リッカ「パパ直々に!?」
ベリアル【オレ様に任せろ。ウルトラマンベリアルの戦い方を…父の背中をよく見ておけ】
リッカ「──うん!」
ベリアル【フフハハハハハ…!いい返事だ!さぁ…覚悟を決めろ!】
【さて…テメェらにはサンドバッグになってもらうぜ。このSUITS、そしてむす…装着者の為にな】
右腕に超巨大な棍棒が如きギガバトルナイザーを所有し、ゆっくりと迫りくるベリアル。ボイスはベリアルのものであり、威圧感を伴い四人を徹底的に威嚇する。
「馬鹿め!メフィラスが招集した宇宙における武に長けた星人、その精鋭たる我等にわざわざ殺されに来たか!」
「貴様のような目付きの悪いウルトラマンのスーツなぞ誰が作るものか!返り討ちにしてくれる!」
テンペラー星人、ヒッポリト星人が息巻き、リッカとベリアルに迫りくる。テンペラー星人は電磁ムチを振るい、ヒッポリト星人はレンジ外からヒッポリトビームを放つ陣形だ。
「我が電磁ムチの餌食となるが良いわぁ!」
武闘派を自分から名乗るだけあり、腕から放たれし電磁ムチの勢いと出力は目をみはるものがあった。触れれば並の宇宙人やスーツは甚大なる損傷を刻まれてしまうだろう。
【フン】
ベリアルはそれを、最低限の動きで軽々とかわす。ベリアルスーツは見た目に反し、圧倒的なリスクヘッジとシンプルな装着者の管理に特化している。リッカの戦闘力と直感を徹底的に強化補佐すれば、この程度のムチなどただの曲芸でしかない。
「えぇい!ちょろちょろと逃げ回りおってぇ!」
「何を遊んでいる!喰らえ!ヒッポリトビーム!!」
テンペラー星人の歯噛みをカバーするように、ヒッポリト星人が自慢のビームを放つ。これもまた直撃すれば甚大な被害を受ける事確実な大火力ビームだ。
「これで終わりだ!死ねぇ!!」
それに合わせ、テンペラー星人も必殺のムチを振るう。彼等の考える必殺のコンビネーションが、ベリアルとリッカに襲いかかる。
【しゃらくせぇもんだ…取るに足らん!】
瞬間、ベリアルは手を伸ばし、なんとテンペラー星人の鞭を無造作に掴み取る。振るわれた先端を掴むという、完璧な見切りと経験ならではの神業だ。
【フンッ!】
「う、うぉおっ!?」
そしてそのまま、ムチを思い切りこちらに引き寄せる。すると当然、テンペラー星人はベリアル側に思い切り引き寄せられる形となり、そのまま…
「ぐわぁあぁあぁーーー!!」
ヒッポリトビームの手頃な盾と成り果てる。ベリアルは当然ながら苛烈かつ凄烈である。リッカを護るためのスーツの補助機能は、敵への情けなど微塵も搭載していない。
「て、テンペラー!!」
【遅い】
そのままテンペラー星人を、ギガバトルナイザーでバッティングのようにヒッポリト星人にむけて叩き込む。ビームによりグロッキーなテンペラー星人にまともにぶつかり、もんどり打つヒッポリト星人。
「うぉおぉっ!?な、なんというパワーだ…!!」
「のやろー!喰らえー!!」
「!」
ベリアルの背後から、グローザ星人とデスレ星人の氷結と火炎が襲い来る。それらはスーツや内部の人間には大きなダメージとなるものである相反する属性であったが…
【なんだ?冷房か暖房かどっちかにしやがれ】
ベリアルはまるで意に介さずに、熱気と冷気を受けながらゆらりと振り向く。身体を熱せられ、冷やされているにも関わらずその様はまるで意に介していない。
【ゼァッ!!】
「うわぁあぁあぁあ!?」
「!!!」
ギガバトルナイザーから放たれし雷撃が、グローザとデスレを吹き飛ばす。先の冷気や熱気とはレベルの違う一撃に、両者はまさに成すすべなく吹き飛ばされ行動不能となってしまう。
「つ、強すぎる…なんだよ、このウルトラマン…」
「…、……」
【そこで寝てろ。…てめぇらは我が娘のダチから金を騙し取った。娘と、それに連なる者に危害を加える奴をオレ様は赦さん】
ズシン、ズシンとテンペラー星人、ヒッポリト星人に歩み寄る。その歩みは、おおよそ正義の味方とは思えぬ程に圧倒的な威圧感を滲ませる。
【骨の髄まで後悔させてやる。てめぇらが誰に、何に手を出したのかっていうのをな…】
「う、ううっ…!」
ウルトラマンでありながら、恐ろしさと苛烈さを滲ませる正体不明の存在に、ヒッポリト星人は震え上がる。訪れる末路が、慈悲なき結末であることを予感させてくる。
「調子に乗るなよ!食らえ!ウルトラ必殺光線!」
瞬間、テンペラー星人が奥の手たる必殺光線を放つ。それはウルトラマンのみに絶大な効果を発揮するまさに必殺技であり、ベリアルすらも直撃は厄介な代物であることは明白だった。
【ほう、少しは気概があるじゃねえか】
それをベリアルはギガバトルナイザーの超高速回転で相殺しながら、一瞬で距離を詰め、そのまま力の限り振り上げ──。
