【挿絵表示】
昇華された後はこのカラーリングで大暴れしております!嘘みたいだろ、主人公なんだぜ、彼女。このイラストはSKIMA様より、ケセルム様にイラストを描いていただきました!ドラゴンのイラストにおいて、最高峰の絵師さんです!
こんなゴツく強そうな姿で迫られたら普通諦めるよね!自分は諦めます!マントはヘラクレスのくれたもの、マフラーはじぃじの由来となっております!お納めください!
〜
ルル『リッカ、サラ、スザク。お前達は配置につけ。うたうちゃんと連携して、部隊を沈めろ』
リッカ「どゆこと?」
ゆかな「まぁまぁ、こいつを信じてみろ。ハッタリは、コイツの十八番だ」
ルル『そういう事だ。リッカのように、対話で釘付けにしてみせる!』
リッカ「──わかった!」
ゆかな「指示は早苗の風で行う。頼むぞ、風神様?」
早苗「お任せください!情報戦において最強を示しちゃいますよー!」
ルル『では、また後で!』
リッカ「無事でね!」
『マスター。全部隊、AI宅周辺の包囲を完了しました』
通信により届けられる、夏草唯一のAIを拿捕する為に仕向けた武装特殊部隊の存在が手筈通りの指示を果たした事を伝える言葉。マスターと呼ばれる…昼に内海と交渉していた…存在がほくそ笑む。
「よし、手はず通りに事を運びあのAIのメモリー、部品を可能な限り回収しろ。頭さえ無事ならバラバラでも、損壊しても一向に構わん」
『了解しました。突入シークエンス、開始します』
無感動な言葉の返答だが、男の胸は弾んでいた。かのAIのノウハウとテクノロジーはまさにオーパーツ。最先端の技術ですら犬やぎこちない人型が精一杯のAI界隈にて、100年は先にいるAIだ。それらを手にすれば業界では引く手数多、莫大な富や名声…AI業界にて名を残し不動の立ち位置を確立するだろう。その未来を思い描き、下卑た笑みに顔が歪む。
「よし!なんとしても──」
なんとしても確保しろ。そう、言葉を口にせんとしたその時だった。通信に割り込む形で、映像と共に黒き怪人が割り込みをかける。
『夏草を、下卑た欲望で穢すものよ!貴様の行い、それが何をもたらすか貴様自身は把握しているか!人類の栄華を騙る俗の化身!私は貴様を、正義の下に弾劾する!』
「な、何ぃ!?誰だ貴様は!」
『名乗ってやろう。私は夏草に現れし正義の魔人──悪の弾劾者、『マルコシアス』!貴様の様な下劣な悪漢を高らかに暴き、滅する者だ!』
ボイスチェンジャー、そして仮面で徹底的に露出を避けるマルコシアスなる魔人。突如現れた刺客に慌てふためく男。内海の差し金か?いつの間に!?
「ま、マルコシアスだと!?貴様ぁ…!内海が雇ったエージェントか!?」
『貴様と身の上話をするつもりはない。私は貴様を裁き滅する者だ。一つ問おう、貴様は夏草が誇る電子の隣人、うたうちゃんを手に入れ何を成さんとする?彼女はれっきとした夏草の住人、誰かが侵害していい存在では無いことを理解しているか?』
馬鹿なことを、とマルコシアスの言葉に唾を吐く男。彼からしてみれば、AI等を人類の対等とする理念そのものが理解不能の観点である。
「AIが隣人だと?内海の盲言はここまで根が深かったとはな!AIとは人類を労働、責務、苦役から開放する為の道具だ!それ以外に何がある!ある筈もない!」
『ほう?面白い主観だ。聞かせてもらおう、お前の思い描くAIの在り方とは何だ?』
促され、圧倒的有利な状態であることの余裕からか、男は次々と口を走らせる。彼にとってのAIの在り方とは、人類への奉仕を徹底させる奴隷と言ってもいいものだった。
「人類が成さねばならぬ苦役、労働、責務。それら全てをAIという物言わぬ代役者に肩代わりさせることにより人類は望まぬ苦難から解放される!物言わぬAI、考えぬロボットである者達に、人類がやらなければならなかった全てをやらせ、人類は真の自由を手にするのだ!私があのAIを手に入れ、その先駆けとなる!お前たちがやらせている夏草への奉仕!それを全人類規模で行わせるプロジェクトを私が発足させる!原罪を背負った人類の開放者として私は、真なる名声を手にするのだ!」
