人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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許さん、許さんぞ汎人類史…


許さんぞ、許さんぞカルデア…!

えーと、えーと…

とにかく絶対許さんぞ…!


ルッジェーロの憤懣と十二勇士の招牌

「うぉおー!!カルデア、汎人類史!うぉおー!!うぉおー!!」

 

「なんだあれ」

 

『やはりグランドマスターズ案件か。いつ出撃する?私も同行する』

 

と王の職務の息抜きに特異点解決へやってきてくれた月の新王、岸波白野とそのパートナーネロ・クラウディウス。二人がカルデアの導きにて降り立った場所にいた英霊、それは騎士の装いをしていながら狂乱の極みにあるサーヴァントの姿であった。はくのん、至極真っ当にツッコむ程の。

 

「むぅ、中々の美丈夫であるのだが…円卓の騎士とは趣が違うな。何者か?」

 

「案外謎のサーヴァントで通しているのかもしれない。慎重に接触して…」

 

「汎人類史よ!楽園たるカルデアよ!受けるがいい!知るがいい!この私…!ロジェロの怒りと哀しみを!うぉおー!うぉおー!!今の私はさながら英霊バーサーカーだーっ!!」

 

名乗った…。ぽかんとするはくのん、並びにカルデア通信。どういう訳か暴れ狂うロジェロを名乗るサーヴァントに、ロマニが困惑の声をあげる。

 

『ロジェロって、確かシャルルマーニュ十二勇士に数えられるブラダマンテの恋人だったよね?なんだかコメディチックな終わり方した…』

 

『『ロジェロだって!?』』

 

するとそこに現れしは、ブラダマンテをよく知る二騎の英霊。理性蒸発のアストルフォに楽園カルデアの召喚システムで十全に招くことが出来た幻想の聖騎士帝シャルルマーニュである。そう、彼等は生前からの縁だったのだ。

 

『ロジェロがいるのにブラダマンテはいない!なんてことだ!これは悲劇だ!悲劇はこれか!どっちだっけ!』

 

『まぁ喜劇みたいな悲劇でいいだろこの際!しかしフラレたローランでもあるまいし、やるときはやる事に定評のあるロジェロがなんであんな事になってるんだ…!?』

 

シャルルマーニュ、アストルフォからも予想外の反応だったようで、ロジェロを名乗るサーヴァントはしきりにカルデアと汎人類史への怒りを叫んでいる。いや、喚いているといっても良いかもしれない。

 

「話だけは聞いてみよう。もし、そこの狂えるサーヴァントさん」

 

「むっ!?マスターか!つまりそなたはカルデアのマスターで相違ないか!?」

 

「正確には同盟関係である月の新王であり、余はそのサーヴァントネロ・クラウディウス!いかにした誉れ高きルッジェーロよ。何をそんなに荒ぶることがあろうか?」

 

その言葉を聞き、ロジェロは深く息を吐き怒りに身を震わせ語りだす。自身を焼く(自称)程の深く激しき怒りを。

 

「まずは…遅ればせながら人理修復おめでとうございます…!!どうしてもこれだけは言っておきたかった…!」

 

「ありがとうございます」

 

「そこに参加せし英霊、英傑が賜りしは至極の誉れ、そして栄光!私は縁がなく参加できなかったのですがまぁそれはいいでしょう…オルグ取り逃してますし…助けられてばっかりだし…」

 

(いいんだ)

 

しかし!!ロジェロは堰を切ったように語り出す。そこに、カルデアや汎人類史に対する怒りが生まれ燃え滾っているのだと。

 

「しかし…!!何故呼ばなかったのですか…何故招かなかったのか!我が最愛の妻にして恋人!誉れも高きシャルルマーニュ十二勇士が一人!ブラダマンテその人を!!」

 

「お、おぉ…怒りとはそういう事であったか?」

 

「他に何があると!?綺羅星の如く輝き煌めき、そして人理の為に戦う英雄にとって史上最大、最強無敵の栄誉!それを、それをシャルルマーニュ十二勇士並びにブラダマンテが賜ることが出来なかったなんて!夫としてこれほどの無念があるだろうか!?哀しみがあるだろうか!?いや!無い!!」

 

自己完結して怒りのボルテージMAXになったロジェロは、なんやかんやでカルデアに喚ばれ直訴しようとしたところ、自らを呼ぶ声に引っ張られたという。

 

「敵を排せよ…そう、敵を排せよと声は言った!流石にあのレベルの戦いを私が黒幕になって起こすとか無理筋不遜の極みであるので考えついたのは!中ボスくらいになってカウンター召喚されたブラダマンテに倒される事!!そしていい感じに消滅しブラダマンテと再会の誓いを立てブラダマンテを楽園カルデアに招くこと!!そのために私は今、こうして理性を失い(当社比)暴れ狂っているのだ!!」

 

「ブラダマンテ大好き過ぎる」

 

