人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ボルシャック・将軍(ジェネラル)・ドラゴン
スター進化クリーチャー
火文明
アーマード・ドラゴン/レクスターズ/サーヴァント/サムライ
コスト12
パワー12000+
・スター進化(火文明クリーチャー又はレクスターズ・クリーチャー一体の上に置く。このクリーチャーは召喚酔いせず、場から離れる時に進化元は残る)
・このクリーチャーの召喚コストは、自分の場と墓地のドラゴン/ファイアー・バード/レクスターズ/サーヴァント一体につき-1される。ただしコストは0にはならない。
・パワードブレイカー(このクリーチャーの盾ブレイク枚数は、パワー6000毎につき+1される)
・このクリーチャーのパワーは、自身の場と墓地のドラゴン/ファイアー・バード/レクスターズ/サーヴァント一体につき+2000される。
・自分のクリーチャーの攻撃時、自分のデッキの上2枚を公開して手札に加える。その後、そのコストの合計分まで相手の場のカードを選び持ち主の墓地へ送る。

フレーバーテキスト……燃える龍の魂。東国にて語られる武の極。二つが重なり、新たな未来を切り開く。

ボルメテウス・イカルガ・ドラゴン
クリーチャー
火文明
アーマード・ドラゴン/グレートメカオー/キカイヒーロー/レクスターズ/サーヴァント
コスト10
パワー30000
・革命チェンジ(自分のコスト5以上かつ火文明のドラゴンが攻撃した時、手札のこのカードと入れ替えてもよい)
・トリプルブレイカー(このクリーチャーは盾を3枚ブレイクする)
・このクリーチャーが場に出た時又は自身のターン開始時に、自分の手札と超次元ゾーンからコスト合計が自分のマナ枚数以下になるように好きな枚数ドラゴン/グレートメカオー/サーヴァント/レクスターズをバトルゾーンに出す。これらはそのターン中相手プレイヤーを攻撃でき、ターン終了時に手札に戻る。
・ファイナル革命……このカードが革命チェンジによって場に出た時、まだこのターン「ファイナル革命」とつく能力を使っていなければ発動可能。このターン、自分のクリーチャーの攻撃先は変更されず、相手はシールドを手札に加える時代わりに墓地へ送る。
・このカードが場から離れた時、クリーチャーを全て破壊する。

フレーバーテキスト……「さぁ目覚めなさい、僕の相棒!」エル

こちらはガーディアン・ドラゴンのカードテキストになります!

ちきん主さん、ありがとうございました!


救える世界

『おーう。バザカジールも打倒し、試練を三つ乗り越えたか。流石は人理を救うと息巻く組織じゃ。その奮闘、その決起。実に愉快、愉快じゃ。き、ひ、ひ』

 

ボルシャック、ボルメテウス、そしてバザカジールの試練を乗り越えたカルデア一行。なんとヴリトラ直々に、メッセージレターめいた通信をカルデアへと寄せてきたのだ。身構える一行に対し、ヴリトラはあくまで享楽的かつ自然な振る舞い…せんべいでもかじっていそうな呑気さである。

 

「そこは焦るところじゃないかな。どこの雑竜か解らないけれど、自慢の試練も防御も打ち破られているんだよ?」

 

「降伏するなら、受け入れる準備はあるわ。悪いことは言わない、賢明な判断をしなさいな」

 

二人のメリュジーヌの挑発、勧告にも動じた様子を見せずにヴリトラは笑う。意外なことにソレは嘲笑、侮蔑の意味を持たずどこまでも楽しげだ。

 

『吠えるでない吠えるでない。元々試練なんぞは飛び越え、乗り越えていくもの。稚拙なつく〜るで手掛けたものでもなし、ガーディアン・ドラゴンとの戦いとは乗り越えて当然なもの。その結果に一喜こそすれ、一憂などするはずもなかろう。むしろ期待通りに事が運んで何より、と言ったところじゃ』

 

「高みから、彼等カルデアを見下ろして楽しんでいる。邪悪なる竜らしい悪辣さですね」

 

