グール【どういう事だ…!?何故世界規模で通信不通などが起こっている!実行部隊は何をしている!?】
グール【し、真相不明です!ただ、一瞬で消え去ったとしか…!】
グール【そのような事が…!い、いや待て。最後の映像を回せ】
グール【こちらになります!】
【…黄色の、嵐…まさか…ハスター!?】
【ぐ、グレートオールド・ワンのハスター!?】
【馬鹿な、ありえん!あのただ傍観しかしない筈の邪神が何故我等に敵対する!?ありえてはならないことだ!ましてや、人間如きを守るなど…!】
【侵入反応を検知!】
【な、何っ!?】
【ナイア、マイノグーラが割り出した中枢へニャル子と向かい、首謀者を殺害し聖杯を回収しろ。グールは一匹も残すなよ】
「了解しました。お父さんや皆さまは…」
「こっちはこっちで派手に暴れるよ。すぐに追い付くから、ニャル子はナイアと上手くやるんだぞ」
「わっかりましたー!お任せあれです真尋さん!全て終わらせて皆で日常に帰りましょう!では、振り切るぜー!!」
「皆さま、ご無事で!」
ナイアとニャル子を先行させ、中枢へと向かわせる一行。たった一匹も逃す訳にはいかない殲滅作戦、首謀者の殺害、聖杯の喪失防止は急務なのだ。
【では全員、派手に暴れてやるように。侵攻戦は手当たり次第が使えるから楽で大変よろしい】
「ここからは、私達のステージよ!」
頼子、ニャルの掛け声に合わせ一斉に散開しグールの殲滅を開始する。シェルターは外部攻撃には強いが侵入を許せば脆いものだ。墓穴というのはこういった事を言う。闇に生きるものを狩るプロフェッショナルを相手に、勝負になどは持ち込ませない。
「グーア、あなたもクトゥグアならきっとやれる。フォーマルハウトの輝きを信じて…」
『ーーーーーー!!!!』
【【【【【【ぎゃあぁあぁあー!!!】】】】】】
クー子はグーアを焚き付け、本来の力であるクトゥグアの炎を一時的に引き出し居住区を優先的に薙ぎ払い焼き払う。生活コミュニティには非戦闘員のグールが多く滞在する。炎一掃するには最適な環境だ。グーアの火力に、クー子はうなずく。
「悪くない。あなたはきっとその力で皆を助けられる…」
『♪』
「でも、調子に乗ってはならない。大切なのは切磋琢磨。そう、ニャル子の貞節を狙い続ける私のように粘り強く、何度でも、理想の自分を追い求め続けて」
『………………〜…』
それは果たして参考にしていいものなのだろうか。クー子の危なげな炎に若干引き気味のグーアであったが、その火の勢いは苛烈そのもの。瞬く間に、広大なシェルター内を蒸し焼きにしていく。
「僕も負けていられない。この炎を風で煽れば…!」
「あ、あんまり煽りすぎないでくれ…!」
ハス太に抱えられた真尋が逃げ惑うグールをフォークで狙い撃ちしながら対処し、グーアの起こした炎を更に強く煽り勢いを上昇させていく。意志ある竜巻と生きる炎のタッグは、辺りの逃げ場を完全に無くすほどの徹底的な焼き尽くしと烈風による破滅のハーモニーを織りなしていく。
「火災で大炎上殲滅って、仮にも善玉側が取る戦法じゃないような気がするな…」
「相手が相手だからね。容赦したらまたどこかに逃げられちゃうしこれがベストだよ!」
ハス太は意気軒昂に風を巻き起こし、炎を育て充満させていく。その様子を、真尋は先の地上を一掃した風に影響されているものかと推察する。
「凄かったな、あの風。山寺先生みたいに、本来のハスターの力って事なのか」
「うん、きっとそうだよ。山寺先生が親交している相手には、黄衣の王ハスターも存在していた…ってことなんだよ」
地球を一瞬で暴風雨に包みながら、グールだけを殲滅した途方もない規模と殲滅力。それが紛れもない神により巻き起こされたものと把握、理解したハス太は気合を入れ直していた。
「僕も本来の力をいつでも振るえるようにしないと。見ててね真尋くん。僕はやってみせるよ!」
「あ、あぁ。できれば威力だけじゃなくコントロール性も見習ってくれると助かるよ…」
真尋は上空より、ペガサスボウガンめいたスナイプフォークで的確にグールの頭を撃ち抜いていく。今の所は単発だけだが、フォーク捌きに磨きをかければ3連射くらいは出来るようになるだろう。将来有望な邪神ハンター、それが八坂真尋であるのだ。
