ムニエル「しかしなんで、わざわざこんな特異点を作ったんだろうなぁ」
はやて「こんな?あぁ、ランド?」
ムニエル「そうなんすよ。苦しめるだけならもっとこう、ドラゴンまみれにしてもいいわけでしょ?なのに苦しめるどころかめちゃくちゃ楽しませてくれるし…」
ダ・ヴィンチちゃん「案外私達へのご褒美なのかもしれないよー?試練を乗り越えたら好きなだけ遊んでいいよー!みたいな?」
ムニエル「そんなこと…ない、とは言えないな…」
ロマニ「でも、それがご褒美になるかどうかは僕たち次第だ。キリシュタリア達が目覚めたら遊び倒せるような、そんな環境を手に入れよう!」
ゴルドルフ「サタンといいヴリトラといい…なんか今回エンジョイ勢多くないかね…?」
『いよいよ、残る試練…倒すべきドラゴンは二体となった。今回の特異点の首謀者たるヴリトラ…そしてそのマスターたるダンテ、いや…サタン。改めてブリーフィングを始めようか。ギルもマリーも席を外しているけど、それでも僕達だけでもできるってとこを見せてやろう!』
ロマニの言葉に深く、強く頷く一同。カルデアはドラランドのクライマックスに立ち合わんとしていた。そう…カムイの黄金とドラランド総取りをかけた決戦が、まもなく始まらんとしている。気合を入れ直すのを含め、ブリーフィングが行われているのだ。
「あ、このハンバーグ美味しい!」
「うんうん。いっぱい食べるんだよマスター。もしかしたら、君は僕の…コホン」
フードコートにて。皆思い思いの料理を食べつつロマニの激を聞いている。聞き流しているともいう。
『くそぅ、テーマパークとしても完璧だもんなぁここ!くれぐれも聞き落としはしないでね!あと持ち帰りお願いできるかな!』
『セットメニューくらいなら楽園にかかれば余裕さ!』
『やった!じゃあシバの分も含めて二つね!』
『何の話をしているのかねドクター!?』
『あ、すみませんゴルドルフおじさん…』
『おじさん呼ばわりはやめないか!君のほうが歳上だし29だからね私!』
『はいはい、おっさんズはわきにどいてー。では本題に。万能の天才ダ・ヴィンチちゃんが司会を勤めよう!』
同時にリッカの端末、ディーヴァを通して映像が展開される。それはカルデアが纏め上げたドラランドの動向であり活動の為のマップでもある。
『ヴリトラはドラランド中心部のタワーに反応がある。これは先程まで封印、遮断されていたのだけれど…先程それの解除を確認した。間違いない、誘っているのだろう』
「倒したければかかってこい、か。解りやすくていい。倒すぞ。そうすれば特異点も解決だ」
『そう簡単にもいかないのさ、ニキチッチ。対して空想の龍、スサノオは塔より離れた火山エリアに鎮座している。タワーなら走るにしても飛ぶにしても、結構な距離だ。向かうだけでも時間がかかってしまう。まぁそこはロマニワープでどうとでもなるんだけど…』
ロマニワープとはつまり令呪転移である。全員に魔術としてかければ転移など容易い。そんなロマニというチートを当てにしても、懸念材料は残るという。
『我々の調査からの推察として、空想樹はエネルギーを十分に吸収した際、開花する。そして飛ばすんだ。繁栄の為の種子を。スサノオドラゴンが空想樹である場合、その種子を撒き散らす可能性は大いにある』
『種子…要するにアレか、オレらの世界を根付かせる為の種ってヤツか』
デカ過ぎんだろ案件によりフードコートのたすき掛けとバルーン広告に甘んじるボルシャックの問いに、ダ・ヴィンチは頷く。そしてそれに、猶予はないと。
『ヴリトラ、或いはサタンか。とても周到な段取りをしているようでね。ヴリトラを先んじて攻略した場合、丁度倒した後に開花する計算が出ているんだ』
『つまり…ヴリトラを先んじては間に合わないと』
『由々しき事態ですよッ!!万が一スサノオドラゴンが宇宙の騎士テッカマンブレードに登場するラダムのような生態を取る場合、ばらまいた種子は人間に取り付き素体テッカマンならぬ素体ドラゴンを作り出してしまうかもしれません!早急にして迅速な対応を僕は提案いたしますッ!!』
ボルメテウスとエルの意見を受け、ディーヴァが溶岩内部のスサノオドラゴンのエネルギー総量を計算する。そしてその結果は楽観視など挟まらぬものだ。
