人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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再び注文していたイラストが届きました!今回は皆大好きあの女神!イザナミおばあちゃんです!!

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このすまし顔は『女神さ全開』の奇跡の一枚となっております!差分はこちら!




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この美ボディでこの表情の多彩さはどうだ…イザナ味に溢れている…
いつもの様に、tatinamiさんに御依頼いたしました!本当に、ありがとうございました!
…この見た目で繰り出される関西のおばちゃんムーブはまさに草生えて芦原なんだよなぁ…

それでは、本編どうぞ!


旅路のギフトと心構え〜本来なら世界を救う勇者にはこれくらいの支援をするべきでは?〜

「それじゃあ皆、ご飯を食べながら聞いてね。これから夏草めぐりの際の注意事項をいくつか説明しつつ、皆に旅行用クレジットカードを配るからね」

 

翌日、起床した面々は衣服を整え食事処に集う。これからリッカ帰郷の瞬間まで行われる夏草観光…それらにおける注意事項だ。色々と規格外な手段と技法を使っているため、怪しまれないようにする為の注意事項というものは存在するので榊原が率先して注意を促す。

 

「リッカが滞在している時間、夏草の観光名所をできるだけ回る…それだけ聞けば楽しいけれど、夏草はほぼ千葉県全域となっていて、回って帰ってくるでは流石に時間や体力が破綻するわ。だから今回は特別に、ギルガメッシュ王様がワープホールを用意してくださいましたのでそれを活用させていただきます」

 

「特別に飛行機、とか目じゃないレベルのマジの特別に草を禁じられない私アカネ、よもや生きている内にワープを体感できるとは夢にも…」

 

「待ってください先生!ワープドライブにはワープアウト地点の計算もまた必須なのではないでしょうか!突然入口付近にこの大人数が現れたら混乱を招いてしまうと思います!」

 

ロボオタクならではの観点で切り込むエル。確かに空中に投げ出されしは論外であるし、かといって突然空から団体が舞い降りるのも中々にシュールだ。貸し切りにする手段もあるにはあるが、全ての地点に話をつけるにはややかかるだろう。その疑問に答えたのは、うたうちゃんだ。

 

「心配には及びません。ワープアウト先は、内海さんが私財を投げ売って個人的に製作していた地下夏草市民避難用核シェルター『アスモデウス』『ダンタリオン』にポイントマーカーがされているとギルガメッシュ王と内海さんが説明してくださいました。そこから地下エレベーターより地上に登り、観光地の入口にて集合すれば問題はないと思われます。怪しまれたとしても、私が地下エレベーターのテスト中で誤魔化しますので御安心を」

 

「USBに名前が書いてあった残りの魔神!そっか、内海さんに力を貸してたんだ…!」

 

合点のいったリッカが頷き、指を鳴らす。彼等は彼等のやり方で確かに夏草に貢献していた。魔神の声を聞いた傑物は、無論ながら市長も例外では無かったのだ。

 

「移動はワープホール、到着は核シェルター、目的地へは地下エレベーター…俺達は一体夏草で何度未知を体験すればいいんだろうな、自分の故郷なのに…」

 

「科学!SF!秘密基地!!私がド田舎極まる幻想郷に引っ越していた間に夏草にはこんなにも凄い変化がもたらされていたとはっ!!次の改造は夏草専用防衛ロボットの開発とかでしょうか!夢が膨らみますねー!!」

 

「まさか本気で夏草の民衆をあらゆる災害から護る手段を用意しているとはな…呆れた傑物だよ、あの市長は」

 

「ちょっと待ってくださいよ!一箇所にあるシェルターじゃワープアウトした先にバラバラにある観光スポットのカバーなんて無理ですよね!?それってつまり…」

 

「地下全域に張り巡らされているんだと思う。魔神の発展を最大限に活用して作ったシェルターなら、それくらいの規模になってもおかしくない」

 

「ここまで来ると心配になる献身ぶりだ。内海市長…退陣した際に自分の楽しみを見つけることはできるんだろうか…」

 

ゆかなの呆れ、アスカら3人の驚愕の通り…魔神達の叡智、契約による優位性を内海市長は『生存』へと振り切った。外敵、外交、戦争による未曾有の人命の危機に対し、彼は可能なかぎりの市民の人命を救う手立てを制作していたのである。それは彼が魔神の力を借りて手にした埋蔵金、財宝を手にしそれらを全て注ぎ込み、魔神の手により確保された空間に作られた共同制作個人シェルターとして形となっていたのである。無論、地上に達する事も可能となる地下都市としての開発も検討中らしい。

 

