『君達を拘束させてもらう』
『君に総てを奪われたマスター達です♥』
『これよりカルデアは私が指揮を執る』
《――雑種が。不遜にも奴等が至る結末を汚さんとするか》
《――仕方あるまい。魂の研鑽、それを為せばさっさと消えてやるつもりでいたが・・・》
《――何の庇護もなしにエアを悪性の渦に巻き込むわけにもいかぬ。・・・仕事を増やすとするか》
――何。エアめが存分にその気にさせたのだ。ヤツの存在に免じて、総ての不満は水に流すとしよう――
レイシフトを終え、ゆっくりと目を開く
「あぁ、お帰りなさい!みんな!」
駆け寄り、マスターとマシュを抱き締めるマリー
「よく、よく無事で・・・あんな状況から、よく皆無事で帰ってきてくれたわ・・・!本当に良かった・・・!」
涙すら浮かべながら二人を労う。気が気かでなかったのだろう
「大丈夫大丈夫!私は人類最後のウルトラマスターだよ?ギルもマシュも、マリーやロマンもいてくれる。そんな私に敗北は無いから!だって勝手に死ぬわけにはいかないでしょ?私の命は、もう私だけのものじゃない」
バシッ!と拳を鳴らす
「『私の命は、未来を望む人達皆のものだから』!私が勝手に使い潰すわけにはいかないよね!だから私は負けないよ!いつか世界を取り戻すまで!ね、マシュ?」
パチリ、とマシュにウィンクする
「先輩・・・!」
そしてマスターはマリーの手を取る
「ね、マリー!いつか皆で見ようよ!マリーの心の、あの景色を!私達皆で!」
「リッカ・・・」
「グランドキャスターなんかに邪魔はさせない!私達が生きる、私達だけの未来を皆で取り戻そう!!」
・・・スタッフの皆がリッカを見つめる
不安だった。理不尽に膝を屈してしまうのではと
申し訳なさがあった。最前線に彼女を送る事実を
・・・母親の愛すらまともに知らぬ少女は、壊れてしまうのではないのかと
だが、人類最後のマスターは総ての不安をその在り方だけで振り払った
『何をすれば、愛してくれますか』
親からの愛すら知らず
真っ当な女子としての力すら身に付けられなかった、哀しき半生
魔神すら狂乱する深淵を心に抱きながら、底抜けのする笑顔で彼女は言うのだ
『私の命は、未来を望む総ての人達のものだ』
『さぁ、私達が望む未来へいこう!』
『私は、生まれて良かった』
その在り方に翳りはなく。その歩みは総てを惹き付ける
故に、彼女は進み続ける
苦難を、苦痛、煩悶を、絶望を抱きしめ。輝かしい未来に向かって
「――」
――心から、彼女に感謝と敬服を
王と自分だけでは、けしてこの旅路は生まれなかった
「――フッ。かの肉塊共も、マスターを早く目の当たりしていれば違った所感を懐いたであろうよ」
それほどまでに彼女は輝かしい。それほどまでに彼女は眩しい
(キミが尊いなら、彼女は眩しいだね、ホント。目を潰すくらい輝いているのに、それを遮る闇がちゃんとある。だから彼女は輝かしいんだね)
――改めて、マスターリッカに敬服を
絶望を知り、苦悩を知り。愛を知らず
友情を重んじ、努力を欠かさず、勝利を懐く
光と闇を懐くその魂に、心から祝福を
それでも、未来を掴むために戦う彼女に
――アナタの下に自分達が来れたのは、かけがえのない奇跡でした。
本当に――
「・・・フッ、やはり貴様は我のマスターに相応しかった、という事か」
わしわしとリッカの頭を撫でる
「えっ!?ギルのマスターとして認めてもらえた!?」
「仮にもグランドを目の当たりにしてその頑強ぶりだ。呆れたその頑丈さは評価せねばならんだろうよ。全く・・・――この旅路は、我の予想を覆す事ばかりよ」
――ありがとう、リッカ。キミの優しさを忘れない
『祈った誰かに、やっつけさせちゃうかもしれないし』
あのときの君の優しさを
『これが私の――マスターとしての決意だぁあぁあぁあぁあっ!!!』
あのときの君の力強さを
自分は、けして忘れない
――これからも彼女が率いるこの旅が、善きものでありますように
そして・・・この三人の歩む未来が、祝福と希望に満ちた世界に繋がりますように――
「――――や」
「ん?」
「やったぁぁあ――!!ギルに認めてもらえたぁあぁあ!!これって半人前卒業!?半人前卒業なのギル!?」
「うむ。ヒヨコの殻が取れた、といった成長だ。大躍進ではないか!誇るがよい!貴様は立派なヒヨコになったのだ!ふははははははははは!!」
「やったぁあ――!!マシュ!マリー!ロマン!ダ・ヴィンチちゃん!スタッフと英雄、部員の皆!――ギル!!」