『ほう。カムイの黄金に惹かれた英霊…アイヌの星見か。よいよい、存分に活躍できているようで何よりじゃ。これからもその調子でのぅ。き、ひ、ひ』

 

何をするにおいても、鮮烈であるならばそれで良し。ヴリトラは鷹揚であり、寛容であり、それでいてどこまでも高次の視座でものを見ている。試練とカルデア、ひとまとめに楽しんでいるのだ。

 

「それで、なんだ?わざわざ顔見せて激励のメッセージを贈ってきてくれた訳か?サービスだってなら嬉しいが、残り2体の試練の概要でも伝えちゃあくれないかねぇ?」

 

温羅は油断なくカマをかけ、情報を引き出さんとやり取りを仕向ける。せめて次に挑む直近の情報を抜き取れれば、次に挑まんとする皆の活路に繋がると考えたが故だ。

 

『ほう、情報か。同郷のドラゴン三体が仲間入りしたのじゃ、思うままに聞いてみたらええではないか?』

 

『それがよぉ、ヴリトラの姉ちゃん。ボルバルザークはともかく、スサノオの方は何が何やらさっぱりなんだわ』

 

ボルシャックの言葉に、ボルメテウスもバザカジールも頷く。かのスサノオと名を冠するドラゴンだけは、ボルシャックらも仔細は把握していないのだという。

 

『世界が全て滅びた最終戦争。それが終わった後にスサノオは現れた。雄大で威風と威厳を有した竜…だが、そもそもそれがおかしい』

 

『残ったのは…ボルシャック、ボルメテウス、ボルバルザーク、そして我、バザガジール。我等火文明に、スサノオという名のドラゴンは介在していなかったはずであるのだ』

 

文字通り全てが劫火に消えた最終戦争。その生き残りは自分たちしかありえないと断言するほどの凄絶な壊滅。生き残りなど、ありえないとされる程に徹底的な滅亡。故の剪定。

 

『世界中を駆け回ったんだ。生き残りも封印も綺麗サッパリ消えてたあの世界に生き残りの余地なんぞねぇ!』

 

(生き残りが、いないと断言するほどの壮絶な戦争の果て…)

 

(ちょっと、生半可には想像できないね…)

 

ならばこそ、スサノオがいる余地などあの世界にないとしたボルシャック達はヴリトラに詰め寄る。あのドラゴンは、一体なんであるのかと。

 

『ふぅーむ。まぁ別に、わえのマスターに口止めにされる訳でもなし。これまでの奮闘に報いて教えてやっても良いかのぅ。達成ぼーなす、というやつじゃ』

 

きひひ、と笑いヴリトラは告げる。スサノオと呼ばれるドラゴンはなんであるのか。それは…

 

『スサノオ…暴嵐竜『Susano-O-Dragon』。それは貴様ら異聞帯である世界に根を下ろすもの。汎人類史における『空想樹』と同義の役割を果たす為に用意した存在。貴様らの世界を正しき場所と正しき在り方に成す為に、マスターが用意したものである』

 

その概要に…意味を理解したカルデアの面々は絶句、戦慄を催す。そして眉唾とも言うべき物言いに、他ならぬボルシャック達が問い詰める。

 

『空想樹ぅ?俺等の世界を戻すだぁ?笑えねぇジョーダンは大概にしやがれ!』

 

『足りぬ頭を懸命に使わぬか、火の文明。まぁアレの見てくれと名前は汎人類史において、五大龍を引き裂いた二体の暴竜がうちの片割れを再現したものでありで、スサノオでありスサノオではないがの。ガワを怪しまれぬように整えた、といったところじゃ』

 

『正しき在り方、正しき場所、それはどういった意味だ?』

 

『知れたことよ。空想の樹が根を下ろす事により、異聞帯は空想ではなく現実となる。貴様らが生きた世界が、全てが、宇宙に見捨てられた行き止まりの存在が…『汎人類史となる可能性を有するのよ』』

 

『『『!!』』』

 

それは即ち、汎人類史への侵略にして踏破。己の世界を、正しき在り方へと移すもの。ヴリトラのマスターを名乗るものは、それを用意したのだという。即ち、スサノオドラゴンとは竜であり、彼等の世界に打ち込まれし『救済』であり『生存権』であるのだ。

