今回のリクエストは…某ブラック企業にテイコウする作品です!
割と戦々恐々ですが、リクエストですので!
某You Tubeで検索をかけて拝見もオススメです!
「よーし今日も働け働け!お前達の限度を超えた労働で俺と会社が今日も生きていけるんだ!つまりお前達の労働はかけがえのない人助けという事になるな!わーっはっはっは!」
舞台は楽園…ではなく、夏草から離れた日本の某所。多種多様に商業形態を広げている零細企業『某企画』。ここでは日時、なんの目的で作られているのか解らないハイテク技術が排出されたりされなかったりする会社である。冒頭で喚いているのはこの会社の社内ニート、部下を有する上司の立場にいる存在だ。モニター監視で部下をキリキリ働かせているが、会社内ではソリティアとスマートフォンいじりしかやることのない無能である。
「おいペンギン!この仕事とこれとこれとこれもやっておけ!期日は明日の朝8時だ!」
「時計見えてる?今定時なんだが?」
誰がどう見ても人一人に任せていい書類仕事を超過している量を上司はペンギンに押し付ける。愛称やあだ名ではなく、本当にあの南極にいるペンギンそのものが人の社会で働いているのだ。
「くそ、そろそろ一週間徹夜に到達するな…昼なのか朝なのか夜なのかもよく分からなくなってきた」
ペンギン。彼は上司の部下でありこの会社をほぼ実質一人で保たせている優秀な人材だ。一人で無能十人分の仕事をこなせる超優秀な処理能力を持つが、いかんせんペンギンな為人間社会で働き手が持てずこうして超絶ブラックな某企画にてブラック環境な業務に忙殺され続けている。先のぼやきは、自分以外の仕事を懸命にこなし続けているため他人の仕事を押し付けられているがゆえの結果だ。
「頑張りなよペンギン〜。ギネス記録では一ヶ月そこら寝なくても大丈夫だったって聞いたよ?ならペンギンも平気平気!はい、ギネス記録挑戦の助けになるように僕の仕事も!」
どっさりとペンギンに仕事を押し付けるこのロクデナシも人間ではない。性根と種族の話だ。彼はパンダ。ペンギンの同僚だが腹黒で気まぐれ、サイコパス気味でサボりの常習犯な為、ペンギンに自身の仕事をしょっちゅう押し付けスマホいじりに熱中する無能その2である。
「もっと健康的な記録に挑戦させてくれない?」
「ペンパイ、大丈夫ですか?良ければクソパンダを食い殺した後に僕もお仕事をお手伝いしましょうか?」
心配げにペンギンを労るはペンギンの後輩、シャチだ。ペンギンを慕う後輩だが食料的な意味でペンギンの身体を狙っていたりする危ない海のギャングだ。真面目なのだが仕事にミスが多い、やる気がから回るタイプの困ったさんである。この三人が、ブラック企業を超絶過密労働で支えている。
「ありがとうな、シャチ。気持ちだけ受け取っておく」
「でもペンパイ、顔色と目の隈が大変な事になっていますよ…?少しでも休憩を取ったほうが…」
「大丈夫だ。それに…仕事を残したまま休んでも精神的に楽にはならない。休むなら、仕事を終わらせてからだ」
「そんな、無茶ですよ!これだけの量、いくらペンパイでも明日の朝にまで終わるかどうか…!」
ペンギンのデスクには、向かい側や横が見えないほど書類がうず高く積まれている。これらを全て処理しなくては、ペンギンは帰宅も睡眠も叶わない。それほどのタスクなのだがペンギンはそれを制する。
「仕事はやらなくては終わらない。逆に言えば、やっていれば終わるんだ。辛いことは、真面目に取り組むのが早く終わらせる一番の近道だからな」
「ペンパイ…」
「そうだそうだ!できないというのは言い訳だ、なぜなら出来るまでやれば出来ないなんてことはあり得ないからだ!気合とやる気で限界を越えてみせろ!」
「今すぐこいつに落雷の一つや二つ落ちないものか」
「わーっはははは!愉快愉快!お前達平社員はこういう単純作業でしか役に立たん!どうせ社会の底辺、ゴミのような存在だ!せめて骨が砕け肉が削れるくらいのガッツを見せろ!」
「お前…いくらなんでもそれは横暴に過ぎないか」
「あぁ〜ん?何か文句があるのかペンギン?だったら今すぐ辞めて新しい転職先を探してみるか?」
「……………」
「わーっはっはっは!そうだよなできないよなぁ?このクソ不景気の上、動物を労働力で雇う会社なんているわけがないものなぁ!」