「市長にはいつか皆で御礼に行くとして…皆にはこの夏草共用ブラッククレジットカードを渡します。最大限度額は一人一千万。残ったお金は王様預かりの口座に振り込まれるわ。活用しなさい」

 

「「「「はぁ!?」」」」

 

当然それらはギルと内海市長の共有ギフトである。市長は各種施設へ使用可能なクレジットカードを作り出し、ギルがその口座に振り込んだというカラクリのもの。比類なき大金ではあるが、人生を生きていく上では生涯賃金になり得ない絶妙なラインのものである。それらが一人一人に配られていく。

 

「これで枕営業とかやらないで済むかもしれないわヤッター!自分で事務所立ち上げもワンチャン行けるかもー!うれしー!」

 

「…下衆の勘繰りですが、もしや経験が?」

 

「あるわけないでしょ!実力よ、実力!嫌がらせしてきた先輩の不義記録とかとって破滅させたり、情報記者囲って喧嘩売ってきたヤツやセクハラオヤジの不倫現場抑えたりね!アイドルなんて華やかなのは上澄みだけ!今日の友を蹴落す覚悟がなきゃ身体と心をキズモノにされて終わる修羅の世界なのよ!生半可な気持ちで門を潜らない方がいいわ!」

 

「おおぉ…!マシュ★コンとして活動している私にはとても参考になります!まずは信頼できる事務所にプロデューサーですね!楽園では一番問題無い場所で良かったです!」

 

「いやぁ、でも凄いなぁ一千万!でもひょっとしたらこれだけの大金、学生の皆でもやっぱり足りなかったりして?」

 

「多分大丈夫だよ、ロマン。ペルソナシリーズやれば解るけど、ふつうの高校生活で十万やニ十万使う所すらあんまりないから。絶対ポケットマネーになると思う」

「ペルソナ全書から鍛えたペルソナ召喚が一番の出費先になるのですな、解ります」

 

「そ、そっかぁ…言われてみればテーマパークのフリーパスだって一万円くらいだもんね、日常生活でそう何百万も使わないか…」

 

「ここまで来ると預けた利息で生活が賄えるかもしれないな…でも先生、これ国の税金に引っかかりませんか?」

 

「口座は全て楽園管理になるから問題は無いそうよ。クレジットカードがそのままATMとしてバビロンの黄金郷に繋がるらしいわ」

 

「日本の法律外に財を置く力技だった…。確か南極にあったんだったか。確かにあそこ誰の国でもないもんな…」

 

内海市長ではなくギルガメッシュが口座を立ち上げた理由を知り頷くルル。どうやらとことん、己がルールであることを徹底している様だ。最古の王に相応しい傍若無人ぶりと頷くしかできない、というのもあるが。

 

「最後に。皆には今自由が与えられました。行った先で売買できる自由、遊ぶ自由、思い出作りの自由が。ですがこの都市には当たり前ながら、皆以外の夏草の皆も過ごしています」

 

締めくくりとして、榊原が説く。自由へと伴う責任を。

 

「楽しい一時はもちろん大事。でも自分たちだけが楽しい状態にならないでね。出かけた先でのマナー、気遣い、そして仁義礼智を決して忘れないように。あなたたちにこれ程大人たちが手を掛けてくれる意味、少しでも頭の片隅に入れておいて」

 

榊原の言葉に神妙に耳を傾ける一同。修学旅行などの学校行事と違い、縛るルールはほぼない、自主性が問われる旅行となる。だからこそ、忘れてはならないのだ。世界に在るは自分自身だけではないと言うことを。夏草の仲間はここにいる皆だけではないということを。

 

「また来てくださいと言ってもらえるような規律ある振る舞いを、私は皆に期待するわ。──私の、自慢の教え子達にね」

 

「「「「「────はい!先生!!」」」」」

 

「ん、よろしい!じゃあ朝ごはんを食べたら準備して、旅行を始めましょう!」

 

ミーティングが終わり、いよいよ始まる夏草観光。夏の前の思い出作りが今、始まる──

 




グドーシ(時にリッカ殿、カーマ殿の姿が見えませんが…)

リッカ(あぁ、カーマなら…)


リッカの部屋

カーマ「インドのインフレをこんな場所で再現したくは無かったんですが…」

空きのキングサイズベッドを二人の交流にて流した涙と昇華プレシャスエネルギーで濡らし尽くしてしまい、懸命に洗濯と日干しを繰り返しているカーマでありましたとさ。

「それは、だって──されますよね?尊死…」

この後救援に来たパールヴァティーにも頼んだ程、その涙の滂沱っぷりは凄まじかったという。まさにインドのガンジス川の如く──

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