人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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これ以上イジメる理由も見当たらないので予告編です。


予告編〜ベリル、ケジメつけるってよ〜

【なんか思ってたのと違うんだよ、お前さぁ】

 

楽園の邪神、こことは違う時空のカルデアの奮闘をスマートフォンで見ていたニャルラトホテプ。その言葉と共に、彼は今取り組んでいる作業に飽きを感じてしまう。

 

【もっとこう、狡猾で何もかもを悪い方に向かわせて、マシュや藤丸に消えないトラウマや傷を遺していくクリプターとしてのお前を期待していたわけなのよこちらは。だからこうして厄介な危険因子を生まない釘刺しも兼ねてお前を可愛がっていた訳だ。なのになんだいあのザマは。周りの奴等がヤバ過ぎるのと虚の虫ケラにトリックスター成分全部持っていかれてるじゃないか。陛下のお気に入りの肩書で命繋いでたあんなザマでよく藤丸君をイキりなんて馬鹿にできたなお前。同族嫌悪だったのかい?】

 

ベリル(メロンパンのすがた)『そんな事言われても…』

 

そう、彼はベリル・ガットの扱いにとてもとても不満を覚えたのだ。もっとブッ飛ばしてスッキリする悪役ムーブをしていてほしかった。マシュを藤丸からNTRするでもいい、洗脳して新たなマスターを名乗るでもいい、なんならカルデアに疑心暗鬼をもたらせて不和を招くでもいい。そんなトリックスターかつ悪辣な振る舞いを期待していた。

 

【それが蓋を開けてみたらどうだ。そういう本や手段を一番嫌う側の人間だったじゃないか。寧ろお前がそれをやられる側だったのは大層驚いたよ。ロマニさんが助走つけて殴るレベルだったのはなんだかんだで笑ったがな】

 

開示された情報、ベリルという存在の底を見たニャルは彼という物語のファクターが持つ要素と自身が費やすリソースが全く釣り合わない事を知り、失望を隠さない。期待外れだったと言うべきだ。少なからず、彼には何かしらのやらかしを期待していたのだと思ったニャルは──

 

【やらかしを諌める為の肉体的制裁はやめだ。なら次は…お前を生まれ変わらせてやるよ】

 

(こ、こんな封印指定魔術師の保管みたいな真似の更に上があるのかよ…!)

 

【あぁ、どうせならもっと鮮烈になろうぜ?純情狼、ベリル・ガット先輩?】

 

そうして彼は、拷問で害するものを『尊厳』にシフトする──

 

 

(ぐわあぁあぁあぁあま、マシュの声優は種田○沙さん…!)

 

【違うんだなぁ!高橋○依氏なんだよベリル・ガット!今では立派な鼻息の荒い天然栽培なすびだ!お前の見た無菌室の不細工な生き方の彼女はもういなぁい!!頭から爪先まで藤丸リッカちゃんという太陽と水を得て育った立派な茄子が実ったのだぁ!】

 

(ぐわあぁあぁあぁあ!!寝取られやんけー!!)

 

【そういう言葉は寝てから言え!さぁ行くぞ、マシュがどれだけ変わったかお前にたっぷり見せてやる!】

 

そう、マシュ・キリエライトに懐いた想いと初恋を粉砕する手法に出たニャルラトホテプ。彼は種田マシュ派でありレベル一のマシュが好きだったのだ。自分から特大なすび着ぐるみに進んで袖を通すような楽園マシュは、モース毒以上に効いたのだ。

 

『今日はご飯を食べます!さて、何を食べましょうか!』

 

(ふ、フレンチ…?サンドイッチかワンチャン…)

 

『牛肉モリモリつゆダクマシマシでお願いします!!』

 

(ぐわあぁあぁあぁあ清楚さが欠片もねー!!男でもイケるかわからん量の牛丼マシュがかっこんでやがるー!!)

 

【ちなみに食べる時の擬音はハムッ!ハフハフ、ハフッ!んー!フー!だぞ】

 

(腹が減ってくる豪快ぶりじゃねーかぁあぁ!!マシュはそんなたべ方しねー!!)