上司の言葉に沈黙するペンギン。そう、ペンギンはいくら優秀でも人間ではなく、人間社会においてまともな職など用意されるはずもない。それ故、彼はアットホームで笑顔溢れるこの某企画よりほかに行く宛がない。実力は申し分なく、ただ不当な環境に押し込められているのだ。
「お前たちはどこにも行けない畜生なんだよぉ。恨むんなら人間以外に生まれた自分自身を恨むんだなぁ!がーっはっはっはっ!!」
「上司、いくらなんでも酷いです!そんな言い方は!」
「そうだそうだ!僕らだって生きてるんだ友達なんだ!」
「黙れ黙れ!そういう戯言は一つでもノルマを達成してから言うんだな!そらさっさと仕事に戻れ!俺は定時だから退社するからしっかりやっておけよ!」
「止めろ二人共。行っても無駄だ。話す時間も勿体ない。俺達は俺達の仕事をするぞ」
二人に対し、ペンギンは黙々と自身の仕事に取り組み向き合う。それは、どこまでも真面目な彼の理不尽へのテイコウだ。
「おかしいですよペンパイ!こんなに言われたい放題でいいんですか!?」
「そうだそうだ!理不尽には声をあげるべきだよペンギン!」
「いい加減にしろ。…文句を言っても現状は変わらない。いくら愚痴っても仕事は無くならない。得られるのは徒労だけだ」
ペンギンはピシャリと二人を然り、糺す。
「そいつの言う事も最もだ。俺達は人間じゃない。そんな俺達が人間社会で生きていくには、どんな環境だろうと強く、出来ることをしていくしかないんだ」
「ペンパイ…」
「例え今の状況が最悪だろうと、腐ることなく懸命に取り組むんだ。その真摯な態度が、きっと状況打破のきっかけに繋がるはずなんだ」
「ペンギン…」
「過酷な労働どうもありがとう。事故に気をつけてとっとと帰ってくれ」
「ふん!ペンギンごときが生意気な口を!まぁいい!完璧に仕事が出来ていなかったら明日の俺の仕事もお前にやってもらうからなぁ!」
ペンギンの態度に気を悪くしたのか、荒々しくその場を後にする上司。ペンギンははぁ、と息を吐き仕事に戻る。
「はぁ…相手をしてもしなくても無駄に疲れるやつだ」
「大した御高説だったね、ペンギン」
「そんなんじゃない。ただ、心が折れたら本当に終わってしまう。例え周りになんの打開策がなくても、自分にだけは負けちゃいけないんだ。それが、生きるって事だろう」
「大した人間力だよね。ペンギンなのに」
「放っておけ」
「…でもさ、そんなペンギンの頑張りはいつかきっと報われるよ。そういうの、誰かが必ず見ているものさ」
パンダの珍しくも迂遠かつ抽象的な言葉に、ペンギンは首を傾げる。
「それはどういう意味だ、パンダ?」
「さぁね〜。さ、ソシャゲソシャゲ!今日こそ宝具レベル5にするんだー!」
「…あのクソパンダ、本当に腹立ちますね。食ってしまいますかペンパイ?」
「頼むからこれ以上仕事を増やさないでくれ。法律で許されていたなら話は別だが」
はぁ、また残業フル徹夜か…いよいよ一週間の大台に達する連続勤務記録に肩を落とすペンギン。
だが…その当たり前のブラックな日々は突如終わりをつげる事になる。
「……ここね」
楽園からの、使者によって。
翌日
上司「た、た、大変だぁ!!」
ペンギン「どうした、お前の頭が大変なのはいつものことだろ」
上司「我が社の株が買収されたぁ!!株を半分買われてしまったんだぁ!」
ペンギン「予想以上の大事だった」
パンダ「あらー、じゃあこの某企画は自然消滅ですねー」
シャチ「喜んで…いいのでしょうか?」
?「勿論よ、ドン底で足掻き続けた者を私達は見捨てない」
上司「だ、誰だ!」
オルガマリー「オルガマリー・アニムスフィア。今日からこの会社の持ち主よ。よろしく」
ペンギン「オルガマリー…どこかで聞いたような?」
オルガマリー「はじめまして、ペンギン。早速だけど人事通達よ。まず上司、あなたはクビ理由は職務怠慢、過度なパワハラよ」
上司「えぇえ!?」
「同じくパンダもクビ。自身の仕事も満足にやらない挙げ句にペンギンに仕事を押し付けた怠惰が理由よ」
パンダ「そんなぁ〜〜!?」
「シャチ、あなたもクビよ。ミスが多すぎるしノルマを全く達成出来ていない。無能な働き者はいなくて結構よ」
シャチ「電撃人事ですぅ〜!?」
ペンギン「…あの、俺は?」
オルガマリー「あなたは転職してもらうわ」
ペンギン「転職?」
オルガマリー「そう。人理保障機関…カルデアにね」
次回
『超絶ゴージャス企業に転職したらどうなるのか?』
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