人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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ひとまず区切りのエピソードを挟みます。まだドラランド関係のものはいくつがあるので、本当に一先ずの区切りです。

これからやる事はたくさんあるので、順次やっていくのでよろしくお願いいたします!


エピローグ〜一段落打ち上げ会〜

「皆さん、お疲れ様でした。ショーも、奪われたカムイの黄金も。何もかもをあるべき姿へ戻せた事を喜ばしく思います。皆様の尽力のお陰で…本当に、ありがとうございました」

 

ドラランドの騒動、そして計画された親孝行。サタンやヴリトラの介入はあれど、当時予測された結末への軟着陸を告げるアテルイの締めが、フードコート内のレストラン内部にて告げられる。

 

「顕現したカムイの黄金もオニキュアショーに注ぎ込み、無事に使用することが叶いました。もう悪用される心配はなく、特異点は無事に是正される事でしょう。此度も楽園の皆様の大勝利!と相成った訳ですね」

 

【まー色々あったがトータルでわえは満足じゃ。良きものをたくさん見れたし、無事に元の鞘に収まった、というやつじゃな。良かった良かった。き、ひ、ひ】

 

『まぁそれはそうなんだがよ、お前が締め括るのはなんかちげぇと思うのはオレだけか?オレだけなのか?』

 

ヴリトラも楽園預かりとなった為、のんびりと酒を呑んでいる現状に物申すボルシャック。そう、言わば彼らもまた新しい人生を見つけた側の存在だ。

 

『まぁまぁ、あれほどの名演を見せてくれたのだ。禊は済んだとしても我は良いと思うのだ、ボルシャック。禍根は遺さぬことが一番よ』

 

『ぐははは!ルゥよ、盟約は果たした事だ、今度こそ俺様と戦ってもらおうか!よくよく考えてみれば、龍の中の龍と戦う機会など二度とあるはずも無いからなぁ!』

 

「戦いなんて虚しいだけだよ…血気盛んは良いことだけど高血圧はよくないよ。モロコシを、モロコシを皆で食べようよ」

 

『やめておけ、ボルバルザーク。恐らくだが戦いにもならんと私は見るぞ』

 

『ぐははは!だからこそ燃えるだろうが!己が力量、頂点はどれ程の距離が横たわるかを知る機会など全く無い!なぁ頼む、一度で良い!この俺様と戦ってくれミラアンセスよ!』

 

「もう、しょうがないなぁ…じゃあ外に出てね。すぐ終わらせるから」

 

ボルバルザークと共に外に出るルゥ。次の瞬間、地鳴りと咆哮、嵐のような破壊音が響き渡るも、辺りを一瞬で塗り潰すような純白の光が満ち、静寂が取り戻される。

 

『ど、どうなった?アイツ、何やらかした?』

 

「ひぃ、お腹空いたぁ」

 

お腹をさすりながらやってくルゥと、紅き落雷に打たれ丸焦げになったボルバルザークが再び戻ってくる。打ちのめされながらも歩行できる生命力は流石といったところだ。

 

『うむ!流石は頂点!まるで手も足も出なかったわ!落雷一つで意識を絶たれるとは、王の名折れ!遠いなァ、頂点とは!ぐはははははは!!』

 

『マジか…ボルバルザークがワンパンかよ!?』

 

「だってそうしないとずっと殴り合いになるもん。殴る方の拳が壊れないようにした私の慈悲に感謝してほしいなぁ」

 

『…ボレアスマスクが特異点のボスであったら詰んでいたのではないだろうか』

 

【試練が乗り越えられるレベルを越えるからいかんのー。空気の読める龍で助かったのはわえじゃな。き、ひ、ひ】

 

 

ドラゴン達ののどかなやり取りの隣で、鬼の打ち上げも行われている。彼女らもまた、本懐を無事果たしたのだ。

 

「茨木がまさかオニキュアになるなんて、粋な脚本書くんやねぇ。さっきからやかましゅうなるくらいに話しされて敵わんわぁ」

 

「自分の憧れに、自分自身が変身できる。そりゃあファン冥利に尽きる王道の極みだろうさ。でも観客参加型でよくそこまで行ったもんだよ」

 

「最初から全部計算済みだったのか、うら?」

 

「そんな訳ねぇよ。アタシが頭を悩ませてた時に渡された脚本で、渡してくれた奴にもまだまだ謎が多い。丁度いいや、特異点が消えるまで話してやるとするか。そいつの話や裏話、ってやつをな」

 

「さんせー!まだまだ消えるまで時間あるみたいだし、飲んで食べて、これまた飲み明かしちゃいましょうよ!」

 

「あぁ。アタシが奢るぜ。今回は皆、本当にありがとな。アタシ一人じゃ、やっぱどっかビミョーなもんになってたと思う。皆が手伝ってくれたお陰だぜ」

 