 

『スサノオドラゴンには貴様らの世界の始まりから終わりまで、全ての情報が詰まっているのじゃ。汎人類史に成り代わった暁には、貴様らの世界を再び始めるための礎となるであろうよ。わえのマスターは貴様らに言わなかったか?』

 

『…世界を、救って…』

 

『それを汎人類史の救済などと勘違いするとは、野蛮でありながらお人好しじゃの〜。救う世界とはそのまま、貴様らの世界そのもの。わえのマスターは初めから、貴様らに再びの救済の目をもたらしていたんじゃよ。やっと脳天気な貴様らも理解したようじゃ。き、ひ、ひ』

 

それはあまりにも悪辣なタイミングであった。スサノオ、ボルバルザーク。残りのドラゴンが半分を切った中、突きつけられる自らの世界の救済の可能性。

 

『スサノオドラゴンを倒すのは勿論構わぬぞ。試練として、ガーディアン・ドラゴンとして鎮座しておる。だが…倒してしまえば最早、貴様らの世界に再起の目はない』

 

『滅びた世界が、蘇る…ルピアや、皆が…』

 

『汎人類史に帰属し、自らの世界に止めを刺すか。スサノオドラゴンを護り世界を救えと告げたわえのマスターの言葉に殉じるか。その選択もまた、貴様らに与えられた試練と言うことよ』

 

「ヴリトラ、あなたのマスターって…!」

 

『あぁ、藤丸リッカ。少し頭を使えば解るじゃろうが…ダンテと名乗る者がわえらのマスターじゃ。少なくとも、ろくなマスターではないがの』

 

『空想樹を用意できるマスター…ダンテ…!』

 

『公然の秘密じゃが、次の試練を越えた暁にはマスターの情報をくれてやるぞ〜。好きに選ぶが良い。己の世界か、見ず知らずの正しき歴史を僭称する人類史か。その葛藤、その選択もまた、ガーディアン・ドラゴンの任を解かれた貴様らへの試練である。精々頭を抱えて納得できる答えを出すがよい。悩みながら、どこまでも悩みながらのぅ。き、ひ、ひ…!』

 

ヴリトラの言葉を最後に通信が途絶える。それは、滅亡し燃え尽きた世界に再びの選択を与える天啓の選択。

 

「ボルシャック…ボルメテウス…バザカジール…」

 

彼等の世界が再び息を吹き返す。だがそれは、汎人類史の殲滅、生存競争を意味する。彼等と繋いだ絆は、早くも断ち切られる憂き目にあうだろう。

 

あまりに衝撃的なスサノオの存在意義。宴の余韻も消え去るほどに、突きつけられた選択は重きものであった…。




ボルバルザーク『ぐははははははは!!よう、戦友たちよ!そしてカルデアの猛者達よ!オレ様の声が聞こえるか!いや聞け!!』

リッカ「!」

『オレ様の名はボルバルザーク!ガーディアン・ドラゴンの一人!ボルシャックらの朋友にして、最強の殿堂王!!!』

ランスロット「うるさい…」

ボルシャック『うるせぇなボルバルザーク!ちっと今真面目な話してんだよ!』

ボルバルザーク『知ったことか!!貴様ら、次は俺様に挑め!!』

ボルシャック『はぁ!?』

ボルバルザーク『スサノオの前に俺様に挑戦しろ!いいか、俺様はパレードで待っている!試練などは基本どうでもいいが乗り越えたいなら試練はだた一つだ!俺様に!勝て!!』

ボルメテウス『貴様…もしやスサノオを守護するつもりか!?』

ボルバルザーク『??まぁとにかく待っているぞ!俺様を倒せ!話はシンプルなのだからなぁ!ぐははははははぁ!!』

ボルシャックらに示された救済。それをしってか知らずか笑うボルバルザーク。最強のドラゴン。

ロマニ『なんて最悪なタイミングだ…!このままじゃ仲間入りしてくれたせっかくの三体が…!』

「…………」

突如始まった世界への選択。リッカもカルデアも、三体にかける最適な言葉を、見出だせずにいた──

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