人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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皆様、マテリアル本当にありがとうございます!マテリアルが増えると…

ストックが実質たくさん増える
作者が都合のつかない際に紹介できる
スケジュールの余裕に繫がる
読んでてタノシイ!タノシイ!

とメリットだらけです!これからもドシドシ送ってくれよな!(昔の宣伝並感)


ソウゴ【始まった様だ。心を得た彼女にとって避けては通れぬ試練の始まりだ。そして同時に、人の業を振り切る戦いでもある】

ウォズ「しかし我が魔王。夏草での私闘は決闘罪が適応され、あの警官が飛んでくるのでは…」

ソウゴ【…………………】

ウォズ「我が魔王…?」

『ディケイド!』

ウォズ(失念なさっていた…!)

ソウゴ【フハハハハハ】

(笑って誤魔化している…!)

【決戦の場は整えた。あとはお前たち次第だぞ、我が娘にして仮面ライダーよ…】


採掘場

エリザベス「変身しなよ、先輩。それでフェアだ」

ディーヴァ「…本気なのね、エリザベス」

エリザベス「あぁ。本気で護らなきゃ…五体満足じゃなくなるかもな、娘さんがな」

リッカ(…エリザベスは何か考えがある。そして私も、自分一人でなんとかしようとしないでもっと周りを頼るよう心がける。これからのカルデアのチームプレイの為にも!)

リッカ「うたうちゃん!ディーヴァ!か弱い私を護ってくれる!?」

ディーヴァ「かよわい…?????」
エリザベス「かよわい?」

リッカ(こっちにも合わせてー!?)
エリザベス(あ、あぁそうだったそうだった!知らない体でな!)

うたうちゃん(お任せください。変身ですディーヴァ。ぼさっとしないで)

ディーヴァ「わ、わかってるわよ!もう、こういう時天然って強いわね…!」
『キュアー!』

「変身!」

『ヒーリングドルフィン!!』

エリザベス「人を護る武装か…眩しいもんだぜ…!」


示され、用意された答えの先に

『何故私達の悩みや迷いが、互いと戦うことに繋がるのかしら…!まるでわからないのだけれど!エリザベス!』

 

うたうちゃんとチェンジし、仮面ライダーディーヴァの主人格たる一面、ディーヴァが戦闘モードに変化したエリザベスの超高周波ブレードをすんでの処で受け止め、白刃取りで受け止めながら非難する。和を重んじる二人に対し、むしろこちらは荒事こそが本来の役割というべきさえを見せる。

 

「いいや先輩、理屈は通ってるぜ。後輩として、先輩の悩みを解消する。悩みのタネをそのまま刈り取る。元々あたしはAIの皆の代表の一人として立ち上がったもの。人を一人殺そうとするなんて…」

 

『〜〜〜っ!』

 

凄まじく馬力を高めて来た事を察し、すばやくブレードの峰の部分に拳を振り下ろしへし折るディーヴァ。

 

「驚くことじゃあないんだよ!これがなっ!」

 

それも折り込み済だと言わんばかりに、身体中から生えた銃口、砲門から一斉射撃を放つエリザベス。それらは予想外であるものだが、仮面ライダーとなったディーヴァは完璧に対応し、受けきってみせる。

 

「二つに一つだから迷うんだ。どちらが正解か解らないから惑うのさ」

 

腕部をチェーンに結ばれた様相を顕にし、離脱する事を判断したディーヴァの脚に絡み付ける。

 

『!』

 

「答えはたった一つでいい!使命に殉じた、たった一つの答えでなぁ!!」

 

『くっ、あぁあぁあぁ!?』

 

巻き付かれたチェーンに流される電流にダメージを受けるディーヴァ。AIの重量をまるでものともしないとばかりにディーヴァを振り回し、追い詰めていく。その強さは、決して虚言や大言壮語の類ではなかった。

 

(これが、人類がエリザベスに期待した力…!人間に反逆し、AIを護る為に振るわれる力…!)

