メフィラス星人『満身創痍か。むしろよくここまで奮起したものだ』
メフィラス「進次郎君!」
ウルトラマン「まだだ…!まだ、負けてない!』
メフィラス星人『何故そうまで足掻こうとする?何が君を駆り立てるのだ?』
ウルトラマン「決まってるだろ…!俺でも…こんな俺でも…今の俺は!」
メフィラス星人『!』
(全身が、紅く…)
「ウルトラマンなんだから!!」
メフィラス「おぉ…!」
ベリアル【さて…お手並み拝見と行くか】
(頑張れ、進次郎君!君ならできるよ!──ウルトラマンなら!)
『リミッターを解除したか。わざわざ破滅の瞬間を定義するとは愚かな事だ』
メフィラス星人が、真紅に染まったウルトラマンを侮蔑する。ULTRAMANのスーツには、3分間だけ全ての機能を完全開放する機能が備わっている。進次郎は切り札を切った。勝負を、決着を付けるために。
「俺が負けるか、お前を倒すか!どちらにせよ、ここで決める!──行くぞっ!!」
気合と共に、ウルトラマンが紅き残光を残すほどの超スピードでメフィラス星人と距離を詰める。それは先程とは比べ物にならないほどの速さ、素早さでありメフィラス星人の顔色を変える。
『速い…!』
「はぁあぁあぁあぁあぁ!!」
そのまま、メフィラス星人が防戦一方となるほどの凄まじいラッシュを繰り出し圧倒する。急所を狙われ防戦一方だった進次郎と、立場が一瞬で逆転する形となったメフィラス星人は、忌々しげに声を漏らす。
『なるほど、強ちハッタリではないらしい…!確かに先程とは別人だ…!』
「これはピンチのアラートじゃない!お前を全力で倒すっていう合図だ!!」
残り、2分。渾身の蹴りを受けたメフィラスが、壁へ深々とめり込む。軽々と相手を吹き飛ばすほどのパワー。進次郎のウルトラマン因子が全開となっている証だ。
「はぁっ、はぁっ、はあっ…!」
『だが…まだ、甘い!』
瞬間、メフィラスが体勢を立て直し突進する。捌ききれないと知るや、相討ちか時間切れを狙う作戦へとシフトしたのだ。攻撃的に時間を潰すという逆転の発想である。
「うわぁっ!?くっ、このぉおっ!」
『わざわざ制限時間を設定してくれたのだ。私もその時まで全力でお相手させてもらうとしよう!』
そして始まるは熾烈な空中戦。弾き飛ばし、吹き飛ばし、殴り合い、蹴り合う。宇宙船が壊れかねない程の熾烈極まる攻防は、早くもメフィラス星人がリミッター解除状態のウルトラマンに対応し始めていることを意味していた。
「なんてやつだ!リミッター解除に付いてくるなんて!」
『単純な話だ。君の肉体は早く動いても、思考や反射は急激に変わるものではない』
そして、とうとうメフィラスの一撃がウルトラマンを捉えた。メフィラス星人はかつてウルトラマンと互角に戦った異星人。その強さは、決して嘘やまやかしではないことを二代に渡って示す事となる。
「うわぁあぁあぁあぁっ!!」
残り、1分。ウルトラマンのカラータイマー部分が点滅を始める。もう、活動停止まで残された時間は残り僅かだ。
「うっ…クソおっ…!」
『一か八かの手段に全てを懸ける。聞こえはいいが蓋を開ければやけっぱちの特攻でしかない。つくづく愚か者だ、人間は』
「このおぉおっ!!」
それでも、ウルトラマンは諦めない。メフィラスに向かって猛然と突進していく。負けられない、そう。負けられないのだ。
『猪突猛進。どうやら頭の中まで野蛮に成り果ててしまったようだな。ウルトラマン!』
だが、その思いも虚しくいなされ、強烈な反撃を受けてしまう。空中を舞い、叩きつけられる進次郎。
「うわぁあぁあぁあぁっ!!ぐっ、ぅっ…!」
『残りは三十秒程かな?逆転するには何もかもが足りないな。万策尽きるももうすぐ…幕を引いてあげよう』
メフィラスの言うとおり、残り時間はもう一分もない。活動停止は、デッドゾーンはすぐそこまで迫っていた。
「それでも…負けるか…!」
そう、ウルトラマンは…進次郎は諦めなかった。何故なら、ウルトラマンがどれほど愛されているかを改めて知ったから。
「ウルトラマンは、どんな時でも俺達と地球を守ってくれた…!どれだけ辛い目にあっても、諦めなかった!」
そんな彼を、人々は今も愛している。世代を超えて、ウルトラマンというヒーローを愛しているのだ。
「だから俺も!諦めない!俺は…ウルトラマンなんだから!!」
その名を名乗る以上、決して負けない。負けられない。ウルトラマンの矜持を、名前を、地に落とすわけにはいかない。
何より…エルやアカネといった、ウルトラマンを愛する人達を哀しませたくない。進次郎は、その一心で立ち上がったのだ。
『末期の言葉にしては中々だ。では、潔く死ぬのだ!』
「負けるかぁあぁあぁ!!」
残り、二十秒。激烈な格闘戦が、最後の気合と気迫がメフィラスに迫る。
『気迫や意地で何かが変わるのかな?むしろ、ダメージの蓄積で精細を欠いているぞ!』
「ぐあっ!!」
一瞬のスキをつかれ、地面に叩きつけられる。残り15秒。
「はぁあぁあぁっ!!」
『むっ!』
ウルトラマンは反転し、無数の八つ裂き光輪を放つ。メフィラスはここに来て諦めないウルトラマンの意地に驚愕を見せるも、素早い移動で回避し同じく地に降り立つ。残り13秒。
「どこまでも諦めの悪い!ならば定めた期限と同時に、止めを刺してやろう!」
業を煮やしたメフィラス星人が、止めの必殺光線を放つ。残り、10秒。
「死ね!ウルトラマンよ!ウルトラマンの紛い物よ!」
光線が、ウルトラマンに叩きつけられる。その場に縫い付けられるように受け止めざるを得ない状態に持ち込まれてしまうウルトラマン。残り7秒。
(このままじゃ、本当にやられる!どうしたら…どうすればいい!)
