店長「ドラゴン達よ。新たなる道筋をカルデアと共に歩むのだ。きっと…新たなる答えを見出だせるはずだ」
(人と竜、人間とクリーチャーは切っても切れぬ関係だ。未来を掴むのだぞ。君達が望む未来を…)
拘束具に縛られた女性【十パックください】
ザキーラ「毎度ありー」
『ボルシャック、ボルメテウス。白き龍…オニキュアの皆。カルデアの皆。心折れ、刃持てぬ我に…ここまでの事をよくぞ行ってくれた。おかしな話だが…心から、感謝する』
竜の背中にて行われる酒宴。それらの喧騒は一先ず終わりを告げ…バザカジールらは天空より舞い戻り、顔を突き合わせ対話を行っていた。バザカジールは、ガーディアン・ドラゴンであり、彼の承認なくば試練は決して終わらない。だが…その結末を気にかけているのではなく、一同はバザカジールが出すことにこそ注目している。彼が尚、自死を選んでしまえば…楽園の旅路は消えない傷を刻むのだから。
『バザカジール…どうだ?気持ちは少しくらい、いい方に晴れた…か?』
ボルシャックの問いかけは、彼らしからぬ弱々しいものだ。バザカジールが彼に心配していたように、ボルシャックもまた、自分自身の劫火によって全てを焼き尽くしてしまった事を深く気に病んでおり、バザカジールの心の傷と絶望は自分自身の責任だと自覚していたのだから。
『少しくらい…じゃないぞ、ボルシャック。皆の行いは、皆の心は…確かに伝わった。確かに…我が心へと届いたのだ』
そう、バザカジールは理解した。彼等が、彼女らが示してくれたもの。ただ討ち果たせば良かっただけの自分にも、慈愛と共感、戦う以外の選択肢を選んでくれたのだ。
『そして…この世界に生きている種族。カルデアの人々よ。君達は私を…我々を、かつての友にまた会わせてくれた』
『あぁ。私達ももう二度と会えないと諦めていた友が、異なる世界でこうして生きている。皆に愛され、生存している。その事実を確かめられた事はとても、喜ばしい事だ』
それはバザカジールだけではなく、ボルシャック、ボルメテウス…かつての仲間達にとっても救いとなっていた。どのような形であっても。汎人類史にいる彼等が、滅び去った彼等とは同じではない存在であったとしても。
『あいつらの魂が、存在が受け入れられ、受け止められたって事実が何よりも嬉しいぜ!俺からも言わせてくれ。本当にありがとな!』
『これ以上、何を示してもらう事があるだろうか。私の…バザカジールの試練は完遂された。無論…文句無しの合格だ』
「それだけじゃ足りません!」
「バザカジールさんのこれからは…!」
『…………』
長い、長い沈黙だった。それは出すべき答えを、口に出すべきかを逡巡しているかのような。口にするのを憚られているかのような、深い深い沈黙。
「なんやのん、ばざかじるはん。まだ踏ん切りが付ききらへんの。ほんまに繊細なんやねぇ」
「酒呑…」
「うちらの酒盛り、別に死出の祝いをしたかったわけじゃないんよ?むしろ門出を祝いたかったんやけど…伝わらなかったん?」
『皆…』
『えーと、私が口を出していいことかは解らないんだけど、一応思った事を言わせてもらうわね』
未だ悩める素振りを見せるバザカジールに、ルゥが単純に思い浮かべた言葉を告げる。それは導くという高尚なものではなく、彼女がただ単に思った事を告げるのみ。
『これからもこの場所やカルデアで、乗せる誰かや…仲間の為に頑張ってみるのもいいんじゃない?』
ルゥの言葉に顔を上げるバザカジール。そこには、彼が失った全てがある。かつての友人、そして…再び護るべき小さきもの。
『──。もう、これ以上。皆に気遣いと醜態を晒すわけにはいかないな』
そう、再び魔剣を握る理由はいくらでもある。滅びた世界で、何故自身たちは生き延びたのか。何故自らは生きているのか。
ボルシャックと、ボルメテウスは生き様を見出した。片や世界を護る新たな戦いに身を投じる為に。片や、今なお続く世界を、虹の文明を護るための戦いを行うために。
『腑抜けた無様は、もう晒すまい。立ち止まるのはもうやめだ』