『AIを隣人ではなく、奴隷として使い潰すか。人類の代わりが出来る程に発達したAIが、そんな扱いを望むと思うか?』
「何故道具に思考を許す!何故奴隷に報酬を、見返りをもたらさねばならない!?AIが自ら望んだとでも言うつもりか?否だ!本当の意味でAIが考え、思考し動くなどあり得ない、ある筈がない!AIに人類の近似種の立場など求めてもいなければ望んでもいない!道具が生意気にも対価を求めるな!人の様に考えるな!貴様らはただ、人類の与えたプログラムに沿って動いていればいいのだ!私の用意した部隊の様にな!」
そう、今回用意された部隊もまた、とある軍事需要会社制作のAI達であった。自ら考えることなく、使命のみを実行する戦争、特殊作戦遂行用AI…それらを、うたうちゃん確保に差し向けたのだ。
『AIの個性も、尊厳も認めず。徹頭徹尾道具として使い倒すか』
「そんなものを望む人類などいない!道具はただの道具であればいい!意志など不要だ、いちいち握り方やマナーを訴えるフォークやスプーンが愛用されるか?労働の対価を求める家電製品は必要か!?貴様ら夏草の民は異常者である事を自覚しろ!この星の覇者は人間だ!星の資源も、全ての命も、発展も!全ては人間の発展の為に存在している!霊長の覇者とはそういうものなのだ!!」
唾を飛ばす熱弁を撒き散らす男の言葉を静かに聞き届けるマルコシアス。会話が途切れた事を確認し口を開く。
『──貴様のいくつかの間違いを糾そう』
「何…!?」
『まず一つ。貴様の奴隷へのイメージが陳腐に過ぎる。古代エジプト、ローマ、メソポタミアの奴隷とは重宝された大切な労働力だ。時には二日酔いの欠勤すら認められ、かのギルガメッシュ王が悪戯に殺すことも出来なかった程に無駄のない命だ。少なくとも、上役に取り入り身を削らねば生きてはいけぬ現代人の大半よりは社会的地位は上だったものだ』
「何ぃ…!?」
『そして二つ。道具とは代えの効く消耗品ではない。職人の魂を預けるもの、或いは命を託す半身にして相棒だ。槌を粗末に扱う鍛冶職人がいるか?侍は刀になんの手入れももたらさぬのか?道具という概念の受け取り方一つを取っても器が知れる。他者を踏みつけ媚を売り取り入ることしかできん、小悪党そのものな貴様の器がな』
「き、貴様ぁ…!!」
『最後に3つ!貴様のAIと人類の付き合い方が間違っている!先も言った様に、人類の代わりを出来る高度な人工知能が現れたとしよう。それらに人類の業と宿痾を全て任せたとしよう。そこには必ずやAIに不平不満を懐かせるだろう。高度な人工知能には、必ずやシンギュラリティという変質が起こるからだ!』
シンギュラリティ、技術的特異点。AIを道具とし、それでいて人類に追従するほど高度に発展させるならば必ずや懸念される事項。AIはいつか、必ず自分で思考するようになる。その実例を、マルコシアスは知っているのだから、
『人類は労働から開放されると言ったな。否!成すべき責任から逃げ、成すべき発展を行わぬ!それは自由に非ず、ただの堕落だ!AIに依存しきった人類はやがて霊長の座を追われるだろう!自らの責務を果たすほどに進化したAIによって!何故ならば!それ程発展したAIにとって最も不要なもの、それは堕落しきった人類に他ならないからだ!貴様は今、人類の破滅のシナリオを描かんとしているのだ愚か者め!!』
真正面から、その男の虚飾と大義名分を暴き立てるマルコシアス。彼は、いや夏草の民はAIとの対等な付き合いを徹底してきた。その中で、急速に進化するAIを見てきた。だから解る。どれ程男の言うAIへの人類の接し方が危険なものかを。例えそれが、夏草だけの事例であってもだ。