歓喜を表し思いきり跳び跳ねる
「私を受け入れてくれて、ありがとう!!このカルデアに来て、本当に良かった――!!」
それは、まさしく
・・・『父』に誉められ、はしゃぐ子供そのものの姿だった――
「あまり無理はしないの!連戦に次ぐ連戦だったんだから、バイタルチェックとカウンセリングを受けなさい!」
「そういう所長もです。顔色が蒼を通り越して真っ白です」
マシュの指摘にマリーを見やる
「無理もあるまい。固有結界を我が本領を出し尽くすまで維持し保ち、世界を守護せしめたのだ。世界の修正、我が威光の許容。聖杯が無ければとうに砕け散っていよう」
「それは・・・いいんです。自分が決めたことで、自分がしたかったことですから」
ぐっ、とギルを見上げる
「カルデアを代表して、貴方に最大限の感謝を。英雄王ギルガメッシュ。貴方がいてくれたから、私達は戦ってこれました。そして、これからも・・・」
「赦す。我を楽しませ、崇め、敬い、揺るぎなく進め。さすればゴージャスの名の下、我は財たるお前達を庇護し続ける」
――うん。だから
これからもよろしくね。頑張り屋さんな所長さま
「は、い・・・」
気が緩んだのか、マシュに倒れかかる
「所長!!」
「精神的疲労か。肉体の軛は逃れたとはいえ、魂と精神は尾で繋がっている。人間である限りソレからは逃れられはすまいよ」
「・・・ありがとう・・・ギル・・・私を、人、間と・・・」
「先輩!」
「うん!ギル!フランの案内とマリーの搬送やって来るね!」
「貴様も休めよ。今回はここで解散とする。それなりの激闘だったのだ。しっかりと楽園にて休むがよい。必要なら我が財のカプセル『すまない』を提供する」
「じゃあ行こう!フラン!マシュ!よっこいせ」
お姫様だっこでマリーを運ぶ
「ちょ、ちょっと・・・」
「いつもありがとね、マリー。私が生きていられるのは、マリーのお陰だよ。その恩返しくらい、してもいいでしょ?」
「――――わ、解ったわ・・・恥ずかしいから、早くね・・・」
「うん!よぉおぉおし搬送だぁ――――――!!!」
「やっぱりゆっくり――!!!」
「それでは英雄王、また!」
「養生せよ」
慌ただしく駆け抜けていく、人類の希望たち
「君達も自由にしてくれ!数時間後には全員参加のパーティーを企画している!部員の皆から大量に仕入れられた資材で、飲んで歌って騒ごうじゃないか!」
――もちろん。忘れてはいけない
このカルデアという船を動かす、大切な船員達を
「貴様らも大儀であった!努忘れるな!肩を並べて戦ってはおらずとも、貴様らも残らず、我の財だという事をな!」
「「「「「「はっ!!!」」」」」」
「貴様らにはこの楽園を享受する資格がある!よく食し、よく住み、よく休め!!その休息が、我等の未来に繋がると心得よ!!」
――いつも、本当にありがとうございます
ワタシは、皆さんの健闘に心から感服し、また、尊敬しています――
「以上!!解散!!」
「「「「「「ギルガメッシュ王!万歳――――!!!」」」」」」
~ギルガメッシュ王への讚美を称えながら、職員は退出していく
そして、残ったのは三人。ダ・ヴィンチ、ロマン。そして、自分だ
――よし。部屋に戻って王の休息を・・・
その時だった
《――エア。少しの間、我に語らせよ》
器の奥から響く、絶対的な声
――英雄王!?
《驚かせたか?すまぬな。だが、やっておかねばならぬ事がある》
――はい!
一瞬も躊躇わずに、器の所有を任せる
《愛いヤツよ。微塵も躊躇わぬとは。流石は我の至宝よな》
くくっ、と笑う器
――あぁ、そうか
英雄王はこうやって・・・自分を見守ってくれていたんだ・・・
「ど、どうしたんだい?ギル」
《いや、何。こちらの話よ。――さて》
黄金の波紋から『黄金の粘土版』を取りだし何かを書き込んでいく
《契約の更新だ。そら、受け取れダ・ヴィンチ》
「おっとぉ!?」
あっという間に書き終わり、投げ渡す
「な、なんの更新だい!?」
《知れたこと。『人理修復後も、我はカルデアに残る』その契約だ。契約もカルデアからその粘土版に移した。カルデアが占拠されようが、我が退出することはない》
――それは
「それはつまり・・・『カルデアに帰化し、永住する』という事でいいのかな?ギルくん」
《然り。我の仕事はどうやら人理焼却の先にあるようだ。言うなれば此は前哨戦のようなものだと結論付けたに過ぎぬ。――我がウルクを任せるのに、貴様ら二人ではあまりにも心許ないからな》
――!!
