『写真撮りコーナー』
「顔を突っ込めば、一時的に竜となれるらしい。素晴らしい趣だ。試したくはならんか」
アルジュナ「貴様、試したいのだな」
「あぁ、とても試してみたい」
アルジュナ「……ふぅ。仕方あるまい。酔狂もまた、苦行のうちだ」
カルナ「感謝する。オレは白い方に嵌まろう。お前は黒い方だ」
アルジュナ「現代には奇怪なものがある…」
アシュヴァッターマン「おーいカルナー。ポップコーン食べ…」
『『POPに突き刺さったインド兄弟』』
アシュヴァッターマン「だははははははは!!!」
ラーマ「おぉ!?なんだあれは!?」
シータ「楽しそう…」
カーマ「ヴィジュアル系が二人して何をしているんです…?」
グドーシ「ははは、善哉善哉。仲良きことは美しきかな」
パールヴァティー「ふふ…」
ガルーダ『カルナにアルジュナ、ラーマにシータ、ブッダにマーラ。マハーバーラタにもこのような奇跡はありえまい。……』
パールヴァティー「ガルーダ?」
ガルーダ『…私にも、兄とあのような時間があればよかったのだが、な』
ガルーダは、かつて奴隷であった。勝ったほうが負けた方を奴隷とするという約定にて母が敗れ、そしてその子たるガルーダもまた奴隷となってしまったのだ。
その境遇に嫌気が差し、ガルーダは母に訪ね不義により自らが奴隷となった事を知り、やがて天界へと不死の薬を求め飛び立つガルーダであったが、その長き奴隷生活を乗り切る事が出来たのは、一人の兄の存在を聞かされていた事に起因する。
『お前には、暁の如き兄がいる。不義を許さず、不徳を許さず、誇り高く雄々しき兄が。私の罪を怒りとと共に格した、真なる勇敢な兄が』
かつて母がガルーダ、アルナの卵を500年暖め続けた頃、ナーガ族の親たるカドゥルーの1000個の卵は孵ったが、ガルーダとアルナの卵は孵らなかった。耐え難き恥と嘆いたヴィナターは、卵を一つ叩き割ってしまう。すると、その卵から上半身のみの赤子が産まれいでた。これこそが、暁の神にしてガルーダの兄、アルナである。
『アルナは私の所業に深い怒りを抱いた。自分を醜く産んだことではなく、おまえを深く想ったが故に怒りを齎したのだ』
私はこのように産まれ出でた。しかしこれが傍らの子であればどうなっていたか。愚かなる母よ、おまえは自らの為にか弱き命を殺すところであったのだ。恥を知らぬ女め、貴様に母である資格はない。
自らではなく、危うくガルーダの卵を壊しかけた母ヴィナターを憤怒と共に糾弾した。生まれたばかりでありながら、アルナは家族、弟ガルーダの兄としての自覚を懐き目覚めていたのだ。
『我が身の至らぬ罰として、私は競いに負けたが故に勝った方に仕える呪いを受けた。それは我が身の、子を殺しかけた兄の怒りの具現。我が身はまだ、アルナに呪われているのだ』
ガルーダはその話を聞き、深く感動する。自らの顔も、生まれも分からぬというのに既に兄として己を護り、庇ってくれた。母にすら異を唱える勇気と、その深い愛にガルーダは顔すら知らぬ兄を心から尊敬した。
『ならば私は理不尽には負けるまい。強く、気高く生き、理不尽に怒ろう。いつか兄に出会うまで』
嫌気が差した、正確には何故母が奴隷であるかを確かめたかったガルーダ。その生活が兄による愛なのだと知り、ガルーダは毎夜毎夜アルナに祈りを捧げ続けた。500年の間、彼はアルナを想い続けたのだ。
『暁よ、見知らぬ血を分けた兄よ。母の罪は我が罪。その怒りが鎮まるまで、奴隷として甘んじよう』
そして奴隷の契機を終えたガルーダは、再び奴隷の契約を存続しようとするナーガの意志を汲み取り、不死の霊薬アムリタを奪い天界へと飛翔する。
『我が兄よ、母はよく悔い、償った。もうよいのではないか。罪には、赦しがあるべきなのだ』
母を解き放つ為、再びの家族となるため、母の為にガルーダはあらゆる神々を退けた。天変地異、見ると灰になる蛇、ありとあらゆる神々の妨害を跳ね除け、ガルーダはついにアムリタを手にする。
『これは戴いていく。母の…家族の始まりの為に』
