人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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祖龍「これでよし…私達も楽しませてもらいましょう。いざ、ドラランド〜!」

ニャル【行くぞー】

ハスター【祖龍には従順じゃの、おぬし】

【アザ野郎より愛嬌溢れて可愛いんですよ、この祖龍様】

ルー「はやくー!」

【あぁ見えて最近の夢がミラルーツのグッズ展開らしいからね】

【細やかじゃな…】


入口

祖龍「祖龍よ。知ってるわね?」

リザードマン「申し訳ありませんが…」

祖龍「うそぉ…」

ニャル【知るわけ無いでしょう。イザナミさんやウラヌス、ガイアとかブラフマーと同期ですよあなた】

祖龍「そっかぁ…」

ハスター【いつまでも祖龍では味気なかろう。名前を考えてみては?】

祖龍「確かに…じゃあ…ルーね!」

((安直…))

ヴリトラ(おぉ、あんな大物が来るとは。きひひ、盛況じゃのう)



テーマパークブリーフィング

『あー、その。藤丸リッカは人理修復の立役者たるマスターであり、その戦術眼や判断力に疑いを挟む余地はないと確信している。勿論君の判断は間違っていないと信じている。その上で言わせてほしい』

 

「はい副所長」

 

『そんなにヤバいの?ボルシャックとか、ボルバルザークとか。聞いたこと無いんだけど、どこ神話のドラゴンなのかね?』

 

「カードゲームです!」

 

カードゲームぅ!?突然のファンタジーの介入に、竜種バーゲンセールでキャパオーバーしていたゴルドルフを情報でぶん殴っていくスタイル。この危機を知っていたのはリッカのみであった。

 

「デュエルマスターズって言うんですけど、そこの大人気文明と大人気ドラゴン達が私達の前に立ちはだかったんです…!そりゃあ即時撤退ですよ…!」

 

「先輩が…武者震いを…!」

 

そう、彼等ガーディアンドラゴンは実在の神話存在ではない。ゲームの中の虚構、或いは異世界からの竜種。常識の通用しない存在なのだ。

 

『そんなにやばいのかね…?』

 

『ボルシャックドラゴンはその怒りに触れた国が滅んだと記されています。ボルバルザークはそのあまりの無法ぶりに初めてプレミアム殿堂入り、つまり禁止カードになったとか』

 

『自分のターンを2回行い、そしてその後デュエルに負ける。勝とうが負けようがデュエルが終わる終幕と勝利の権化がボルバルザーク…らしいです。そしてバザガジールは神出鬼没、スサノオドラゴンは世界の均衡を粉砕したドラゴン、ボルメテウスの炎は焼いた対象の抵抗を一切許さず粉砕する…などが言われていますね』

 

『そんなに…えげつないドラゴン達が立ち塞がってるの?え?ヴリトラもいるんだよね?これ大丈夫?大丈夫なの?』

 

国を滅ぼしたドラゴンと聞いて戦慄するゴルドルフ。フレーバーテキストが真なる存在になった時、それは純然にして残酷な事実に変わる。

 

「落ち着きなさい、雪だるま体型のおじさん。闇や水じゃなかっただけラッキーよ」

 

『雪だるま体型!?あとなんの話!?』

 

「ヴリトラの意向から、きっちりと活路は用意されているとの事でした。鬼に伝わる戦士、召喚サークル。これらは竜を討ち果たす為の備えとなっているでしょう。更にカルデアには、名だたる数多の竜殺しも来席しているはず。絶望などは無用です、ゴルドルフさん」

 

アテルイは微塵も揺らがず、冷静に現状を整理する。田村麻呂と互角に渡り合ったアイヌの英雄、その故はこの沈着さにこそある。自らの処刑を聞いても声音一つ震わせなかった彼女に、動揺などは無縁だ。

 

『(流石オレの英雄、と頷いている)』

 

『う、うむ。所長がいない今私が慌てふためいてはいかんな。よし、では方針を考えよう。ルル君!頼むよ!』

 

『承知しました。俺が思うに、テーマパークである以上敵とのエンカウントは無いはずだ。だからこそ部隊分担ができるだろう。試練に挑むチームと、オニキュアを探すチーム。グランドマスターズとサーヴァントを展開し、数面作戦を行うのだ』

 

作戦参謀、ルルの献策はテーマパークの分担散策を提案する。グランドマスターズとサーヴァントを動員しても歩ききれるか解らない程のドラランドは、単身では制覇できないだろう。

 

『では試練は我等グランドマスターズが担当しよう。ガーディアンドラゴン討伐と、オニキュア捜索はリッカ君達にお任せしようじゃないか』

 

「キリシュタリアさん!」

 

『肉体的、精神的にキツイとされる試練があるらしいのなら、リッカを不用意に消耗させたくないからな。召喚サークルの確保も含めて、サブクエストは僕達が担当する』

 

「カドック…!」

 

グランドマスターズはこういった多面作戦に対応するためのチームである。ならばこそ、この特異点はうってつけと言えよう。

 

『まー死ぬようなジェットコースターとかはオレとヒナコに任せとけ。オレもヒナコも死ねない身体だからな』

 

『あんたはオモチャにされてるだけでしょうが。まったく…あんまり過激なのはイヤよ』

 

