人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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暴力団「無慙!!てめぇよくも調子こいた真似してくれとるのぅ!!」

暴力団「今日という今日は生かして返さねぇ…ブチ殺してやるからよぉ!!」

無慙の眼前に広がる、武装した暴力団員。総勢100は超える悪意の輩が、邪悪が無慙を睨み殺す。

無慙「ゴミは纏めて始末するものだ。生かして帰さんのはこちらの台詞だ、ゴミ共…!」

暴力団「テメェ…、…!!」

その時、無慙の傍に現れる影がある。それらは、夏草にある絶対者にして守護者。

勇次郎「楽しそうじゃねぇか、オイ」

ラオウ「よくぞ持ち堪えた。法から外れた輩なら遠慮はいらん…!」

無慙「ふん、暇な奴らめ」

暴力団「嘗めやがって…!ブッ殺せェ!!」

「「「「うぉおぉおぉおぉおぉおぉお!!!」」」」

ラオウ「ぬぅうん!!!」
勇次郎「邪ッッッッッッ!!!」
無慙「死ね…!!!」

解決に向かう若者達を護る、夏草の正義達が吠える…!


絶対遵守の願いと絆

「皆!歓迎パーティ中なのにごめん!でも…皆に聞いてもらいたいこと、お願い事があるんだ!…いいよね、ロマン!」

 

「あぁ。彼等が関わった以上、君達にとっても他人事じゃない。君達の答えは予想できるからこそ…改めて尋ねるべきなんだ」

 

リッカ、そしてロマニは意を決して伝えた。榊原が受け取った情報、リッカが向き合っていた世界の滅びとの戦い。外国留学と称し、何処で何をしていたのか。空白の半年に何が起きていたのか、そしてこれから何が起こるのかを、ここにいる仲間達へと包み隠さず言葉にした。

 

『あぁあ、国連や組織ぐるみでもトップシークレットになろう情報や秘匿義務など知らんとばかりに…』

 

『諦めろよおっさん。俺達が護るのは王の定めたルールだけだ』

 

人理焼却、そして人理保証機関の存在。発展の真意。それらを榊原とリッカは伝えた。その上で何をすべきか、果たすべきかを定める為に話したのだ。彼等を護るべき相手ではなく、この騒動を解決する力として、彼等自身の力で夏草を護る為に。

 

「……凄まじい話だ。俺たちは一度、纏めて殺されていたとは。だが、半年の空白…それならば納得がいく。この夏草の異様な発展。そうか…リッカ、君はその背中に、世界を背負っていたんだな」

 

「私だけじゃないよ、ルル。皆が力をくれた。夏草の皆が私を受け入れてくれたから、皆の未来を奪われたのが許せないって力に変わったの。皆が、私に世界を救う力をくれた」

 

「となると、そちらの御仁はリッカが人生の師匠と仰いでいたグドーシ殿、その人と言うわけか…!」

 

「えぇ、黒神殿。リッカ殿への手厚い振る舞い、本当に感謝に絶えませぬ。ありがとうございました、皆様」

 

「リッカ先輩!!英雄神マルドゥークというスーパーゴッドロボットについて詳しくお聞きしたいのですが!!」

 

「やめなよエルくん、そ、それどこじゃないから…!つ、つまり…うたうちゃんが今、狙われてるって…コト…!?」

 

「はい、アカネさん。私を創造した皆様ですら再製作は不可能とされた私自身…技術の発展という点で見るなら、検体として寄贈されるべき存在だとの結論は一度出ています」

 

「何言ってるんですかうたうちゃん!あなたの意志を聞かせてください!」

 

「御安心ください、早苗さん。私は夏草とそこに生きる皆様が好きです。皆様を幸せにする…その使命を果たすまで、何処にも行くつもりはありません」

 

「それで?私達にその話を聞かせ何をさせるつもりかな先生?その魔神達の願い、どう決を下すつもりか…答えは出ているのか?」

 

榊原は頷いた。既に、答えは示されている。この夏草の動乱を、収める時が来たのだと。

 