・・・人理、修復後も・・・此処に
《どうだ?我をカルデアに留めておく気はあるか?》
――人理修復後も・・・皆と・・・フォウと・・・
――ギルと、一緒にいられる・・・!?
《フッ、悦びが抑えきれぬか。ギルなどと親しげに呼ぶものよな》
――あっ!その!あのっ、ぶ、無礼でした・・・!
《よい。貴様に免じて赦す。うっかり名前を呼ぶなど愛らしいにも程がある。まことに萌え処を心得ているヤツよ》
――う、うう・・・不覚です・・・
「ひゃっほう!!やったぜロマニ!これで頭を悩ませていた『ギルがいなくなった後は?』が解決だ!!これで協会も時計塔も国連も怖くない!!なんたって『王』が来てくれたんだからね!」
「うん!!ありがとう・・・ありがとう・・・!君がそんなことをいってくれるなんて・・・!」
《予想外であったか?《ソロモン》》
――――
――――え?
「――――――」
《我は貴様らを庇護することに決めた。貴様らがその無様な生を全うするまで、面倒を見てやる。――代わりに》
ニヤリ、と笑う器
「あちゃあ、やっぱりばれたかぁ」
たはー、と頭を抱えるダ・ヴィンチ
「・・・うん。君にいつまでも隠し通せるなんて思ってないしね」
観念したかのように笑うロマン
《貴様らの秘密をもらっていくぞ。今でなくともよい。――次なる召喚の儀が終わり次第、洗いざらい懺悔してもらおうではないか》
――ロマンが、ソロモン・・・?
哄笑、確信、困惑を渦巻かせながら
――第四特異点は、幕を閉じた――
これにてロンドンは終了になります!
何はともあれ、まずはお礼を言わせてください
無銘改め『エア』そして『英雄姫ギルガシャナ・ギルガメシア』を受け入れてくださった皆様、本当にありがとうございました!
始まりは皆様の感想でした
『無銘がピュアすぎる』『無銘かわいい』
『無銘はヒロインだった・・・?』などの暖かい言葉をいただき
言われてみたら物凄くピュアだ、わんこみたいだと思い、それに丁度姫ギルという存在を関知し
「どうせなら姫ギルをキャラにしよう!」と思い至ったのがきっかけでした
しかし不安もありました。無銘、それに姫ギルは完璧にオリジナル、言ってしまえば不純物です
大丈夫か?自分の自己満足ではないか?もしかしたら『物語はいいけど、コイツはいらない』などといった本末転倒な事態にならないかと戦々恐々でした
ですが、無銘がカタチを得る以上、見目は必要であり、避けられぬ儀式と割り切り、意を決して投入しました
頼む、一人でいい。せめて『俺は好きだよ』といってくれるささやかなキャラになってくれ・・・!と祈りながら
結果・・・人類悪と部員、作者すらを立ち振舞いで昇華させていく尊みの化身になり大反響を得る結果に!
これも一重に英雄王ギルガメッシュという存在、無銘の歩んだ旅の果てに得た答え
そして、それら総てを優しく受け入れてくださったハーメルンの愉悦部員の皆様のお陰です!
無銘、グドーシ、そして英雄姫
そして――『エア』を受け入れてくださり、本当に本当にありがとうございます!!
自分は執筆しているとき、何も考えていません。浮かんだ言葉、思い付いた展開を徒然なるままに書き記しているのみで、書き貯めてすらいないのです
だから、投稿したものがどう見えるかは皆様のコメントではじめて理解し、実感するのです
『あぁ、皆が楽しめているものを書けているんだ』と。その感謝の気持ちを返したいと思うから、欠かさず返信を続けているのです。
『善き読者』これを得られることのなんとむずかしく、またかけがえのないことか
誹謗中傷で更新停止にまで追い込まれる作品すらあるなか、自分は本当に本当に恵まれています
どうか、忘れないでください
『英雄姫ギルガシャナ・ギルガメシア』と『エア』は、皆様の心の尊さ、美しさから産まれた奇跡のようなキャラクターなのだと・・・!
改めて、本当に本当にありがとうございます!
そして誓います!この作品は必ず完結させます!
更新が長く空こうが、風邪や怪我にて膝をつこうとも
『連載中』『完結』以外のタグは選びません!
この小説は最早自分の『生き甲斐』です!自分の総てを懸けて、描いていきたいと思う所存です!
皆様、どうか、どうかこれからも
英雄王ギルガメッシュと英雄姫ギルガメシア
そして、皆様の心美しさの結晶『エア』をよろしくお願いいたします!
醜いものから産まれる美しいものはかけがえのないもの
同じように、善き読者の美しい想いから産まれし『エア』は、かけがえのないものなのです!
200話近い助長な物語を愛してくださる皆様に感謝を!
これからも、よろしくお願いいたします!!暫くは、幕間をお楽しみください!
重ね重ね本当に、本当に――
ありがとうございました!!皆様に、永遠の幸福と祝福があらんことを――!!
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