「相変わらず凄いコントロールだね、真尋君!流石だよ!」
「まぁ、いつまでも足を引っ張る訳にもいかないからな!」
ハス太と協力して、制空圏を制圧する少年コンビ。その奮闘により、グールは数を減らしていく。
【イッツ・ショー・ターイム】
【レディー・ゴー!ブラックホールフィニッシュ!!】
安心と信頼と安定のブラックホールにて、避難区画をまとめて消滅させていくニャル。白兵戦は邪神ハンターの頼子に任せ、ニャルは雑に一帯を掃除していく。かつての友、エボルトの装備は大変便利で愛用しているのだ。
「大変なベルトを使っているのね、先生!そんな規格外の力、一体どこで手に入れたのかしら?」
【友人の形見ですよ。自分が娘に親にしてもらう前…ナイアじゃない娘と会ったりした頃、バディを組んでいた奴がいました。そいつの力です】
惑星を破壊する事を生業とするブラッド族、その一人であるエボルト。ニャルは彼と組んであらゆる宇宙の星々を破壊し尽くした。エボルトが惑星破壊、ニャルが文明破壊の分担たる大厄災コンビの仲は良好だったのだという。
「そんな友人がいたのね…今はもういないのかしら?」
【えぇ。互いに別れて、再会したそれっきりですね。エボルトはもうこの世にいません。私が殺しましたからね】
「え…?」
頼子の目が点となる。それはそうだろう。その声音は親愛と懐古が存分に含まれた振り返り、と言っても良いのだから。そんなテンションでシームレスに殺した、等と言われては困惑するのは当たり前である。
【ナイアが娘となったあと、バッタリ再会したんですよ。それはもう楽しげに話しました。なんと私が家庭を持った。パパだぜパパ。そんな風に会話に花が咲きましてね】
「そこからどうして…?」
【あいつが言ったんですよ。いつか娘ごと星を滅ぼしてみたいよなぁ、って。それを聞いた次の瞬間には背中から刺してましたね。そこで遺伝子と、変身ベルトと、命を貰いました】
例えジョークでも、娘を不当に害するものは存在を許さない。エボルトは、ニャルにとってナイアがどれほど大切になっていたのかを見誤ってしまった。それが最悪のNGワードである事を理解していなかった。
【はぁ…残念だ。本当に残念だよエボルト。あんな下らない冗談言わなけりゃ、今も私達は仲良くなっていた筈だ。モアも家族になった事も素晴らしい報告になっただろうに…】
頼子が感じた、ニャルの反応の恐ろしい部分。それは自分が殺した筈のエボルトを本気で悼み、惜しんでいる部分だ。彼は自身の手で友を殺した事を、まるで他人事のように受け止めている。そして、微塵も後悔していない。
『お前があんな事を、言わなければ良かったのに』
死ぬのは当然だった。だがそれでいて、本気で残念がっている。自分で殺め、落ち度は相手にしかないと信じている。それは娘、家族を害する輩への無慈悲さと苛烈ですらある娘への愛が両立した、混沌を極める彼の親心の発露であることを見抜く。
「あなたにとって、娘さんはそんなにも大切な存在なのね。先生」
【それは勿論。ですが今では娘と同じくらい、大切なものが増えました。だからこそ家族を利用する輩は許さないつもりです】
「ん、それなら結構!お互いかわいいかわいい子供達を守り抜くため、頑張っちゃいましょうか!」
【了解です。我が娘達を、家族をよろしくお願いいたします。ママさん】
「勿論!では、アンリミテッド・フォーク・ワークス!」
中天に浮かぶブラックホール。辺り一帯にバラまかれる無数のフォーク。今日は、今宵はまさにグールカンパニーの終わる日である事を誰もが確信する。
そして、戦闘どころか蹂躙でしかないその大惨事の惨状に、その無慈悲な断罪者たちはそっと歩み寄る…
首謀グール【く、くそっ!まだだ、われわれは一人でもいればグールとして活動し文明を奪える!ここは逃げてしまえば…!】
ニャル子「おっとぉ。逃がす訳ありませんよねぇ?」
ナイア「薄汚いドブネズミの悪足掻きもここまでです、グール」
グール【!!】
ニャル子「フルフォースフォーム!!」
ナイア「タナトスフォーム」
「「変…身!!」」
グールに本当の意味での、深遠なる恐怖が迫りくる…!
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