「うおぉお我が狂乱はプチ特異点程度の危機!ブラダマンテよ、さぁブラダマンテよやって来い!実は私はブラダマンテにチクッとされただけで消えるぞぉ!ブラダマンテぇえ!!」

 

要するに愛するブラダマンテに華を持たせなかった色々に憤慨しているという事であり、なんとかしてブラダマンテを招いてあげたいらしい。その為にカルデアと敵対するというのだが…、そこへ、大慌てでレイシフトしたシャルルマーニュとアストルフォがロジェロを羽交い締め、タックルで拘束する。

 

「よしてくれロジェロ!気持ちは解るし愛する者の為に世界を敵に回す覚悟はマジでカッコいいが相手がマジでダメだ!ブラダマンテと再会する時間なんて用意するほど敵に甘くないんだぞカルデアは!」

 

「とりあえず霊核を砕こう」

「うむ、噛ませ犬になる趣味は毛頭ない故な!」

 

「ほら見ろ王様皇帝やる気満々なんだぞ!ブラダマンテとは縁が全然ないんだからしょうがないじゃん!あなたのご敢闘をお祈りしますってやつだよ!」

 

「なんだその就職失敗した際の申し訳励ましメールめいた構文はァ!許さんぞ、許さんぞ汎人類史!我が怒り、止められるものではないと知るがいいぞー!!」

 

「駄目だぁなんか全然迫力ない怒り方して止まらない!シャルル、なんとかならない!?」

 

「と言ってもなぁ…!ブラダマンテ呼ぶしかないもんなぁ!でも俺達どこでもブラダマンテと縁結べてないからなぁ!ヤケクソ召喚で来てくれるかなぁ!?」

 

『じゃあ縁で喚べばいいんじゃない?流石に夫いるなら喚べるでしょ。サクッと』

 

「「さすロマ!!」」

 

「えっ!?この状況から喚べるブラダマンテがいるんですか!?」

 

一番驚いているのがロジェロな辺り、敵愾意識を植え付けられても善良な英霊なのだろう。というか本格的に敵対した瞬間初手で告白剣で消し飛ばされる可能性があるのでシャルルマーニュ達的には死活問題である。

 

「早く!早く喚んでソロマニー!ロジェロが色んな宝具で消し飛ぶ前にー!」

 

『そうだね、えーっと何か特徴ある?』

 

「金髪!金髪で露出度高めだ!」

 

「すっごいボディ!すっごいボディ!」

 

「あーとそれから、めちゃくちゃカッコいい!超カッコいい!!それともんじょわー!もんじょわーだ!!」

 

((もんじょわー…?))

 

『シャルルマーニュ十二勇士、金髪で露出度高め、すっごいボディ、めちゃくちゃカッコいい、大王バンザイ…はい、これで召喚行けるかな?あ、行けたね』

 

ロマンの指一本で召喚が果たされサークルが回る。『我のセイバーにはその魔術を使うな!断じて使うな!よいか、フリではないぞ!』とまで言われたロマニの禁断ピンポイント召喚がなんと今果たされる。

 

「良かったなぁロジェロ!これで愛しのブラダマンテに再会できるじゃねぇか!良かったなぁ!!(強調)」

 

「あぁ、あぁ!ブラダマンテ、ついに君の槍と盾が人理を救う栄光を宿すのだね!私は嬉しい!あとアストルフォヒポグリフ返せ!はよ返せ!」

 

「一生借りておくっていったじゃーん!!あ、来るよ来るよ!ブラダマンテ来るよ!!」

 

「イイハナシダナー…(目薬感涙)」

 

「そうであろうか奏者よ…?…ん?金髪、すっごいボディ…?」

 

十二勇士にその特徴を持つものは一人であったか?ネロの疑惑を余所に、ついに召喚は果たされる。

 

「さぁ!ブラダマンテのもんじょわボディに!」

「飛び込んでこーい!!」

 

「ブラダマンテーーー!!我が愛しの君ーー!!」

 

シャルルマーニュとアストルフォに投げられダイブするロジェロ。その跳躍は、豊満な胸に受け止められ──

 

「──はっはっはっはっ!名高き魔術王に招かれるとは、俺も大いに出世したな!陛下にも大いに自慢できようさ!」

 

「「えっ」」

 

…そこに現れたのは、誠に残念ながらブラダマンテではなかった。ロマニの召喚に落ち度はなかった。むしろ盤石過ぎた。

 

『あれぇ?なんだか随分爽やかな声だなぁ?』

 

金髪、すっごい(金剛体的な意味で)露出度高め(発狂全裸)、めちゃくちゃカッコいい(個人差あり)、超カッコいい(個人差あり)…そこから導き出されしシャルルマーニュ十二勇士といえばただ一人。

 

「俺はローラン!名高きシャルルマーニュ十二勇士が一人ローランだ!カッコよくあれと願われた以上、かっこいいトコ見せちゃうぞー!期待してくれよな!」

 