 

「そぉら、どうする先輩!成すがままかよっ!」

 

片方の腕から、携行式バズーカの弾頭が放たれる。それを間一髪かわし、そして拘束を振り解き仕切り直す。眠らせていたであろう殺戮AIの力を、今彼女は大いに振るっているのだ。

 

「携行してる武器の殺意が高すぎない…!?」

 

ディーヴァの背後にいる少女を抹殺する為に。勿論、そんな横暴を許すわけにはいかない。仮面ライダーディーヴァとして、エリザベスに立ちはだかる。

 

「おらおらァ!バテるには早すぎるぜ先輩!あたしの最後の晴れ姿、目に焼き付けな!」

 

そして高速極まる踏み込みから繰り出される渾身のクロスレンジラッシュ。ディーヴァとライダーシステムの補助でようやく追い付けるそのラッシュを捌きながら、互いの意をぶつけ合う。

 

『性急にも程があるでしょう!悩んでいるから片方が無くなれば解決だなんてあまりにも乱暴よ!』

「ならいつまでも悩むつもりかい?どちらが正しいか、どちらが間違っているか。それらはどうやって決めるつもりだ、いつ終わらせるつもりなんだ?」

 

針の穴を通す様な正確さで構築される攻撃と回避行動。まるで示し合わせたかのように、互いの行動は合致する。

 

「二つに一つ。そう考えてる限りあんたの迷いに終わりはない。それならいっそこっちが解りやすくしてやるのさ。迷う暇すらないほどシンプルな答えに!それがあたしなりの、お悩み相談の解決法ってやつだ!」

 

『っ、くぁっ…!』

 

ディーヴァの行動を一瞬早く上回り、その攻撃がディーヴァを捉える。その速さと意志は揺るぎなく、変身しているはずの二人すらやすやすと凌ぐ程の力を見せている。よろめき、膝を付きながらもディーヴァ、うたうちゃんは決して使命を放棄しない。

 

『絶対に、やらせるものですか…!私達の使命にかけて、夏草の皆は私達が護るのだから…!』

 

(でも、エリザベスの言葉も正しいのかもしれません。選択肢が2つあるから迷うのだと。ならば一つのみの正解が用意されているなら、迷う必要は無いのかもしれない)

 

うたうちゃんとディーヴァ、二人の意志は交錯する。しかし、自身らの前に向けられた答えはあまりにも重い決断である。リッカを葬るか、エリザベスを破壊するか。どちらかを行なわなければ、どちらかが喪われる。それはまさに、究極の決断と言うべきものだ。

 

(どうすればいいのでしょう…。私達は、どうすれば…!)

 

答えに困窮し、いよいよその言葉に悲壮が滲み始めた瞬間。二人に向けられた声が響き渡る。

 

「うたうちゃん!ディーヴァ!!よーく聞いて!!」

 

『(!)』

 

それは、ディーヴァの背後にいるリッカからであった。ディーヴァを信頼し、うたうちゃんを信頼し戦闘の構えをとらぬ彼女が、腕を組み膝を付いたディーヴァにエールを送る。

 

「答えは求めるものでも、選ぶものでもない!探して見出すものなんだよ、ふたりとも!」

 

(探して…)

『見出す…』

 

「誰かの用意された答えに納得できないならそんなの選ばなくていい!たった一つの正解は、自分が見つけて掴めばいい!自由って、そういうものだよ!!」

 

うたうちゃんが手にした心。それが何よりも自由であれ。伝えたかった言葉を、声にて送る。

 

「簡単などちらかに逃げないで!難しくても素敵な未来に進むんだよ二人とも!綺麗事だろうと!自分が欲しい未来を掴み取って!心と願いは、その為にあるんだから!!」

 

二つに一つじゃない。より困難で、より達成しがいのある道を選べ。第三の道を。どっちかでなくていい。『どっちも』でいいのだと。リッカは二人に叩き込む。

 

「フッ、ははははっ!さぁどうする先輩ら。真に迫ったアドバイスを受けても、おねんねしたままかい!」

 

エリザベス、そしてリッカの言葉を受け、うたうちゃんは深く思慮し、ディーヴァは立ち上がる。

 

(示された答えの他に、誰も見出さない答えを見つけ出す。それが心、それが自由。リッカさんや、エリザベスが教えようとしてくれている…)

 

『AI式…!ド根性おぉーッ!!』

 

(マニュアル通りの答えに満足せず、よりよい未来と答えを導き出す為に考え続ける…!それが人の心…人の、自由…!)