 

そんな風に肉体から精神、変わってしまったストロング後輩をじっくりメロンパンに直接叩き込む心の拷問にシフトする事数日。ベリルの心境に変化が訪れる。

 

(あぁ…もうわかった。わかり過ぎたし、わからされ過ぎたよ。邪神さま、オレの負けだ。思い知った。オレのマシュはもうどこにもいない。この世界にいるのは紫色の、イキリなすびだ)

 

【別にお前のじゃないからな?】

 

(だが、だからこそ──頼みがある。ケジメを、付けさせてはくれないか。邪神さま)

 

完全に心をへし折られきったベリルが望むもの、それ『今のマシュ』に対する玉砕告白という名のケジメ。

 

(今のマシュはもう、オレの手に負える相手じゃねぇ。オレの恋なんざ、もう破綻したものにしか映らないだろうさ。でもな、だからこそ…失恋という幕は引きたいんだ。頼むぜ、苛烈な神様。オレの無様な恋心、終わらせてはくれないか)

 

【〜。…まぁ大令呪とやらをマシュに刻ませなかったと言う功績は紛れも無くファインプレーだったな。他でもないマシュに、お前を終わらせてもらうのは道理か…】

 

その最期の願いを聞き届けるニャルラトホテプ。そして同時にベリルは燃える。

 

(そして──もう一つ。オレのマシュをあんなのびのびと育てちまった後輩、藤丸リッカ…アイツだけは許さねぇぞ…!先輩として、キレちまったぜ…!)

 

【オイオイオイ?】

 

(オレの全身全霊を込めて──アイツを仕留める。真正面からアイツを、オレのマシュを好き勝手に愛して愛し抜きやがったアイツを俺が仕留めてやりたいのさ!)

 

【オイオイオイ】

 

藤丸リッカに敵意の炎を燃やし、男として最後のケジメを付けたいと願うベリルの願いを聞き届けたニャルは、彼に最後の機会を与える事にする。

 

【それ終わったら、私の指揮下に入るな?余計な事をしようとは思わんな?】

 

(神様を欺ける程大した人間じゃないさ俺は。それに、大令呪を取り除いて自由にしてくれた分の義理は返したいね)

 

【そうか。まぁぶっちゃけお前なんていてもいなくても妖精國は変わらなかったし、キリシュタリアが元気なら大丈夫か…】

 

(感謝するよ。もう、色々する気力も無くしちまったしな。汚れ仕事請負人として好きに使ってくれや…)

 

【良いだろう。最期の願い、叶えてやるよ。せめてあちら以上の存在感は出してくれよな、人狼くん】

 

そして始まる、ケジメをつける為のベリルの大告白作戦。彼をまた、Aチームとして招き入れる資格を渡す為の邪神による最期の尊厳破壊が始まる。

 

ベリル「俺さぁ、マシュに告白しようと思うんだ」

キリシュタリア「ええっ!?本当かい!?」

カドック「再会も展開も何もかも急だな…」

 

変わり果ててしまった初恋の女性、もうとっくに誰かのものだとしても、それでも好きになった事実は変えられない。

 

【お前肝を取り込むとソイツの力を手に入れられるんだっけ。なにかリクエストとかある?】

 

(そうだなぁ…最悪の八つ当たりなんだ、モチーフも最悪で最高のがいいねぇ)

 

【解った。こっちで手配するよ(フェンリルの生肝とかどうかな。勿体ないかなこいつには)】

 

後輩へのケジメの為、マシュを奪い去ったリッカへの八つ当たりの為、ベリルの最期のミッションが始まる。

 

【ところでお前、マシュの指を折ったらしいな。こんな風に】

 

「ぎゃあぁぁあぁだってこれ以上の傷は全年齢では描写無理だから!分かってくれよ旦那!」

 

【フン。やはり期待外れだったな。私が一目置くには純粋すぎるよ、狼男】

 

はたして彼にマシュはどんな返答を返すのか?

 

はたして彼は、リッカに一発かます事が出来るのか?

 

「マシュ──久しぶりだなぁ。あぁ、随分と随分になっちまって…」

 

「ベリル・ガットさん?破綻倒錯者が私に何か御用ですか?」

 

「あぁ、聞いてくれ。──実は、初めて会った時からお前の事が──」

 

シナリオの弊害でなんとも言えない立ち位置になった彼の、最期の青春が始まる。

 

『ベリル、推しに告るってよ』

 

そのうち、執筆予定?

 

【楽園に就職できたら、ぺぺさんと相部屋にさせるからな。ベリル──】

 

乞う、程々の期待。

 




人狼獣人ベリル【悪く思うなよ、後輩。お前さん自体は割と好きな部類だが、それでも愛する女を寝取った相手っていうのには変わらない。受けてもらうぜ、オレの怒りと虚しさをな…!】

リッカ「話、ロマニから聞いたよ。どんな理由があれ──あなた、マシュを傷付けたんだってね」

ベリル【あぁ、それがオレの愛──は?】

アジ・ダハーカ【今からその傷、10000倍にして返すから】

ベリル【──旦那。なんで、教えてくれなかったんだい──】

ニャル(ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ)

その日、グランドマスターが集う──?
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