「「お前じゃなーーーーーーい!!!!!!!」」

 

「汎人類史もう絶対本当にマジ許さねーーーーー!!!!!」

 

ローランの輝ける金剛ボディに抱かれ首がちょっと変な方向に曲がってしまったロジェロはそのまま消滅。汎人類史への怒りを記録に持ち込みながら退去していった。

 

「む?今のはロジェロか?はっはっは!俺をブラダマンテと間違えでもしたか?まぁ確かに!身体の質ではそっくりかもな!」

 

「おぉ…噂に聞く輝く貌の最期に次ぐ悲惨さではないか…?」

 

「読者募集サーヴァントの扱いか?これが…」

 

「こいつめ!こいつめ!この!この!」

「確かにお前はカッコいいけどさ!カッコいいけどさぁ!!」

 

「いでででででなんで!?なんで!?」

 

ローランは主君と同胞から、怒りと歓迎のストンピングを賜りましたとさ。

 

嗚呼、もんじょわな君は何処?

 




名前・真名:ロジェロまたはルジェ―ロ
クラス:セイバー
出身:アフリカ?イタリア?
性別:
男出典:シャルルマーニュ伝説
属性:秩序・善
身長;172㎝
好きなもの:ブラダマンテ
苦手なもの・嫌いなもの:オルク、アストルフォ、ローラン
CV:内山昂輝
ステータス:
筋力:A+ 耐久:A+ 俊敏:A 魔力:D 幸運:D 宝具:A+~EX
概要
能力
クラススキル
*【騎乗A+】
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わず、全ての乗り物を乗りこなすことができる。
*【対魔力E】
魔術に対する抵抗力。いつも魔術の罠にはまっていた逸話によりこのランクとなっている。
保有スキル
*【魔力放出C+】
武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。

○自身にバスター性能アップを付与(1T)

*【カリスマC】
軍を率いる才能。ブルガリアの王として君臨していたため最低限のカリスマ性は持ち合わせている。

○味方全体に攻撃力アップを付与(3T)
*【単独行動B】
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。マスターを失っても2日は現界可能。

○自身のクリティカル威力アップを付与(3T)

宝具
*【幻想滅殺魔剣(ベリサルダ)】
ランク:A++ 種別:対幻想宝具
レンジ:1~200 最大捕捉:1~200
ロジェロが持つ魔剣。あらゆる魔術を無効化する能力があるため、魔術を扱うものにとっては天敵である。一説によればこれを制作したのは湖の乙女とその弟子たちであり、星によって作られた魔を絶つ魔剣。エクスカリバーの姉妹剣であるとされる。

〇自身に[幻想]特攻を付与(1T)敵全体に強化解除を付与&敵全体に強力な攻撃。

幻想特攻
魔術や神秘などに該当する全て。サーヴァントも例外ではない

*【魔法の盾(スクートゥム・ヘクトル)】
ランク:A+ 種別:対人宝具
レンジ:1 最大捕捉:1
ロジェロのもつ防御宝具。かつてオルクと言う海の怪物に攫われたアンジェリカを救い出すためにオルクを退けるために使った「魔法の盾」。ヘクトールが持っていたとされる盾であるとされる。

○自身に対粛清防御(3回)を付与

*【この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)】
ランク:A+ 種別:対軍宝具
レンジ:1~65 最大捕捉:200
本来の宝具。アストルフォが使っていたが、何とか返してもらうことができた。正直オルク退けるより大変だった。

*【我が愛よ届け(アモル・パトス・ブラダマンテ)】
ランク:EX 種別:対人宝具
レンジ:― 最大捕捉:1
ロジェロのブラダマンテに対する愛が具現化した宝具。十分な魔力と自身がいればどんな状況でもブラダマンテを召喚できる。

○自身とブラダマンテに攻撃力・防御力・スター毎ターン獲得(25個)を付与(3T)
容姿
黒髪の好青年。
性格
ブラダマンテ大好きマン。しかし、冒険では海の怪物から姫を救出したりしているため、正義感も強い(魔法の指輪奪われたけど)
持ち物
デュランダル(本来より威力が低い)、魔法の盾
他サーヴァントとの関係
*【ブラダマンテ】
大好き。メチャ大好き。理性蒸発しちゃう。
*【ヘクトール】
自分とブラダマンテの先祖。とても尊敬している。
*【アストルフォ】
おいアストルフォ、俺のヒポグリフ返せ‼こら逃げるな
*【シャルルマーニュ】
今はしがらみ無く仲良くしている。
*【ローラン】
俺が追い払った後、オルク倒したんだな。しかも力業で。まて、脱ぐな脱ぐな
*【マンドリカルド】
生前のことをあっちは少し気にしているようなのでこっちからはあまり話しかけないようにしている。

ゲーム大好きあっきーさん、ありがとうございました!質問の答えですが、十二勇士のアイデアはいまのとこなしです!

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