アンリマユ【まぁいいじゃねぇか、楽できてよ。最悪あいつらが来てたかもしれないしな】
アジーカ【七大魔王】
アンリマユ【そうそう。そうなったらもう特異点どころじゃねぇ。アイツらは誰かを踏み躙るのが当たり前の輩だからな。後始末にリッカも呼ばなきゃならなくなる】
アジーカ【ゾロアスターVSクトゥルフ】
アンリマユ【冗談じゃねぇや。…学生か】
(…お前もさっさと、カルデアに来ないもんかねぇ)
「観てください、真尋さん。夜が明けます。私達の長い戦いの終わりを、祝福してくれているかのように…」
「ニャルさんから聞いたぞ。最後はそんなにカッコいいものじゃなかったって」
かくして、世界中に点在したグール達の会社、グールカンパニーは無事に壊滅。特異点も聖杯を回収した事によりいずれ消滅の運びとなる。完璧な仕事にて、カルデアの名誉は保たれた。任務完了、ミッションコンプリートとなる。
【あとは局地的に潜んだグールの討滅になるわね。個人情報はもう調べておいたわ】
【ありがとう。後は私とハスターが始末していこう。所詮指揮系統を喪った死にぞこない、問題ないはずだ】
【自惚れに聞こえるかもしれんが、例え全盛の組織だろうと問題ないぞい】
「真尋、見ておきなさいね。彼等が邪神ハンターがいつか戦わなくてはならない者達よ」
今回は共同戦線を張ることができたが、本来ならば不倶戴天の関係、間柄であることは変わらない。この幸運が二度続く保証はどこにもない。
「大丈夫だよ、母さん。あの人たちは…少なくとも今日、一緒に戦った皆はきっと敵にはならない」
真尋は信じる。どんな理由があろうと、どんな道理があろうと、彼等が彼らである限りきっと、道を違える事はないと。
「見事でしたナイアさん!邪神の娘というので期待していましたが中々どうして!バディとして申し分ない実力でした!」
「光栄です。皆様のおかげで私は、また守りたいものを護り抜く事ができました」
「グーア。あなたはクトゥグア勢力の希望。その灯を決して絶やさないで。私は応援している」
【〜!】
「あ、あの…あなたが、ハスターですね?」
【おぉ、儂の可能性か。むははは、このように儂が可愛くなるとは。人間の想像力は恐るべきじゃのう】
「皆…俺達と何も変わらない。家族を持って、大切な人がいて、愛する誰かの為に戦う人達なんだから」
真尋は忘れないだろう。邪神は当たり前のように人を翫ぶ存在かもしれない。今回はただ、利害が一致しただけかもしれない。
だがそれでも、彼等は彼等なりに人を愛しているのだ。無関心ならば何も介在しないし誰かを護ることもしない。少なくとも、カルデアにいる邪神達には人を愛する心がある。
「もし邪神ハンターになった時は…誰かを愛することのない邪神だけと戦う事にするよ」
真尋少年は、大きく成長した。それは視野狭窄に陥らない、人と邪神の架け橋となり得る素養が育ったという事でもある。
【フッ、ナイア。手強い商売敵になるかもしれない?】
「頼もしいです。お父さんを討伐する時、XXと真尋さんの手を借ります」
【…えっ?えっ?】
ニャルにジョークとも、真実とも知れない口調で告げ、ナイアは帰投準備を開始する。
「?ナイアさん、何故帰り支度を?」
「特異点は解決したので、カルデアに帰還します。聖杯を持ち帰り、任務は完了です」
「えっ、ちょ、ちょーっと待ったー!」
ニャル子は改めてナイアを引き止める。その決断は間違いでなく正解だ。だが、それでもナイアに待ったをかける。
「特異点とか元凶とかは解決したのですよね?もうちょっとだけいてもいいのでは!?」
「ですが、もう任務は果たされたので…」
「まだ学生になって一日くらいですよ!あと一ヶ月くらいはいいじゃないですか!スピード解決であとは余暇!ね?いいでしょう!?思い出を作りましょうよ!」
「ニャル子…」
真尋からすればそれは意外であった。ざまーみろ、さっさと帰れクソ邪神ファミリーくらいは言うと思っていたのだが、実際の反応は全くの逆だったのだから。
「それほど有能な狩人ならばいずれハス太やクー子のまっさ、い、いえ!学生でいられる時間は極めて短いのです!もうちょっとだけ一緒にエンジョイしましょうよ!」
「ニャル子さん…」
「私の恋路、応援してくださる強者とはまだ離れたくありません!これからもうすこしでも、楽しい時間を過ごしたってよくありませんか!?」
なんか物騒な事言ったなコイツ…そんな真尋の視線をよそに熱弁するニャル子。ナイアは困惑しながらも、その申し出をありがたく思う。
