マシュ『メディカルルームのマシュです!せんぱ』
アスクレピオス『起きるな、脱水症状患者』
マシュ『むぐぅ』
リッカ「──いつも」
マシュ『?』
「いつも、ほんとにありがとね!」
マシュ『!───(ぐっ)』
リッカ「うん!」
マシュ『(( ˘ω˘)スヤァ…………)』
アスクレピオス「精神の変動が目まぐるしいやつだな…」
アテルイ「田村麻呂」
田村麻呂『どうしたぁ!』
アテルイ「ボルシャック・ショーグン、ではなく。ボルシャック・ジェネラル、の方が素敵よ」
田村麻呂『ボルシャック・ジェネラル・ドラゴン最強だぜぇ!!』
ボルシャック(仲良いなこの人ら!)
『と言うわけで、見事な連携と突撃、そして必殺だった。ボルメテウスの試練、文句なしの突破となる。本当に見事だったぞ』
試練の終了と共に、ボルメテウスはカルデアに掛け値無しの賛辞を贈る。彼にとってカルデアは討ち果たす敵ではない。むしろ、正しき道を歩む敬愛すべき相手であるのだから。
『カムイの黄金もそちらに譲渡する。勝者の特権、遠慮なく受け取られるがいいだろう』
「シトナイ様、それでは共に参りましょう」
「勿論。皆、本当によく頑張ったわ!」
シトナイ、アテルイがカムイの黄金を回収しに向かい、此度の戦果は確かに楽園が総取りとなる。幻想種のドラゴン…それも異聞帯の来訪者の強靭さをまざまざと見せつけられた一幕だった。職員の安堵が、通信越しに伝わってくる。
「いやぁ、まさかこんなに竜が歯応えあるやつだとはねぇ。幻想郷で管巻いてた自分が恥ずかしいよ。やっぱり外には出てみるもんだ!」
「異聞帯…もう無いのが残念だなぁ。行けたらドラゴンたちと好きなだけ殴り放題!退屈なんておさらばだ!」
『ボルメテウスのあの破滅的火力を見てまだそんな感想を出せるなんて…』
『お前ら人間じゃねぇ!』
『鬼だぞムニエル』
「ファヴニールが貴殿のようなドラゴンでなくて本当に助かった。ボルシャック殿といい、火の竜とは誇り高きものなのだな」
「えぇ。竜は悪しきものとの通説も見直すべきでしょう。皆様には確かに、気高き魂があるのですから」
「そうそう。差別はダメよ?」
一同が互いの敢闘を称え合い、認め合う。その様子が、ボルシャックとボルメテウスには眩しく見える。もう失ったもの、友情と尊敬の意志。
『ボルシャック。お前は彼等を、虹の文明と呼んだな。お前にしては珍しい、詩的な物言いだ』
『ん?おぉよ。だってよぉ、見ろよあいつらを。俺等に勝ったあいつらの姿をよぅ』
竜に打ち勝った者たちは、何一つ同じではない。人、英霊、竜、神。それらは交わらぬものでありながら、こうして今確かに共にあり、共存している。そして明日を掴むため、戦っている。
『多くを認め、多くを受け入れ、皆で立ち向かう。たくさんの色が重なり織りなす文明…そいつは、虹っていう色にそっくりだ』
『虹…話に聞く、多重に色の積み重なった色だな。見たことはないが…文明に別れて永遠に争っていた我々には、馴染みの無い色だな』
ボルメテウス、並びにボルシャックもそれを見たことは無かった。あるのは血煙と鉄風雷火、怒号巻き起こる鈍色の空だ。晴天すら、絶えて見ずに久しい。
『さて、これからどうすんだボルメテウス?行く宛無いなら、カルデアに来いよ!』
『私がか?』
『なぁみんなー!ボルメテウスを仲間に入れてやってくれないか!俺のダチで、強さは見ての通りだ!頼む!』
話せば即決。次の瞬間にはボルシャックは頭を下げていた。思い切りのいいやつだ、とボルメテウスは毎度ながら呆れたが、それは彼だけではないと思い知る。
「大賛成!あのパワー、火力!ロマン!私の国の大艦巨砲主義が竜の形になったみたいだったもん!絶対頼もしいって!」
『勧誘の手間が省けて助かるよ。我が楽園カルデアは来る者拒まず、去るもの挙がらずがモットー!ボルシャック君共々歓迎するよ。技術部顧問のダ・ヴィンチちゃんからすれば、そのハイパーテクノロジーには大いにそそられる!』
『意志持つドラゴンだなんて放逐できるものかね!特に君みたいな戦略兵器クラスの戦力を捨てるなんてするはずなかろう!それにその…多勢に無勢だったろうしな!だがそれに文句は言うな!人間は力を合わせねば弱いのだ!』
『皆…』
「竜殺しの言葉ですまないが、是非とも皆の話を聞かせてほしい」
「はい。雄々しき黒赤の竜に気高き白の竜。実によき写真が取れるでしょう。せっかくですので和睦の証に一枚、いかがです?」
