言うくらい苛烈な人で、都会から弾かれ流されてきたって人でもあるの」
その語り口は武勇伝を語るような朗らかなものでなく、むしろ畏怖を抱いている様子すらある。リッカにここまで言わせる者とは、一体何者であるのか。
「こ、怖いけど気になるわね…!いないのかしら!出てきてくださいよー!リッカが大変お世話になっております!」
「そうです!ジャスティスさーん!」
マシュとじゃんぬが、交番に向かって語りかける。そして、同時にルルとゆかなが青ざめ、後ずさる。
「俺に何か用か?困りごとか?」
「「──」」
後ろを振り向いてみれば──紫の髪をオールバックに整えて制服に身を包んだ、長身の男が一同の背後に立っていた。音もなく現れた彼に、生唾を飲み下す一行。
((怖い!?))
何よりその風貌だ。インテリヤクザのような理知的で整った顔立ちに、ギラギラと輝く双眸。目の下の濃い隈がより一層の迫力を醸し出す事に一役買っている。傷だらけの身体に、古い返り血や煤汚れくたびれた年季の入った警官制服の相乗効果は、汚れた善という印象を絶望的な威圧感と共に撒き散らす。身体中から覗く創傷や銃で撃たれた後、傷の縫合痕などから彼がどれほど悪を憎み、正義を執行してきたかは明白だった。ギラリ、と動く瞳はやがて知った顔を認める。
「…誰かと思えばリッカか。帰ってたんだな。おかえり」
「ただいま、伊藤さん!お仕事お疲れ様です!」
(やはりというべきか先輩は顔見知り!流石です!)
(お帰りってキチンと言ってくれるんだ…)
その予想外の対応の良さに毒気を抜かれる二人。ぐるりと見渡し、リッカが連れてきた友であり観光者であることを、無慙は見抜く。
「ちょうどいい。なら、お前達にも名乗っておくか。俺は伊藤無慙。この世に蔓延る悪を産み出すやつが許せなくて警官になった。よろしく」
「「「よろしくおねがいします!」」」
「マシュちゃんか。芯が強そうな子だ。夏草へようこそ。ジャンヌちゃんだな。外国のスクールはレベルが違うんだな、夏草へいらっしゃい。シッダールタ君か。仏陀の前身のありがたい名前だな。夏草をよろしく」
夏草推進と共に握手と挨拶を交わし、すかさず無慙は問いかける。
「よし、名乗りも終わったし…お前ら…」
無慙はギラリと一同を見渡し、足元のダンボールを開く。
((((ごくり…))))
「ふにゃー」「にゃー」「にゃぁ」
「こいつらの名前を付けるの手伝ってくれないか」
パトロール中に見つけたとされる、迷い猫の対処。人を殺しかねない威圧感から発される可愛らしい提案に、一同は危うくスッ転びかけるのだった──
〜
「あぁ、確かに最近の夏草は昼から少しずつ屑どもの跋扈が増えている。おかげで出動要請がひっきりなしでな。排泄も食事も、睡眠も瞬きも惜しい。その分夏草に屑の跳梁を許すからな」
真顔で猫じゃらしを使い、猫たちと戯れる無慙。手付きは優しいが顔は全く笑っていない。だが彼は、間違いなく楽しんでいるとリッカは補足する。
「でも、夏草自体の犯罪率は減っていると聞いたのですが…」
「外様だよ、ジャンヌちゃん。この夏草には美男美女に画期的な発明と文化と同じくらい、塵屑が集まってくる。外人観光客や、頭の緩い大学生サークル…そいつらが夏草を我が物顔で歩いているわけだ。潰しても潰しても、な。俺はそれを、一刻も早く根絶したいと考えている」
皆に歓迎のお菓子とジュースを配り、防犯ブザーと電話番号を教える無慙。その端正な顔と瞳は、強い怒りを懐いていた。
「俺は悪ではなく、悪を産み出す土壌が許せないと感じている。悪が在るのはもう仕方が無い。それが人だ。だが、悪で誰かを、真っ当に生きる何者かを虐げる屑を俺はどうしても許せん。その一心で、俺は今日までやってきた。出世も、仲間も、友も捨ててそれだけを…」
