人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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今回はふかやん様となります!キャラクター台詞も追加させていただきました!

マテリアル公開中も本編は執筆しております。予約投稿済みですのでご安心を!


2000話間近マテリアル〜後編その3〜

第三弾 『死を以て忠を示した、真の三河武士』

 

 

 

『お初にお目にかかりまする、マスター殿。某は家康公にお仕えせし三河武士が一人、鳥居右衛門尉元忠と申す!家康公に先んじ、マスター殿の為粉骨砕身を以てお仕えする所存!!』

 

 

クラス:ランサー

 

 

真名:鳥居右衛門尉元忠

 

 

身長:168㎝

 

 

体重:63㎏

 

 

出典:史実

 

 

出身地:日本

 

 

属性:秩序・善

 

 

ステータス:筋力:B 耐久:A+ 敏捷:C 魔力:D 幸運:E 宝具:B+

 

 

好きなもの:忠義を貫く、恩義に報いようとするなど何かを成すために己を曲げぬ事。

 

 

嫌いなもの:他者を裏切る事

 

 

クラス別スキル

 

 

対魔力:C

 

 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。

 

 大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

 

 

固有スキル

 

真の三河武士:EX

 

 自身が仕えるべきは徳川家康ただ一人と定め、その命が燃え尽きる最後の時までその忠節を貫いたランサーの生涯が特殊スキルとして顕現したもの。

 

 

 シャルルマーニュが保有する『王道踏破』と同様のスキルであり『マスターに対して忠義を貫く限りステータスを強化する』という強力なスキルなのだが…その一方で『徳川家康が敵対する側にいた場合、戦う事は出来ない』というデメリットもあり、その場合はすべてのステータスが2ランクも低下し、無理に戦わせようとすると消滅の可能性もありうる。

 

 

 戦国時代において精兵の代名詞として、薩摩の島津家に仕えた『薩摩隼人』と比較されるほどの精強さと、主君である家康への忠誠心の高さを以て知られた兵達の総称である三河武士…ランサーはその典型として語られ、伏見城の戦いにおいて壮烈な討死をした事により、後世の人物で『三河物語』を著し天下のご意見番と称された『大久保彦左衛門忠教』から『真の三河武士』と称される事になる。

 

 

寡兵の軍略:B+

 

 徳川家康が『松平元康』と名乗り、弱小大名だった頃から彼を支え、今川・武田といった強豪大名達と鎬を削り続けたこと。そして『黒駒の戦い』において攻め寄せた北条勢一万を水野勝成らとともに二千の寡兵を以て撃退した逸話がスキルとなったもの。

 

 

 圧倒的な大軍と対峙していたり劣勢に立たされている場合において、いかに敵を打ち破るべきかを把握。そして相手の弱点を突いてこれを打ち破る事に特化した『軍略』スキルと言える。

 

 

忠烈示す血染め畳:A

 

 ランサーが伏見城の戦いにおいて壮烈な最期を遂げた際、伏見城において敵味方が流した血によって染まった畳。家康はランサーの忠義を大いに讃え、諸大名らの手本とする為、江戸城の伏見櫓の階上におき、登城した大名たちの頭上に掲げた。

 

 

 その畳には忠義に生きたサーヴァントなどに対しては奮起を促し、逆に裏切りなどを行ったサーヴァントに対しては強烈な重圧をかける。

 

 

宝具

 

 

『たとえ我ら悉く死するとも、マスターの道を切り開けるならばそれは犬死に非ず!者共、ここが死に場所と心得よ!!』

 

 

『血戦・伏見城(その死に様は無駄死にに非ず)』

 

 

種別:対軍宝具 ランク:B+ レンジ:1 最大補足:1800人

 

 

 ランサーが城代として預かり、そして壮絶な討死を遂げた伏見城を防壁として召喚する宝具。発動する事で内部に陣取ったランサーと命運を共にした1800名の将兵らによる援護射撃などが放たれる。

 

 

 残念ながらその防御力はクー・フーリンが保有する『投げ落とす圧壊の城(キャッスル・スロウ)』やコンスタンティノス11世が保有する『祈誓たるは三重の貴壁(テオドシウス・コンスタンティノス)』に比べれば遥かに脆弱であり、防御系の宝具としてはそこまで強力ではない。

 

 