この者達が特別か、はたまた人類という霊長が為せる技か。ボルメテウスにはそれがまだ及ばなかったが、それは長らく忘れていた…労りとされる感情であったのだろう。
『もうサンタの義理は果たせたろうぜ。あいつの望み通り、こいつらと世界を救ってやろうじゃあねぇか!』
『──そうだな。あぁ…そうだな』
その通りだ。あの存在が何者か…という答えはまだ出ていないが、少なくとも、あの願いを託すに足る者たちであることは他ならぬ彼等が示したのだから。
『それでは、敗者の責務として…君達の要求を汲む。我が名はボルメテウス・ホワイト・ドラゴン。ボルシャックと共に火の文明の中核を担っていた者だ。君たちの戦いの障害…ボルシャックと共に、打ち払わせてもらおうか』
超弩級のドラゴンの加入にカルデアは湧く。ボルシャックにボルメテウス、力を借りるにはあまりにも贅沢かつ豪華な面子だ。その力は、きっと楽園の道筋を熱く切り拓く事だろう。
「いやぁー!身体を張った甲斐があったよ!ボルシャックにボルメテウスなんてデュエルマスターズの花形も花形!どんなクリーチャーだってもう怖くないよね!」
『よろしく頼む。確か、藤丸リッカだったな?加入して早々済まないが、君の戦法の選択には少々、些か、かなり、非常に危なっかしいものがある。少なくとも破れかぶれや一か八かなどという手段には決して走らないように諫言させてもらうのでそのつもりで。戦術家、参謀経験の立場から言わせて貰えば君の行動はおバカ、はたまた極めつけのギャンブラーと書いて愚か者であり…』
しぃましぇん…極めて真面目かつ、有効であったからこそ癖にしないようにリッカに釘を刺しまくるボルメテウス。奇策など頼らないのが第一。そうでもしないといけない相手はそもそも相手取らない。勝負の鉄則なのだから。
『ボルメテウス君…!是非とも倫理と戦術指導をそこのドラゴン娘に叩き込んでやってほしい!』
「えぇ?そんなことする必要ないと思うけど。無茶な選択と確率なんて、僕や皆で踏み越えて確実にすればいいじゃないか。リッカはこのままでいいんだよ。僕が保証しよう」
『………確かに、ここまでそうして勝ってきたならば、それこそが正道であり王道という考え方もできるか』
『折れないでボルメテウス君!?』
『わっはっはっはっ!最終的に勝ちゃいいのよ勝ちゃぁ!勝てば官軍負ければ賊軍!負けなきゃずっと官軍ってなぁ!』
『オレが言うのもなんだが、人間ってのは向こう見ずだよなぁ!だがその方が人生楽しいしいいよなぁ!』
『ボクとしては、無事に帰ってきてくれるならなんでも構わないさ!とにかく、本当にお疲れ様!』
こうして試練はクリアされ、ドラゴンとオニキュア…戦力はますます向上していく。次なる試練の頃合いだ。
『次の相手は、多分バザガジールだな。あいつを抜くとボルバルザークとスサノオだ。後回しにしたほうがいい。』
『調べてみたら、君達ほど圧倒的な知名度…ってわけじゃないんだよね。どんな相手なんだい?』
『アイツはあれだ。とにかく人当たりが良かった。背中に皆乗っけて飛ぶのが好きでなぁ』
「ファンシー!」
『だがそれだけに、心に受けた傷は深いだろう。何か妙な啓蒙を開いてなければ良いのだが…』
人当たりが良く、それでいて繊細なドラゴン。バザガジールの試練はジェットコースター。行方不明のオニキュアも含め、皆の試練の旅は続いていく…──
ボルシャック『仲間入りしたはいいが、まずは修理だな。自慢のユニットがメチャクチャじゃねぇか』
ボルメテウス『名誉の負傷だ、悔恨はない。しかし主砲だけなど取り回しが効きにくいことこの上ない。なにか代替装備を見繕わなくてはな…』
エル『ボルメテウスさん!!その代替装備、僕に任せてもらえませんか!!』
ボルメテウス『む、君は?』
エル『はじめまして高橋エルです!ドラゴンとメカ、新たなる可能性を見出してくださったあなた、ボルメテウスホワイトドラゴン!そんなあなたに、僕の魂を背負ってほしいのです!これを見てください!』
『設計図』
ボルメテウス『これは…!』
エル『ボルシャック・ジェネラル・ドラゴンに続く楽園だけのドラゴン!ブースターと多腕ソードを付けた全距離対応ドラゴン装備!その名もボルメテウス・イカルガ・ドラゴン!!』
ボルシャック『おぉ!』
エル『お願いします!あなたの力に、なりたいのです!!』
ボルメテウス『──解った。頼む!』
エル『はいっ!!』
こうしてまた、楽園に新たな力が宿る…。
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