人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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最近読者様とのアイディアのすり合わせ、話し合いを多くする様になってきたので、腕前を磨くのも兼ねてオリジナル特異点にもいずれ挑戦しようと思いました。そしてこれは、その一例です。時系列的には夏イベのあと、秋になるのかな?気長にお待ち下さい!
いつもメッセージありがとうございます!1日返すのが遅れても気長に待っていてくれたら幸いです!
予告編のお付き合い、ありがとうございました!明日からはまた、夏草のあれこれに戻ります!


オリジナル特異点予告〜エクステラコラボイベント〜

「月に私の知らない領域がある。是非月に赴きこの私と共に謎を解き明かしていただきたい」

 

武士めに畏まる月の新王、はくのんから突如届いた要請。それは彼女すら把握していない突如として作り上げられた未知のエリアの探索要請であった。

 

「月と言えば、1万4千年前フィリアめが対処せんとしていた白き巨人『セファール』を巡る一悶着があった地でもある。我が先祖メソポタミアの神々が命乞いをして生き延びた話も我は記憶している。そうさな、新進気鋭の王の同盟に従い、たまにはこちらから出向いてやるとするか」

 

「忝ない」

 

──武士にはまっておられるのでしょうか、はくのんさんは…

 

神々を蹂躙した、かつての白き巨人の情報、文献。月に残るそれらを目当てにはくのんの要請に応え、月へと赴いた楽園一行。月の東の未明領域、そこへ脚を踏み入れた彼等が、見たもの。それは───

 

「「「「いらっしゃいませ!エデンの東、誰にも平等な夢の総合レジャーランドへようこそ!」」」」

 

「なぬっ、レジャーランド」

 

そこは「誰にでも、どんなものにも平等をもたらす」と標榜するレジャーランド、四人の夢魔「スタッフ・リリム」が管理する月に建設された全く新しい都市であった。はくのんとゴージャス率いる楽園は当然訝しみ、調査をするのだが…

 

「悪用、何か企みをしているわけでもなさそう。何よりこのまんじゅうが私に正しさを告げている(むぐむぐ)」

「まず独断で土地を興した責を咎めるところであろうが白野よ…まぁエアやシドゥリに及ばんと言えど、整体施設は中々のものだったがな」

 

──どちらの王も満喫しておられるではないですか!?

 

そんな一行の前に、元締めを名乗る一人のはぐれサーヴァントが現れる。その女性は、ゴージャス一行への助力を持ち掛けてきた。

 

「私はリリス。サーヴァントでありクラスはキャスター。私の齎した平等、楽しんでいただけたかしら」

 

『リリスだって!?えっと確か、アダムの最初の妻の…!』

 

妖艶なる彼女は無断で月に都市を製作した責を侘び、セファール、そしてヴェルバーに連なる情報の獲得と探求の同行を申し出る。そんな彼女を楽園は怪しむものの、はくのんは持ち前の寛容さで受け入れ仮契約を結ぶ。

 

「私はえっちな女性には優しい王でありたい」

 

「それで良いのか、魂がオヤジな輩め…」

 

「ふふ、素直で優しい人は好きよ。それでは、よろしくお願いしますわね」

 

リリスと共に、かつて月に衝突したセファール、並びに遊星の情報を集める為にムーンセルの各所を探索するゴージャス一行。セファール…地球をかつて全滅寸前にまで追い詰めたとされる存在への理解を、一行は深めていく。

 

「要約すると、月に遊星ヴェルバーがセファールを超エキサイティング射出。刺さったセファール本体がムーンセル本体を使って巨人ボディを地球に作って暴れ出した。そして…」

 

「遊星ヴェルバーのユニットは、合計3つ。あと2回は、地球に飛来する可能性がある…」

 

そしてリリスを名乗るサーヴァントもまた、ぽつりぽつりと自身の抱える胸中を語り、想いを示していく。

 

「この世界は不平等に満ちているわ。人類という種族一つとっても貧富の差があり、善悪の差があり、明暗の差があり、生死の差がある。本当に平等なものは、アダムとイブの愚行によってもたらされた原罪のみ。──こんな馬鹿馬鹿しい事があって?先祖の罪だけが、皆が共有できる真の平等だなんて。そんなものあまりにも理不尽で、母となったものとして許せる事実ではないわ」

 

「リリス…」

 

「解き放ちたいの。そんなふざけた罪の平等から。そして今の人類に、真の平等をもたらしたい。どんな手段を使っても。どんな手立てを使っても。この月なら、きっとその一歩が踏み出せる。人類の皆を、平等にしてあげる事が出来る…」