『俺達の事は気にしなくていい。アトラクションで遊んでもみたいからな』

 

『お土産は月に発送でお願いします』

 

全員が乗り気で士気も高い。試練だけでなく、アミューズメントやアトラクションにも手を込めていたのはこういう事だったのだろう。頼もしい提案にリッカは頷く。

 

「いつもありがとう、皆!今回もよろしくね!」

 

「それでは、私とシトナイ様は鬼…おにきゅあ、なる勇者達の位置を導きます。カムイの黄金の影響を受けておらぬ魂を見抜けば、必ずや辿り着けましょう」

 

「そしてオニキュアを連れてきて、召喚サークルとカルデアで呼んだドラゴンスレイヤーで打倒する!これね!」

 

『おぉ、作戦運びがスムーズだねェ…』

 

『勿論さ。Aチームは知識、リッカ君組は経験。その二つが重なってるんだぜ?』

 

ダ・ヴィンチちゃんの太鼓判に頷くゴルドルフ。あまりにスムーズ過ぎて若干副所長の肩書きが活かせてないと戒めのクロワッサンを焼こうと決意するゴッフさんであった。

 

「んー、でも変だなぁ…」

 

「?先輩?」

 

方針は決まった後、首を捻るリッカにマシュが尋ねる。リッカはその配役に違和感があるという。

 

「試練は解るんだけど、ボルシャック達はどこから来たんだろう?カムイの黄金が生み出した黄金の塊なのかな?」

 

『アテルイ、解るか?』

 

田村麻呂の言葉に、アテルイは星を詠む。するとその答えは意外なものだった。

 

「…意志と、魂を感じます。作られたものでなく、確かに彼等は、生きています」

 

『マジで!?』

 

『そりゃあデュエルマスターズはモンスターの世界とかありますけど!?』

 

「まさかの…ホンモノ?なら、人理の騒乱に力を貸してるのはなんでなんだろう?」

 

デュエルマスターズには五大文明が存在する。火、水、自然、光、闇。世界を脅かす闇文明や、秩序をもたらす光文明ではなく好戦的な火。そのチョイスはなんなのか。

 

『ならば、共に拝見しにいくか。リッカ』

 

そう声をかけるのは、大英雄ヘラクレス。人理の誇る最強の英雄でありリッカの師。そして十二の命を持つ不撓不屈の化身だ。

 

「ヘラクレス。力を貸してくれるのね?」

 

『当然だ、イリ…シトナイ。私は生命は一つという常識に中指を立てる男。どのような強敵であろうと、リッカに傷一つつけず帰還できよう』

 

シトナイ、リッカ。ならばヘラクレスが起たぬ理由なし。大英雄の提案をリッカは受ける。

 

「ヘラクレス、お願い!えっと、なんだか戦い目的じゃなくても握手会みたいなノリで会えるみたいだね?」

 

『とことんテーマパークの体は崩さんのね…あの悪竜、凝り性なのかね?』

 

『それは間違いなく。話を聞く限り火のドラゴンは好戦的かつ武闘派。そんな彼等が従っているのには必ずや彼等に利がある理由があるはず。可能ならそれを探ってきてください!』

 

『うーん、敵側の良心を願う危うい行動ではあるけど…人気ドラゴンだから卑怯なわけないよね!任せたよ、リッカ君!』

 

「はい!じゃあちょっとお話してくるね!行こう、ヘラクレス!」

 

『あぁ。命に替えても君は護る。安心して本懐を果たすのだ』

 

頷き、リッカはパンフレットを開く。誰と対話すべきかとふと考え…

 

「じゃあまずは…ボルシャックドラゴン!仲間思いの古参ドラゴンの下へ!」

 

ボルシャックの間でオレと握手!なるイラストの厳つい装甲を纏ったドラゴンの下へリッカとヘラクレスは向かう。ヴリトラの狙い、そしてその真意を知るために。

 

『じゃあ僕達も準備だ。試練とやらに備えよう』

 

『カドック』

 

『?』

 

『…貴重品預けボックスは在るのだろうか?スマホや杖を落としたらどうしようか…』

 

アトラクション楽しむ気満々のキリシュタリアに、頼もしさと呆れの混じったため息をつくカドックであった。

 

 

 

 




ボルシャックの間

リッカ「おぉぉ…!」

特殊ワープを行ったリッカは、思わず息を漏らす。

銀色の鎧、両肩の大砲。見上げる巨大極まる真紅の体躯。輝く眼。

ヘラクレス「巨大だな」

ボルシャック『お、来たな。よう、はじめましてだな。オレはボルシャック・ドラゴン。ガーディアンドラゴンの一体で、ボルメテウスらの纏め役だ。よろしくな!』

巨大な拳を握手として差し出すボルシャック。ヘラクレスは物怖じせず握手を交わす。

『サンタの野郎の言う通りだな。骨の有りそうないい面構えだ…やり合うのが楽しみだぜ』

リッカ「はじめまして!お話いいですか!」

ボルシャック『いいぞ。答えられる質問を頼むな』

ヘラクレス「話が解るな…」

胡座をかくボルシャックとヘラクレス。正座するリッカ。謎の空間が展開されるのだった──。

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