「夏草の善意を労り、悪意を払う。その為にも、何も奪わせない為に皆の力を貸してほしい。護られるべき存在じゃなく、この問題を共に解決する仲間として、リッカと肩を並べて挑んでほしい」

 

「戦えるかどうかは心配しなくていい!幸い、あいつらが遺してくれた術式が君達に有利に働くからね!それで、どうかな。この共同戦線…受け持ってくれるかな?」

 

ロマンの所感では、夏草の民の力が必ずや必要になってくるとの答えが出ている。それは彼等がこの地に生きる者たち、即ち現地の協力者であるからだ。そんな彼等に、夜限りの力を与え共に戦う。持ちかけたのは、そんな提案だ。

 

「危険に晒されているのは、うたうちゃんだけじゃない。このままじゃ夏草の皆は夜もぐっすり眠れない。だから…私達でなんとかしなくちゃいけないんだ。私達の故郷を、私達の手で護るために」

 

ここで黙って戦いに身を投じれば、不審に思った彼等は死地に踏み込むやもしれない。遠ざけるより、共に戦う道を提示する。共に困難を乗り越える仲間達として。

 

「生命の危険とかは考えなくていいわ。リッカが一番アテにしてる名実共に最高の盾が私達を護るんだもの」

「お任せください!皆様は夜闇にも輝くじゃんぬさんの炎と旗を、真っすぐ見つめて突き進めば大丈夫です!」

 

「……」

 

「やはり怖いか?坊や。相手は剥き出しの人間の悪意に、魔術で具現化する亡霊だ。童貞のお前には…」

 

「いいや、違う。間違っているぞゆかな。…俺は、嬉しいんだ」

 

片眉を上げるゆかな。ルルは告げる。この提案は、真にリッカが自分らを重んじている証だと。

 

「護る相手と遠ざけるのではなく、共に行こうと手を差し出した。これは、本当の意味で自分達を頼りにしてくれたという事だ。秘密もまた、こうして共有してくれた。それが、友人として俺はとても嬉しく思う」

 

「ルル…」

 

「夏草を共に護る。高校生なら一度は考えた非日常…君はいつもそう言っていたね、ルル」

 

「あぁ、スザク。不謹慎だがワクワクしているぞ。最高の仲間達と困難に挑む。高校生が思い描くシチュエーション、俺達はその岐路に立っているのだ!」

 

「うわぁ…熱血インテリに気合が入っちゃった…あ、でも私も、その…善玉怪獣って立場には興味あるんだけど〜…」

 

「お任せください!!鍛えに鍛え、蓄えに蓄えたロボット知識を結集させ!鋼の魂が夏草を救うゴングとなる様をお見せいたしましょう!!」

 

「行かなくちゃ。夏草に植えられた花が、飛ばされてしまうその前に」

 

「大和さんの言う通りです。戦うべき時には戦うんだ。うたうちゃんも、夏草も、私達の大切なものなんだから!」

 

「だが、ヒーローごっこじゃないことは頭に入れるんだぞ。きちんとロマンさんや榊原先生、リッカの経験に従った動きを取るんだ。分かったな?」

 

「皆さん…流石、アジーカさんを抑えられた善き人達なだけはあります。これにはカーマ的に、郷土愛と親愛判定、花丸あげちゃいます…!」

 

「…本来なら、私が皆様を護るべきであり、私が護られるというのは本末転倒ですが…正義や使命は、私一人で護るものではないのだとマスターから教わりました。皆様のお力を借りるのも…私の使命を果たすことだと定義し、信じます」

 

それぞれの意見や想いは一つ。共に歩み、共に進むのだと決意を見せる。そんな彼等の判断に、満足げに頷く榊原と、そして…

 

「よし、よーく解った。なら私が、お前達に戦う力…夜限定においての力をくれてやる」

 

その発言、驚くべき言葉を発したのはソファにてくつろいでいたゆかなであった。彼女は生徒でありながら、更なる核心たる場所にいたのである。

 