『…どういう理屈かはわからないけど、彼のアトラクションのマグマ部分は本物みたい。火山や溶岩の膨大なパワーを吸い上げてる。計算ではあと、三十分で満タンになるわ』
「三十分!?ラスボスたるヴリトラさんを打倒してあちらに行って…間に合うでしょうか!?」
マシュの問いに是を返すことは誰も出来なかった。時間はあまりにも足りず、凄まじい迄の強敵であることが予測される二体。カルデアは、決断を迫られる。
『やはり、2面作戦しかありませんね。トリスメギストスも、ルル君も結論を同じくしています』
『順番ではなく、同時に倒すんだ。そうすることで、開花と特異点の攻略を全く同時に完遂する事ができる。万が一にも、ドラランドに集まっている市民の皆さんを危険に晒さないベストプラン…』
ルルが告げるように、同時に倒すことさえできれば開花のタイムラグも移動のタイムロスも考える必要もなくなる。ヴリトラも、スサノオも。カルデアの力を双方に結集することにより、護るべきものと勝利を同時に掴み取るのだ。
『無論これは戦力を分散させるという事でもある。ガーディアン・ドラゴンの元締たるヴリトラ、そして空想龍スサノオ。総力戦で倒すべき相手であるにもかかわらず、戦力を分かたなければならないという矛盾。グランドマスターズの大半が行動不能という点も鑑みて…』
『コホン。いつまでも威厳が無いという指摘を甘んじて言おう…とんでもないなこの難易度!?』
そう、ただ漫然とクリアしていただけではここで詰んでいた。ヴリトラを倒し聖杯を手にしても、養育されたスサノオが起動する。そしてスサノオを倒しただけではヴリトラとガーディアン・ドラゴンが残っている。必ずや、限界が来てしまうのだ。ゴルドルフの言葉は最もである。敵も味方も凶悪にすぎるのだ。
『そういう事か。それだったら、スサノオの方は俺らに任せとけ』
そう、味方も凶悪であるのだ。ボルシャックはなんら気落ちせず口にする。スサノオへの対峙を。それはボルシャックだけではない。
『私達の世界の妄執は、私達の手で断たねばならん。これが…私達でカルデアでするべき事なのだろう』
「ボルシャック…ボルメテウス…」
「いいのかよ、お前ぇら。改めて尋ねるがよ」
田村麻呂が問うのは、自らの世界の完全なる剪定。空想を根付かせる存在として、スサノオは不可欠な存在であろう。それを倒すということは、再起の目を完全に討ち果たす事となるが…
『ぐはははは、今更何を悩むことがある!虹の文明とは色の多様、今更赤一つなど邪魔に過ぎよう!』
『我等の世界は我等の手で幕を引く。我等が虹の文明と歩む以上、決して避けて通れぬ道だ。覚悟はできている』
…サタンがこの結末を予想していたのだとしたら、実に悪辣極まる。しかし、カルデアとガーディアンドラゴンの間には確執ではなく、絆が生まれていた。故にそれは、対立ではなく勇退であり決着として。
『だからよ、カルデアの皆。お前らにはヴリトラを頼みてぇ。アイツは試練に挑む奴等を待ってるんだ。それはドラゴンではなく、人間だ。虹の文明のお前らをな』
「…はい。カムイの黄金を散布し、皆様の悪戦苦闘を楽しんでいたのは間違いないでしょう。皆様を、待っていると思います」
ならばその期待と信頼に応えないカルデアではない。元々聖杯の確保こそが、楽園の使命であるのだから。
「うん、任せてよ!私達は必ず、ヴリトラをやっつける!だから…」
『おうよ!心配はしてねぇぜ、ガツンとぶつかってこい!!』
『ぐははははは!!こちらは任せておけぃ!!』
ドラゴン達と拳を打ち交わすリッカ。このドラランドにて出会った仲間達に、空想の伐採を託す。
「もぐもぐ…もぐもぐ…美味しいです!おかわりお願い致します!」
「なんか最近、マイペースに磨きがかかってない?マシュ…」
「美味しいです!先輩もどうぞ!」
「えーい、ありがとう!」
そしてリッカ達は、邪竜の征伐へ。竜の楽園たる支配者、ヴリトラへと向かうのだ。
──決着、そして克己の時は近い。
温羅「リッカ、ちょっといいか?」
リッカ「?ウラネキと…」
ルゥ「こんにちは!」
リッカ「ルゥちゃん様!」
温羅「ちっといいか?お願いがあんだ」
ルゥ「ん。とっても大事な事なの。ちょっと、結構…いっぱい苦労かけちゃうかもだけど…」
リッカ「???」
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