彼の戦う理由はこの世界にある。いや、溢れている。溢れかえっていると言っていい。かつては護れなかったもの。弱くとも懸命に生きようとする、全ての者たち。
そして何よりも──姿を変え、魂を同じくする、この世界に存在している友を、数多の友人達を護るために。剣を、刃を再び奮い立たせる。
『バザカジールの試練を乗り越えし勇者たちよ。かつての滅びを生き延びし同胞たちよ。君達の戦いに、君達の旅路に…我が魔剣を捧げよう』
最早、死して彼等に詫びる事など忘却の彼方である。彼はもう一度立ち上がる。立ちはだかる全てを薙ぎ払う為に。
『そして願わくば…カルデアにて弔いの間を設けさせてほしい。我が二本の腕は開拓の為に。そしてもう二本の腕は…』
「慰安と、弔問。英雄を弔うように。あなたの剣は、そのために振るわれるのですね」
アテルイの言葉に、バザカジールは頷いた。もう迷うことはない。もう死を求める事もない。だが…滅びた世界を、散っていった仲間達を忘れることもない。
『その誓いとして…我が預けられしカムイの黄金、カルデアへと託そう。この儀を以て、そちらの組織への恭順の意志とする』
そして託される、彼が所有せしカムイの黄金…ガーディアン・ドラゴンの証。それをアテルイへと渡し、マスターたるリッカへと跪く。
『此度の催しを立ち上げていただいた貴殿に、改めて心からの感謝を告げる。戦う、討ち果たす。それ以外の選択を選べる皆に、敬服を』
「私一人では、それはただの世迷い言でした。私の願いを叶えてくれるのはいつだって…」
リッカは手を広げる。そこには人、鬼、神、竜…酒盛りの片付けを行う皆の姿。
「ドラゴン空巡りとかすっげぇ楽しかったなぁ!またやろうぜ!」
「結局用意したのあたしとアテルイが食べたじゃん…」
「いいんだよ、お前らが腹いっぱいならそれでいい!」
【高いところこわい】
「まぁ確かに、高かったな。少しずつ慣れていこう、我が母」
『楽しかったー』
「あのオニキュア!酒呑童子にそっくりなあのオニキュアはどこへと行った!?さいん!さいんが欲しい!」
「「うぃ〜〜………」」
「あいも変わらず傍若無人に飲み散らかしやがって…。全く、人生がいつも楽しそうで何よりだよ、全く」
「片付け、よろしゅう頼むわぁ。ね、うらはん?」
「へぇへぇ。もう慣れっこだよ。さ、楽しい楽しい片付けの時間だぜーっと」
「お手伝い致します!温羅さん!」
「おぉマシュ嬢!よっしゃ、一気にやるとしようか!」
そこには、種族も分け隔てないかつて彼が…誰もが夢見た共、虹のような、多種多様な交わり。
「こんな、素晴らしい仲間達ですから!」
『──あぁ。そうだ、その通りだとも』
かつては護れなかったものたち。そしてこれから、護る者達。その輝きを、今度こそ手放す事のないように。
『さぁボルメテウス、バザカジール!あとルゥ様!俺らも片付けやんぞー!!』
「せんぱーい!今こそ先輩のドラゴンパワーを発揮するときですー!」
『モロコシは残してない?残しちゃだめよ。砲撃しなきゃ美味しいのだから』
『さぁ、行こう。私に、君達を手伝わせてくれ!』
「はい!そしてマシュ!ドラゴンパワーってなんじゃーい!!」
こうしてまた、新たなるドラゴンが楽園の旅路に参ずる。
『最早おらぬ同胞たちよ。そして、この歴史に生き抜く生命達よ。私は再び振るおう。素晴らしき仲間と共に、この剣を。あらゆる全てを、護る先駆けとなる為に』
その在り方に最早迷いはなく。再び虹の文明に、新たなる彩りが加わることを意味する事を意味するのであった──。
パレード・コントロールルーム
ボルバルザーク『ぐはははははははぁ!そうかそうか同胞どもよ!お前たちはこの世界を愛し、朋友を作り!この世界の為に戦うか!』
『ならばオレは!貴様ら全てと戦おう!その方が何よりも!!面白そうだからなぁ!!!ぐははははははははぁ!!』
マグマスプラッシュ・最奥
スサノオ『──────────────。』
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