 だがこの宝具の真骨頂は防御ではなく『この城攻めに時間をかけた事で、関ヶ原の戦いの趨勢を決定づけた』ことにあり、この宝具が破壊された…すなわちランサーが脱落した瞬間、相手側は宝具の使用が数ターンの間不可能になる。(FGO本編でいうならば、この宝具を発動したランサーが脱落した瞬間に、敵側のサーヴァントに対して宝具封印のデパフがかけられ、宝具バーが満タンであった場合は強制的にチャージが消滅する)

 

 

 ランサーを含めた1800名の将兵らは、この戦いにおいて西軍の攻撃を受け壮絶なまでの戦死者を出す事になったが、その奮戦ぶりは関ヶ原における西軍の動きを大きく阻害する事になり、関ヶ原の戦いにおける東軍の勝利につながる事にもなった。

 

 

Weapon

 

 

無銘・長巻:ランサーが最後の戦いにおいて使用した柄の短い薙刀を思わせる大太刀から発展した武具。

 

 

能力:生前において敵の銃撃に遭い、足を負傷した逸話からか、ヴラド・ツェペシュと同じで敏捷こそランサーのサーヴァントとしては低めだが、それと引き換えに耐久が非常に高いステータスを持っているランサー。この為防衛戦などにおいて、守護を任せられた場所の防御を得意とするサーヴァントである。

 

 

解説:戦国時代から安土桃山時代にかけて、徳川家康に仕えた家臣の一人。

 

 

 精強さと家康への忠誠心を以て知られた『三河武士』の一人として名高く、家康が『松平竹千代』と呼ばれ今川氏の人質だった頃から側近として仕えていた古株の武将。

 

 

 今川、武田といった戦国の強豪相手に死線を潜り抜け、武田と徳川による戦いの中で敵に銃撃をされる事で足を負傷し、歩行に多少の障害を遺しながらも戦い抜いた。

 

 

 また天正10年に勃発した天正壬午の乱において、家康の背後を襲おうとした北条氏忠・氏勝軍の別働隊10,000を甥の三宅康貞・水野勝成ら2,000の兵で撃退し北条勢約300を討ち取った『黒駒の戦い』で活躍を成し、戦後家康から賞賛された。

 

 

 そして会津征伐が始まる前、家康は伏見城に宿泊して元忠と酒を酌み交わし「わしは手勢不足のため、伏見に残す人数は3000ばかり。そなたには苦労をかける」と述べると「そうは思いませぬ。天下の無事のためならば自分と松平近正両人で事足ります。将来殿が天下を取るには一人でも多くの家臣が必要でございます。もし変事があって大坂方の大軍が包囲した時は城に火をかけ討死するほかないから、人数を多くこの城に残すことは無駄であるため、一人でも多くの家臣を城からお連れ下さい」と答え、家康はその言葉に喜び、深夜まで酒を酌んで別れたと伝わっている。

 

 

 やがて伏見城の戦いが勃発すると元忠はともに城代として残った松平家忠、内藤家長といった者達を含めた1800名と共に籠城して西軍相手に奮戦。西軍側は築山を築き、大筒などを配置して攻撃をしたり濠を埋めたりする物の、城は容易に落ちなかったが、孤立していた伏見城はやがて陥落。元忠は鈴木重朝(鈴木重秀(雑賀孫市の別称とも)の長男)との一騎打ちの末に「吾は鳥居彦右衛門よ。首取て功名にせよ」と言い放って甲冑を脱ぎ払い切腹。重朝に介錯を促して討ち取られる事になる。享年62。

 

 

 主君家康に対しての忠誠心の高さを以て知られており、その活躍ぶりから家康に賞賛され感状を与えるように言われるも『感状などは他の主に仕えるときには役立つが、自分には必要ない』と断ったり、1586年に徳川家康に従って上洛すると、豊臣秀吉からの官位推挙の話が何度かあったが『三河譜代の自分は万事に粗忽で、二君に仕える才覚はない。官位をいただく器量ではない』と断ったという逸話がある。

 

 

 その一方で武田家が滅亡した際、武田四天王の一人としてその名を馳せた『馬場信春』の娘を捜索するように言われた際、元忠は彼女を発見するも主君である家康に対し『探したが見つからなかった』と報告。その後その娘が元忠の元で暮らしている所を他の家臣が見つけ、元忠を罰する様に家康に報告するものの当の家康は『あの彦右衛門という男は、若いときから抜かりないやつだった』と言って高笑いをし、お咎めをかけなかったというエピソードも存在している。