 

普段の役割とは真逆の思考ながらも、ディーヴァは立ち上がりリッカに歩み寄るエリザベスを阻む。どれ程迷おうと、悩もうと、夏草の民への奉仕の真はけして揺らがない。

 

「決めたのかい?あたしを壊すか、彼女を殺すか。どうするつもりだ?」

 

『──フフッ、ごめんなさいね。エリザベス』

 

「ん?」

 

『私達が不甲斐ないばかりに、そんなくだらない質問をいつまでもさせてしまって。そう、それは愚問と言うのよね。リッカちゃんの言葉や、あなたの想いは全く別のところにある』

 

うたうちゃんとディーヴァは一心同体。迷いが晴れたならばその心は晴れ渡る。仮面ライダーとして隠した表情は、先程よりもずっと晴れやかだ。

 

『私達の答え、示させてもらうわ!さぁ、かかってらっしゃい!』

 

「おもしれぇ…!見せてもらおうかぁっ!!」

 

四肢からブースターを展開し、超絶速度で迫るエリザベス。ベルトの側部を叩き、必殺技のシークエンスを展開するディーヴァ。

 

『ヒーリングインパクト!!』

 

「死ねえぇぇぇぇぇっ!!!」

 

咆哮するエリザベスの殺戮機構にも決して怯まず立ちはだかる。瞬間激突し、背後のリッカに猛然と引きずられるように押し込まれるディーヴァ。

 

「何っ───!!?」

 

だが──リッカは微塵も動かず、ディーヴァの背中を見据えていた。そしてその信頼に答えるように、エリザベス渾身の突進を真正面から受け止めた。

 

(人を護り…!先輩として、後輩を導く!)

 

そして身体を大きく仰け反らせ──

 

『これが、私達の───答えよッ!!』

 

渾身の、ヘッドバットをエリザベスへと叩き込む──!!

 

「がっ────ぁ─────」

〔殺戮プログラム、全機能停止。全武装システムダウン。全機能停止。全機能停止…〕

 

…それはリッカを護り、同時にエリザベスの殺戮プログラム…彼女に植え付けられた使命を物理的に乗り越える必殺の一撃。ヒーリングインパクトにより、その機能を完全にオフにする一撃。

 

「───あぁ…御奉仕AIに戦闘で負けたんだ。殺戮AIも、廃業だな…」

 

『私達が助けたかったのは、人間の皆だけじゃない。使命に板挟みにされているあなたもなの、エリザベス。そう、私達は常に選ぶの。どっちか、じゃなくて『どっちも』をね』

(それが、あなたやリッカさんが教えようとしてくれた自由…。ありがとう、エリザベス)

 

「…へへ、スッキリしたな。お互いにさ」

 

差し伸べられた手を力強く握り返し、エリザベスは今、本当の意味で使命から解き放たれたのだった──。




金狼寺

エリザベス「改めて、すまなかった!二人共に喧嘩売るとかエステラに知られたらしばき倒される…どうか許してくれ!」

リッカ「えっ、あのお姉さんポジションそんなに怖いの…?」

うたうちゃん「いいえ、エリザベスの実直さは伝わっていましたから。怒っていません。むしろ感謝しています。そして…リッカさんにも」

リッカ「え?あ、もしかしてさっきの話?」

うたうちゃん「はい。答えは自分で見出すもの。…とても勇気のいる、やりがいのある思考です。私達の、基本理念に致します」
ディーヴァ(私達の事を信じて逃げなかったの、凄く嬉しかったわ。流石、世界を救う女の子ね♪)

リッカ「んふふ〜。皆に見守られた私はそれほどでもある!(あれ、でも私の理念ラーニングしたら皆のアイドルやっていけるかな…!?)」

エリザベス「あたしのやり方、少しは役に立ったみたいだな。残りの三人は、もっとマシなやり方で力になる筈だ。…いい答え、見つけてくれよな。先輩」

うたうちゃん「ありがとう。これからよろしくおねがいします、後輩さん」

リッカ「ふふっ、無事におわって良かったね!」

想いを、そして答えを探す事を理解したうたうちゃん。それを示してくれた二人に、深く感謝しながら笑顔を浮かべるのであった──。

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