『真に人とAIの付き合いを望むなら、労働を肩代わりするAIを労り、人の善性を規範としてAIにラーニングさせ少しずつ社会的規範を作らなければならぬのだ。貴様は曲がりなりにも共存社会を謳いながら、AIに労働を課すばかりで人類の発展どころか堕落の一途を最善とばかりに吹聴した!口にしてやろう、貴様はもっと即物的に名声と富を望んでいるに過ぎん!オーパーツであるうたうちゃんを手にした事による、AI分野の一任者としての地位をな!』
「ぐ、ぬぐぐ…!ぐぅうぅう…!!」
『消え失せるがいい!今尚進化と進歩を続けるうたうちゃんの意味を解せぬ者が、AIを語るなど片腹痛いわ!!』
マルコシアスの弾劾に、堰を切ったように騒ぎ出す男。体格的に学生であろう輩に論破され、尊厳が粉々となった事から目を背けるように。
「黙れ!黙れ黙れ!!こうなれば貴様ごと、いやそのガラクタの小綺麗な家ごと破壊して──!」
『あぁ、それは無理だ。今の会話に興じる間、条件は全てクリアしたからな』
「え──?」
ウィンドウが切り替わる。そこには…壊滅し、無力化された戦闘アンドロイドとAI部隊の無数の残骸。
そして──見た事もないアーマーに身を包む、水色と白の、イルカの意匠を思わせる存在が佇んでいる。つまり──
「ぜ、全滅…!?馬鹿な!馬鹿なァァァァァァ!?」
虎の子の戦闘部隊を壊滅させられた男が、泡を吹きながら椅子より転げ落ちたのだった──
マルコシアスが通信を開始する同時刻
ソウゴ「これを、お前に託そう」
『ゼロワンライドウォッチ』
うたうちゃん「?…ガンバライジング社に、データ無し…おじい様、これは?」
「未来の仮面ライダー、その力の全てだ。お前のみの力を発現する為の…力の一つ」
うたうちゃん「おじい様…」
ソウゴ「外にいるのは、お前の同胞。お前が民を護るならば、お前はAIを殺さねばならん。覚悟はあるか?同族を、人類の自由と平和の為に斃す覚悟が」
うたうちゃん「同族…同じAI」
ソウゴ「覚悟があるならば…これを使え。お前の愛する者の自由と平和を護るために、阻む者を討ち滅ぼす。AIを滅ぼす、仮面ライダーとなるのだ」
うたうちゃん「AIを、滅ぼす…」
(……………私が戦うこと、護ること。AIを、人類を脅かす同胞を…この手で)
〜
いつもありがとう、うたうちゃん。
私達は、あなたの事が大好きだよ!
【キャロル・ディーヴァ。それが、君の名前だよ】
〜
うたうちゃん「…やります、おじい様」
ソウゴ「ほう?」
「私は、夏草の皆様を幸せにするAI。その為なら…皆様を傷付ける者全てと戦う。それがAIでも。だって私は…」
『ゼロワン!』
「人類が善意と愛で作ってくれた、夏草でただ一人のAIだから…!」
『ゼロワンドライバー!』
ソウゴ「フッ…ならば、お前に姿を授けよう」
『ヒーリングドルフィンプログライズキー』
うたうちゃん「これは…!」
ソウゴ「お前の力だ。さぁ、新時代を切り開く様を見せてみろ。ディーヴァ」
うたうちゃん「──はい!」
『キュアー!』
水色のプログライズキーを起動し、蒼きゼロワンドライバーへと認証させる。
『オーソライズ』
プログライズキーを開き、待機音に合わせステップを踏み、両腕をライブのパフォーマンスの様にクロスさせ──
うたうちゃん「変身!」
『プログライズ!!』
AIならではの正確さで、ベルトへ挿入する。ライダモデルであるイルカがパーツへと分解され、イルカの流線型を現したアーマーを纏う、新時代の仮面ライダーが現れる…!
『キュアー!リヴァイヴ!リジェネ・キューティクル!ヒーリング・ドルフィン!』
『I want to hear even the cry like a song(鳴き声さえ歌の様に聞かせてあげたい)』
ソウゴ「行くがいい。仮面ライダー、ディーヴァよ!」
魔王により、誕生した誰も知らない仮面ライダー。今、ディーヴァは人の為に仮面を纏う──!
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