ラマッス仮面「ほ?」
キラナ「自己紹介?」
パパポポ『並ぶ者なき我が名は別に讃えなくていいです』
リッカ「や、ほら!サンタとして、私達はチームだから!皆が召喚された来歴とか経緯が知りたいなぁ、気になるなぁって!」
ラマッス「確かに…互いを知り、己を知れば百戦ノーコンティニューというラマッス」
リッカ「!?」
キラナ「善いご提案です。アフラ・マズダも素晴らしいと言っています。えらい、えらい」
リッカ「ほぁぁあぁあぁあぁあ!!!」
パパポポ『じゃあー、パパポポからー、はずかし自己紹介というかー。若者たちに名乗っちゃう的なー?』
リッカ「あ、はい!是非お願いいたします!」
ラマッス仮面(イケイケな鳩さんです…)
「ちなみにこちらはフォウです」
フォウ「フォウ!!」
リッカ「なんか見る度に巨大になっていくね、フォウ君!」
フォウ「まぁねっ!」
リッカ「キェアァアァアァ!!?」
『私はパパポポ。救世主、そして神と三位一体を表す聖霊である。まぁなんかこう、うまいことして神と精神を束ねているため実質天の父』
「あの、その!なんで召喚できたんでしょうか!?」
『愛しさと愛と希望の為せる技』
初っ端から名乗り出た鳩、とんでもない存在。リッカは仰天したまげるのを止められなかった。世界で最も有力な信仰の一つ、世界唯一の神とされた化身、眷属であり神そのものだというのだから。
「アフラ・マズダの方が凄いもん。いーだ」
『うんうん、それもまた愛。唯一の神であるが故に名前が失伝するのよりは多種多様の方がいい。私はまぁなんやかんやあって、確かめたいことを調べに楽園の召喚因果をいじってさっき召喚された』
(因果をいじるとか凄いことやってる…流石あの御方…)
『それは、楽園の時空における神の無慈悲と蒙昧。神のもたらさせし厄災の真偽を知りに降り立った』
偉大なる聖霊、パパポポは示す。この世界における神は、あまりにも歪であると。それを知る為に、彼は聖霊として格を落とし来訪したのだと。
『ルシファーの堕天、リリスの出奔、バアルの尊厳破壊、カインの殺人、イブの乱心。思い出すだけでこれだけある我が身のやらかしだが…これは、神たる父が神であるならば起こり得ない事象である』
「大いなるアフラ・マズダはおっしゃいました。神は、不完全であると」
『それは勿論そうだ。だが、これらは人という存在に纏わる事ばかりだ。自由を堕天と、平等を男尊と、無垢を原罪と。これらは全て、人を不完全に貶めたもの。端的に、愛する子への仕打ちではない』
パパポポは頷く。聖霊として、三位一体として、それは決して見過ごせるものではないと。
『我が息子が磔にされ、人の罪は赦された筈だった。それらの使徒は息子の教えを伝えんと奔走している。しかし今もなお、人は苦しみの中にいる。私はそれを案じ、確信した。この世界の神は、無慈悲であると』
「おぉ…本当に聖書にいる神様みたいな優しさを感じる…!」
『私は知らねばならない。神の不備を、神の無慈悲の意味を。それを知るため、私は聖霊を起動させ鳩となった。可能な限りの贖罪を果たさんがために。サンタクロースもそれと同じ。ルシファー、バアルへの詫びを果たす。クルッポ』
「その願い、ワタシもお力添えに異論はありません。王、ギルガメッシュもまたその疑問の果てに興味があるとおっしゃいました。共に参りましょう、パパポポさん」
『マジ感謝。皆は私が護るッポ』
聖霊、パパポポは頷きキラナの頭に止まる。次は君だと、静かに促すようだった。
「私、キラナ・シャーンティ。アジーカと、セーヴァーのお友達」
「オガワハイムの節は大変にお世話になりましたっ!」
「んーん。私は光輪を預かる身。そして遍く善を伝える者。だけど、アフラ・マズダ…偉大なる我が神は告げられた」
『己が幸せを、善しとせよ』。それはアフラ・マズダ自身がキラナに告げた神託。あなたが誰もを幸せにするならば、まずはあなたが自分を幸せにしてあげなさい。堅苦しいながらも、そこには溢れんばかりの暖かい感情があった。
「その命に従い、私は自分を善しとしました。私は、大切な人が幸せならば私も幸せになれる。だから…」
そこには、アジーカとアンリマユを模した人形が造られていた。それはキラナが用意した、二人へのクリスマスプレゼント。
「これを、あなたに最後に渡しに来たのです。クリスマスとは誰もが相手に善きことをしてあげる日。私は私のために、あなたや皆を幸せにしたいの」
「ほあっ────」
「おっと、リッカちゃんもフォウのようにシュワァするタイプでした」