「し、しかし。特異点は修復すれば全て無かった事になります。いつ消え去るかわからない特異点の中で過ごせば、皆様の前からいきなり消えてしまう事になります。そんな不義理を、ゆ…友人の皆様にするわけにはいきません」
「だがしかし!?そこはなんとかなりませんか!?なんかこう、特異点も時の流れも支配したりはできないものでしょうか!?」
「ニャル子、無茶を言うなって…」
「嫌です〜〜!私にとっての最強戦力友人を手放したくないです〜〜!!」
ニャル子はニャル子でナイアの戦闘能力を最大限に評価しているのだ。それで何をするのかはともかく、何が何でも離れたくないとアピールするニャル子。
【そんなにナイアを好きになったのか、ニャル子】
「あなたには勿体ないくらいのよい娘さんですねぇ!」
「【ヘッヘッヘ】」
【そういう事なら、呼び出された序に私達が一肌脱いでやってもいいぜ?】
そう告げるのは、アンリマユとアジ・ダハーカ…アンリとアジーカたる存在だ。彼女らは有していた。聖杯と、捧げられた魔力リソースを。
【十分な魔力と聖杯そのものがあるんだ。コイツを使って…まぁ、一ヶ月くらいは私達が特異点を維持しといてやるよ】
【学生…大志を抱け】
【アジーカちゃん、アンリマユ…いいのかい?】
ニャルからしてみても、それは非常にありがたい申し出だ。グールの生き残りを特異点から逃さず、ナイアや娘達の学園生活を続けることができるのだから。
【いいってことよ。供物は神への捧げもんだ。煮ようが焼こうが使い潰そうが私達の勝手ってな】
【突発的オフ一ヶ月。プラチナ企業】
【こっちとしても、魂はしっかり使っとかないとめんどくさい事になるかもしれないからさ。互いにメリットしかないんじゃあウィンウィンじゃねぇの。グール達の献身に甘えようぜ?ま、絶対にこんなハッピーな結末は望んでなかったろうがな!ヒャハハハハ!】
【アンリマユ…あなた、相当なワルですな。恐ろしい方だ】
【ニャルにだけは言われたくない。訴訟も辞さない】
【言葉に甘えよ、ニャル。娘の幸福は貴様が全て与えられるものばかりでもあるまい】
【そうそう。箱入り娘も程々にね?】
ハスター、マイノグーラにも背中を押されたニャルは、感嘆を隠すように告げる。
【では…お言葉に甘えて。世話になるか、ナイア】
「はい、お言葉に甘えて!」
「よっしゃーーー!!最強の狩人舎弟、ゲットだぜ!!」
「よろしくね、ナイアちゃん!」
「グーアもはぶることは赦されない…」
「皆様、もう少しだけよろしくお願いいたします!」
こうして、一ヶ月ほどの学園生活を満喫できることが決定しはしゃぐメンバー達を見やり、ニャルと頼子は微笑ましげに笑う。
【ということなので…その、我が娘達をよろしくお願いいたします】
「えぇ、こちらこそ。狩人も邪神も共に手を取り合う。旧神もビックリの奇跡ね、先生?」
【物事には揺り戻しがあります。これ程万事うまくいく際の揺り戻しが彼女ら、彼等に降りかかることがないよう…気を付けて見守っていきましょう】
こうして、邪神と邪神めいた星人のコラボ共闘戦線は誰も欠けること無く幕を下ろした。
「では勝利を記念して写真を撮りましょう!ニャル、カメラを持ってください!入らなくて結構ですから!」
【お前だけ編集でカットするが構わんか?】
「この腐れ野郎ー!!」
「いい加減ブーメランを投げるのはやめないか…」
だが…帰還報告は、もうちょっとだけ先となるであろう。光射す世界へ、ナイアは足を踏み入れたばかりなのだから。
翌日
モア「うぅ、緊張します…お友達、百人できますでしょうか…」
ニャル【大丈夫大丈夫。君なら楽勝さ。白髪赤目は人気が出るって相場は決まっているんだ】
モア「は、はいおじさま!よーし、てゆーか一念発起?」
ニャル(最悪モアに月を破壊させて地球ごと始末することも考えていたが…やらなくて良かった)
?「先生!」
ニャル【ん?】
女生徒「本当に…本当にありがとうございました!」
ニャル【…フッ。両親は大切にな】
モア「?あちらの方は?」
ニャル【無辜の民だ。私達が命を懸けて守り抜くべき…な】
モア「??」
ニャル【ほら、遅刻するぞ、モア】
モア「わ、急がなくてはー!」
───邪神は蠢く。当たり前の幸せを護るために。
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