そんな飛翔の最中、ガルーダは調律の神ヴィシュヌと出逢う。不思議な雰囲気の彼は、ガルーダの力と勇気に深く感動する。
『母君の為に神すら倒す。エモいですねガルーダ君。私はあなたをえらーく気に入りました。ではこれをどうぞ』
そんな簡単に、あっさりとヴィシュヌはガルーダに不死を与えた。アムリタでしか得られぬ不死、それを容易く与えるヴィシュヌはまさに神々の頂点の一角だ。
『それでは。母を大切に』
満面の笑みで告げるヴィシュヌだが、ガルーダは踵を返すわけにはいかなくなった。調律神に、なんと不死を軽々と渡されたのだから。
『礼がしたい。素晴らしき神ヴィシュヌよ、私に何か望むことはないか?』
『望み、ですか。そうですねぇ…あ、なら私を背中に乗せてくれませんか?欲しかったんですよ、翼。』
そんな簡単に、かつ自然体なる友情を結んだガルーダとヴィシュヌ。そこには主従ではなく、互いへの尊重があった。
そして二人で襲い掛かってきたインドラを下し、ナーガからアムリタを取り返したガルーダ。母を取り戻し、ヴィシュヌと永遠の友情を育んだガルーダは、二人に問われる。
『ガルーダ、アルナに会ってはいかがでしょう?こんなにも立派になったあなたを、兄に見せてあげたなら…』
『そうですよ、なんと今ならヴィシュヌがついてきます。このガルーダに乗せてもらえてるラッキーゴッドとして、私を紹介してみませんか?ガルーダ』
二人の問いは有り難く、ガルーダは深々と礼をする。しかし、彼はその願いを柔らかく辞退した。何故か、と聞かれるとガルーダは問い返す。
『彼は暁として、世界の全てをあまねく照らしているだろう。わざわざ会いに行く必要もない。朝焼けに照らされれば、それが我等の対話であるのだ』
アルナの心境、心労、立場をガルーダは深く思いやった。それがまさしく、自身にアルナがしてくれた気遣いであり心遣いであったものだと、彼は信じていた。世界にあれば、必ずや会うことはできる。ガルーダの愛は成熟しており、また大きく慎ましかった。
だからこそ、彼は暁の空を飛ぶことを何よりも重んじ、愛している。背中にて穏やかに微睡み、時に楽器や歌を奏でるヴィシュヌを載せ、雄大なる暁の空を飛ぶことを。
『兄よ。世界は広い。だが、それでも貴方を見失いはすまい』
遥か下に広がる雲の海。眩き暁や朝焼け。言葉など無くとも、世界の在り方が神の所在を示す。広く大きい、アルナの腕に抱かれるかのように思いながら、ガルーダは果てしなき空を飛ぶのだ。
『私は兄を忘れまい。顔を見知らずとも、会わずとも、我らはこうして永遠に共に在るのだから』
『意地張らないで、いっそ会ってあげちゃいなさいって。お兄さん安心するよー?ヴィシュヌの感は当たりますこれマメね』
『我が主…余韻は壊さないでいただきたい…』
気楽すぎる主ではあるが、彼もまたガルーダの在り方を認め自由にさせてくれる大恩ある主だ。世界の破壊を担う恐ろしきシヴァではなく、ありのままを愛する陽気な調律神。
『いつかあなたに、会ってほしいものだ』
『社会人になってから全く予定が合わなくなる。哀しいものです。いつかまた、出会えるといいですねぇ』
──これは遠い記憶の一つ。聖鳥が今も忘れぬ、暁の記憶だ。
カルナ「待て、アルジュナ。…抜けん」
アルジュナ「何!貴様もか、カルナ!」
アシュヴァッターマン「だははははははは!!腹いてー!!」
カーマ「あーもー、カルナさんってそういうところですよ!グドーシさん、抜きますよ!そちらを!」
グドーシ「心得た。せ~、の」
シータ「…楽しそう、ですね」
ラーマ「う、うむ!仲はいいな!」
ガルーダ(…ああいった未来は描けずとも、絆は確かに胸にある)
パールヴァティー「いいお話です…アルナさん、また会えるといいですね」
「はい。いつか、そんな日が来たるなら」
(我等はそれでいいのだ。なぁ、我が兄アルナ──)
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