【オラァ!!】
「ぐぼはぁあぁあぁ!!」
最上段から一気に叩き伏せる。宇宙船の床にめり込むほどの大パワーで叩き付けられたテンペラー星人は、二度三度の痙攣の後完全に動きを停止する。
「わははははは!隙を見せたな!」
【あぁ?】
するとヒッポリト星人が、ベリアルの肩に触れていた。その意味を知るヒッポリト星人が、高らかに勝ち誇る。
「私は触れたものをブロンズ像にすることが出来るのだ!さぁ、物言わぬ彫刻になるがいい!」
【─────】
その言葉は嘘ではなく、ベリアルの身体は瞬時にブロンズ像へと変化する。動きが止まったブロンズ像となりし姿に、高らかに勝ち誇るヒッポリト星人。
「これで私の勝ちだ!未来永劫そのままでいるが、い、い…」
だが、その勝鬨はすぐに戦慄に取って代わる。ブロンズ像たるベリアルに、無数のヒビが入り始め──。
【ゼアァア!!】
瞬時に回復、復帰を果たしたのだ。首をゴキゴキと鳴らし、落ちていたギガバトルナイザーを拾い上げ…ゆらりとヒッポリト星人に向き直る。
「ひ、ひぃいぃい…!馬鹿な、どうして…!」
ヒッポリト星人からしてみれば有り得ない、不条理の極みであった。自力でブロンズ像から元に戻るなど、どんな事をすればそんなことが可能なのか。一度も破られなかった必殺の敗北に、完全に戦意喪失し腰を抜かす。
【おい、テメェ…今オレ様に、我が娘に触れやがったな?】
「あぐっ、ひ、ひぃいぃい…!」
怒りを顕にむんずと首を掴み、高々とヒッポリト星人を掲げるベリアル。そう、ベリアルからしてみれば娘への狼藉、即ち死。敵対者には理不尽極まりないが、僅かにも触れれば抹殺対象なのである。
【フンッ!!】
「ぐぼぁあ!!」
そのまま床に叩きつけ、ヒッポリト星人に馬乗りとなるベリアル。そしてそのまま拳を握りしめ──
【オレ様の娘に触れた野郎はテメェか…あぁ!?】
「ぐぼっ!ごふっ!!」
【アカネとエルの金を掠めたのはテメェか!あぁ!?】
猛烈極まる乱打、馬乗りラッシュ。骨の砕ける音を響かせながら、戦慄の乱打をベリアルは見舞う。リッカがいるので殺しはしない。死んだほうがマシな程度に痛めつけるだけである。
「あ、あぁ…」
「う、うぅ…!」
その凄惨極まる惨状に、3人(一人は気絶中)の宇宙人は絶句するほか無かった。グッタリと動かなくなっていくヒッポリト星人に、次の自身らの末路を重ねてしまったのだ。
「……、………」
そして、完全に動かなくなったところでゆっくりとベリアルは起き上がる。殺すつもりで殴ったが、死んでほしいわけではないからだ。
【今日のところはここらで勘弁してやる。…おい】
「「は、はいっ!」」
ベリアルは無造作にヒッポリト星人の頭を掴み持ち上げる。顔面がグシャグシャに潰れたその惨状を、ありありと見せつける。
【次に地球でつまらん悪事を働いてみろ。お前らも残らずこうなると思え。オレ様は他の甘ちゃんとは違って、てめぇらの命なんぞに興味はねぇ】
「「あ、あぁ…」」
【次は──殺すぞ。解ったならさっさと消えろ。それとも、まだお仕置きが欲しいか?】
「「ひ、ひぃいぃいぃい!!」」
完全に戦意を喪失した三人は、我先にと脱出艇へと乗り込む。これで二度と、地球に近づく愚は犯すまい。
【───】
だが──ヒッポリト星人を見捨てて逃げようとしたその浅ましさが、ベリアルの不興を買ってしまった。
【おい。忘れもんだぞ】
ヒッポリト星人を、空中に無造作に投げ──両手をクロスさせ、右手のひらを前に出し──
「「え?」」
なんと、ヒッポリト星人を押し出し叩きつけるようにデスシウム光線を放つベリアル。ヒッポリト星人のダイナミッククーリングオフが実行され、脱出艇に直撃し…。
「「ぎゃあぁあぁあーーー!!?」」
脱出艇が大爆発。当然ながら、巻き込まれた四人は半死半生の憂き目に逢う。仲間を見捨てて助かろうとする惰弱を、ベリアルは容赦なく吹き飛ばした。
【裁きをキッチリ受けるんだな。骨の髄まで惰弱な小悪党ども】
ベリアルの吐き捨てるような断罪に、四人は何も返せぬほどの大ダメージを受け意識を手放すのであった…──。
ベリアル【とまぁ、こんな感じだ。娘よ、大体の動かし方は解ったか?】
リッカ「さ、流石ベリパパ…パワフルさとヒールに振り切った凄い戦いぶりだったよ!」
ベリアル【そうだろうそうだろう。実はベリアルスーツはさらなる先がある】
リッカ「それって、もしかして…!?」
ベリアル【あんな小物らには勿体ないからな。とびきりの隠し玉だ。期待しておけ?】
リッカ「うん!」
ベリアル【うむ。さて…あのウルトラマンの小僧はちゃんとやってんのか…?】
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