親孝行におけるイベントは大成功した。それはもちろん、沢山の人が関わってくれたお陰だが…この鬼の仲間たちがいてくれたからこその成功だ。温羅は深々と頭を下げる。

 

「今更よ、今更!水臭い事はいいっこなし!私達、友達なんだからこれくらいは当たり前よ!」

 

「酔狂な真似も、真摯に取り組めば愉快な祭りになるってことさ。地底で管を巻くより何倍も裕福な時間だったよ」

 

「楽しかった!またやるときは絶対に誘うんだぞ、付き合ってやるからな!」

 

「うふふ、次は変なもや抜きでええやろ?茨木新メンバーに加えて、変なもやは首でええんやない?そういうの、あるらしいやん」

 

「んー、酒が不味くなるタイプの湿り方してない?なんか集まる度にジメジメしてるのは誰のせいかしらねー?」

 

「まぁまぁそう言うなって。次は新入りも含めたメンバーで…銀幕デビューを目指すとしようや!」

 

夢は大きく、絆は硬く。彼女らは絆を確かめながら大きく乾杯する。オニキュアはまた現れるだろう。誰かが望む限り。

 

 

「鬼も龍も元気そうで何よりだぜ。こりゃあ大成功、天下泰平めでたしめでたしだな!わっはっはっ!」

 

「なんかまとめてるけど、頑張ったのアテルイであんたじゃないかんね!何主賓みたいな感じで締めてるのアンタ!」

 

別の座席では酌をする鈴鹿、アテルイを侍らせ田村麻呂が笑っている。彼もまた、アテルイと再会できた側の人間でありそれはそれは上機嫌である。

 

「そうだなぁ。オレももうちょい活躍してれば良かったかもなぁ。大将軍としてカッコいいとこを見せればオレにますます惚れ直しただろうなぁ!」

 

「惚れ直すとか…まぁ、そりゃあまぁ、べた惚れなのは認めるけどさぁ…」

 

「ふふっ。いいのよ田村麻呂。あなたが笑顔で楽しいのなら、私はそれだけで十分。お嫁さんとも仲良しだしね?」

 

「おう!!見たか鈴鹿、これがアテルイだ!オメーがいなきゃ間違いなく嫁にしてた女だ。すげぇだろー?いい女だろー?」

 

「はいはい、アンタには勿体ないくらい素敵な人だって解ってるから!遊んでばっかもいられないよ。これから特異点が消えるまで見回りあるんだからね!」

 

「おうよ!リッカ達も頑張ったから、後始末は俺等の出番だ!」

 

「………」

 

アテルイは聖杯にて召喚されたサーヴァントだ。カルデアには在籍していない。その事実を思い返し、目を伏せる。

 

「会えてよかったわ、田村麻呂。鈴鹿を大切にね」

 

彼女としては、そろそろ退去が始まる頃合い。別れを惜しみながらも再会できた奇跡を思い、そう告げるアテルイ。

 

「?何言ってんだ。オメーもカルデアに来るんだよアテルイ」

 

「えっ?」

 

だが至極当然とばかりに返す田村麻呂、うんうんと頷く鈴鹿。そう、今更別れなど考える必要もないのだ。

 

「聖杯で呼ばれた霊基をカルデアに持ってくるなんざ今更お茶の子さいさいよ。ここで再会したお前をカルデアに連れていって、また皆で飲もうや」

 

「それは…いいのかしら?」

 

「いい、いい!全然いいよ!田村麻呂も、アテルイがいたら真面目になるし!大歓迎ってやつ!」

 

「でもそれでは、夫婦のお邪魔に…」

 

「ならないならない。アタシもあなたもコイツが好きなんだから、一緒にケツ叩いてやればオーケー!この馬鹿あってのあたし達!でしょ?」

 

そ、そう言うものかしら…アテルイは横恋慕、間女になることに大変気後れしていたため、それでもなお言い淀むも…

 

「なぁ、アテルイ」

 

「う、うん」

 

「未来に生きるがきんちょたちに…力を貸してはくれねぇか」

 

英雄アテルイを求める田村麻呂の、強き言葉。

 

「──もちろんよ、田村麻呂」

 

その誓いに、迷いなどなく。アテルイは力強く応える。

 

 

「ふふ…またアイヌの英雄が増えたわね、シロウ?」

『ウォフ』

 

その有り様を静かに見守るシトナイ。歓迎と打ち上げの宴はまだ、続くのであった──。




サタン【はぁ、無事に終わってよかった。これから契約遵守、頑張るぞ!】


つむぎ「…見つけた」

【?】

「見つけた…大魔王…サタン…!」

…だがこれから、楽園を取り巻く大きなうねりはまだ…始まりすらしていないのである。
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