優しく抱きとめるエアの中で安らかに息絶えるリッカ。彼女は、ただ願っていたのだ。
「セーヴァーはとても苦しんだから。アジーカはその魂が悪を望んでいないから。リッカ、あなたといっしょにうんと幸せになってほしいの」
光そのものと崇められながら、人として生きることなど赦されなかった光の化身。だがその眩き生に、安らぎの闇をもたらしたかけがえのない人。その眷属。
「それなら、皆幸せにしたほうがいいよねって思ったの。人も悪魔も魔王も、幸せになっちゃだめなんて決まりはないんだから。ううん、幸せに、する!」
「キラナちゃん!」
「リッカも、幸せに、なれー!えーい!」
「ほわぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!」
ぐにぐにと人形をむにりされながら昇華されていくリッカ。無理もない。無垢、イノセント、純真。それらが形を成し善の決意を核に動く少女。それがキラナ・シャーンティ。生まれながらの神格、生まれながらの神の化身なのだ。それは、サーヴァントになろうと変わらない。
「素晴らしいラマッス…。その善性は、決して忘れてはならないものラマッス。実現された綺麗事以上の理想はありえないのですから」
「だからみんなで、サンタで幸せにしようね。セーヴァーの、悪いお友達も」
「誠心誠意、頑張らせていただきラマッス。ではリッカちゃん…」
「ほわぁあ…」
「は休んでいるのでワタシが。ワタシはラマッス仮面。ウルク公認御当地ヒーローラマッス。尊敬する御当地ヒーローはエミヤ先輩ラマッス」
深々と礼を告げ頭を下げるラマッス仮面。ちなみに認可したのは賢王である。またシュメールの粘土板に考古学者卒倒ものの種類が増えた。
「ワタシはこの世界に沢山のものを貰いました。沢山のものを観て、色彩を貰いました。ワタシの事を素晴らしいと思ってくださるのは、それは皆様が素晴らしいからです」
『よくぞそこに至ってくれた。宇宙の真理への架け橋たる魂』
「アフラ・マズダが仰っています。至尊と真化は極めて近しい理であると」
「ありがとうございます。ワタシはそんな世界に恩返しがしたい。貰うばかりでなく、確かに受け取ったものが根付いていると示したい。だから今、この仮面をつけ違う名前を名乗っております」
それはエアの変わらぬ意志だ。彼女の敬意は王と同じように、遍く世界の全てに向けられようとしている。
「ワタシがそうしてもらったように、ワタシもまた誰かに何かをしてあげたい。たとえそれが恐ろしい地獄でも、魔王が鎮座する場所でも。やらない、できないなどと考えるつもりはありません。やるのです。やってみせるのです!」
ふんす、と語尾すら忘れ熱弁するエア。彼女にとってこれは成長の儀。成すべき事であるのだ。鳩とキラナの拍手を受け、ラマッス仮面は照れながら引っ込む。
「さ、最後はリッカちゃんラマッスが…」
「………………」
「リッカちゃん?」
『すまないが、彼女を起こさないでくれ。死ぬほど召されてる』
「耐えきれなかった?これが、昇華?」
「わ…」
「「『わ?』」」
「私の…私の名前は…藤丸リッカ。藤丸リッカです…」
余すことなく昇華の憂き目にあったリッカが、最後にひねり出した精一杯の自己紹介。自分の名前を、懸命に放り出し静かに目を閉じる。
「一緒にお供できて…大変、光栄でございました…」
『何もしないで死んでしまうとはやるせない』
「生き返れ生き返れー。生き返れー」
「フォウ、プレシャスパワーの注入を開始するラマッス」
(任せておくれよ!)
こうして、懸命な蘇生活動にリッカは無事息を吹き返す。
それと同時に ラマッス仮面達は到達する。
【ここを通る者、一切の希望を捨てよ】
とだけ書かれた地獄の入り口。そして───
【来賓用コキュートス直通エレベーター】
直接工事施工されたであろう、最下層に行けるエレベーターの前へと…
リッカ「あっ!靴下飾ってる!」
パパポポ『楽しげにやっているんだな…フォウ君、イクゾー』
フォウ「フォウ!」
キラナ「すすめー!」
リッカ「おじゃましまーす!!」
ラマッス仮面「真正面からつっきってプレゼント譲渡。真正面からつっきってプレゼント譲渡」
真正面敢行のラマッス仮面達。そして皆は見る。
リッカ「わぁ!」
ラマッス仮面「おぉ…」
──百万ドルの夜景よりもライトアップされた、地獄のクリスマス風景。その煌めく全景を…。
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