彼は夏草に流れ着いた異端者であり異常者だと自身を評価した。甘えてくる猫たちを優しくブラッシングしながら無慙は言う。
「この場所は…俺の理想に近い。悪は根絶できると願えるほどには理性的で理想的だ。拾われた恩もあり、この場所を護る事を俺は戒律として定めている。この、夏草を脅かす悪を必ず根絶すると」
「立派な志にござる」
「そう言ってくれるか。だがダメだ。俺は正義ではない。暴力という手段でしか平和を護れない俺もまた悪だ。これはただの同族嫌悪でしかないんだよ」
そっとミルクを渡し、無慙は決意と憐憫が混ざった瞳で空を見上げる。
「本当の正義とは、今真面目に生きている君達のような…」
「──!」
無慙が話している中、リッカが顔を上げる。彼女が──悪意を感じ取ったのだ。
その瞬間、無慙の端末から音が発せられる。それを見た瞬間、彼の表情が羅刹が如くに険しく歪む。
「無慙さん…!?」
「話はまた後だ。滅ぼすべき悪が湧いて出た…!」
時間は午後2時過ぎ。無慙は血走った目をギラつかせながら駐輪していたマウンテンバイクへと乗り込み、人間とは思えない速度で駆け出す──!
「とりあえず追いかけよう!ちょうど目的地と同じ方向だし!」
「や、やりすぎないですよね!?ね!?」
突如駆け出した無慙の背中を、慌てて追いかける一行。突き動かされるように駆ける彼は、自身を悪を喰らう悪と信じているが故の苛烈さと危惧しながら…
都市部裏路地
チャラい男「ね、いいじゃーん。道案内してよ、色々お話しながらさー」
神戸雪風「何度も言ってるでしょ!お断りよ!交番に行きなさい!」
ニヤけた男「君たちに案内してもらいたいんだってば。君達可愛いからさ〜。ね?ちょっとだけだからさ」
名塚唯「案内だけならともかく、こんな裏路地まで連れ込んだあなた達と行動するのはお断りします…!そこを通してください!」
「アンタらと違って私達は暇じゃないの。金玉潰されたくなかったら通し──あうっ!?」
唯「雪風!」
ニヤけた男「うるっせーな、仕立てに出たら騒ぎやがって…ちっと可愛いからって図にのんなよ、あ?」
下卑た男「顔は止めろ、傷つくだろ」
チャラい男「あのさー、勘違いしないでほしいんだけど。俺達はあくまでお願いしてあげてるわけ。怒らせたら…人生台無しになっちゃうよ?」
唯「っ…最低ね!あなたみたいな下劣な男が、男性の理不尽な社会的迫害を促進させるの!恥を知りなさい!」
雪風「言っても無駄よ、こんな奴ら。どうせどこにも居場所がない暇人だからこんな真似をする!」
「あぁ?なんだと牛乳につるぺた女。死にてーのか?」
雪風「社会的にも人間的にも死んでる癖に、偉そうに粋がってるんじゃ──げほっ!?」
下卑た男「腹は止めろ。赤ちゃん産めなくなるだろ」
「わからせだよ、わからせ。女なんて股開いてバカみてーに喘いでりゃいいんだよ」
「ヤるか、めんどくせぇ」
唯「ひっ…」
雪風「唯、逃げ…げほっ…」
「写真撮っとけよ。脅して友人紹介のた、め、ぎゃあぁあぁあぁあ!?」
瞬間、頭の皮ごと男の髪が引き千切られた。そして、膝に2撃の足砕き、カカシのように折れ曲がる人体。
無慙「死ね。夏草にいていいと誰が言った」
リッカ「雪風ちゃん!唯ちゃん!?」
雪風「リッカ!」
唯「どうして…!?」
ニヤけた男「てめ、げぼぉっ!?」
瞬間、男の歯が神速の拳にて叩き折られる。
「一匹残らず、滅ぼしてやる…!」
血染めの番犬、伊藤無慙の憎悪に満ちた双眸が3人を射殺すばかりに見据えるのだった──
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