 

 

人物:糸素縣縅二枚胴具足という甲冑を纏い、青い柄の長巻を手にしている短く切りそろえた白髭を生やし、頭部に血が滲んでいる包帯を巻いた白髪の髷を結った老将。小柄ではあるもののがっしりとした体格をしており、生前敵側に銃撃された事で片足が不自由ではあるものの有事においては臆する事無く戦場に赴く。

 

 

 忠義の心に厚い三河武士として名を遺した事からマスターに対する忠誠心は非常に高いのだが、通常の聖杯戦争においてそうした忠義の高さと諫言を多々行うその姿勢は、逆にサーヴァントを使い魔としか見ない魔術師などからはかなり相性が悪いとしか言えず、カルデアでのみその実力を存分に発揮できるサーヴァントと言える。

 

 

 女性が戦場に出て戦う事をあまり快く思わず、リッカらに対しても戦いは自分たちサーヴァントに任せてほしいと諫言する事が多いのだが、これは女性を軽視している訳ではなくむしろ逆であり『戦場に立ち、返り血を浴びながらも屍の山を築き進むのは、自分のような男が成すべき事。そして男の役目は女子供に対しそうした戦火からその身を張って護る事であり、守るべき女子供にそのような事をさせる自体、男として恥ずべき事である』という一種の信念によるもの。無論、その考えが押しつけのような物である事も重々理解しているなど頑迷ではない一面を見せる事も。

 

 

 忠義に生き、忠義に死すという筋金入りの武士であり、それがためか忠節を貫いて生きたり、自分の道を曲げる事無く生きた英雄に対しては敬意をもって接する一方で、他者を裏切ったり偽ったりする相手にはあまりいい顔をしない。

 

 

人物関係

 

 

徳川家康:自身が忠誠を貫いた終生の主君。元忠曰く『後世では古狸などと呼ばれ、狡猾な人物であるように言われているが、乱世においては秀吉殿以上に情の深い御仁であった』とのこと。

 

 

『殿…家康公がどの様な御仁であったかと?そうですな…後世の人々の間では古狸などと呼ばれ策謀を以て豊臣家を滅ぼし、天下を取った狡猾な人物と言われておるようですが…某からすれば秀吉殿以上に、情の深い御仁でございましたぞ』

 

 

三河武士の同輩:本田忠勝や榊原康政といった三河武士達。彼らと死線を潜り抜けてきた事は元忠にとっては得難き思い出であり、またサーヴァントとして再会できたのならどれほど心強いものかと思っているほど。

 

 

『うむ…平八郎や小平太、酒井殿らはここにはおられぬのか。彼らとともに再び戦場をかけられることができる日が来るとよいのだが…』

 

 

織田信長:家康が同盟を組んでいた人物。家康自身は信長の事を敬愛していたので無礼と思い口を挟まなかったのだが、元忠からすると家康の嫡男であった信康に対し、武田に通じていたとして切腹させた事を『言いがかりをつけてきた』とみて快く思っておらず信長に再会した時も『正直、信長公がマスター殿の意に従っているようで安心しておりますな。また勝手気ままに言いがかりをつけられては堪った物ではないので』と面と向かって堂々と言い放った。

 

 当然この言動は信行や光秀らからすれば無礼と憤っていたのだが、当の信長にとってはその事を突かれたくなかったのか苦虫を噛んだような表情を浮かべていた。

 

 

『なんと、信長公がこのカルデアに?……左様にござるか。むっ、不満そうに見えると?まあ、左様にござるな。殿は信長公の事を敬愛し、信頼してはおりましたが…某をはじめとした家臣達からすれば、殿の嫡男であった信康殿に『武田と通じていた』などと言いがかりをつけた末に自害させよなどと言ってきたこと、今なお恨んでおりますれば』

 

 

ゴッドノッブ【むぅ…カルデアにいると生前の顔見知りによく会うものじゃ。当然好みや善し悪しのある輩とものぅ。で、あやつはとびきりわしにとって悪いやつじゃのぅ。まぁヤツも英霊の端くれ、折り合いはきっちりつけるじゃろ。そうでなければ…まぁ、殺すしか無いしな】

 

 