「なんだと…!?」

 

「魔神達の力は、傑物のみに受け取れるといった話だっただろう?魔神の遺言を聞き届けたのは榊原だけじゃない。シスターである…私もだったということさ」

 

死者への交信で繋がった榊原、対し迷える魂の嘆きに呼応したゆかな。彼女は知っていたのだ。リッカの一部始終を。その上で、この瞬間を待っていた。

 

「ルル。リッカの力になりたいというのなら、魔神に託されていた『抗う力』をお前に譲る。そしてお前を通じて、お前達に次々と伝播していく事だろう。この夏草に蔓延る悪意に抗う力がな。覚悟はあるか?リッカが飛び込んだ、非日常の世界に踏み込む気概はあるかな?」

 

「ゆかな、あなたは…」

 

「まぁ見ていろ、先生。お前の教え子は、リッカだけではないぞ?」

 

一同がルルに視線を送る。自身らの戦いの答えを委ねる。そして──

 

「迷うまでもない。友の為、夏草の為、夏草を愛した魔神達の為に…戦ってみせよう!リッカ、君と共に!俺達は、君の味方だ!」

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

「皆…ありがとうっ!やっぱり夏草の皆は、私の大切な人達だよ!皆で、夏草もうたうちゃんも護りきるぞーっ!!」

 

「「「「「おーっ!!!」」」」」

 

「…青春だなぁ…」

 

「あら、人間としての時間で見れば…あなたの青春はこれからでしょう?ロマニ・アーキマンさん?」

 

榊原の言葉に、照れくさそうに頷くロマン。役者は揃った。今こそ夏草にたかる悪意と穢れを、祓う時──。




ゆかな「覚悟は決まったな?なら時間がない。まずはお前に、私が魔神に託された術式を施す。──戦う為の、抗う為の力をな」

ルル「俺だけなのか!?」

ゆかな「力の関係上、お前から始めなければならんのだ。さぁ、行くぞ──!」

ルル「ん──んん〜〜〜っ!!?」

リッカ「ふぁーーー!!?」

一同「「「なんだってーー!!!?」」」

瞬間、ゆかながルルの唇を奪い…そして光が満ちる──



ギアスの紋章『王の力を得んとするものよ』

ルル「!」

ゆかな『慌てるな、これはお前が担う力のイメージに過ぎん』

『孤高と孤独を厭わず、臣下と手駒を振るい覇道を進むか?』

ルル「───」

『絶対遵守の力…お前はなんの為に振るう?』

ゆかな『さぁ、覚悟あるならば答えろ。魔神の願いを手にするなら──』

ルル「違うな、間違っているぞ。王の力とやら」

『何?』

「俺は孤独でもないし、孤高でもない。臣下や手駒は正確な表現ではない。俺が戦う理由は一つ!仲間と!明日の為だ!」

『二つだな』
「黙れ!いいとこなんだから!」

『──いいだろう。魔王となり討たれた者と異なる道を行くというのなら、やってみせろ!』

「!」

『受け取れ!魔神術式──『絶対遵守』の力を!』



スザク「大丈夫か!?ルル!」

リッカ「しっかりー!?」

ゆかな「フッ、心配ない。すぐに…」

ルル「……ゆかな」

ゆかな「なんだ」

「ファーストキスだったんだぞ…ファーストキスだったんだぞ!!」

ゆかな「それは、お互い様だな」

ルル「お前ーっ!!!純情な少年のハートを弄んでこの魔女めー!!福山縷々が、愛すべきお前達に願う!!」

立ち上がるルルは、ロマンやカルデアが用意したクラスカードに共鳴し姿を変える。漆黒の服に、黒き仮面の怪人──

「共に!夏草に未来をもたらすぞ!!」

今、彼の願いが──リッカの友に力を伝播させる…!!

うたうちゃん「友情、努力、勝利…」

ソウゴ「お前も、例外ではないぞ」

うたうちゃん「おじい様…?」

そしてうたうちゃんにも、一つの可能性が示される──
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