リッカ「!」
ラマッス仮面「あなたは?ちなみに私はラマッス仮面ラマッス」
アカ・マナフ【アカ・マナフ。ウォフ・マナフと対立する七大魔王が一人。そこの女の子、アフラ・マズダの使徒でしょ。そっちは、現代における我等が主の写し身】
キラナ「いかにも!」
リッカ「確かにアンリ…セーヴァーとは仲良くさせていただいています!」
アカ・マナフ【聞いてる。プレゼントあるんでしょ?付いてきて】
パパポポ『ダウナーお姉さんか。隅に置けないアンリ君』
ラマッス仮面「キラナちゃん、虎穴にインして虎を保護するラマッス」
キラナ「うん!」
リッカ「むむ、真意は一体?」
『うぇーい、うぇーい』
キラナたちは大都会、悪の摩天楼に連れられ洗礼を受けていた。そこは悪の集合無意識領域とでも言うべき場所で、人間の心に満ちる悪性が多いほど規模と発展を増す土地だという。そんな土地に、七大魔王が一人アカ・マナフに招かれたキラナ達が何をしているのかといえば、答えは着飾ったキラナを見ればご存知、メイクアップであった。一同もまた、超高級衣装を着立てられた歓待を存分に享受する。
「夏草を思い出すラマッス。あそこはウルクと同じくらい素晴らしい場所ラマッス」
「ありがとうございますラマッス仮面!!」
【珍しい善の都市、だもんね。まぁこっちも歓迎を頑張るから見てなさいって。さぁキラナ。そのクソダサ星サングラス取りなさい】
『うぇーい』
『やだ…私、一張羅なの…』
【服着るの…鳩の癖に?】
長身赤髪、タバコを嗜む赤髪の美女アカ・マナフに連れられ、キラナとリッカは特に重点的なスポット歓楽に連れられていた。当然、敵対などはあるはずもなく。単なる観光と言って差し支えない。ゲーセン、バッティングセンター、喫茶店、カラオケ、当たり前の人間の娯楽施行。
【ごめんね。他の七大魔王はザッハークの行方を追ってる。アイツはアンリマユ様やアジ・ダハーカの命に背いたイレギュラー。必ず決着はつけるから】
『一枚岩では無いのだな。地獄の皆のように』
【アンリマユ様とアジ・ダハーカのファンクラブみたいなものだから、私達。横の繋がりはまぁ、別に。今回も、私が一番話が分かるって幹事に選ばれたって話だもの】
『掟破りのアフラ・マズダ走り!』
「善神様のサポートがとても手厚ぅい!五位でサンダーは無法スギィ!!」
「むふふ、このラマッス仮面は解ってしまったラマッスよ。この歓待の意味が。その真価が」
【聡明なんだ。流石御機嫌王の…】
「あわわわ、オフレコ!オフレコでお願いいたしラマッス!」
はしゃぐキラナと付添のリッカ。二人には笑顔が満ちており、まだできない意志で動くエーテルポルシェでハイウェイ爆走や自在に空を飛び観光する、といった世界を独占するかのような歓迎を享受し続けている。まるで、この都市の全てが彼女達に用意されたかのようだ。ラマッス仮面、パパポポらは保護者のようにそれを見守り見つめている。アカ・マナフと同じように。
【悪、ってのは当たり前だけど倒される側。逆説的に善の正しさを証明する立場。だから基本、私達は報われないもの。それを覚悟しているからこそ、私達は笑い、美しくあれる】
「ですが陰陽図のように、二つは欠かせぬもの。悪だって不可欠な要素ラマッス」
【ちょっと前までは、私達はそれを綺麗事と辟易してた。所詮、勝者の側の傲り高ぶり。上から目線の憐れみだと】
『ひゃー!あはははは!』
「ウェーーーイ!!」
『彼女らが、その宿命を乗り越えた。アンリマユ陣営はそう捉えたのだな』
【誰、このイケボ鳩】
『パパポポッポ。ポー』
【…そういう事。始まりは無理やりだっただろうし、世界を滅ぼす可能性のが高かったけれど、藤丸リッカは私達に勝利の美酒を味わわせてくれた】
ビーストIFから、人類愛へ。人類最後のマスターとして、アンリマユは彼女に力を貸しアジ・ダハーカと悪を勝利と善に導いた。まさに摂理への勝利であり、決められた運命への勝利。アンリマユ陣営は、歓喜に湧き立ったという。
【あんたのいう、尊重の理だっけ?それは彼女やキラナを纏めて受け入れた事で私達はそれを信じようと思った。あんたたちは私を、長い歴史の中で勝利の側に立たせてくれた。それが、意外なくらい嬉しかったみたいなんだよね、私達】
「アカ・マナフさん…」
【アンリマユ様からも共有されたんだけどさ。悪くないね、誰かに感謝されるのって】
タバコをふかし、微かに笑うアカ・マナフ。彼女もまた、ウォフ・マナフとは対になる魔王。