石田三成:自身の最後の戦いである伏見城の戦いにおいて攻め寄せた相手。いうなれば自身を死に追いやった相手ではあるのだが…元忠本人からするとあまり恨みには思っていない。それどころか、秀吉が亡くなり豊臣家の栄華が陰り始め、凋落の一途を辿りつつあった中で、それでも尚豊臣家の為に奮闘しようとしていた三成の事を、元忠は掛け値なしに尊敬しており時と場所が違っていたのなら、友になりたかったとまで言わしめたほど。

 

 

 なお、余談ではあるのだが関ヶ原の戦いの後に三成が捕らわれた際、その身柄を元忠の三男であった成次という人物に預けられたのだが、成次は父の仇と言える三成に対して恨む事もなく、逆に小身ながら大身の主家によく抗した人物として衣服を与えて手厚く厚遇し、三成から覆いに賞賛されたといわれている。

 

 

『三成殿、か…某からすれば敵方の人物であり、某の命を奪った相手の一人ではありますが…ここだけの話、某は三成殿を恨んではおりませぬ。それどころか、三成殿は太閤豊臣秀吉殿が亡くなり、凋落の一途を辿りつつあった豊臣家において、最後の時まで豊臣家を盛り立てんとした忠臣。時と場所が違っていたのであれば…某、三成殿と友になりたかったとまで思っているほどでござる。主家の為にその命を燃やす…それを成した者同士として』

 

 

福島正則、加藤清正:関ヶ原の戦いにおいて主君・家康に合力して三成と干戈を交えた秀吉子飼いの武将達。元忠自身は面識がないのだが、豊臣家を護らんと奮闘していた三成の事を才槌頭などと呼んで毛嫌いし、あまつさえ豊臣家を守る為と言いながら主君家康にすり寄った彼らの事を元忠自身あまり好意的に見ていない。

 

 

『福島正則をはじめとした秀吉殿子飼いの武士…福島正則をはじめとした者達ですが、某はあまり好きではござらぬ。彼らは豊臣家を護るためと言いながら、本当の意味で豊臣家を護ろうと奮闘していた三成殿を『才槌頭』などと貶した挙句、彼を見捨てて殿の元にすり寄った!真に豊臣家を護りたいと言うのなら、遺恨を捨て三成殿と共に戦うべきだった!さすれば殿も簡単には関ヶ原で勝ちを拾う事もできず、豊臣家を護れたかもしれぬというのに…全く持って情けなし!!』

 

 

島津義弘:伏見城の戦いにおいて、戦いが始まる前に小早川と共に入城しようとしていた島津家の武士。この時元忠は入城を求めた彼らが援軍としてくる事を知らされていなかった為入城を拒否した…と史実では語られているが、Fate時空においては既に死兵として討ち死にする覚悟を決めていた元忠が薩摩隼人と名高い義弘らを無駄死にさせたくないと思い、あえて拒否したとされている。

 

 

『おお、義弘殿…!先の伏見城では心なき言葉をかけ、拒絶した事を許してほしい。あの時の戦い…すでに某らは死兵として西軍を最後の一兵まで食い止める覚悟を決めておった。そのような戦いに薩摩隼人と名高きそなたらを無駄死にさせたくはなかったのだ。…されどこのカルデアにおいては、そなたらとも背中を預けるに足る戦友と思っておる。なにとぞ、よろしく頼む…!』

 

 

リッカ:自身を召喚したマスター。女性だてらに源頼光らを初めとした強者に師事し、武を修めている事を重々理解しつつも、やはり女性が血風吹き荒れる戦場に出る事をよくは思っておらず、自分達に任せ後方で構えてほしいと、マスターに嫌われるのを覚悟の上で諫言していた。

 

 

『マスター…リッカ殿。貴公が並々ならぬ武の持ち主である事、この元忠しかと理解しておりまする。なれど…なればこそ、どうかリッカ殿には後方でどっしりと構え、某らに戦いをお任せ頂けませぬか?この諫言、リッカ殿にしてみれば不快に思われましょうが…戦場に赴き屍山血河を築き、その中を進むは我ら男の役目、それを貴公のような年ばもいかぬ少女の手を血で濡らすは、それこそ男として恥ずべきことなれば…!!』

 

リッカ「後ろでどっしり…えっ!?今私の事!龍姫って言った!?」




改めて、ふかやん様!ありがとうございました!


そしてきっと、誰も言っていない。

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