残り5秒。その瞬間──。
【進次郎君!!】
「リッカちゃん!?」
その声に反応したのは、意識しての事か。或いは、ウルトラマン因子が極限まで高まったが故の覚醒か。
【ウルトラマンは──基礎の極みだよ!!】
(基礎の極み…──そうか!!)
その言葉の意味を理解したと同時に、進次郎は…ウルトラマンの本質を理解した。
「はぁっ!!」
八つ裂き光輪を展開し、メフィラスの光線を防ぐバリア代わりに展開する。すると、進次郎は体勢を立て直す事ができる程度の自由を獲得することができる。
残り4秒。
『どこまでも悪あがきを!』
更にメフィラスが光線の勢いを高めるが、もうウルトラマンはその攻撃を食い止めるつもりはなかった。
残り3秒。
「はぁあぁっ!!」
ウルトラマンは、バリアにしていた八つ裂き光輪をメフィラスに向けて解き放った。リミッター解除の状態で生成された光輪は、凄まじい強度と威力をもって光線をメフィラスへと押し返す。
残り2秒。
『ぬぅっ!!?』
思わず反撃を受け、メフィラスの体勢が大いに崩れた。──それが、千載一遇の好機。
「くらぇえぇえぇえーーーっ!!!」
ウルトラマン渾身のスペシウム光線が、メフィラス星人に叩き込まれる。その威力は、文字通りの全身全霊。渾身の一撃であった。
『ぐぉおぉおぉおぉおぉお!!?』
「うぉおおぉおぉおぉおぉおぉお!!」
全てを絞り出すかのような気合と、耐えぬかんとするメフィラス星人。二人の交錯は、最後の意地の張り合いは一瞬だった。
残り1秒。そして──決着は訪れる。
『こ、これが、これがウルトラマンの真の力だと…!?馬鹿な!それを人間が…!』
「だぁあぁあぁあぁあ!!」
『人間如きがぁあぁあぁあぁ!?』
ウルトラマンの全エネルギーが放出され、紅き輝きが収まる。体中の排熱機構から煙が吹き出され、がっくりと力なくうなだれる。
だが──もう戦う必要はない。メフィラス星人は、スペシウム光線の直撃を受け、爆発四散する事となったのだ。
「はあっ、はあっ、はあっ…!」
【やったぁ!ウルトラマンの勝利だぁ!!】
【随分と不細工な戦いぶりだったが、最後のだけは悪くなかったぜ。…やるじゃねぇか、進次郎】
手助けが必要かと思ったが、それは無用だった。進次郎はメフィラス星人を、たった一人で制した。
「やった…やったんだ…!」
そう──かつて戦い抜いた、ウルトラマンのように。
残り0秒。3分間の死闘と悪辣な企みの終わりは、ウルトラマンの勝利で幕を下ろした──。
金庫室
進次郎「うわっ!凄い金の山…!」
メフィラス星人『資源や取引などのため、現物に変えていたか。これらは全て、正式な手続きの下処理しよう』
ベリアル【勝手にしろ】
進次郎「あ、あれ?リッカ?」
ベリアル【ここらへんか?】
(うん、あった!)
大富豪となれる量の金塊には目もくれず、ベリアルとリッカは見つけ出す。
【これで一段落、だな?】
(うん!)
進次郎「…そーいう事かぁ…」
エルとアカネが騙し取られた金額。それを取り返す事で…彼等の戦いは、幕を下ろすのだった──。
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