【アジ・ダハーカ・ウォフ・マナフとか…そこはアカ・マナフじゃないんかいっ!って思ったのは私、悪くないよね?】
『側面の極振りは歪みを産む。最終的にニュートラルな考えが一番良かったりするのだよね。皆殺しするしかなくなる場面も出てきたりするけど』
「悪を名乗り、使命に殉じ、それを誇りと思う皆様にもたらされた勝利の美酒。その味を、どうして否定できましょうか。カルデアの皆様を代表させていただき、御礼を申し上げます」
【姫さんちゃん…】
「その在り方に敬服を。ワタシ達へのご厚意に深い感謝を。アンリマユさん以下、皆様に心から感謝を申し上げます。アジーカちゃんとセーヴァーさん、並びにリッカちゃんがいなければ…平和と未来は決して勝ち取れませんでした」
『独善と邪悪もまた、善悪たる起源概念が歪んだものだ。悪とは発展や向上心、進歩である。その汚名を誇りとした君達を、心から敬愛させてほしい』
【……クリスマスプレゼントなんて考えつかなかったんだけどさ。なんかこう…いいね。本当。誰かに…ありがとうとか言われるの】
『次はアフラ・マズダランドを建国だー!』
「これアフラ・マズダ様に怒られないかな?大丈夫かな?」
【手前勝手で悪いけどさ…。やっぱ今、いい時代だよ。私達にもちゃんと光が当たる世界って、私は…いいなって思う】
プレゼント、ありがとう。そう告げたアカ・マナフの顔は、切れ長で怜悧な印象の美人の柔和な表情という絶好な一時で彩られた。
…そして、一通り楽しみ終えた頃、キラナやリッカが遊び疲れ帰還する。
『はー、遊んだ遊んだ!面白かったー!』
「サンタが歓待される世界…ゾロアスターって、すごい!」
【それは何より。じゃ、帰ったらアンリマユ様とアジーカに言っといて。あんまり主を置いてフラフラするなって】
『あ、待って!魔王の皆に、プレゼント…』
キラナは遊びながらも使命を忘れてはいない。魔王たちの為に用意したプレゼントを、アカ・マナフに渡そうとするが、彼女は笑いながら言った。もうプレゼントは貰ったと。
【アフラ・マズダとアンリマユの末裔達が仲良くしてる場所を見せてくれた。私達には、それで十分。これ以上貰ったら、悪であることがしんどくなっちゃうでしょうが】
『でも…』
【いいんだって。元気そうな顔を見れただだけで十分だからさ。アフラ・マズダの堅物や、ウォフ・マナフの自由人にもよろしく、言っといてくれる?】
そう、彼女は既にアンリマユから連絡を受けていた。アンリマユは七大魔王をバカどもと言いながらも、しっかりと手駒として活用している。
【いい感じに、キラナとリッカを悪い子にしてくれや】と、アカ・マナフなりそれを遂行し、一日彼女とリッカに遊び倒させる堕落の園を創り上げたのだから。悪い子になったかどうかは…各々次第と言うところであるが。
【じゃーね。アンリマユはともかく、アジーカはアジ・ダハーカの魂そのもの。いくらでも教育できるから、グレさせないように頼んだよ】
「あ、あの!アカ・マナフさん!ありがとうございました!」
【?】
「私に…『世界を救わせてくれて』!本当に、本当にありがとうございました!!」
【〜ちょっと違うね。私達は、アンリマユ様は声に応えて、力を貸していただけ。世界の行く末なんか興味なかった。だから私達が世界を救えたとするなら。救ったとするなら、それは『あんたの心』がそう願ったからだよ】
神はあくまで力添えをするのみ。世界を救う価値を見出したなら、世界を救いたいと願ったのなら。それは貴方の心なのだと。
【これからも頑張れ、藤丸リッカ。あんたが悪を愛する限り、キラナが善を信じる限り…私達はあんたらと一緒だよ】
それが、七大魔王達の真意。
──彼女たちは素晴らしいプレゼントを、もう受け取っていたのだ。人間が、善悪を受け入れた瞬間から、ずっと。
キラナ『アカ・マナフ…皆…』
パパポポ『こうして異教に触れるのも楽しい。信仰とはこうあるべきだ。ポー』
リッカ「これからも、アンリやアジーカの力は正しいことに振るいます。光が産む闇を、皆の安らぎの帳にする為に」
ラマッス仮面「見ていますか、ゲーティア。皆。哀しい歴史は、新しい時代を迎えようとしていますよ」
パパポポ『ふふ、じゃあこのエモい雰囲気に乗って君達を招待しよう』
「『「招待?」』」
パパポポ『天の御座、早い話天国に』
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