 

そんなリリスの苦悩と愛を知った一同は、彼女と共にムーンセルの最奥へ赴く。ムーンセル・オートマトン。かつてヴェルバーが利用した、地球へアンチマテリアルボディを生成した機能を司る空間へ。

 

「ここに遊星ヴェルバーはセファールを打ち込んだ。アルテラがかつていた場所──」

 

「遊星の尖兵が至った始まりの地。フィリアめに解析させれば当時の事実が解ろうな。1万4千年前、あらゆる歴史の分岐となるであろう動乱の地点の全てが──」

 

だが、楽園一行が真相を突き止めんとしていたその時、真の平等を目指したサーヴァントが牙を剥く。

 

【ありがとう、二人の王様達。これで私の、心からの願が果たせるわ】

 

「リリス…!?」

 

「…遊星に…白き巨人に魅入られたか」

 

【リリスは願っていたわ。アダムとイヴの子孫達に刻み付けられた原罪からの子孫の開放を。心から、アダムの子供達が懐く大罪からの開放を願っていた。それは誓って本当よ。心から、心から彼女は人類を愛していた】

 

「…人類愛…」

 

【だからこそ、人類に刻まれた罪を抜き取り真の平等を人類にもたらす。そう、貧富も生死も老いも若きもない、全てにおいて完璧な平等を、アダムの子供にもたらすのよ。遊星が、白き巨人が。今私に、そのやり方を教えてくれた…】

 

月より地上に投射される、かつての白き巨人の再来。楽園より追放された者の姿を取る、新たなる【遊星の尖兵】

 

【私はあなた達を心から愛しているわ。だからそんな今のあなた達は見ていられないの。生きているなんて…ただそれだけで苦しい【原罪】に囚われているあなた達が】

 

『地表に超高密度の魔力反応!し、信じられない…これが新たなるセファールだと言うのか!?また再び、文明の蹂躙を始めると!?』

 

【あなた達が罪を手放せないというのなら、私が罪を受け取ってあげる。一人一人、穏やかに、至福と引き換えに。あなた達の苦しい今を、私が助けてあげましょう】

 

地球の『人類』のみがリリスに吸収されていく未曾有の緊急事態。人類の文明の再びの危機に、楽園と月の新王が力を合わせ立ち向かう。

 

「その愛は紛れも無く本物だった。その想いも。だからこそ…その願いは、私達と一緒に叶えていってほしかった」

 

【それではダメよ、平等ではないわ。あなた達だって私が救うべき命よ、寧ろ私は、あなた達を見てこの願いを叶えなくちゃと強く強く決意したのだから】

 

「慈悲深く、そして哀れな女よ。愛故に目を曇らせ、全てを貪る【獣】に堕ちたか」

 

【そう…。あなたは私の事をそう呼ぶのね、英雄王。なら、私はこう名乗らせてもらうわ】

 

かつての白き巨人、遊星の尖兵の伝説が再来する時、人の原罪はかつての母により解き放たれる。

 

それは即ち現人類の死。何千年も抱えた罪過という禁断の果実を食らった人類へ齎される、愛故の平等。

 

【あり得ざる獣。ビースト・IF。産み落とされし邪龍に招かれ、七つの獣の法則の外よりもたらされし【あり得ざる人類悪】】

 

人類全てに平等をもたらさんとするかつて母であった獣に、月と地球…二つの存亡をかけて、御機嫌王一行が戦いを挑む。

 

【ビーストイフ・テンダネス。どうかもう苦しむ事の無いように。あなた達の不平不満を、生まれながらの序列と格差を、私は心から憎む者よ──】

 

Fateエクステラモチーフ・オリジナル特異点『平等堕天楽園エデン』近年執筆予定。

 

「──行くよ、ネロ。月の新王として、不始末は私達がつける」

「うむ!御機嫌王にも劣らぬ愉快痛快な最高の一幕!嫌というほど見せてやろう!!」

 

乞うご期待。




『お前は女で、私は男だ。男は天空の様に力強く大地を踏み敷く者。お前は大地の様に踏み敷かれる女なのだ、リリス』

──その傲慢を、その傲りを。私は絶対に許さない。

『私は蛇に唆されて知恵の実を口にしました。私はそそのかされたのです。私達に罪はありません』

──遥か未来にまで、子供達に支払わせる羽目になったその罪と愚行を、私は絶対に許さない。

──不平等が満ちる世界を、私は絶対に許さない。

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